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給水革命

不定期連載 陸道をゆく 話数知らず
05/11/04~
第一回 浜名湖ブルワリー杯争奪 浜北勝手マラソン
グルメ街道を行く 浜名湖ブルワリー(地ビール)、天神蔵(地ビール、地酒)
【給水革命】

11/04(金)
庵庵…鴨居〜新横浜〜浜松…上島駅…浜名湖ブルワリー
…花の舞酒造…宮口〜都筑・メイ・ポップ…浜名湖周遊自転車道
…県道310号…リステル浜名湖

11/05(土)
リステル…R301…知波田駅…鷲津駅…R1…弁天島駅〜浜松
…マイン・シュロス…光輪湯(未遂)…R152…天神蔵…浜松
〜新横浜〜鴨居…庵庵

…:歩き/走り、〜:電車/列車

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
創立記念日休暇をどう駆使するか悩みながらも、浜松の地ビール2箇所再制覇を夢見、宿の予約を決めた。ビールは好きなだけ飲みたい。車は無理だ。こだまオンリーなれども格安なチケットが入手でき、交通の不便な箇所は2本足で走ってしまうことに決定した。地ビールレストランでは存分飲みたいので、其れには覚悟なり消耗が必要だ。当初は遠州鉄道に一部乗車することを考えていたが、体調さえ良ければ先ずは浜名湖ブルワリーまで走ってしまおうと思う。其の後、花の舞酒造で第2回目の給水、天浜線乗車で都筑か三ヶ日辺りからまた宿まで走れば気持ちよく温泉が迎えてくれることであろう。何時もながら台本通り壮絶な黄金プランが温まりつつあった。
ぷらっとこだまは特急券+乗車券+ドリンク1本の構成だが、法的には「旅行パッケージ」の扱いとなるらしい。パッケージだろうが安ければ良い。同じ区間を通常料金で乗るのも馬鹿らしい値段だ。今回は奮発してグリーン車に踏ん反り返って見るか。我ながら、黄金プランのパズルが次第に完成していくのにほくそ笑まずにはいられなかった。
好天である。先ず、新横浜駅からの正しい旅を始めるには、シウマイ弁当を買わねばならない。新横浜待合室のシウマイ売り場にはしっかり「ドリンク券取り扱い店」のステッカーが貼られていた。クーポンには350mlのビールとある。商品棚には、ヱビスが目に付いた。むむ、ヱビスも悪くない。然し、アントニオは目敏かった。其の隣にひっそりと佇むモルツ・スーパープレミアム缶。是も350ml缶だよな、と心に言い聞かせながら、シウマイ弁当と共に差し出す。店員も手馴れたもので、特にお咎めない。難なくスーパープレミアム缶を入手した。是が史上最もお買い得なクーポンの利用方法ではなかろうか。幸先は良い。列車到着時刻より随分早くホームに着いてしまったので、仕方が無く、ホームの待合室で平らげ始める。連休中日で行楽客も多いがビジネスマンも少なくはない。そんな中、ビーラーは朝の7時台からプレミアムタイムを満喫していた。こだまよ、何時でもかかって来なさい。弁当を食べてプレミアムタイムを終え、未だ少々時間に余裕があるのでホームの売店を歩き回る。先程の階下の売店以外にプレミアムを売っている場所が果たしてあるのか確認したが、不発に終わる。復路のクーポン行使だが、明日も地ビールレストランに寄った後にこだま乗車となれば、乗車直後にビールタイムは不要だろうから、新横浜まで温存して下車後に先程の店に寄れば良い。黄金プランに一滴の抜かりもない。
こだま563号は、そのグリーン車に数名のブルジョワ客と大量の空気を載せ、西へ向かう。小田原駅付近に、箱根ビール蔵の看板が誘う。後々マイン・シュロスで手にした地ビール蔵マップにも掲載されていたのだが、近いうちに襲撃が必要だ。各駅に止まってはのぞみに抜かれ、抜かれ、抜かれた。それでも浜松まで東海道線の各駅停車とは2時間半程度の所要時間の開きがある。各駅停車1本に対し、新幹線は4,5本の割合で走り抜けていくダイヤ構成である。
浜松に立った。先ずは郵便局へ向かおう。一昨日前にあの通知がやって来たのである。来年も走らねばならない。4時間の壁を打ち破るために。そして、中々集金が捗っていないらしいパキスタン地震に義捐金を振り込む。是で準備万端だ。
11月とは言え、半袖Tシャツでも汗ばむ陽気だった。暫くは遠州鉄道高架線の下を進む。数駅で線路は地上に降り立ったが、高架区間延長工事が酣であった。確かに高架化した程度で集客力が上がるとは言えまい。然しながら、高速運転が可能になったり、事故の可能性が減るのは代え難いものなのだろう。
上島駅でトイレ休憩を取る。この駅以北は単線のようである。江ノ電同様昼間は2両編成で12分置きに電車は走っている。車両が全体的に赤いのは、名鉄譲りの為せる業か。
気温も徐々に上がり、一応鴨居の水を仕込んだPETボトルで給水はしながら走っているものの、脱水症状、厳密には脱麦症状となってペースも落ちつつあった。浜北駅付近で少々走り飽きたものの、遠州小林を過ぎて給水所への当初の到着予定時刻に間に合いそうもないことに気付き、再びペースを上げた。芝本の駅が見え、ゴールは近いと弛緩した。危うく給水場への誘導看板を見過ごす寸前だったが、7年前の麦感覚が鮮明に蘇った。ゴールは近い。あのレンガ造りの建物か。。。
本館脇の、古の土産売り場と思しき建物が使われなくなったようで、地ビールバブル崩壊が此処にも余波を及ぼしていた。恐る恐る入館すると、既に1組、給水の席に就いていた。一番乗りではなかったか。。。うむ。何とか金賞を受賞したと言うヘヴンズ・ドアの銘柄だが、この旨味に溺れるために必要な体力消耗をしてきたことを誇りに思う。自分の表現の未熟さに暫し悩まされるこのテイスト。天上の扉は開いた。脳裏で松田聖子の「夏の扉」がリフレインし始めた。ビールを飲んでいる場合なのか。♪夏は扉を開け〜て〜(以下、省略)♪メニューの添え書きに拠れば、ビール酵母は肝臓の細胞再生、余分な栄養素を含まないことによるダイエット、ビタミンで疲労回復など、百薬の長であることを謳い捲くっていた。肝臓の細胞再生?肝臓をビールで鍛えることによるものか。ならば鍛えよう。もう1杯だ。このヘヴンズ・ドアが荒川の給水所にあると、忽ち4時間の壁を破れるかも知れない。ビール酵母を配合すれば、アントニオ・エンジンはフルスロットルで爆発することだろう。
やがて天上の扉を閉じ、第2給水ポイントへ向かう。長閑な遠州路田園風景が眼前に広がっていた。ブルワリーから15分程度の道程だったが、界隈には酒蔵らしい言わば蔵屋敷が並んでいた。直売所と思しき建物の暖簾を潜ると幾つかの銘柄が冷蔵庫に熟していた。試飲や工場見学はと尋ねると、要予約との返事だった。確かにアントニオも給水仕立てで第2給水欲は奮い立っていない。冬季限定のしぼり立ての4号瓶を土産に、酒蔵を出る。
今日は何処まで走ろうか。あと宿までは20km超は離れているだろう。4号瓶を背負って走るのも億劫だ。宮口駅のホームに滑り込んで1人佇み列車を待つ。天竜浜名湖鉄道の各駅舎には夫々食堂等の店舗が入り込んでいるいるのだろうか。宮口駅も然り。やがて単行で、平日の昼下がりのこの地方には冗長と思しき20m級の車両がホームに滑り込んで来た。この長さは無駄ではないかと思ったのも束の間、次のフルーツパーク駅にて大量に幼稚園児が雪崩れ込んで車両を埋め尽くした。レールバスなら地獄だったろう。遠足なのだろうか。迷惑なのでバスに乗って貰いたいところなのだが。次の駅以降で大人が乗車しても席も譲りもしない。先生も何も指導しない。其の甘えが将来キレる少年を生み出しはしないのか。自我を振り返ると我慢し詰めの幼少期を送っていたような記憶しか蘇らない。我慢させ過ぎは夢をも潰えさせてしまうこともあろう。節度って難しい。気賀駅前に幼稚園があり、どうやら此処のと思しき園児達が全て下車した。将来は他人を思いやれる人に育ってくれることを願って止まない。
さて、都筑で下車してまた散歩でもしようか。ガイドブックによればJA三ヶ日では土産売り場に明日の朝食の食材探しも可能な模様だが、運賃を50円節約するために1つ手前で下車した。おお、焼き立てパン屋が駅の中にあるではないか。明日の朝はパンにしようと眺めていると、口から生まれたと思しきおばちゃん連中5人組も何時の間にか下車してアントニオを追って来た模様である。かくしてメイ・ポップの集客に貢献したアントニオは、生クリーム入り食パンを購入し、国道へ向かった。
明日の朝食分は確保出来たのでJA三ヶ日に態々寄る必要もないか。ふと猪鼻湖岸側を見遣ると、周遊自転車道の入り口が見えた。当初の予定は三ヶ日など、猪鼻湖西岸沿いを歩く予定だったが、自転車道は東岸沿いを辿っていた。距離に大差は無さそうだ。車道より自転車道が気楽だ。湖岸や東急リゾート住宅地街を小走りしながら南下して行く。猪鼻湖の漣。猪鼻湖なんて語感や漢字に少々品位の下落を感じるのは気のせいであって、この漣はアントニオを美しい故郷へただただ誘っていたのである。夕暮れ前の煌く湖面に心身共に洗われた。
予定時刻の15時を少々超過して、リステル浜名湖に到着。ベッドと和室が繋がった部屋である。早速温泉に突入する。ホテルロビーが4F。部屋が3F。温泉は1Fという造りである。サウナはあるが、今日は既に多量の汗を流したためお役御免で、体を洗っては早速露天に浸かった。目の前が猪鼻湖である。標高的に湖面には程近い。湯温もやや温めで長湯向きだ。態々此処で日常の疲労を癒すため、直前にもショック的に激しい運動を画策したのも奏功し、静寂な湖岸の湯に心身ともにリフレッシュすることができた。部屋に戻って奇行文下書き、読書、転寝をしているうちに18時になった。
4Fロビー脇の食堂は、既にバイキング前半戦のゴングが打ち鳴らされており、老々男女が犇いていた。然し、料理を一つ一つ口にするや、彼等の犇き振りに合点が行った。
三ヶ日牛ステーキ、各種刺身、松茸土瓶蒸し、松茸ご飯、鰻蒲焼、鰻白焼き、鰻柳川、ズワイガニ、、、
バイキング海原は戦場だった。パッケージツアー客と思しき中高年が食べ物を惜しんでは幅を利かせ、目も当てられない状態だった。特に鰻蒲焼笊は、彼等の後に焼け野原のみが残った。消えた蒲焼。熱い鼻息と、恐々とした空気の中で。
アントニオが外食夕飯の食卓で、ビールさえ口にしなかったことが嘗てあっただろうか。今宵初めて、ビールを飲んではバイキンググランドスラムは不可能と痛感した。ズワイガニ殻剥き時間が満腹中枢の臨界点接近を許してしまう。小食な女性ならこのズワイ一杯でご馳走様状態になってしまうだろう。最も、そんな可憐な女性は残念ながら微塵も見つけることは出来なかったが。
ブロック型カスタードプリンがプッチンプリンを思い出させる味だったのがいただけなかったが、概してホテルのバイキングの美味を堪能させられた。阿蘇プリより上ではなかろうか。
食後に風呂ビールを堪能した。満腹中枢は穏やかに減退して行った。浜名湖の更に内海の湖面の揺らぎに、月光が揺らめく。ベッドのクッションの柔らかさにあまり馴染めないアントニオは、和室側で横になっていた。



陽光降り注ぐ湖面に日本の朝を満喫、爽快な朝風呂後食パンを掻っ込み、8時台にひんやりとした空気の中、ホテルを発つ。今日は何処まで歩こうか。走ろうか。天浜線豊橋側最寄の知波田駅迄は歩道がなかったり狭かったり、交通量も多く少々閉口ものであったが、その後は適度な歩道の広さにスピードも上がり、JRの鷲津駅へと辿り着いた。未だ未だ余力があった。此処で東海道線に乗っても未だ地ビールレストランが開店していないだろう。新居町の旧宿場町並みを越え、此処まで辿り着いたのならば浜名湖を2本足で渡りたくなり、西浜名橋を目指す。投網する者、釣り糸を垂れる者もちらほらと。海胆と思しき殻や魚の死骸も転がっている。湖を渡ってすぐに弁天島温泉街だ。残念ながら昼前から営業している店も殆どない模様で、駅を見遣るとホームに各駅停車が滑り込んで来たため、是を逃すと20分は待ちぼうけなので急いで切符を買って乗車した。
浜松駅で下車し、観光案内所で近隣のスーパー銭湯の存在を伺うと、徒歩圏内には存在しないようであった。バス代などを考慮すると弁天島に戻るに匹敵するコストが見込まれたため廃案となった。電話ボックスで電話帳検索でもしてみるか。駅構内を歩いていると、花の舞原酒の量り売り場が目に付く。ただ、その場で引っ掛ける雰囲気にないためパスをする。地下街に入って漸く公衆電話を発見し、電話帳とガイドブックの住所表記を照らし合わせながら近隣の先頭を模索。光輪湯が最寄のようだ。彼是時間が経過して地ビールレストランの開店時刻を過ぎたのでマイン・シュロスへ赴いた。確かに食べることを目的としていなかったため一番安いランチを選択してしまったのが敗因の1つだろうが、ドイツのビアホールで烏賊の丸焼きを食べる必要もなかったか。ビールは申し分なかったのだが、特に季節限定ビールなどの選択肢もなく、マイン・シュロスには7年前と比較しても目新しい芸当を見出すことができずに残念であった。
地ビールレストランを後にし、光輪湯を目指す。10分程界隈を彷徨ったが、此方も昼間の営業に与ることは出来なかった。割安切符のためこだまの便変更が効かず、スゴスゴと浜松駅周囲を逍遥しているうちに、好天が給水指数を上昇させつつあったため、一念発起して本日の第2給水所開拓へ企み、東へ歩を向けた。駅から20分程度の道程か。天神酒造は街中に蔵構えを調和させて佇んでいた。酒造見学は遠慮し、酒売り場脇の食堂に席を求める。酒も地ビールも醸造しており、酒豪が喜ぶメニューが並ぶ。ランチタイムのグラスビールが210円だ。確かに大豆ペプチド液と比較してしまうと未だ価格差はあるが、生粋のビール酵母の安さに貴方は間違いなく平伏すであろう。酒もまずまずの濃厚さを保ち、アントニオの給水欲を如何なく満足させてくれた。次回は此方に直行したい。和食メニューも悪くなさそうだ。
さて、帰路のチケット付属の1杯を何処で消費するか。浜松駅内には懐かしの富士山は存在したものの、モルツプレミアムは果たして見つけることが出来なかった。迷っているうちにこだまはやって来た。乗車しては新横浜の売店にまた寄ることを最終議決とし、読書、下書き、転寝で満足な2時間弱の踏ん反り返り奇行はフィナーレを迎えつつあった。新横浜駅に到着するや売店に駆け込んでは饅頭とプレミアムを入手し、未だ日の高い夕方の6番線ホームに、何時ものかったるい電車を待つだけだった。
(完)

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

付録:
山旅アドバイス
・浜名湖ブルワリーは遠州芝本駅から徒歩7分程度。
少々お得な3種ティスティングメニューもあり。
・天竜浜名湖鉄道の各駅舎屋には食堂などが営業している模様。
都筑駅には焼き立てパン屋。
・リステル浜名湖の露天風呂は目の前に猪鼻湖。
・R301の猪鼻湖岸沿いは歩道が狭い箇所も多く、
歩き・走りには要注意。
・弁天島の温泉は午前中は開いてない所が多い。
・マイン・シュロスはドイツのビアホール相当のお摘みは豊富。
・天神蔵は浜松駅から徒歩20分程度。昼はグラスビールあり。
お摘みは当然日本の居酒屋系。