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社旅再訪

不定期連載 陸道をゆく 話数知らず
06/01/22~
第一回 伊豆高原ビール杯争奪 伊東勝手マラソン

グルメ街道を行く 伊豆高原ビール(地ビール、海の幸)
【社旅再訪】

1/22(日)
庵庵…西谷駅〜二俣川〜海老名〜小田原〜宇佐美駅…R135…サンハトヤ前
…伊東マリンタウン前…05/9/10某社旅行で清掃したビーチ前
…川口公園(伊東めちゃくちゃ市)…伊東高校前…伊豆高原ビール本店
…グランパル入口…県道111号(遠笠山富戸線)…さくらの里公園
…シャボテン公園通り…大室山リフト乗り場…酒屋…ぶどうの実西館
…スカイリゾート伊豆高原…伊豆高原ビール本店…スカイリゾート

1/23(月)
スカイリゾート…R135…スカイライン入口手前の小道…亀石入口
…県道19号(伊東大仁線)…宇佐美地ビール農園…亀石入口…宇佐美駅
〜熱海〜小田原〜海老名〜二俣川〜西谷駅…庵庵

…:歩き/走り、〜:電車

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
豪雪である。
土曜日は未明から激しい雪に見舞われていた。気象変動に弱い横浜線電車が珍しく遅延なく動いていたのが奇跡に思われたこの土曜日、悲しいことに数月置きの部門会議日で出社せざるを得なかった。止むを得ず、登山用ブーツを履く。履くのは昨年夏の塩見岳登山以来だ。ネパールダンスを始めたとは言え、山へは御無沙汰が続いている。雪だろうがそろそろ登らなければ感覚が麻痺してしまう。雪の通勤もゴアテックスブーツでは全く苦にならなかった。会議は案の定、夕方早めに切り上げとなった。帰途に赴くも降り頻る雪。よりによってこの日の翌日に旅に出るとは自殺行為に等しいか。大雪の不安の中、119系統のバスは元気に走っている。あの、鴨居峠の傾斜はクリアできているということか。行き着けの居酒屋も雪の中、何時ものように酩酊者の避難小屋として営業していたため、此処にも登山ブーツで赴く。明日、西谷駅へ辿り着くのが最難関のように思いながらも、久々に始発より大分遅い電車を選択肢として計画し、夜明けを待つべく床に就いた。
止んではいるが、予想通りの積雪である。足首周囲の防御が甘いジョギングシューズを諦め、雪中行脚では床下浸水を免れないだろうがハイカットのバスケットシューズを履き、庵庵を発つ。
何時もの裏道はエネルギーロスを考えてパスし、119系統のバス通りを昇る。歩道は積雪も多いが車道は何とか滑らずに済みそうだ。介護施設の脇を越えた下り坂で危うく滑りかけ、この様子では少しの傾斜すら気を抜けない。割と平坦なバス通りに沿う遠回りルートを却下し、意を決して笹山のスーパー目指して昇って行った。此方の方が道の傾斜度で言えば危険度は高いが、距離的には短く、下りルートの選択肢が複数あるためその何れかに賭けられるのでは、と高を括っていた。やがて訪れたのは、西谷駅寸前の急斜面である。西谷駅真上を通過する新幹線を見下ろせる庵称西谷高原である。一番斜度がきついが距離の短い歩行者ルートを、恐る恐るフェンスに捕まりながら数歩下ると摩擦係数は0に急接近し、命が惜しくなった。2番目の選択肢の階段の存在が幸いし、少々の回り道で何とか無傷で駅に辿り着く。そして相鉄線も小田急線も難なく運行されていた。
西へ来れば積雪を確認するのも難しい程だ。伊豆高原付近の路面凍結も心配し続けていたが杞憂に終わりそうである。宇佐美駅を10時前に走り始めた。
海沿いの国道は片側2車線で、土曜の朝っぱらから車も多く旅情を削がれてしまう。青い海は寒色の波が興味を遠避けていた。干物屋が幾つか並ぶ。帰路、もう少し駅から近ければ土産物色に赴いたのだが、電車バスユーザには冷たいロケーションだった。やがて、4ヶ月前の社員旅行で宿泊したサンハトヤが目に入る。来年の社員旅行こそは飲み過ぎに注意しなければ。
サンハトヤを過ぎて数分、また記憶に鮮明な建物を発見した。マリンタウンである。サンハトヤからマリンタウンは散歩程度の距離だし、更に社旅2日目に清掃したビーチも目と鼻の先だ。ビーチから方角さえ間違えなければ駅まで徒歩5分圏内である。この距離の移動にバス十数台分、無駄に化石燃料を浪費してしまったと思わざるを得ない。最も、八百余名の大名行列は伊東市にとっては傍迷惑以外の何物でもなかったであろう。そしてマリンタウン内でも伊豆高原ビールが飲めてしまうことは熟知していたが、今回も此処で浴びればゲームオーバーとなってしまうため、涙を呑んで割愛した。
そろそろ何処かで給水休憩をしたいと望みきや、渚橋の向こう、川口公園に何かの祭りと思しき人集りを確認した。有償無償問わず、きっと何か飲ませてくれるだろうと思って立ち寄ってみる。テントの前に行列だ。キンメと切干大根の味噌汁の無料頒布ではないか。をぉ。幸先が良い。鯵開き大会や蜜柑の安売りの看板がそそる中、旅の序盤で土産購入は敬遠したく、味噌汁で温まっては後ろ髪引かれる思いで会場を後にした。
R135は伊東駅付近で大きく二股に分岐していた。恐らく交通量の多いと見込まれる海岸側ルートには途中にトンネルが2箇所存在する。予期せぬ積雪やトンネル内の歩道の存否の不安から、山側ルートに一票を投じることに決めた。その海岸ルートと山ルートの合流する川奈を過ぎると国道は愈々路肩も狭くなった。十分な幅の歩道や路肩が確保されていないものの、アントニオの知ったことではない。道路交通法で禁止されていない道は堂々と走らせて貰うとする。付近を歩く者も自転車も見かけない。周辺で交通最弱者となったアントニオを脅かしながら無数の自家用車やトラックが脇を掠めていく。余り気持ちの良いものでもないな、と思ったのも束の間、右手斜面には蜜柑畑が連なり、左側には相模湾の開ける展望が一服の清涼剤となった。車で走り去ってしまっては、この風景の価値は半分も享受することは出来なかったであろう。
やがてぽつりぽつりと商店の散在が確認された。中にはリゾートバブル崩壊で廃屋となっている建物も少なくはない。恐竜や動物の張りぼて屋なんてのもあった。何故伊豆の片田舎に!?!?と思ってしまう。暫く進むと右手にセヴンイレヴンを発見。やった。到着したぞ。セヴンイレヴンと繋がる建物の手前側の扉から入ると、レジ嬢にレストランは2Fだと案内された。1Fにもテーブルが並んでいるが、シーズンオフのためか、偶に団体が来ても2F席で収容可能な模様である。
さて、本日のメインイベント開始である。漁師の賄い飯定食に加え、飲み放題を注文する。何の目的で此処までアントニオが走り続けたのか、伊豆高原ビール本店は理解する必要があった。飲み放題以外のドリンクメニューの存在が無用であることは火を見るより明らかである。先ずは桃色のさくら吹雪を所望した。桃風味の発泡酒でジュースの様だ。ビールではないが何故かビールメニュー中に登場した甘夏のリキュールも甘かった。気を取り直してアルト、エールやスタウト系のベーシック的な地ビールを所望する。大室や天城を口にし、嗚呼、矢張り地ビールは斯くの如しと感じる。アンケートを記入して会計に提出すると、グラスビール無料クーポン券を貰えた。晩飯時に使ってやろうか。
さて、宿は此処から15分も離れてはいないであろう。15時以降のチェックインには時間が有り余っており、仕方がないので大室山を目指すことにした。南国伊豆の国とは言え、雪の影響を想像すると、登頂には本日のバスケットシューズでは力不足であることが容易に予測できていたのだが。県道で山に近づくに連れ、昨日の雪が少しずつ顕になってきた。登山地図に記載されている登山ルートが、冬場だからなのか、閉鎖されていた。アントニオにとって、リフトに乗車には値しない程度の低山である。金儲け主義か。許し難い。とは言え、登頂以外に時間を潰す方法を思いつかないアントニオは仕方なくリフト乗車による大室山外輪制覇を目指すことにした。
さくらの里近辺で雪に靴足を突っ込み、靴下浸水状態に陥った。そして、リフト乗り場には、積雪で外輪を回れない旨の張り紙が確認された。強行突破には少々危険と判断し、涙を呑んでリフト乗り場を跡にした。大室山、次回訪れる日が来るものだろうか、、、
シャボテン公園通りを下り、ホテルの先の角の酒屋で今宵のナイトキャップを所望し、大室高原交差点方面へ曲がると、焼き立てパン屋の看板が目に付いた。おぉ、是は。元々宿付近から更にR135を南下して伊豆高原駅方面に下った本店に赴き、明日朝食用のパン購入を目論んでいたところだったが、其の西店に出くわすことが出来た。パンを買って再び交差点へ下る。目の前に雪を頂いている富士型の山は、大島の三原山だろうか。豪快だ。
宿にはプールもあるが、この季節には水は張られていない。部屋の窓からは壮大な海原の展望である。贅沢な空間だ。館内併設の温泉は露天こそないものの明るい展望風呂で、すっかり冷え切ってしまった体に息を吹き返させるにはお誂えであった。風呂から上がって夕飯時までは時間もあるが、散歩で時間を潰すにしては外気に肌寒さを否めない。好天下が勿体無いとは言え、止む無くとある校正作業に没頭した。否、没頭には至らず、結局初場所の千秋楽中継のため、大画面のテレビに釘付けとなっていた。黒海に金星を献上した一戦で負傷した朝青龍の右腕に力は入り切らなかった様で、栃東が決定戦に縺れ込まさずに自力で久々の優勝を決めた瞬間、思わずガッツポーズを決めたのは私だけではなかった筈だ。白鵬も無念だったろうが非常に見応えのある初場所であった。
やがて18時半を過ぎ、夜食への旅に出ようとマンションを出た。表へ出て愕然とした。暗過ぎる。然し見上げれば満天の星である。星が降るとは斯くの如きか。リゾートマンション林立地域に街灯は少ない。取り敢えずR135には出たものの、伊豆高原方面を見遣れば矢張り街灯の数は乏しく、一寸先は闇である。夜は営業時間の長い伊豆高原の店舗を襲撃しようとしていたのだ。が、そのまま其方に向かって進めども、ビールの前に何度車に撥ねられてしまうのだろうか。熱海方面も似たような暗さだったが、此方の方が未だ距離の面で危険時間帯が少ないと判断し、止む無く昼と同じ本店に向かう。次回以降はヘッドライトが必携だ。
昼間に見かけたウェイトレスがレジに居たので、食事は2Fですよね、と声を掛けて再びレストランに入った。禁煙席を希望したところ、昼と全く同じテーブルを案内されてしまった。ならば4席中昼と同じ位置に座ると決め込むか。干物、カルパッチョにタタキと鯵三昧である。特に七輪で炙る干物は世界の鯵ファンが羨む程の脂の載り様だ。ビールと海の幸が富戸の夜にハーモニーを奏でていているうちに、何時の間にか客はアントニオただ一人となってしまった。
宿に戻っては静岡の地酒を嗜む。今日は良く飲んだものだ。
起き抜けに温泉である。5時台の起床だが先客が居た。朝っぱらから温泉。月曜日。犯罪を犯している痛快さに溺れる。コーヒーを飲みながらパンを齧り、普段自宅では見慣れないテレビなどのチャンネルを捻ってみる。天気予報は悪くない。今日もジョギング日和だろう。
ゴミを集積所に捨て、マンションを辞す。寒い。観光地とは言え月曜朝一で通勤車両が目立つ。孤高の旅人アントニオは、化石燃料の浪費を嫌い、今日も2本足で行く。道は狭い。車達よ、もう少し大人しく走れ。俺の方が偉いとは微塵も言うまい。だが、環境に優しく走れ。文句があるなら車から降りて俺と勝負しろ。車の五月蝿さに呆れつつも昨日の果樹園前で一息入れた。
青い海。
風は冷たいが青い空。
昇って稼いだ標高による位置エネルギーを持ってすれば、昨日の筋肉疲労は帳消しに出来そうである。今日は宇佐美に11時過ぎに辿り着ければ良い。早過ぎても暇なのだ。伊東の駅に近付けば、昨日より少ない交通量に少々安堵するも、観光客は今日も暇を持て余していた。昨日のレストランで貰ったクーポンには、社員旅行時にも口にしたソフトクリームの割引券が含まれていたが、未だマリンラウンの営業開始時刻には程遠い。今日の目当ては勿論此処ではない。再び宇佐美に戻らねばならないのだ。やがて宇佐美駅入口を通り越し、大仁方面への山越え県道を喘ぐ。と言いつつも、ゴールに君臨するレストランの営業時刻を鑑みると余裕があるため、蜜柑農園の狭間はゆっくりと歩かせて貰った。県道沿いの果樹園より、脇道にある蜜柑売り場の方が断然安かった。車を降りて自分の足で道を行く者の特権だ。蜜柑もキウイも1袋100円である。
幾重の果樹園を越え、斎藤農園に到着した。営業開始のゴングまでの少々の猶予を、蜜柑畑と青い海鑑賞で満喫した。11時から営業の宇佐美地ビール園は、月曜客のスターターとして迎え入れたのはアントニオただ1人であった。ドナウ、モルダ、ライン、テムズと欧風のネーミングが心地良い。蜜柑畑に陽光が降り注ぐ。絶好のビール眠日和であった。飲み物は東欧ネーミングの麦酒だが、南欧、地中海を臨んだ葡萄酒の地を髣髴とさせる環境である。心地良い、心地良い。
地ビール堪能後、往路に目を付けた店でキウイを買いながら駅方面へ降りる。予定の電車まで少々時間があったので干物屋へ向かうも、R135を想像以上に南下せねばならず、億劫になったため引き返した。もう少し、電車バスユーザに優しい干物屋があれば。
ホームで乗車予定の電車の到着を待っていると、JTBの時刻表で予てから調査して知っていた、リゾート21タイプの車両で登場するとの期待が脆くも崩れ去った。JR113系お下がり車両である。台本通りでない。伊豆急の、要らぬアドリブだ。金返せ。同じ運賃で是は大損に感じる。車両は伊豆急所有だが運賃の支払い先はJRなので甚く複雑な心境であった。未だ現代のJR車両の方がすっきりする。そんな各駅停車は6両編成にしてほぼ満席状態で立ち客も多く、平日昼間の生活列車でしかなかった。
小田原は橋上駅舎となって乗換え時間が増えた。15両編成の行き交うホームなのに階段エスカレーターは熱海側に偏在し、東京側はホームを散々歩かされた挙句、エスカレーターに行列を作らねばならない。待ち行列の中、先行く小田急電車を1本見送らざるを得ず、有料特急以外の最速列車まで都合20分は待たねばならなかったのには閉口した。宇佐美をもう1本遅い電車に乗車しても十分間に合う計算だ。ショックである。
西谷に戻れば、往路で困難を極めた西谷高原への道から雪は5割以上消失していた。今後も体調維持に努め、冬場の透明な空気の中を快走して行きたい。
(完)

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付録:
陸旅アドバイス
・伊豆高原周辺は街灯が少なく、
夜間の自家用車以外による移動には注意が必要。