今年も東北へ


不定期連載 麦道をゆく 第67,68話

今年も東北へ

14/06/13~ あきた海鮮食堂、東北地ビールフェスティバル in 秋田2014
海鮮食堂(ピルスナー、アルト、ケルシュ)、
フェスティバル
田沢湖(ブナの森)、
ノースアイランド(ピルスナー、IPA、ブラウンエール、コリアンダーブラック)、
湖半の杜(オンザロック、天空)、
ZUMONA(ゴールデンピルスナー、
メルツェン、ペールエール、アルト、ヴァイツェン)、
仙南(ヴァイツェン、古代米エール、蔵王米ラガー)、
AQULA(秋田美人のエール、古代米アンバーエール)、
福島路(米麦酒、ピルスナー、東北魂、ピーチエール)、
奥入瀬(ハーフ&ハーフ)、田沢湖(ブナの森)、
いわて(紅茶レッドエール)、
月山(ピルスナー)
打上げ
田沢湖(ダークラガー)、仙南(古代米エール)、福島路(東北魂)、
AQULA(ホッピーバイツェン 三浦氏お裾分けw)、
奥入瀬(ダークラガー)、いわて蔵(紅茶レッドエール)、ZUMONA(メルツェン)

14/07/18~ ビアフェスふくしま2014
松島(ダークラガー、ウィートエール、ヴァイツェン、ピルスナー、
猪苗代(ピルスナー、ヴァイツェン、ゴールデンエンジェル、ラオホ)、
Rio(パウェルクワック、トリプルカルメリート、円陣2、初陣、初陣柚子)、
モルツ・ザ・プレミアム、AQULA(秋田美人のエール、さくら酵母ウィート、
ホッピーヴァイツェン、古代米にが〜いエール、キウィIPA、サマーセッションエール)、
福島(ヴァイツェン、エクストラピルス、ピーチエール、
ピルスナー、東北魂、レッドエール)、いわて(IPA、オイスタースタウト、
パッションエール、ジャパニーズ山椒エール、レッドエール、ヴァイツェン)、
牛久(ヴィエナラガー、ライ麦エール、ライスラガー、ゴールデンエール)、
ドイツ(フランツィスカーナー ヘーフェヴァイス、シュパーテン プレミアムボック、
ミュンナーヘル)、ZUMONA(ゴールデンピルスナー、
メルツェン、ペールエール、アルト、ヴァイツェン)
松島 猪苗代 Rio 大手 AQULA
いわて 牛久 ドイツ ZUMONA 福島

打上げ
ZUMONA(アルト?)、AQULA(サマーセッションエール)、
福島路(レッドエール、東北魂)、松島(ボック)
Rio(円陣)、いわて(パッションエール)
【今年も東北へ】

6/13(金)
庵庵…7・11…鴨居〜東神奈川…仲木戸〜(エアポート急行)
〜羽田空港国内線ターミナル/(JAL1261)/秋田空港=木内前
…千秋公園…アトリオン…秋田市民市場…あきた海鮮食堂
…西武デパート…なかいち広場…コンフォートホテル…広場
…末廣ラーメン…ホテル

6/14(土)
ホテル…西武デパート…なかいち広場…ホテル…Bier CAFE AQULA
…こちらまる特漁業部

6/15(日)
…ホテル…なかいち広場…アトリオン…木内前=秋田空港
/(JAL1266)/羽田空港国内線ターミナル〜(エアポート急行)
〜仲木戸…東神奈川〜鴨居…みうらや…業務スーパー…庵庵

7/18(金)
庵庵…鴨居〜東神奈川〜鶴見〜上野〜(やまびこ177号)〜福島
…グランパークホテルエクセル福島恵比寿…中合広場
…ホテル福島ヒルズ…広場…ホテル…area559…ホテル

7/19(土)
ホテル…広場…マジ・ノワール…ホテル

7/20(日)
ホテル…広場…福島〜(やまびこ158号)〜東京〜横浜〜東神奈川
〜鴨居…松屋

7/21(月・祝)
…庵庵

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

【秋田】
長谷川氏、福島路店長吉田氏、いわて蔵佐藤氏吉田氏、他に数ブルワー氏とボランティアの川上氏くらいだろうか。知り合いはゼロではない。ならば自分の居場所は何処かに作れるだろう。前向きに訪問した昨年8月末のクラフトビアフェスティバル in 秋田2013であった。打上げも楽しめた。秋田の食事も美味しい。FBで数名の方と友達になれた。その幾人かが何度も関東近郊のビールイベントに足を運んでくださっているではないか。彼等が関東を飲みに来ているならば、私がお返しに秋田を飲みに行くべきではないか。早いが吉日、4月にネットで調べれば、航空券往復分にホテル2泊分をプラスして3万円でお釣りが来るようだ。驚愕だ。これはピピッとするしかない。4月14日のことであった。安い。その後同様のツアーを8月に求めたが、1万円以上差が開いていた。6月はお買い得なのだろう。一番の航空機で秋田入りし、雨でなければ和田駅まで歩き、JRで秋田駅へ挑もうか。昼は田沢湖ビール直営の海鮮食堂だろうか、やはり。ボランティア前に試運転が必要だ。バスで9時頃に駅付近まで来て千秋公園散策もありか。有料の博物館、資料館見学は、心掛けの問題もあるので今回はパスさせていただく。いぶりがっこは何時購入すべきか。現場の配置や当日の分担等、何も聞かされていなかったが、昨年夏参加のイベントよりは規模が小さいとのことだから、東北北海道のブルワーブースオンリーで、ゲストビールブースがない程度、なのだろう。サービングとゴミ収集辺りの分担になるのか。前回ご一緒していただいた方々もボランティアに来られるのだろうか。奥入瀬、仙南、ノースアイランドは初飲みになろうか。期待に胸は膨らんだ。
しかし、天気予報は芳しくなかった。まぁ、どうせビール三昧になるのだから。初日の午前中は適当に時間を潰そうか。神奈川東京地方は早朝から夏の日差しである。果たして1時間後の空が涙に呉れようか想像もつかない。機内アナウンスでも到着地の天候は雨とのことである。昼間に強風も予報されている。山登りに行くのではないのだ。テント下の業務だ。雨降って地固まってくれ。固まらなかったものって何だろう?和田駅ウォークは中止だな。致し方ない。秋田空港では預け荷物もないのですぐバスの券売機で乗車券を買っては乗り場へ急行した。残念ながら歩きたくなる空模様ではない。バスは高速道路にも寄らず下道を走り、特に渋滞もなく秋田駅まで到達した。未だ9時である。飯には早い。これもその場の閃きで、駅の一つ先の木内前にて下車した。
千秋公園散策には此方が便利であった。公園を歩き始めると、傘を差さずにはいられない状況となってしまった。予報通りなので誰を恨むこともできない。バスの前座席ポケットにあったお土産5%引きクーポンを思い出し、そのアトリオンに寄って、先ずはいぶりがっこの市場価格調査である。土産物屋で価格を知り、スーパーで買うのが正しい手法だ。チェック後、駅方面を目指すと、、、途中に市民市場なる看板が目に入った。吉と出るか不明だが、向かって進む。肉屋、魚屋、八百屋、、八百屋の一角にいぶりがっこを置いている店も少なくはなかった。先程のアトリオンの綺麗な土産物屋の価格と比較して、目の覚める程の割安感はなかったが、母数は大きい。コスパが一番良さそうな店にしがみ付く。1袋550円か。2袋で1000円になりませんかと店のオバサンに問えば、「ならないよ」の連れない返事。ああ、そう。おばちゃん有難う。冷たいね。しかし、明日明後日と購入時間が確保できるか不明なため、気を取り直して次点と思しき店に寄って表示の値段のまま1本を購入した。雨降って漬物固まる。のらりくらりと駅ビルへ向かうと、目的の店の開店時刻となった。
開店1番目の客であったが、テーブル席占拠は店に悪いと思ってカウンター席に就く。ほろよいセットの内容を確認し、逡巡の末、定食系を断念し、いぶりがっこの小皿とほろよいセットを所望した。ビールはピルスナー、アルト、ケルシュである。すべてコンペティションで何度も入賞している逸品である。今日、イベントでは16時から飲めるようだが、試運転は必要だ。千秋公園散策も雨量が多くなって志半ばで切り上げてしまい、飲むための準備運動は少々手抜かり状態だったが、金曜午前中からのビール摂取は罪を犯すようなスリル感がたっぷりだ。刺身、漬物、天麩羅。ほろよいベストな陣営。秋田と言えばいぶりがっこ。噛み締める、嗚呼、噛み締める。その一杯、その一口に、嗚呼、我が秋田旅行はこれで終了しても依存はない、そんな満足感に浸れた。3種制覇してもう1杯飲んで投了とした。
雨は止まない。傘を差しながら木内前方面へ行くと、テントの骨組みに長谷川氏と兜ちゃん!杉本氏夫妻!門脇氏!名前を覚えきれずスミマセン!皆さん既にいらっしゃる!テント設営から頑張りましょう!雨降って、仲間固まる。素晴らしい。秋田のビアラバー一行よ。雨天による嫌悪感はない。いぶりがっこおばはん以外には。私に何ができるのか。みんな頑張ってるよ。何だか雨天の会場設営が楽しいのだ。横浜でないからってアウェー感が微塵もないのだ。ふわっとしたビア達感。勝手に仲間に入った積りだ。秋田ビール文化は根強く、その発展に一役買いたいと真に感じた。お客さん、来るといいね。
16時の開場ゴング鳴れども天気は微妙だった。しかし、客席には昨年秋田イベントで見かけた方が多数。戸隠の常連さんと見られる面々は、天候にも拘らず三々五々と集い、酒宴の火蓋は切って落とされた。元々日本酒の街である。皆、肝臓のスタミナは十分だ。2,3杯でサヨナラ、と言う方はいない。腰は重いがマイペースで杯を空けて行く。ガラガラと言う程ではない。天候にしてはまずまずの入りだろう。今日のシフトの後半はノースアイランド担当である。堤野氏とは序盤は手が合わなかった気がした。確かに早く回すことばかり、アントニオは考えがちだった。早く回せば儲かると思うのだが、、、そう、すし勝の大橋氏と親父のにぎりの違いを思い出した。親父さんの頃は回転重視で速いのだが、氏は丁寧に割とローペースである。どちらが旨そうかと言えば、後者である。堤野氏には悪いことをした。ただ、雨も降れば道産ホップは使わないのですかと、どうも水を向けられたようで、待ってましたとばかりに語り出された。今までは大手に占有されてしまっていたが、このイベント後に、その目的で富良野に立ち寄られるとのことである。スパイシーなコリアンダーブラックも面白いが、また新たな味わいが生まれることを願って止まない。
さて、初日片付けは、、、のノリを見ると、打ち上げはなさそうである。ブルワー陣営は非公式に宴を開いていたようだが、アントニオは移動の疲労も考慮してラーメンにて我慢することにした。末廣ラーメンと言い、秋田にて何と24時間営業の店である。新福菜館の分家なのか、こちらも出汁は漆黒である。メニューにはヤキメシも当然ながら、だ。惜しむらくは九条ネギが白ネギに取って代わられていることだろうか。相変わらずビール後の麺で、デブリン街道を突き進んでしまう。
夜が明けても今一つの空模様である。朝食を採り、懸賞サイトを絨毯爆撃した後、会場へ向かう。今日は序盤に遠野ズモナさんのお手伝いである。千秋公園を散策する気力を削ぐ天気であることは昨日から改善されていなかった。時に、今まで何度も見かけたズモナのブルワーさん、名前は何とおっしゃるのだろうか。ノースの堤野氏はネット検索で直ぐに発見できた。しかし、、、手伝い始め、手元に余裕があればボソボソと他愛のない会話をしているうちに、自分の本業の話になったので、成る程、と名刺を差し出した。坪井氏であった。煌びやか、高品質のイメージの遠野ズモナビール。味は申し分ない。ただ、アピールが残念ながら弱いような気もする。もう少し、行列ができてもおかしくない品質だと感じる。脚光、と言う意味では、テレビカメラがブースにやって来た。ロゴを見れば、国営放送のそれだった。ちょうどアントニオがお手伝いをしている最中だった。飲み比べのお客様がいらっしゃり、アントニオのタッピング時にカメラが回っていたのは間違いないのだが、アントニオの映像が土曜日の北東北地方向け?NHKニュース番組で披露されたようである。手先だけかも知れないが、、、美しいタップとケグと注ぎ。我がサービングはこれで全国区ならぬ北東北区モノとなった。
雨は降ったり止んだり。折畳のテーブルと椅子を広げたり畳んだり。お客さんが余り回転していないようだが、居座っている方々が何杯も飲まれているのだろう。強肝、秋田人。雨天ビアイベント客の鏡である。天候が悪いが気に病むことが全くない。皆さんビールを楽しんでいるのだ。雨が降ろうが千秋公園の蓮が咲き捲ろうが、卓には黄金清水が途切れることはなかった。6県から8ブルワリー。こじんまりとして居心地が良い。恵みの雨だ。ブース非アサイン時は少々杯を交わさせていただいた。ラ・カシェットの牛窪氏と地元女性が2人、の卓にお邪魔した。仙南の米麦酒が美味しいと豪語、その女性も私の言を信じて仙南フルコースを購入し、アントニオ推奨品が一番良いと褒めていただいた。ビール談義に花が咲く。美味しいものに国境、県境はない。大手門脇にもババヘラアイスワゴンが存在した。平和だ。もう少し天気が良ければ、なんて思わない。天気が良ければ今いらっしゃる強肝グループが解散してしまいかねない。花は、花は、花は咲く。いいなぁ。そして今日の最終シフトは福島路である。他ブースでの手注ぎ及び昨日から使い切れていないボランティア向けビールチケットを何枚も消費してしまったため、手注ぎの腕も動かないに等しかった。矢張り、京都のあれは異常だ。う〜ん。お客さんの入りが少な目だったから今の状態なのだろうとは思ったが、何時もの福島路ともあり、手注ぎはほぼゼロであった。何しろ打上げの料理が半端ないとの触れ込みだ。飲んでいる場合ではないのだろう。そうでなくとも、既に飲み過ぎているのだが。
そろそろ閉店時刻、こっそり荷物を徒歩3分圏の宿に戻したりなどしながら会場に戻り、程無くしてAQULAに向かう。どうも実行委員メーリングリストから疎外されてしまっており、打ち上げ会場情報もその日に聞いた次第である。まぁ、MLに入ったとしても事前準備は何もできない身としては仕方あるまい。AQULAは客が未だに大勢、、、俺達の席はどうなってるんだ!と叫びかけたが、一応時間通りに我々団体席は解放されるとのことであった。3年前震災直後の優遇切符で赴いた店内が懐かしい。当日長谷川氏にもお会いしていたが、素人だった当時はone of the 客相手目線で、当時の記憶は残っていなかったのも頷ける。サラダ、カルパッチョなどなど、極めつけは巨大スペアリブである。嗚呼、直前に腹を満たしていなくて良かった。ダークラガーが続いたが、とても楽しい宴だった。某ブルワーの一部の方はIPAを存じなかった。仙南さんのカップは大きくて薄利なんじゃないの、との指摘も。買う側にとっては有り難いのだが、そのためにブルワリーの利益確保と存続が不可欠だ。また次に会える時、グレードアップしている皆様にお会いできるのが楽しみである。
お開きと思えば10人程、次へと向かっている様子なので今回は耐えられそうとの一点張りで追従させていただく。情報収集の場である。大丈夫か、ポン酒まで飲んでしまって、ヲィッ!1時半は過ぎていただろうか。それでも水を飲んではバッタンキュー。
よろよろとシャワーを浴びてから朝食を摂る。今日もお空は持ちそうかなぁ。パブリックビューイングは人集り。ビアフェス開場11時を前にハーフタイムで人がどっと流れてきた。会場からスクリーンは見えない。声援は聞こえる。歓声と悲鳴。悲鳴時間の方が長かった。初戦をパスすれば決勝進出確率はぐっとアップするが、そうでないと望みは一桁台に落ちてしまうと言う。果たして会場はパスか自棄酒か。日本代表が駒を落とすより重要なテーマがあった。幸い、多くの方がビアフェス席へと雪崩れ込んでは居座って下さったのが何よりの成果だった。長谷川氏には、三ツ沢とか小机とか、競技場が近いのにサッカーに興味がないのが何故かと不審がられた。プロレス番組を深夜帯に追いやったと思っているサッカーは認められなかった。小机の競技場周辺はジョギングコースの1つに過ぎない。結果論だが、サッカーに興味を持たなくて、この6月は良かったのではないかと感じた。否、チャンピン国本場ドイツのビールも飲みたいぞ。今年はベルギーも健闘したようだし。午前中はゴミ収集に徹し、午後、自分の引き上げまではまたズモナさんブース担当となった。ズモナブースのタップは煌びやかでTV映えするのだろう。その勢いが坪井氏にも欲しいと思うのはアントニオだけではないだろうが。だが、後日判明したところによると、坪井氏は痛風とのことである。合掌。
やがて、蛍の光、窓の雪。リムジンバスの時刻が迫って来た。当初、駅前スーパーで再度いぶりがっこを所望、とも画策していたが、少々飲み過ぎて催してしまい、アトリオンビルのトイレを借りた。あれよあれよの間にバス発車時刻も迫り、やばいと思って会場に戻っては通り過ぎ、往路と同じ木内前にてバスを待つことにした。駅からガラガラだったバスはアントニオの他に2名をを乗せ、淡々と空港へと向かった。空港の売店の冷蔵ケースには、名士、田沢湖ビールとAQULAビールの瓶モノが所狭しと肩を並べていた。また来よう。本当に、ボランティアでない外野の方、後の確認に寄れば、戸隠親衛隊の方々のようだが、本当にお世話になった。秋田のビール環境は安泰だ。次の8月が待ち遠しい。
【福島】
「金曜には、、、」「410mカップ600円」今回の福島は大きかった。てっきり3連休ジャストと思い込んでいたら前フレーズである。今回はホテルをより駅の近くへとグレードアップ!と思い込み予約をしていたのだが急遽キャンセルし、金曜からの金額を考慮して結局ヒルズに落ち着いた。まぁ、アントニオにとっては徒歩圏内だ。金曜日は休暇を申請し、新幹線の予約もした。初日昼は、過剰摂取気にせずランチバイキング等がないか、グルメHPを模索し、エクセル福島恵比寿に決めた。金曜はさすがに応募者が少なかったとのことだが、ならばアントニオの出番だろう。土日と来福する川上氏のMCとは、どんな活躍になるのか。興味は尽きない。
今回は福島行なので、ほぼ通常の勤務と同じくらいの時刻に起床し、朝食を摂るなどしてから庵々を発った。東神奈川からの京浜東北線だが、あわよくば蒲田や鶴見からの始発電車がないかと時刻表を鬼のように検索したところ、鶴見であまり待たずに、の列車を発見した。当初の予定より15分くらいは先んじて自宅を出たのが奏功したと言えよう。鶴見駅ホームでは既に始発電車待ち行列が形成されていたが、恐るるに足らずの長さと勝手に判断した。やがてやって来た大宮行の電車に着席できた。平日の通勤ラッシュ終盤とはいえ、今日は午後の作業を鑑みての体力温存だ。有り難い。そのまま京浜東北線電車に上野まで揺られ、地下ホーム方面へ下り、売店階で少々待つ。スポーツドリンクを所望するか、どぉっしよっかな〜?かくして、やまびこ177号到着約5分前に、Eikichi Yazawaの某発泡麦茶のロング缶を所望してしまった。そう、東北上越新幹線の東京上野間は正規で200円、割引でも100円以上の特急料金が加算されるのである。上野で地下に潜る時間があれば、乗車券は同じ都区内発着扱いなので少々お得なのだ。
車窓に広がる空の色は残念ながら芳しくはない。どうだろう。集客に影響しないだろうか。昨年の京都の三条みたいに雨降って地固まるなんてことは有り得るだろうか。自分が忙し過ぎない方が良いとは労働者として考えてしまうところが弱いか。撤収を早く終わらして我々の打ち上げを、との考えは封印すべきか。暇でも良い。忙しくとも良い。なるようになれ。
やまびこ号は11時半前に福島駅に到着した。会場に行けば誰か既に居るだろうが、飯前にはまるのは躊躇ものだ。レストランへ直行だ。事前に調べていたレストランは、ホテルのロビーのある1階に存在した。カジキのソテーにしたと思う。。早速メインディッシュ以外はバイキングとのことで、これからの飲みに備えてウコン大量摂取の意味でカレーライスなり、もう嵐のように食材を皿に盛り捲った。メインも何もかも美味しい。ホテルではあるが、近所の親父、ジャージマンも昼飯に来ていたくらいだ。理解できる。デザートも豊富だ。アイスクリームにシャーベットの冷凍ケースも心憎い演出だ。予定通り、抱腹状態となってしまった。さぁて、今日は働くぞ!文句があるなら金返せ!そんなに金払ってないけど。
直接、一旦ダメ元でホテルにチェックイン、と思ったが、矢張り気になって会場に寄ってみる。嗚呼、当然だろうが、皆さんいらっしゃった。ダメ元でホテルに行ったがチェックインは難しいとのことでビアフェス会場には不要な荷物を巾着に詰めてはフロントに預け、中合広場へと戻った。大手と、地元パブで輸入しているドイツビールのブースの担当者以外、AQULA、ズモナ、いわて蔵、松島、Rio、福島路、猪苗代、牛久の全8ブースのブルワーさんはみな顔馴染みであった。これはある意味、アントニオのボランティア活動の積み重ねの賜物と言えよう。大手以外のブースの方には気兼ねなく作業を依頼して貰えたと自負している。さて、ボランティアの方も三々五々と集まって来た。何処かで見覚えのある女性3人衆、、、昨年一関の打ち上げ以来か。会場設営は進む。天気が心配だ。どうにか持って欲しい。
フード担当の赤間氏と五十嵐氏とも一年振りの再会である。昨年と異なり、ビールは基本、ブルワーが注いで杯毎に課金され、また、フードブースは1箇所に集約された。フードブースの販売もボランティア作業に追加された。ビールイベントはサービングだけが能ではない。お摘みがあって、ビールが売れるのだ。もう8人とは既にお友達なのだ。イベントを盛り上げるためにできることをやれ。唐揚げや枝豆のパック詰めなど、庵史上初かもしれない。開場前に少々試飲させて貰ったし、やってやるか!一度作業を始めると麦熱は鳴りを潜め、パック詰め魂が全開した。自分が率先して購入したいか、と言われると残念ながら脂っこいものが多いので、と思ってしまうところに若干の弱さは否めなかったが、今年のビアフェスふくしまの我が任務はフードブース販売支援に始まった。
業務では歯痒くて中々自ら口にしない「ミッション」との単語だが、開店直後に揚げ立てパック詰めし、周囲に声を出して販売するミッションを、遂行出来たと自負している。気が付けば、私より黙々とパック詰めを熟している方、保温ケース内の数種類のパックを笑顔振り撒きアピールしている方、彼らには私以上の使命感があったのだろうか、そんな仲間を見て燃えずには居られなかった。どう燃える?燃えるなんて難しくはない。自分のできることは。暗算弐段くらいだろうか。お釣りの計算の速さでは負けない。フードブースの担当時間の次はテーブル拭きとゴミ袋整理担当だ。寸暇を惜しんではビールをいただいた。ゴミ袋が溢れる前にゴミ袋を籠から取り出す。袋数を減らすため、なるべく圧縮してから封をする。ゴミ分別のため、何度ゴミ袋に素手を突っ込んだだろうか。それくらいは出来る。しかし、ビールカップなり、汁・液モノの処分について、もう少し客側に是正を願いたい。生ゴミを気安く捨てられる場所を設けるべきだったか。ゴミを少なくする方法を、日本人として考えて欲しい。食べられるものを捨てる量は世界クラスの日本人だ。おもてなしはその後だ。猛省を促したい。
そしてビールブース担当。サービングに固執することはないが、ブルワー1人のブースには休憩交代は必要だろう。私以外のボランティアさんが挙って素通りしてしまっていたとみられるドイツビールブースの方には、自分がビールブース担当でない時間帯にも声を掛けられた。馴染みのある方だけヘルプではいけないぞ。ただ、みな、ボランティアである。強制はできない。それにしても、自分の担当中は頼まれ放題であった。本望か。ビールも沢山いただけたことだし。
ビアフェス大阪と日程がバッティングし、大阪へ向かう片山氏のFB投稿にコメントした繋がりで和田氏にお会いした。ビールも日本酒もやられるとのことで、その後も絵に描いたようなお友達状態が続いている。日常の居場所を離れると自らのガードが緩まるのか、少々偉そうだが心が開ける、と言うことだろうか。旅は道連れ。
夕刻にはフードブースが多忙となれば、他の担当ブース等からも総動員でお摘み販売大会となった。食べ物が売れて、ビールが売れる。しかし、お客さん、ちょっと脂っこいのだけど、いいの?そんなに買って、、、
一日目の打ち上げはエリア559である。明日からの演奏組がステージを飾った。凄いメンバーが揃ったものだ。その中で自分が何を残せるのだろうか。実のところ、早朝起床の睡眠不足で思考もスタミナ不足感は否めず、ただただ福島の金曜の夜は更けて行った。
翌日の天候も微妙であった。昨日は金曜、今日は土曜ともあり、ボランティアメンバーも増えるのだろうか。入れ替わりがあるのだろうか。ビアフェス大阪とは完全にバッティングしていた。そして、土曜日から月曜までベアードの14周年記念である。後もう一件ビール業界者が寄らざるを得ないイベントがあり、1日ずつ全種目制覇なる兵も多数いた模様である。アントニオも福島が終わって帰国翌日にベアードに伺う予定だ。日本は狭い。そう、一昨年アントニオがボランティア初参加時にお世話になった菅野・岡本の、将来を担う新鋭ビール女史とも嬉しい再会であった。ビールを通じて人に会いに来たのだ、アントニオは。さぁ、頑張るぞ。
土曜日から明日にかけて、市街地を歩行者天国化して露店の並ぶイベントが開催となった。地元のテレビ局のカメラが回っているのだろうか。ビアフェスのピンクTシャツメンバー挙ってその開会式に押し寄せ、式を成功を祈った。ビール以外でも盛り上がって欲しい。
式の最中は何とか持ったものの、相変わらず情緒不安定な空模様であった。小雨煙る中合のステージに、遠路はるばる夏一氏が登場、合い掛けとして福島路ビールボランティア班代表として川上氏も今回はビールサービングではなく、ステージでおもてなしと相成った。やはり、生演奏には心が踊らされる。式根島の夏一氏と川上氏の三線に依る沖縄サウンド。夏なのに悪天が忌まわしい。中合広場にいらした数少ない方は、きっと十二分な夏を満喫されたことであろう。
夕刻になるとまたまたNHK福島だろうか、TV局による取材である。秋田での会場の様子がお茶の間に届けられたのも記憶に新しい。そして今回も、矢張りと言うか、他のブルワーさんには失礼だが、タップの見栄えではこちらが注目されると言うことか、カメラのレンズはズモナブースへと焦点を当てていた。見栄えは申し分ない。味と香りまでできればお茶の間に届けたかったのだが、明日の売上に貢献できるであろうか。
さて、昨日激務だった夜のフードブースである。我がAグループがその激動の時間帯の担当だ。今日は昨日の経験が活きた、とは言わない。Aグループの個々員の能力が昨日の総力を上回ったのだ。少数精鋭。殺人的な販売量を八面六臂の活躍で捌く4人の面々。売り上げも悪くはなかった筈だ。昨日は10人以上総出だったのだが、我々たったの4人で、今宵の激戦区を捌けた。他のグループの援助を借りなかった。素晴らしい、我々の班員よ。
今宵の打上げは、五十嵐さんの店、マジ・ノワール。2日間の売上とブース配置について侃々諤々の大激論となった。広場に面したブースとデパート館奥側に追い込まれてしまったブース。シャッフルするか。はたまたステージにブースをごっそり移動するか。肉が美味しい。申し訳ないが、ボランティアとしては全体最適であれば、どのような方向でも構わなかった。しかし、脂っこい肉が美味しい。メタボ街道を行く。
翌日、昨日と同じ時間帯に広場に向かえば、、、ステージにブース並べ直す、が昨晩最終議決だと思っていたら、全ブースを広場に移動、の最中であった。アントニオが到着した時点で移動作業が残っているのは、あと1,2ブース分のみであった。天候が悪化したときが心配だが、賭けである。今日で終わりなのだ。売り捲れ。福島市民の胃を、我々が誇る美酒で入り浸せ。



今宵も夏一・川上兄貴コンビの演奏である。雨天なれども若い衆がビールのイベントに集い、会場は熱気に包まれていた。そして、兄貴の粋な計らい、絶妙なタイミングでエヴァンゲリオンである。三線でエヴァンゲリオンだぞ!世界中の他では聴けないぞ!思わず若い衆の一部がブレイクダンスを始めてしまった!心底楽しい。踊る、踊る。凄い空間に居合わせてしまった!テレビは手話教室とプロレスしか見ないので、実のところ、エヴァンゲリオンがどんなものかと言うのは理解していなかったものの、この場のサウンドは間違いなく自分にそれを解らしめてくれた。
傘も必須な雨量となっているにも拘らず、気持ちは晴れ晴れとしていた。疲れた顔をお客さんに見せていたかもしれない。何かできたかも知れないが、できなかったこと、と言うより、他の面々にしていただいたことの方が多かったような気もする。3日間の営業も終了し、土砂降りの中、撤収作業となった。作業半ばでお暇し、やまびこ号の人となって横浜へと向かう。
昨年くらいまで、イベント毎に反省と言うか文句が多かったように思う。今年、できなかったこと、と言うより人にやっていただいて素晴らしかったことが多く目に焼き付いてきた。できなかったことを悔やむより、そのような素晴らしさを知ることができることで、何か自分がまだ伸び代があるのでは、と感じられたことが成長なのだろうか。
(完)

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付録:
麦旅アドバイス
・秋田中央交通空港リムジンバスは、エリアなかいち、千秋公園やAQULAへは
木内前が最寄バス停。一方通行路のため、空港→駅西口→木内前→県庁および
県庁→駅西口→木内前→空港、の停車順になる。
・エクセル福島恵比寿はランチタイムにハーフバイキングあり。メインディッシュ
のみを注文し、ご飯パンや付け合せはバイキング形式。アイスやデザートも豊富。