スーパーだいせん

不定期連載 山道をゆく 第223話
不定期連載 グルメ街道をゆく 話数知らず
不定期連載 麦道をゆく 第20話
10/04/15~
大山(日本百名山、庵選千名山135、既出)
女三瓶山(庵選千名山480)、兜山(庵選千名山481)、男三瓶山(日本二百名山)、
子三瓶山(庵選千名山482)、孫三瓶山(庵選千名山483)、太平山(庵選千名山484)
大山Gビール
(八郷、スタウト、ペールエール、ヴァイツェン、ピルスナー、ウィートワイン)
八条ダイナー
(八条ビール)
【スーパーだいせん】

4/15(木)
庵庵…鴨居七丁目=鴨居〜大口…京急新子安〜京急蒲田〜品川
…品達どんぶり五人衆…7・11…品川バスターミナル=富士川SA=

4/16(金)
=加西SA=米子駅…日交バスターミナル待合所…駅前
−イツモレンタカー旗ヶ崎店−県道47号(米子境港線)−R9−米子南IC
−米子バイパス−淀江IC−大山広域農道−県道36号線−大山寺
−夏山登山口駐車場…夏山登山道…六合目…弥山…三角点…弥山…避難小屋
…石室…六合目…駐車場−県道45号線−県道36号線
−ロイヤルヴァンベール大山…ガンバリウス…RVB大山…ガンバリウス
…RVB大山

4/17(土)
RVB大山−県道159号線−日野川東IC−米子バイパス−米子西IC−陰田町
−R9(山陰道)−出雲郷−県道53号(大東東出雲線)−大東町北村
−県道24号(松江木次線)−里方−R54(出雲神話街道)−道の駅掛合の里
−掛合町波多−県道40号(川本波多線)−三瓶高原道路−東の原駐車場
…室の内展望台分岐…女三瓶山…兜山…男三瓶山…扇谷分岐…子三瓶山
…風越…孫三瓶山…太平山…室の内展望台分岐…駐車場−三瓶高原道路
−県道40号−R54−県道24号−松江西IC−松江道路−東出雲IC−R9−中町
−米子ニューアーバンホテル(アーバンスクエア)−湊山公園駐車場
…城山登り口…湊山…登り口…湊山公園…駐車場−県道47号
−イツモレンタカー−米子駅…SATY…米子駅〜岸本…伯耆町役場前バス停
=ロイヤルホテル横…RVB大山…ガンバリウス…RVB大山

4/18(日)
RVB大山…RH横=大山パーキング入口…大山PA=311便=京都八条口
…八条ダイナー…京都駅内周遊〜ひかり518号〜新横浜〜鴨居
…業務スーパー…庵庵

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間も無く黄金週間である。昨年は業務の都合上、自宅待機に近い状態であった。今年もそのような運命を迎えないとは言えないだろう、それと、Gビール飲み放題キャンペーン葉書きも届いたことでもある。昨年11月の山陰山行脚リベンジを兼ねて旅程を組むこととした。高速料金は片道合計2300円とは言え、10時間を超える運転は敬遠したく、また、JR-Cカードのポイント特典でのG車利用期限も迫っており、計画思考錯誤の末、往路は品川からの夜行バス、復路は京都まで高速バス、その後、新幹線の流れとした。
当日、13時過ぎに業務を切り上げて退社した。その価格では利益がぎりぎりにしか思えないが、1消費者としては安いにどうしても群がってしまう牛丼屋に立ち寄って少々遅い昼食とした。紅生姜や七味は掛け放題、味噌汁付で250円とは。何かしらイノベーションが求められる業界かもしれない。そして、最近はその高カロリー振りから購買回数を制限している焼きたてパンだが、2週間振りなので自ら許可を与え、小愛夢にてランチボックスとピーナッツバター入りコッペパンを所望した。ここも界隈の焼きたてパン屋の比較ではコストパフォーマンスの高い店である。
買出しをしながら自宅に戻り、少々早い時間帯にシャワーを浴びて庵々を発った。大した重量の荷物ではなかったが、満を持して鴨居駅までバスに乗車した。何だかんだで京急線各駅停車の空いている車内で小愛夢で買ったパンを齧っていたのだが、少々疲労が祟り、やや油分の多いランチボックスあたりが我が胃に馴染まず、品川駅を降り立った時点では少々草臥れモードであった。5の日ゆえに、ゴーゴーカレー屋のトッピング券サービスを目当てに、品達どんぶり五人衆内の店に寄ろうとしていたが、カレーは愚か、胃に比較的優しいと思われる和食系丼の店にも触手が湧かずに退散した。品川バスターミナルまでの途上にあるコンビニで、具がシンプルなおにぎりを1個だけ買うに留めた次第である。
木曜の品川バスターミナルは閑散としていた。おにぎりは食った。食欲は湧かない。バスで存分寝て鋭気を養うとしようか。
米子駅行きキャメル号は、途中の浜松町で乗せた客も少なく、総勢10人くらいの乗客であった。アントニオの席は最後尾列1つ手前の9Cであり、後ろの10C,10Dに客がいないことを察知すると、踏ん反り返る勢いでリクライニングシートを倒し、就寝に専念しようとしていた。ただ、次週土曜出社日の会議の準備が気に係り、予め印刷して持参した数十枚のプリントの要約に気を紛らわしながら、何時しか東名高速上の人となった。目覚ましをセットしていないにも拘らず、何故か途中トイレ休憩地点の富士川SAでは眠りから覚めていた。
バスは加西SAにも寄り、そこでも何故か眠りから覚めてしまった。夜行バスでも多少の体力は必要だが、この距離を自分で運転すると思えば非常に楽だと感じた。6時前に再び目覚め、カーテンを細めに開けながら沿道風景を楽しんだ。江府インターで米子自動車道を降りてからは国道を行くはずと思い、明日の伯耆町バス乗り場の位置も確認した。
バスはほぼ定刻に米子駅に到着した。米子駅の待合室に荷物を置き、おにぎりを口にした。体調は悪くはなさそうである。まだ営業時間にはなってないが、駅舎2階の食堂メニュー内に、境港産と思しき地ビールを発見、あれ?、HPでは夢みなとビールは生産休止と謳われていたのだが、、、少々後ろ髪惹かれる思いではあったが、そう、6時半から帰路の高速バスチケットが購入できることを思い出し、日交バス待合所に赴く。帰路の京都行きのバスチケットを購入して間も無くの7:40頃、携帯電話が鳴った。緑色のハイラックスで出勤のおじさんが、イツモレンタカーの事務所までピックしてくれると言う。「緑色のハイラックス」との言であった。学生時代、駐車場などの警備員をしていたこともあり、車種には割りと理解を広めていたと思っていたのだが、緑のハイラックスとは、想像に及ばなかった。ハイラックスと言えば黒しかないだろう。オジサン、それはハイラックスではなく、ジムニーとかそんな名前でしょ?と思い描きながら小走りにタクシー乗り場方面へと急いだ。
をぉ。
確かにルーフ部はグレーだが、ボディーは緑色のハイラックスであった。オジサンの通勤用自家用車の様で、車内は色々とオジサンの「財産」が犇いていたが、昔はこの車で日本中を駆けずり回っていたのではないかと察知した。「米子は田舎だから時間通りに走れる。通勤渋滞と言ってもこの程度だし」確かに車の数は多いが、1度の信号待ちで通過できないほどの事態を見ることはなかった。レンタカーショップまで鉄道で4駅、界隈ではそれでも本数が多い境港線でも1時間に1本程度だし、最寄り駅から庵速でも30分は歩かねばならない距離である。オジサンのハイラックスは有難かった。HPでは8時から営業とあったが、少々早いなりにもオジサンともう1人のスタッフはレンタカー貸しの準備に手を焼いてくれ、綺麗さっぱりしたシルバーのマーチに乗ってイツモレンタカー旗ヶ崎店を出たのは8時前だったと思う。R9から米子バイパスで下車ICを1つ間違えてしまったものの、何時か来た、夏山登山口駐車場には8時半過ぎくらいには到着することができた。
トイレに寄り、登山計画書を認め、駐車場を出発したのは8:44であった。金曜日である。ほぼ、会社の定時である。大山寺界隈のとやま旅館の方の報告と思われるが、13(火)の登山道情報によれば、積雪も殆どなく、アイゼンは不要との記述であった。イツモレンタカーのオジサン曰く、水曜にまた降ったが昨日のうちにだいぶ溶けた、とのことであったが、2合目、3合目あたりから残雪の一塊を確認させられ、車に軽アイゼンを置いていったことを悔やみ始めた次第であった。4合目、5合目、6合目と進むに連れて、残雪の多さに脂汗を滴らせざるを得なかった。車に戻るには遅過ぎる。しかし、この先は、、、それにしても、6合目なりで出会った方々の愛想が頗る芳しくない。関東人の方が、余程挨拶ができないように思われがちだが、平日の大山登行者はろくに挨拶もできない面々である。それは、アントニオと同様、意外な雪多さに挨拶する余力もない、と言うことなのかも知れぬ。6合目からの三鈷峰方面を見遣るや、雪化粧の美しさに見惚れるばかりである。




確かにその後の斜面には更に雪は多かったものの、大山リベンジを深く心に誓った6合目までコースタイム2時間半のところを、10時前に到達してしまっていたのだ。2004年10月に廃止された急行列車、だいせん。そして今や、スーパーだいせんと化したアントニオの前には雪塊も無力に等しかった。あれよ、あれよと言う間に視界は開けてしまった。もしや、、、9合目の木道コースに到達していた。快晴には程遠い。しかし、視界は抜群だ。もうすぐ、リベンジだ、、、


弥山に到着した。10:12だった。時計を見間違ったのか?1時間、狂ったのか?しかし、6合目までコースタイム2時間半のところを1時間を切ってしまい、残り1時間コースも30分を切ってしまい、、、人跡未踏の境地であった。2004年10月16日に廃止となった、急行だいせん号の生まれ変わりとして、スーパーだいせんアントニオが火を噴いたということと理解するしかなかった。定時に新横浜オフィスを出て、某印刷会社の朝霞工場に到達するまでの所要時間より短かったのではなかろうか。キム・ヨナと登山競争だったら勝てるのでは!?と錯覚した次第である。スーパーだいせん恐るべし。我が日本、パシュート3女王、田畑真紀、小平奈緒、穂積雅子には敵わないと思うが。

下山途中、7合目付近でスリップした。丁度、ナップザックを下敷きにして転んだのでダメージはほぼなかった。しかし、今思うと、軽アイゼンをザック内に携えていたら、ひょっとすると大流血の惨事だったかも知れぬ、、、スーパーだいせんの幸運、侮れず。
登山も早かったが下山もほぼ同じくらいのタイムで完走した。下山届けには、嫌味のように下山時刻も記入してしまった次第である。さて、さて。某醸造所併設レストランは平日のランチタイムは14時までの営業である。まだまだ2時間はある。当初、大山まきばみるくの里でのランチタイムを画策していた。みるくの里は平日でも昼休みがないため、多少下山が遅くなろうとも営業しているからであった。だが、是ほど時間に余裕があるとは想像すら至らなかった。余裕があるならば乳茶より麦茶だ。伯耆町の牛さん達よ、ごめんな。水分は、隣町の山の伏流水で補給させていただくことと決意し、車はホテルの界隈に置き、歩いて醸造所へと向かった。
スーパーだいせんの思いとは裏腹に、醸造所のメニューには虚しく、スコティッシュエール売り切れの張り紙が無言に訴えるのを眺めるしかなかった。。。多分、大山登山をパシュート3女王を凌ぐ勢いで登ったとしても避けられなかった悲劇である。次回は3月中に訪米するしかない。訪米とは当然ながら、米子を訪問することである。無念の中、数秒の逡巡の上、昼から飲み放題を所望した。何せ、1杯400円程度のビールである。飲み放題はたったの1050円なのである。3杯飲めば文殊の知恵。スコティッシュエールへの無念を抱えながら、飲めるビールを絨毯爆撃するしかなかった。
宿へ戻り、昨晩の要約の続きやら、本稿下書きやら、大浴場利用可能時刻まで待てずに部屋風呂で汗を流すやらで17時までを過ごし、左程の体内エネルギー消費の殆どないまま、再び醸造所併設食堂の門戸を叩いた。
確かに18時前、金曜夜であれば未だ客席にも余裕があった。ここは料理も逸品が並ぶ。地鶏にバルサミコソース和えのサラダ、そして、鰈の揚げ物まで所望した。季節限定新種、八郷をはじめ、ペールエール、ヴァイツェン、スタウト、ピルスナーの各酒、1部は2度登場したかもしれないが、非常に有意義な夕時の食卓であった。この静寂感、満足感が翌日まで持たなかったことを後々痛感した。
宿に戻って大浴場に浸かり、翌日に備えた。晴れろ。晴れるのだ!!!
3時半過ぎに宿を発った。少なくとも降られてはいない。行けるぞ、ヲィ!バイパスから山陰道に降り、県道53号入り口の清楚さに一時は見過ごし、途上の狭路にも戸惑いながらも、マーチ号を西南の方向へと進めて行った。確かに有料道路を利用しない経路では最短距離なのであろうが、激早朝からの国道と県道の長丁場には骨が折れた。県道40号線に入り、漸く日の光を感じることができた。日が昇れば運転しているどころではない。さっさと登り始めねば!三瓶高原道路は舗装もガタガタだが舗装されていないよりはマシ程度であった。東の原駐車場に一番乗りのアントニオは、、、何だか腸子が今ひとつではあったが、トイレに寄り、6時前に駐車場を発った。リフトはまだ営業開始してはいない。当然、リフトの動きなぞは期待してはいない。リフト乗り場脇の登山口からアントニオは駒を進めた。

40分ほどでリフト降り場に到着した。まだ先に別のリフトがあるのかと思ったが、これで終わりだった。なんだ、リフト、有料の癖に何もできないではないか。だが、リフト談議の余地はない。今日は三瓶ファミリーを席捲するのであるから。


リフト降り場から10分程で女三瓶山に到着した。眺望は申し分ない。遥か日本海だ。しかし。確かに標高で150mは高いとは言え、男三瓶山頂には黒雲が立ち込めていた。お父さん、怒ってるのか、、、何を、、、昨晩、否、昼からか、アントニオが飲み過ぎたからか、、、はたまた、お父さん、まだ禁煙できていないのか、、、

女三瓶山から下って兜山を過ぎる辺りまでのルート上の展望に抜かりはなかった。まだまだよかった。でも、まだまだお父さんは、、、マイナス感を払拭できぬまま、男三瓶山の麓に到達した。何処も稜線上のような気がして、麓もへったくれもありゃしないといったところではあるが、残念ながら、男三瓶山の周辺だけはそのまま期待通り灰色雲の独擅場となった。お父さん、何がそんなに悲しいのか、、、それとも、ストレス過剰で喫煙できないのか、、、仕方なく、灰色男三瓶山以外に期待せざるを得なかった。


続く子三瓶山、孫三瓶山への道は、雪も一切なく、あらゆる角度を込めて大展望であった!!!喫煙を止められぬお父さんを反面教師として、頑張れるだけのことをしてくれていたようである。


太平山を通過する頃には、お父さんも機嫌をなおしてくれていたようであった。お父さん、次回はもう少しストレスを低減させてから出迎えくれ。


リフト降り場を過ぎると、何だかやかましい。あれか、スキー場の騒々しいBGMか、、、昨今の歌情報番組を確認していないため、曲自体は最近のものかもしれないのだが、リフトでこちらに向かって来るこれからのハイキング客も見当たらない。即ち、この音響設備の傍聴者は皆無である。蓮舫に聴かれていたら、即廃止のレッテルを張られてしまうことであろう。
駐車場に戻って来た。昨日の大山は平日にも拘らず10人程度の登山客を確認することができた。確かにピストンルートであったのだが、今日土曜に三瓶山ファミリーを一周して誰とも会わず、下山して東の原駐車場でこれからハイキングに向かう親子若干2人に会ったのみである。構えることなく登れる山としては悪くはないと思うのだが、交通事情の問題なのだろうか、登山/ハイク客が少ないのは心配であった。
そして、何となしに腸子は悪かった、、、腸子悪い割りに良く3時間以上歩いたな、、、
14時に米子駅付近でレンタカーを返却しなければならない事情もあり、激早朝出発でここまで来た。昼飯は米子駅付近がよかろうと、来た道を戻り始めた。2時台起きは身に堪え、米子への帰路は睡魔に急襲された。眠気覚ましにガムを噛み続け、重い瞼を苦悩さながら開け続けた。昨日のスーパーだいせん行脚の疲労が三瓶の後半に如実に現れていた。だからこそ、達成感は一入であった。
米子市街地に戻るが、アーバンホテルは予想通り、こじんまりとした建物であった。1Fレストランの今日のメニュー上には都合により和定食しか出ないとの表示だが、アントニオはその和定食を求めてやって来たのである。地鶏カツ揚げあんかけや烏賊刺しなどが膳を彩り、アントニオの胃袋を満足させるべくボリュームであった。。生ものは久しく口にしていなかったので烏賊刺しは助かった。
ゆっくりと定食を楽しんだつもりだが、12時を若干過ぎた程度である。レンタカー屋までは10分もかからない道程である。ガイドブック及びそのコピーを持参しなかった不安は残るものの、至近に聳える湊山を攻めるべく、周囲に駐車場を探した。なるべく交通至便でないくらい回り込めば、あわよくば無料のがあるのでは、と鳥取大学病院の周囲を巡っていると幸いなことに発見できた。

登山口から10分、鹿児島の城山より数段簡単な、城跡の山に登頂した。西側には三瓶の手前に連なる山々、北側は港湾、そして南東には我らが秀麗大山が頓挫していた。米子駅からでもひょっとすると30分を切ってしまうのではなかろうか。大月駅からの岩殿山を凌ぐ、駅前登山の筆頭と言っても過言ではないだろう。少ない労力でこの大展望は少し有り難味が薄れてしまうか。昨日と今日の疲労や初夏を思わせる陽気もアントニオの意気を冷やしていたことは否めない。
下山してもまだ12時台である。湊山公園を歩くことにした。葉桜が目立つ。そして、氷かき売りまで存在した。4月中旬である。氷に罪はないが、今から氷に頼ってしまうようでは、先が思い遣られるではないか、、、しかし、初夏の陽気に疑いの余地はない。売店に発泡性麦茶も存在したが、未だレンタカー返却までの運転が残っているのだ。我慢、我慢。
界隈で1時間ほど時間を潰し、13時過ぎにイツモレンタカー事務所のあるJOMOのガソリンスタンドに戻った。朝は見かけなかったにも拘らず、恐らく、前回電話口で対応してくれたと思われるお姉さんが開口一番、「お帰りなさい!」と。家庭的でなんだか気持ち良い。事務所がガソリンスタンド兼であるから、ここで満タンにしようと元々思っていたのだが、補充していたお兄さんからは「引き落としの時5円引きになりますから!」とカード払い明細を差し出してくれた。車内もめちゃくちゃ綺麗であったし、とても気持ちよく車を借りることができた。次回の訪米時にも是非とも利用したい限りである。
しかも、帰路も米子駅まで送ってくれると言う。先ほどまで乗って来たマーチに満タン給油したというのに、、、いいのだろうか、、、快適な、車の旅であった。
さて、駅前のSATYで土産を物色し、伯備線電車の時刻まで時間を持て余してしまい、再び某APIマニュアルを眺めることにした。列車発車までの30分程度を待ち切れず早めに改札内に入り、行き交う列車を眺めていた。山陰地方の鉄道交通の要衝を占める米子であるが、どれもこれも2両編成で事足りてしまっているようである。ローカル線の各駅停車が2両編成というのは珍しくはないが、特急列車もたったの2両である。確かに短編成だが本数は以前と比べて増え、スピードもアップしているのだから、サービスレベルは総じて向上していると言えるのだろうけれども、、、
乗車した各駅停車も2両編成で、2つ隣の伯耆大山駅で大量に下車してしまい、アントニオの居る車両には乗客が見当たらなくなってしまった次第である。そして岸本駅に到着し、伯耆町営のバスをまた1時間近く待つこととなった。駅舎は商工会館事務所を兼ねているようであった。土曜で無人状態であり、日本交通と町営バスの時刻表のみが寂しく飾られていた。APIマニュアルの続きを読みながら時を過ごし、バス到着10分ほど前にバス停に赴いた。次第に乗客と思しき岸本中学校の生徒が数名集まって来た。そして、噂に聞こし召す、デマンドバスの登場である。14人乗りの1ボックスカーだ。デマンドバス扱いの場合、どうやら中学生諸君でも有料になるらしく、「俺金ねぇよ、、、」と呟く諸君に対し、乗客であるお婆ちゃんが、「今日は土曜だから乗客が少ないからスクールバスと兼用なんだよ。さっさと乗りな!」とのことだ。乗車時に運ちゃんに行き先を告げると、全乗客の降車バス停を最短ルートで縫ってくれているようである。時に15日付け朝刊の地域欄に、昨年度、川崎市バスでルートミスが4件も発生していたとのことであった。デマンドバスには定型ルートはないのである。大型バスでは通行不可と思しき細いルートを縫っては少しずつ乗客を降ろして行き、やがてロイヤルホテルに到着した。確かに一直線で来たのではないにしろ、最短ルートでも岸本駅付近からは8km近くの距離があるのだ。一般客でも運賃は200円均一である。助かった、助かった。
大浴場で汗を流してから今日も醸造所併設レストランに向かった。果たして、飲み放題期の土曜日ゴールデンタイムは1時間以上待ちであった。。。飲み放題に時間制限はないことがこの時ばかりは悔やまざるを得なかった。待っている間に夕日は沈んだ。暇を持て余し、レストランのパンフレットを物色すると、近隣のペンション1泊朝食+夜は当レストランコースと飲み放題で8000円と言うリーズナブルな商品があることが確認できた。飲ん兵衛をもう1人探せれば、一般の飲み放題期外でも飲み放題体験ができそうである。これはこれは非常に魅力的だ。しかし、空席待ちは草臥れた、、、
やがてカウンター席に案内された。飲み放題対象外のビールにも少々惹かれたのだが、1050円の安さには今宵も折れるしかなかった。食事はどれも美味しく、待たされた疲労はじきに消えてしまった。カウンター臨席のカップルが地場の豆腐サラダを注文していた。その豆腐の大きさに戦く。豆腐はトンネルが掘れそうなほど、巨大だった。次回はトンネルを掘ってみたいものである。
支度、ゴミ捨てをして2連泊した宿を発つ。そして、今日のバスも隣のホテルにて乗車が可能な予定であった。昨日とは異なり、マイクロバスが到着した。どうやら昨日今日と町内の小中学校で授業参観が行われると言う。スクールバスには小学生が集まって来た。集まると言っても総勢で2桁に漸く引っかかった程度に過ぎないのだが、伯耆町営のマイクロバスは今日も縦横無尽に走ってくた。東南東に聳える大山が一際美しい。夏の日差しである。どうか末永く伯耆町を見守って欲しいものである。アントニオ以外の乗客全てが八郷小学校で降りてしまった。また会おう。
開店直後と思われる大山PAの売店にて無性にアイスクリームが欲しくなって購入し、程なくして京都行きバス便の人となった。京都市街地も含めて渋滞に巻き込まれることなく、京都に降り立つことができた。
さて、Expressカードのキャンペーンが辛くも1ヶ月前に終わってしまい、無料1杯クーポンが無効となってしまったものの、駅ビル内で大手市販以外のビールが飲めるとあれば利用しない手はなかった。迷うことなく八条ダイナーの暖簾を潜った。ランチメニュー中の「八条ビール」のサイズはグラスしかなかったのだが、ウェイトレスが「こちらのサイズで宜しいですか?」と聞くので、「他のサイズがあるんですか?」と聞き返し、恐らく夕方以降のものと思しきメニューを持って来させ、その中から、特大ジョッキを選択させていただいた。メニューには「タワー」も存在した。所謂卓上サーバの大きさである。真昼間に1人でタワー制覇と言うのは大胆過ぎて危険である。興味は勿論あったのだが、、、ハンバーグランチも売りではあったが、八条ビールの魅力の前には「前菜」の立場でしかなかった。京都駅で地ビールライクを楽しめるとは便利である。ICOCA支払いが可能なのは確認できていたが、念のため、Suicaでも大丈夫ですか?と問うたところ、威勢の良い返事で大丈夫ですっ!と返ってきた。ICOCA、Suica相互乗り入れから2ヶ月だが、ICカード払いキャンペーン中なのか、粗品としてメモパッドまでいただいてしまった。
Expressカード利用の中で割引運賃中最安のものを選択した都合で、1本前のひかりに変更するだけでも追加料金が発生してしまうようなので、タワー制覇が可能なほど時間的余裕が残ってしまったので、駅ビルを散策した。食直後にも拘らず、関西へ来たからには蓬莱551だろうと店を探していたのだが、確か以前はホテルグランビアの真下辺りだったようなに思ったが見つけることはできなかった。帰宅後ネットなどで調べると場所が変わったようである。探し方の問題だったのかも知れないが。
結局1時間程度時間を潰しながらひかり518号を待った。8号車の2列隣の小柄な外国人女性が、大荷物を網棚に載せようと四苦八苦していた。見兼ねたアントニオは、「Can I help you?」と声をかける余裕と腕力があった。荷物を載せたはいいが、果たして彼女は何処で下車するのか?「Will you get off at ...」「Tokyo.」「Sorry I will get off at Shin-yokohama, before Tokyo.I cannot help you at Tokyo.」「No problem.」と、終点になったら荷物にぶらさがってでも引き摺り降ろすから大丈夫よ!と言う身振りであった。確かにその大荷物で普通車両は迷惑ものだったかとは思う。新横浜で彼女は熟睡モードだったが、無事を祈りたい。
伯耆町営バスをHPで見つけてから色々と質問メールに対応して貰い、その後態々電話で、当初18日はデマンドバス、即ち予約客のみが乗車できて予約客の下車バス停に応じて運ちゃんがルートを決定する便でホテル発が7:40頃であったところ、急遽スクールバス、即ち定刻7:26発車で決められたルートを通る便に変更になったと電話をくださったなのはな生活課の方や、イツモレンタカー旗ヶ崎店の皆さんのお陰で気持ちよく米子を楽しむことができた次第である。大山リベンジしてしまったので次の訪問時は何処の山にしようか迷うところだが、またの訪米を皮算用してしまうアントニオがそこに居た。
(完)

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付録:
山旅・麦旅アドバイス
・ペンション伽羅木1泊朝食+大山Gビール食事飲み放題で8000-
との驚異的なプランあり。
・ウィートワインは飲み放題対象外。