4県登

不定期連載 山道をゆく 第266話
不定期連載 麦道をゆく 第72話
鬼住山(庵選千名山588)、三平山(庵選千名山589)、朝鍋鷲ヶ山(庵選千名山590)、
矢筈ヶ山(庵選千名山591)、吾妻山(日本三百名山、庵選千名山592)
ビア・ホフ・ガンバリウス
(ピルスナー、ペールエール、スタウト、ヴァイツェン、アルト)
【4県登】

11/21(金)
庵庵…鴨居〜新横浜…セブンイレブン…駅〜(のぞみ291号)〜京都
…八条口案内所…烏丸口バス乗り場JR2=310便=京都南IC=名神高速
=京滋バイパス=中国自動車道=安富PA=米子自動車道=米子南IC
−R181(出雲街道)−米子駅…AEON米子店…駅−R181−米子南IC
−米子バイパス−米子西IC−R181(法勝寺往来)−城山公園入口
−県道35号線(西伯根雨線)−江原−登山口…鬼住山…登山口
−県35−二部−県道46号線(日野溝口線)−鬼守橋−R181
−溝口インター入口−県道45号線(倉吉甲府溝口線)
−県道52号線(岸本江府線)−久米桜酒造前交差点
−ロイヤルヴァンベール大山…ビア・ホフ・ガンバリウス…RVB大山

11/22(土)
RVB大山−県52−県45−溝口−R181−江尾−R482−下蚊屋バイパス
−県道113号線(上徳山俣野江府線)−林道川上2号線−三平山登山口
−三平山−穴ヶ乢−朝鍋鷲ヶ山−朝鍋鷲ヶ線登山口−林道−登山口
−県113−R482−R181−江府IC−米子自動車道−溝口IC−県45−県52
−ガンバリウス−県52−カルロスランチ−県道36号線(名和岸本線)
−R181−ゆうあいパル−R181−県36−県52−宿=ガンバリウス…カルロス

11/23(祝)
カルロス−県道284号線(大山寺岸本線)−県道158号線(大山口停車場大山線)
−県45(大山環状道路)−県道34号線(倉吉赤碕中山線)
−一向平キャンプ場駐車場…大山滝吊橋…大山滝…大休峠
…矢筈ヶ山…峠…滝…吊橋…駐車場−県34−県45
−県道315号線(如来原御机線)−広域農道−県52−カルロス
=ガンバリウス…カルロス

11/24(月・振休)
カルロス−県52−県45−溝口インター入口−R181−鬼守橋−県46
−黒坂−R180−R183−諏訪−生山バイパス−丸山下−川本橋
−県道15号線(横田多里線)−横田−R413−八川−県道49号線(上阿井八川線)
−馬木−県道25号線(玉湯吾妻山線)−大峠…横田別…大膳原…吾妻山
…大膳原…横田別…大峠−県25−県49−R314−県15−R183−生山バイパス
−R180−県46−R181−溝口インター入口−県45−県52
−RVB大山…ガンバリウス…RVB大山

11/25(火)
RVB大山−県道159号線(米子丸山線)−日野川東IC−米子バイパス
−米子南IC−R181−米子南高等学校入口−県道300号線(米子環状線)
−ヤマト運輸米子陰田宅急便センター−奥陰田−米子西IC
−陰田町−R9(山陰道)−道の駅あらエッサ−出雲郷東−東出雲IC
−松江道路−松江JCT−松江だんだん道路−川津IC−R431−城北道路
−槇戸天狗堂−城北道路−R431−川津IC−だんだん道路−松江道路
−安来道路−米子バイパス−米子JCT−R431−山芳亭−R431−皆生
−県道207号線(皆生西原線)−西福原1−県道317号(両三柳西福原線)
−米原−県道245号線(両三柳後藤停車場線)−錦町3−県道157号線(米子港線)
−米子食品団地入口−県道47号線(米子境港線)−米子鬼太郎空港/ANA1088
/羽田空港国内線ターミナル〜仲木戸…東神奈川〜鴨居=鴨居七丁目
…庵庵

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今年もまたあの季節がやってきた。何しろ、秋のビール祭り期間が12月はクリスマス寸前まで延長されているのだ。11月中旬までの限定ヴァイエンホップにありつけるだろうか。今回は、基本的には夜のみビールレストランを予約したいと、取締役の田村氏に依頼しておいた。基本、アニバーサリー休暇を連休に繋げて、当初は4連休の目論みであった。辛くもコア2日間の何時もの宿が、予約開始日に後方羊蹄山に登っていたこともあり、受付ゴングの10時に間に合わなければタッチの差で確保できなかったのが悔やまれる。当初、帰路の航空券が平日のため諭吉さんでお釣りが!の廉価で入手できたものの、土曜日出発では空路は左程安くはないため、新幹線と高速バスのパターンを模索していた。海外出張の振替休日もくっつけてしまえっ、イャォッ!と行ってしまおうかと高速バスの予約センターに電話をし、Express予約HPと共に交通手段の確保と相成った。次回は往路も早割?もしくは贅沢にExpress予約特典でのぞみG車でもう少し西まで行くか?しかし、これで初日午後からエンジョイできるぞ、と皮算用は進む。ガンバリウス近隣の宿を模索しているうちに、前回のあすかより近くて少々廉価、しかも夜食はガンバリウスで食べなされ、との夜食なしプランのあるペンションが見つかったので早速予約をした。
荷物はどうするか。山向けDバッグは問題ない。残りはボストンバッグに詰めるか。トレッキングポールは不可欠である。分解しても、何時ものボストンバッグでは収まらないぞ。シンガポール向けに新調したガラガラだとすっぽり収まるな。帰路、これを持ち歩くのはしんどそうだが仕方ない。25日夕方に町田に用事を作ってしまった。羽田でのターンテーブル待ちと鴨居駅からのタクシー代を考慮すると、米子から宅配便でガラガラを送ってしまうと言う手も十分検討の対象となろう。元々機内持込み可能サイズで購入していたら、結局ポールは入れらなかった可能性が高い。
自宅からのガラガラ歩行は意外と快適であった。最も、ほぼ下り一辺倒だからと言うのもあるが、普段の新聞読みながら歩行よりは速く駅に辿り着けた。
東海道新幹線の西行きと言えば、シウマイ弁当が相場だったが、運転するのでスポーツドリンク、と言うか、ガソリンは飲めないし、何となしに寄ったコンビニの幕の内の安さに目が眩んでしまった。まぁ良い。
米子までの高速バスの始発便は、京都駅発が8:50である。それに間に合う新幹線は意外とあるが、前回、待ち時間は長いと思い、のぞみ291号を選択した。冨士は灰色雲に囲まれていた。確かに金曜日ともあり、通勤客も少なくない。名古屋からは隣席にも乗客が来た次第だ。
京都駅でのバス乗りにも余裕があると思ってのんびりトイレに寄ってから八条口へと向かった。八条口の京阪バスの切符売り場氏曰く、乗り場が烏丸口になっていると言う。「そんなこと知らん」と内心憤りながら、窓口氏の説明を聞いた。窓口氏自身には罪はなかろう。ただ、乗り場を烏丸口へ追い遣ってしまった共犯者と思わざるを得なかった。確かに改めて日本交通バスのHPを確認すれば、そのような記載にはなっていたが、何時八条口から移されたのだろうか。氏曰く、時間は残されていない。西側の自由通路は遠いぞ、と思いながら、一か八か、地下鉄乗り場から向こうへ潜れないかと足早に進む。ガラガラが軽かったのが不幸中の幸いだ。烏丸口こそ京都の玄関とのことで、集約されてしまったのだろうか。集約されたが故のバス渋滞も発生しているではないか、馬鹿タレ。そして到着したバスは以前の3列シートタイプでなく、ノーマルな4列タイプであった。デグレだ。最も隣席は空席だったので2席分ゆったり利用させていただけたのではあったが。
バスは結局烏丸口側から堀川通りのガードを潜って南に向かうと言うのに、無駄である。最初から八条口と指定して貰った方が、混乱は少ないと思うのだが。名神高速から中国道に入ってお約束のように渋滞にはまったが、程無く流れたように思う。安富PAの休憩時間にアイスを食べ、これまたシンガポールへの空路と同様、虚しくスマホ数独に明け暮れていた。気づかぬうちにバスは定刻より40分以上も早く米子駅に到着してしまった!これはこれは!嬉しい誤算だ。嵩張る荷物を車のトランクに詰めてから買出し、と目論んでいたのだが、、、ガラガラ引き摺りながらでも先に買出しすべ。支払方法について逡巡の結果、朝食や行動食向けに惣菜パンやおにぎりなどを、誕生日の特別クーポンを使って全て5%引きで入手した。さて、前回は高速バス乗車中に電話を掛けて下さったくらいなので、今回それもないところを見ると、迎えはぎりぎりか。心配になってレンタカー事務所に電話すると、あ、、、前回のおじさんに似た、、、多分、兄弟なのだろう、おっちゃん2号が登場し、何とか落ち合えた。高速バスで、と伝えていたが、レンタカー札を抱えて駅内で待っていた模様だ。利用ルールが半年前から改訂され、駅前に自家用車を長時間停められなくなってしまい、代わりに地下に駐車場が設けられていた。こちらは30分以内の駐車は無料らしい。なるほど。さてさて、買出しも済んでいるし、かと言って夜まであと数時間か。ならば1時間コースとして計画していた2山のうち、大山界隈から遠い方の鬼住山にするか!
伯耆街道を逆戻りし、県道などを経て登山口に到達。荷物はなるべくトランクや後部座席に押し遣り、身軽になってムーブ号を飛び出した。トレッキングポールが、、、あああ、1本、バックルネジが緩んでおり、長く伸ばせないではないか。。。コースタイム1時間程度の山でよかった。。。宿に戻ったら忘れずにマイナスドライバーを借りて調整しないと!
20分程で山頂付近なのか、社が建ち、見晴らしの良い岩のテラスへと辿り着いた。まずまずの景色だ。今日は8府県を跨ぐ大移動だったし、これで業務終了、麦の楽園にて胃を癒さねば!!!ポールが1本使い物にならなかったので慎重に下り、それでも矢張り20分以内に駐車場に戻れてしまった。夢は麦野を駆け巡る。急がば回れ。焦るな。渋滞はない。



県道、国道、そして県道を経て、homeに戻って来た。少なくとも気分的には。宿に着くや、スタッフの方とは半年以上振りなのだが、重成さん、(22,23日と連泊できなくて)残念ねぇ、との少々嬉しいお言葉であった。連続利用希望だったが、事前メール申込では2ヶ月前から電話での受付まで待てと断られ、当日については既報の通りであり、その後のこの宿受付窓口対応の是非については、もう語りたくはない。忘れよう。名前も割れている。残念イコール自分が優良顧客と言うことと思っていいのだろうか。年に2回とはいえ、継続は力なり。継続は信頼なり。最も、地球、建物、清掃者にとって一番優しい部屋の使い方をしてきたと自負している。レベルアップだ。今年も来て良かった!来年も同じ言葉を掛けて貰えるよう、一顧客として努力したいものである。あ、忘れずにマイナスドライバー借りてポールを調整しないと!
否、此処で満足していてはいけない。何のために今日、この夕方まで自身のガソリン補給を断ってきたのか。ガンバリウスよ、待っていてくれ。気は逸り、予約時刻を待てずに宿を発つ。
金曜夕方ならば未だテーブルに空は少なくはなかったが、予約席に通してもらう。残念だが、既報の11月中旬まで限定のヴァイエンホップは終売してしまったようだ。そう、土産物売り場の冷蔵庫に瓶もなかったのだから。次善作品としてアルトがレパートリーに加えられていた。 嗚呼、ヴァイエンホップよ。売り切れイコール大山Gビールが繁盛していることなので喜ぶべきなのだろうが、複雑である。業界は盛り上がるべき。だが、アントニオの飲む分は残してほしかったナ。。。しかしこれは、アントニオへの戒めかもしれない。目玉商品がない分、定番を楽しむべきだし、定番も飲み飽きたら、それが酒の止め時なのだ。今日のガンバリウスの食卓も美味しい。勢い余って純米大吟醸の八郷もいただいてしまう。今回こそはと保険のために、チェイサーとして何度もお冷をお替りした。スパリブも飲んだ。たっぷり美味しく食べ、程ほど飲んで、気分良くガンバリウスを辞し、清々しい明日を迎えたい。
スパリブも奏功してアルコール残感ゼロ、すっきりと大山麓の朝を迎えられた。さぁ今日は周辺一帯何処も好天そうだぞ。昨年、台風による土砂災害で登山口に辿り着けなかった三平山に行きたくなった。標高1000mを越えたい、頑張って。
伯耆街道からR48へ進む。少々霞みも濃いが、これがこの地域の特質なのだ。明るい霧だ。霧の向こうは錦織の筈だ。ロードマップを細かく確認しないまま、期待通り、登山口へ到達できた。イャォッ!天気最高!快晴!行ってまうぞ!待ってろよ!後半戦の膝への影響なぞ心配している場合ではない。青空が優先だ。1年振りの怨念を晴らすのは今だ!
概してなだらかな山道である。山頂も手に取れそうな地点にある。登っているうちに、今日この山だけでは勿体ない感覚が目覚めてきた。爽快過ぎる。
満を持してスローペースで進んだものの、モノの30分で山頂に到達してしまった。イャォッ!イャォッ!今シーズン中に1000m超をと願っていたが、こんなに簡単でいいのか。事前からガイドブックを眺めては、何となくネーミング的に登ってみたいと思っていた朝鍋鷲ヶ山。ガイドブックには隣のページに記載があった。縦走コース自体の記載はなかったが、一応隣の山のようである。一部コースタイムが不明だが、未だ未だ時間は十分あるぞ。ここは進むしかない!





夜露で若干泥濘もあり、穴ヶ乢への下り急坂は厳しいものがあった。次回、があればの話だが、次回は間違いなく穴ヶ乢側から登るべきである。慎重に、慎重に下った。途中、余りにもきつい下りに何度も道を間違えたかと思ったのだが、穴ヶ乢はやがて目の前に確認された。
そこまでの急斜面を体感すると、穴ヶ乢からの登り返しが数段楽に感じた。三平山から1時間程度だったろうか、高台からの見晴らし素晴らしき朝鍋鷲ヶ山に到着できた。感無量。良くやった。太陽、有難う。





時間的余裕と言うよりは、穴ヶ乢への下りの傾斜ばかり気にかかり、下山には可能な限り斜度の抑えられたコースを選択すべきと思わざるを得なかった。ガイドブックによると、朝鍋鷲ヶ山登山口からは延々と階段が続く、とあった。急斜面より数段楽そうだ。これに決めた。実際、有り難かった。この標高差を階段なくして下らされたら翌日以降の登山は不可だったに相違ない。
何とか無事に林道にまで辿り着き、舗装路を駐車場方面へと戻った。駐車場の手前にトイレさえ発見された。三平山だけならば本当にお手頃ハイキングだなぁ。好天に恵まれ、充実した山行だった。
さて、昼予約は敢えて避けていたのだが、頑張れば昼食襲撃も辞さない程の時刻に下山してしまった。逸る気持ちを抑えられず、少しでも早く着きたい!、と米子自動車道を1区間だけでも利用してしつつ、また美酒を目論んでしまう。麦有引力には敵わなかった。麦酒日和だ、間違いなく。
一応ゴールデンタイムを少々終わりかけた頃に入店し、すぐに空席に通して貰えた。ラッキーだ。早いビールタイムだが、それでも今日はもう2山を制覇したのだ。乾杯だ。アルトが派手でない分、定番のスタウト等も改めて味わうのには好都合であった。
さて、宿にて一風呂浴びて、まったり、、と思いきや、玄関にて16時までシャットアウトの張り紙を確認してしまった。。。サービス提供時間を短縮して少しでも運営コストを抑えて、と言うことなのだろう。。。く〜っ、やられた。仕方ないので、これも界隈に何度も来てながら今まで一度も寄っていない温泉施設に赴くことにした。随分世話になっている町なのだ、微力ながらも貢献するとしようか。すっかり更新が途切れてしまった外湯情報を追加することにしますか。
16時過ぎに宿に赴けば、恐らくアントニオより少々若いと見られる女将さんが待ち構えていらした。気さくな感じで、こちらも自家製パン提供にも拘らず、翌朝の時刻も6時台からOKとの快い返事をいただいた。をぉ、素晴らしい!山屋、アントニオ向けだ!
夜ガンブリにも快く車で送っていただいた。さて、夜の部だが、飲み放題ばかりではレストラン側に悪かろうと、強吟を所望した。心なしか、昨年のそれの方が美味だったような気もする。他酒の瓶ものも軒並み完売で強吟瓶だけ在庫有り、なところを見ると、アントニオの舌も多分万民と同じ感覚なのであろう。それから、長年その機を覗っていた巨大スペアリブを遂に所望してしまう。味は申し分ない。勿論。ただ、骨折りの労がタラバガニ捌きに準ずるくらいであり、向こう1月間くらいはスペアリブの顔も見たくない感覚となったことは否定できない。自分に合掌。
3日目である。天気予報的には晴れ晴れしきを望むのは厳しそうな感触も否めない中、今日も一定の歯応えを、と登山口まで地図的には近距離ながらピリリと辛目の矢筈ヶ山に鋒先を向けることにした。
地図上の直線距離は非常に短いのだが、大山環状道路の実態は九折が激しく、往路の運転だけで今日の旅を堪能しそうになってしまった次第である。南回りの方が近そうに見えるのだが、復路は逆回りが近いのか。そんな訳はない。果たして、往路の気の重さが本日の山行程全体を占っていた気がしてならない。
登山口となる一向平キャンプ場もひっそりしていた。早朝だから人気が少ない、程度の感覚ではなかった。空模様も含めて何かしらネガティブに思わざるを得ない様相であった。駐車場からは先客のおじさん、結局追い付くことはできなかったのだが、自信ありげに出発して行ったので、アントニオも追従するか。しかし、モノの数分でぽつりぽつりと来てしまった。天気予報はもう少しポジティブだった筈だ。元々レインウェアは防寒も兼ねて出発から着っ放しではあったが、暫くはそのフードの世話にならざるを得なかった。
大山町にない大山滝。近くに寄ってももっと映えた映像が収められるかの疑問を払拭できそうもなく、展望地のだいぶ手前から数度パチりとフレームに収めた程度で先へ進む。
光合成ができないとなると、足取りも重かった。昨日までの疲労を考慮してもダメージの蓄積は感じなかったのだが、これでこの後山頂で晴れるのか、不安だけが過り、晴れてくれ!との意思を天に訴えようとの気力も削がれる薄暗い中国自然歩道に、アントニオは居た。数ある登山の中でこのようなケースもありか。既に負けレースの様相を呈していた。
大休峠とはなんだ。地名に罪はない。しかし、休めば晴れると言うのか。多少気重なまま、休んでもプラスにはならないと判断し、山頂へとそのまま向かった。


山頂の上空も、我が気持ちの反映そのものとしか言えなかった。寒々として、今日ばかりは待てば晴れそうかも、との想像力も失われていた。一瞬、二瞬程度、風で隣の山程度までガスが切れたものの、それ以上の好景は拝めなかった。勝に不思議の勝あり。負けに、何だったっけ?野村克也氏が言っていたのは。不思議の負けなし、か。何か心掛けが悪かったのだろうか。Yahooもそんなに悪い天気を予報してはいなかったと思うのだが。うむ。それに、今日は昼間は貸切のため、早く下山しても18:30以降でなければ飲めないのだ。だが、これでも大山近郊行脚3日目にして3県目鳥取の山を制覇、に依存はない。下るとするか。
帰路の大山滝付近には、4名ほどの観光客が佇んでいた。この天気では面白くなかろうに。まぁ、山の方も面白い訳ではなかったのだけど。行動食としての菓子パンが冷たい。何かさっさと温かいものを、、、と痛感した。
とは言え、キャンプ場駐車場付近の蕎麦屋には触手が沸かなかった。今からゆっくり帰れば宿16時くらいに見込めたためである。蕎麦より風呂だろうか、今は。さて、このキャンプ場の地名、一向平だが、この読みがイッコウダイラではないのだ。「平」がタイラ、タイ、ダイ、ヘイ、ベイ、ペイ、はたまたピンでもないのである。これほど出題欲をそそる一向平の読みなのだが、敗戦後に投稿の意欲さえ失われていた次第である。何せ、また無限ループのような環状道路を引き返さねばならないのだ。
帰路の運転も気が重いままであった。標高が下がるに連れ、上空に明るみも見られた。場所を変えれば好天下の展望を拝めたのかもしれない。こんなこともあるか。ただ、幸か不幸か、矢筈ヶ山登下山もゆっくりだったし、直線距離の割にしんどくスピードも出せない往復の運転時間も嵩んだため、昨日のように16時まで他で時間を潰す必要はなさそうである。地図と睨めっこを続けた末、環状道路のうち、地図上右下側四半円を描いては遠心力により農道、それから県道52号線へと吹っ飛ばされたようなコース取りとした。ただ、県道52号線のアップダウンに曲がりくねりも容赦はなく、シンドさが環状道路より1割程度くらいしか軽減されていないように感じた。今日は結局そんな日なのだ。無事に宿に辿り着けるだけでも有り難いと思うべきだ。
宿に戻り、一番風呂につかり、暫くした後、今日もワゴン車にてガンバリウスまで送っていただいた。連休中日として、何かしらのイベントで直前まで貸切となっていた影響で、18:30頃のガンバリウス入口付近は激しい人集り、気弱な人は退散も辞さないであろう状況に見られた。嗚呼、予約しておいて正解であった。案の定、非予約グループのうち、十名以上いたと思うが、18:30の時点で着席不可、恐らく向こう1時間程度は待たされ状態、の模様だった。合掌。アントニオはサラダ、ピザ、ポークソテーとビールで今宵も夜の食卓を満喫させていただいた。
今日は昨日のリベンジとしたい。どっち方面がいいかな。曇りマークは多いが、9時と15時に太陽マークを見た吾妻山方面に賭けよう。また県道47号線を使い、一路西へと向かう。木次線沿線もおろちループなどで、以前訪れた小学生時代の頃よりは観光資源も増えているようだ。山に登れなくなったらそれも選択肢に入れようか。今日も渋滞もなく、麓まで辿り着く。
いや、天気いいぞ。山頂よ、待ってろよ!ガイドブックではこの先にも駐車スペースの存在を謳っていたが、トイレにも寄りたいので正規の第1駐車場にムーブ号を停めた。ここからでも往復たったの3時間超程度のコースである。急いではいけない。何となしに第1駐車場付近の民家の方々の目さんに温かみを感じたのは気のせいか。暫くは舗装された林道を進む。これも準備運動の一環だ。苦ではない。アントニオを追い抜く車もあった。ふっふっふ。久々に現れたな、怖いもの知らずめが。貴様には何が正義か、とことん知らしめてやる。第2駐車場の先に第3までも存在し、そこに先程の四駆車を発見した。この好天で光合成全開のアントニオの前に、いい度胸をしているなぁ、お主よ。追われる者の恐怖をそんなに味わいたいのか。貴様は曲がりなりにもアントニオ様を追い越したよな。覚悟はできているのだろうな。ふっふっふ。林道らしき道も終わるが、林道より傾斜の緩やかな山道が続き、非常に歩き易さを覚えた。飛び石縦走4日目にしてこれだけ快適歩行が可能とは、アントニオも頑丈に出来ていると言えよう。
先程の四駆車の乗員と思しき初老夫婦に追い付き、難なく追い越した。「速いねぇ」「えぇ」それ以上の言葉はなかった。貴様が遅いだけなのだ。目線で理解しろ。
タイミングよく頂上で晴れてくれれば良いのだが、烏帽子山方面との分岐を過ぎ、ガイドブック通りに歯科医の広がる大膳原に立った。さすが、広い。しかし、喜ぶのは未だ早い。

逸る気持ちとは裏腹に、今一つの空模様の吾妻山頂であった。徐々に登山者は増えてきた。広島県側からはコースタイムも1時間少々らしいと言うこともあるのだが、不思議と、アントニオの登頂に合わせて登って来ているような錯覚さえ感じた。少々騒がしくなってきた。



だが、我慢しているうちに、雲が切れてきた!やはりアントニオは正義であることが証明された。今日で広島県境の山、初踏破である。今回のツアーは島根、岡山、鳥取、広島と4県を跨いだ。中々充実しているなぁ。ただのビール旅としては運動量が多いだろうと自負した。長居をした甲斐があった。




広島県側からの登山者は留まるところを知らないが、先程の追い抜いた他に2名しか擦れ違わず、島根県側は静かな山道であった。こんなに快適なのに、勿体ない。概して歩き易い道なのに、勿体ない。
結局、第1駐車場には我がムーブ号が未だにぽつねんと停まっているだけだった。やったはやった。さぁ、飲むか。往路同様、高速道路の作りかけの生山バイパスなどを利用し、安全運転で再度ロイヤル側のhome宿に到着した。
本ツアー中ガンバリウス最終日である。遂に限定酒の当て酒と思しきアルトも直前に完売となってしまった。合掌。ツアー中の5食でも当然制覇できないメニューであるが、健康的に井上さんのおぼろ豆腐などを所望し、麦酒のお摘みとした。惑わされず定番酒を楽しむには落ち着いて良い環境だったのだろう。来年はどうするか。秋はイベントシーズンもあり、10月頃の渡米は難しかろう。否、イベントをぶっちするか。秋は諦めるか。まぁ、良く飲み、良く食べ、良く登った4日間であった。
最終日のみ辛くも天候が崩れそうとのことであった。4日間、無事故だった。素晴らしい。雨のアクティビティは一切考えていなかった。そうだ、銘酒、王録酒造訪問購入はいかがだろうか。前日に電話すれば、あっけなく仕込み多忙故に代理店を案内されてしまった。既にHPでチェック済ではあったが、松江市の槇戸天狗堂である。他にやることもない。手元には保冷バッグさえある。元々大山Gの逸品をと思って持参したが、今やその役目は不要だ。ならば王録の銘酒を携えようか。9時過ぎ、これは本当はギリギリだったのだが、宿を出て県道159号線から米子バイパスで米子西ICへ、少々下道の後、松江東ICから松江バイパスへのムーブ号を進めた。アントニオ手元のロードマップには記載のない、松江だんだん道路なるものが存在した!これで運良く宍道湖を渡って目的地近くへ辿り着けないだろうか。アントニオの動物的感覚は的中した。相当都合よく市街地へ突入でき、R431から城北道路へと進むことができた。ランドマークを事前に確認していなかったため、少々行き過ぎてしまったが、酒の殿堂、天狗堂に到達できた。王録も、、、8種類はあるな、、、お値段もそこそこな4合瓶を2本見繕い、レジへ向かう。店員に保冷バッグ等が必須などと言われ、すかさず手持ち分を差し出した。当然だ。アントニオ様だ。王録凄いなぁ。東京のますもと行かんかてええねん、思いながら車に戻る。
山芳亭で豪華昼飯で旅の締め括り、と思うと時間はない。帰路はだんだん道路から松江バイパスへ、そして奮発して有料の安来道路も駆使し、日吉津村に到達したのが12時半だった。平日だろうが山芳亭は混雑しており、丼が出されるまで少々待たされてしまった。イカウニ鮪白ハタイクラの載った豪華山芳丼である。惜しいが時間がないので急いで掻き込んだ。少々勿体ない気がするが。。。
さて、急いでイツモレンタカーに寄る。米子駅での打ち合わせ通り、空港返しなので此処では満タン給油のみだ。4日間無給油でよく走ったよ、渡辺さん。日吉津村着数十分前から燃料切れ警告ランプが点灯しており、空港までの距離的にはその給油なしでは県道47号線の途上でジ・エンドとなっていた筈だ。急いでいてケータイに2度着信があったことに気付かなかった。空港の返却予定場所にムーブ号を置き、留守電を聞くと、あ、聞き覚えのあるおじさんの声である。やっぱり。兄弟なのだろう。アントニオ的には今日の方が初代おじさんになるが、13:30を過ぎてしまい申し訳なかった。ただ、おじさんは車そのものが次の客向けに間に合って安堵してまた到着ロビー方面へ行ってしまった。無傷だから心配ないよ、おじさん。
帰路空路もまたスマホで数独中毒となっていた。嗚呼、目の毒だ。どうにかしないと。羽田では快速的乗換術を駆使し、予定の一番最速パターンでの戻りとなった。今回は4県分の山に登った。充実した秋の大山路であった。
(完)

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付録:

山旅・麦旅・米旅アドバイス
・鬼住山登山口付近にトイレなし。
・三平山登山口の林道先にトイレあり。
・一向平キャンプ場にトイレあり。
・県道15号線は県境付近5,6kmは狭路。対向車要注意。
・大峠駐車場にトイレあり。第2、第3駐車場の方にはトイレなし。
・王録酒造 冬場の訪問には要電話。仕込み等で販売対応していない可能性あり。
近隣の王録特約店は、松江市の槇戸天狗堂。