チョー不定期連載 陸道をゆく 話数知らず 11/11/19~ 奥の細道福島路 |
【福島は元気です。】 11/19(土) 庵庵…鴨居〜菊名〜渋谷〜京橋…鍛冶橋駐車場−宝町IC −6号−C2−S1−東北道−羽生PA−那須高原SA−白河IC −R4−R289−県道76号線−白河の関…白河の関散策 −県道76号線−R289−小峰城…城、白河集古苑散策 −R4−岩瀬牧場−R118(石川街道)−乙字ヶ滝、散策 −R118−須賀川市役所・芭蕉記念館…可伸庵跡 …等躬屋敷跡…結の辻…十念寺−R118−須賀川IC −東北道−安積PA−福島飯坂IC−R13−フルーツライン(県道5号線) −R399−匠のこころ 吉川屋 11/20(土) 吉川屋−R399−旧堀切邸…鯖湖湯−県道3号線−医王寺 …散策−フルーツライン−JA新ふくしま農産物直売所ここら吾妻店 −R115−四季の里アサヒビール園−土湯温泉−R459−岳温泉 −R4−安達が原…観世寺…黒塚−R4−奥の松酒造−R4−本宮IC −東北道−那須高原SA−佐野SA−S1−C2−6号−箱崎IC −都道10号(永代通り)−日本橋口…東京駅〜東神奈川〜鴨居−庵庵 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ |
福島路ビールの吉田さん遠征イベントに立て続けに参加をしている最中であった。我が緑区は中山まつりにイベントが馳せ参じた折に、東北復興支援ブース界隈の一角に、そのツアーのパンフレットを、観光課の遠藤さんは喉から手が出るほど配り知らしめたかった様子であった。このツアー行程、この宿。交通費と全4食付で5000円とは!応募資格は、Twitterやブログでツアーモニターをし、福島の安全性などをアピールできる人、とある。紙面上の厳密な規定には少々達していないのだが、福島を応援するには俺に任せろ、の主旨で遠藤さんには回答した。観光課で1人当たり3万円以上補助するとのことであった。宿も上質そうに見えるし。アントニオの筆ならぬストロークで福島を救わねばならない。 |
早速その日のうちにFaceBookで紹介したところ、吉田さんからは、その宿でも福島路ビールのヴァイツェンが飲めるとコメントがあった。そこそこの宿だから、晩飯の飲み物の選択肢が瓶ビールだけ、なんて生温くはなかろう。地酒も出てきてしまった暁に果たしてヴァイツェンは口直しになるのか。早くも胃袋はアセトアルデヒド充満予告編をシミュレートし始めてしまっていた。 |
さて、暫く経過後、当選通知が届いた。やった。力の限り、フルストロークで踏ん張るぞ。通知には、参加費5000円徴収が無料になり、しかも1人参加は相部屋と思ったら洋室を1部屋割り当ててくれるとのことである。これは頑張らねば。 |
個人参加の地図を見る必要のない気ままな旅は果たして何年振りだろうか。ちょっと昔に八ヶ岳スノーシューツアーに行って以来だろうか。地図を見ないで済む、と言うのは個人的にはもどかしくもあったのだが、今回はレポーターに専念すべきだろう。そして今日も雨である。先週の伊豆行き初日も然り。でも明日は晴れるさ!福島は元気な筈だ! |
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バスは奥州街道を逸れ、岩瀬牧場を掠めた。文部省唱歌の牧場の朝のモデルになった場所らしいのだが、そもそもその牧場の朝とは何ぞや、と唸ってしまった。アントニオもそれなりの年齢ではあるが、我々の世代で牧場系の歌と言えば、♪おお、牧場は、みどり〜♪だろう。こちらはチェコスロバキア民謡である。「おお」は原詩の感嘆表現を日本語にしたものである。ちなみに「おーシャンゼリーゼー」の「おー」の原詩も発音は「おー」だが、auxであり、英語だと「at the」の意味で、なおかつtheの後ろが男性名詞の複数形である。シャンゼリゼは男の集合体なのである。 |
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界隈の一角に、結の辻と呼ばれる広場があった。3.11の影響か、緊急時向けとして井戸水が吸い上げらたり、蓋を外すと竈に変身するベンチも設けられていた。そんなことを髣髴とさせない和風の落ち着いた空間である。その本領が発揮される日が来ないことを願って止まない。 |
須賀川界隈散策の最終地点は十念寺である。幾多の墓石が崩れたままとなっていた。非常に痛ましい限りである。御霊の眠ること、安らかなるを切に祈るしかない。 |
十念寺の後は、宿に向かうのみであった。そう、本ツアーには福島県出身のタレント、なすびさんが同行されており、雨で寒いにも拘らず、各訪問地では地元の方の握手攻めに会っておられた。そのなすびさんが、須賀川特有の製菓とのことでくまたぱんをバス内でツアー参加者に配ってくださった。黒糖水に小麦粉を混ぜて練り上げ、こしあんを包み込んで、小判型に成形して、こんがり焼き上げ、砂糖をまぶした素朴なお菓子。とのことであるが、食べた感触は、こしあんを包んでいるのは砂糖のみである。「焼き上げている」と言う表現を食感に味わうことは果たしてなかった。1ぱんで成人標準摂取量の1週間分の糖分を摂取してしまうくらいの勢いであった。我こそは超甘党と豪語される方の挑戦を、くまたぱんは心待ちにしているだろう。 |
天候も然ることながら、日没はとうに過ぎてしまったため、周囲の紅葉の鮮やかさに気が付く間もなく、穴原温泉の一角、吉川屋に到着した。玄関周囲はバスなどの車で賑わっている。どうなのだろか、この客層の中に、我々以外に招待者は何人ぐらいだろうか。 |
客室に赴く。宿のHPを見ると、ビジネス客向けの素泊まりプラン用なのか、和風旅館ながらも洋室の用意があって、そこに案内された。1人ならば仕方ない。食事がなくとも8400円コースでの部屋である。さて、食事は如何ほどか。しかし、ジョギングシューズが雨中でずぶ濡れのため、さっさと脱いで温泉に急行した。先週末は湯こそ温泉ものではあったが、浴槽は家庭風呂クラスであったため、今日の温泉は期待度五千万倍であった。室内も当然の大浴場で、露天も期待違わぬ広さであった。摺上川のせせらぎが雨中の濡れ鼠達に癒しを与えてくれた。 |
さてさて。期待二億四千万倍の夕飯である。食後のロビービールとして福島路のヴァイツェンをいただく前にベロンベロンになっているくらい、大量のアルコール摂取に溺れてしまうのではないかと想像していたが、アントニオの驚きのベクトル方向が強大になったことは否定できなかった。 |
まず、食事会場の個人膳の並びの外側にテーブルがあり、県産品と思しきお土産の数々が並んでいるのを見つけてしまった次第である。単なるアピールだけで終わるのか、はたまた抽選会でも行われるのか。温泉も良かったが、食事も良さげで、それ以上いただいてしまって良いものか、と、、、ただなら、、、衣食足りても、、、 |
個人膳の方も、運良く尊敬すべき呑兵衛な方に臨席できていた。何やら地酒云々と宿の方と談義をしていらした。宿の方が徐に地酒リストを運んで来た、、、リストからの選択権は行使しなかったものの、隣の方が選択されたもののお零れはいただくことができた。お零れも次第に嵩み、お零れどころではなくなって来てしまった。美皿に美酒の挙句、矢張りあのテーブル上の品々は抽選対象と言うことが発覚してしまった。「え〜っ!」「そんなの聞いてないよ〜」「うっそ〜!」皆、満面の笑みを湛えながらのリアクションであった。会場には、恐らく景品購入権を駆使されたと見られる福島県観光課の課長さんがお見えになり、その課長さんが次々とツアー参加者住所氏名の記載されたカードを抽出して行った。地場もの肉入りレトルトカレーなどを皮切りに、徐々に景品もアルコール度数が高まって行った。残念ながら、アントニオは二等までとも相性が良くなかった。そして、一等賞は大七酒造による妙花闌曲の4合瓶である。2008年洞爺湖サミットで乾杯酒に選定された逸品で、瓶にはシリアル番号が振られており、1131本しか出荷されていない、究極の品である。価格にして14,700円もする。課長さんが最終カードを引いた。先ずは、当選者の住所が読み上げられた。「横浜市」。セーフだ。ここで一気にノミネート者がアントニオともう1人に減った。「保土ヶ谷区!」。栄冠獲得である。恐ろしい。帰り道、事故に巻き込まれたりしないだろうか。いやはや、運を使い切ってしまったか、、、福島には、今後もガバガバ、おっと勿論有償で飲んで消費に貢献していかねばならない。同じ横浜市出身の方から嘆息が漏れているのが目に見えた。重責だ。飲んで貢献する。食べるのも勿論だが。福島県観光課の処遇が正しいことを証明して行かねばならない。足を運べ。飲め、食え。福島の方々は闘い続けている。援軍とならねば。 |
大宴会後、また温泉へと歩を向けた。摺上川のせせらぎが心地よい。心地よいと感じることができる程度に一応酒量は抑えておけた。明日は晴れるだろう。もっと福島の元気を理解しなければ!一風呂浴びたら矢張り喉が渇く。ロビーに赴き、福島路ビールを所望した。ロビー嬢はしばし難色を示して国産大手の生ビールを差し出そうとしていたがこちらも譲ってはいけないと思い、HPにも記載があり、何しろ供給元のお墨付きであるので、諦めなかったところ、暫くすると紛う事無くヴァイツェンを携えて来てくれた。そのまま引き下がっていたら、貢献の一杯もできなくなるところであった。ロビーパブメニューには特に記載はなかったのだが、1杯目にはナッツ、2杯目にはドライフルーツのお摘み小皿が添付されて少々有難かった。2杯目終了時点でラストオーダーとなったため、大人しく部屋に戻った。 |
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飯坂と言えば、飯電と呼ばれる福島交通電車が有名だ。こちらも先週に続いて東急のお古車両が減益だ。目蒲線あたりの生まれ変わりだろうか。空調として扇風機も未だ力強く天井で回っていると言う。電車の空調設備は、扇風機+開閉可能窓から、冷暖房機+開閉可能窓の次に、冷暖房機+開閉不可窓へと変遷してから電力危機を迎え、軒並み開閉可能窓車両が復活して来ている。エコロジー最前線の飯電である。また、界隈では円盤餃子も有名だ。これはフライパンの上で一度にできるだけ沢山の餃子を焼こうとして並べたのが事の始まりだと言う。また、基本手作りのため、ランチ時間帯には食堂の食卓には上がることはないとのことだが、現在でもそうなのだろうか。 |
昨日の移動中にもあったが、ツアコンさんが徐に取り出してバス内の乗客に見せている端末は果たして、線量計であった。現状、福島県内ツアーコンダクターの必須アイテムなのであろう。日本で初めてラジウムの存在が確認された地であり、ラジウムが反応したのか、昨日より線量は上がっていたと言う。そう言えば、宿の部屋に投函されていた地元紙の2面初っ端に県内各地の線量情報が事細かに掲載されていた。株価や為替情報が気にならない人は居るだろうが、この数値群に心を痛め続けざるを得ない方々が居ることを、我々は肝に銘じなければならない。我々は戦場にいる。だが息苦しくはない。我々県外民は、息苦しくないことをもっとアピールして行かなければならない。大丈夫だ。線量計の値が気になるようならば此処には来ていないのだ。進め、ツアーバスよ。福島県民の願いを載せて。 |
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吾妻連峰や安達太良山が遠景に映えるフルーツラインを、バスは進んだ。今までして来たことの正しさを証明するかのような錯覚を感じさせる程の好天である。やがてJAの直売所に到着。既に紙袋の半分は4合瓶を包む化粧箱で埋まっており、これでも十分なお土産ではあったが、目の前の廉価な野菜達につい心を奪われてしまい、大量買いしてしまった。買い物袋が有料なので、徐にエコバックを持参した用意周到なアントニオであった。でも、今思えば、宅配便を駆使してでもお得なくらい、買い足りなかったかと。 |
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バスはR115を経て、四季の里へと向かった。思ったより近い、ビール園である。ジンギスカンと一杯のビールが振舞われた。久しく口にしていなかったジンギスカンだが、卓上の札に調理方法が記載されていたので、その通りに作ってみた。そこそこの出来であった。2杯目以降はさすがに自腹裁定であり、以後の行程も考慮して追加注文は黒生大ジョッキ1杯に留めておいた。何せ、酒造での試飲が控えているのだから。 |
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ここでまたなすびさんが地元の名物とのことで、玄米団子を配られた。をぉ、この団子と言うか饅頭をスムーズに喉に流すべく、液体が欲しい、、、と思っているうちにバスは奥の松酒造へと到着した。まずはツアー人数分、生原酒のカップが配られた。中々良いぞ、初っ端から!売店一角の大画面テレビでは酒造りの行程が放映されていたが、10分ほど見入っていて気が付くと皆、ビデオ放映などそっち除けで各々の試飲、土産購入大作戦へと走っていた。店内には先日、米国食肉輸出連合会での懸賞でいただいた純米大吟醸瓶も発見された。アントニオにとっては先程の生原酒の味が忘れられず。他にも高級そうな銘柄も試飲し、店員は挙って飲み易いでしょう、と言う。アントニオは飲み難い方が好みだった。土産に何本も宅配手続をしている方も多かったが、アントニオは先程の生原酒を1本のみ所望した。但し、要冷蔵ものなので、奥の松ロゴ入り4合瓶サイズの保冷バッグを追加購入し、それに提げて持ち帰ることとした。 |
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さて、度々の拠点に合流された観光課の遠藤さんは然ることながら、ツアーのキャプテンと言うべきなすびさんもどうやらそのまま福島に残るとのことでお別れタイムとなった。昨日も雨の中ながら須賀川市街地然り、今日の飯坂温泉、JA、安達ヶ原と行く先々で地元ファンの握手攻めに会っていた。福島には彼の力が必要なのである。我々はネットを通じてできる限りのアピールを続ける。それぞれのやれることを。やれるなら、やる。やる気になって、やる。まだ戦中である。偉そうなことは出来ないが、ただ、やれるだけ、福島買いをする。終戦が近づくように。 |
(完) |