GoTo城山三昧 ~ムギノカタチ~

不定期連載 麦道をゆく 第90話
不定期連載 山道をゆく 第280話

月山(庵選千名山637)、打吹山(庵選千名山638)、

鎌倉山(庵選千名山639)

家守堂
(Three Glasses、Little Tempo、鬼ごろし、Black Sasion Prototype)
Kyoto Beer Lab
(かぶせ茶ホワイトエール、セブンデイズ)
箕面ビール/warehouse
(Reddish Brut、NEKO KINGDOM、YUZU WHITE、STOUT)CBMルクア大阪店
(山口/ゆずエール、城端/曳山ブラック)
大山Gビール/ガンバリウス
(ピルスナー、八郷、大山ブロンド、ヴァイエンホップ、
大山ゴールド、ワンアンドオンリーセゾン、ライス・デ・ヴァイス)
ブリューラボ倉吉
(ゴールデンエール、ペールエール、IPA)
【GoTo城山三昧 ~ムギノカタチ~ 】

10/31(土)
庵庵…鴨居〜新横浜〜(ひかり503号)〜京都〜桃山…家守堂…伏見桃山
〜丹波橋〜(京阪特急)〜七条…Kyoto Beer Lab…京都〜大阪
…阪急梅田高速バースターミナル…APA Hotel大阪梅田…大阪梅田
〜石橋阪大前〜牧落…warehouse…牧落〜石橋阪大前〜大阪梅田
…CBMルクア大阪店…APA Hotel

11/1(日)
APA Hotel…大阪梅田セブンイレブン…阪急梅田高速バスターミナル
=(50便・中国自動車道)=上月PA=(米子自動車道)=米子駅
…イオン米子駅前店…米子駅=カースタレンタカー米子空港・境港店
−県道300−R180−県道102−県道45−矢田町
−道の駅広瀬富田城先河川敷駐車場…山中御殿跡…親子観音…三ノ丸跡
…二ノ丸跡…本丸・富田城跡・勝田高守神社…月山登山口…駐車場
−県道45−県道245−県道257−清水入口−R9−陰田町−米子西IC
−米子バイパス−米子南IC−R181−県道316−R181−伯耆町役場−県道326
−県道36−県道52−ペンションあすか=ビアホフガンバリウス
=ペンションあすか

11/2(月)
あすか−県道52−県道36−県道158−大山IC−山陰道−大栄東伯IC
−北条IC−(R313倉吉道路)−倉吉IC−県道38号線(倉吉福本線)
−倉吉市役所駐車場…倉吉線鉄道記念館…ブリューラボ倉吉
…椿の平(登山口)…(中国自然歩道)…越中丸展望台…打吹山・城跡
…武者溜まり…椿の平…駐車場−県道38−R313
−県道312号線(倉吉循環線)−県道23号線(倉吉由良線)−県道202
−県道151−県道44号線(東伯野添線)−琴浦東IC−山陰道−道の駅琴の浦
−琴浦船上山IC−県道30−県道305−県道158−県道36−県道52−あすか

11/3(火・祝)
あすか−県道52−県道45−溝口インター入口−R181−鬼守−県道46−二部
−県道35−金山大橋(ループ橋)−鎌倉山林道−こもれび広場駐車場
…鎌倉山城跡…鎌倉山…城跡…駐車場−林道−県道35−城山公園入口
−R180−福成−県道244号線(境車尾線)−安養寺橋−R181−公会堂前−R9
−西福原1−県道207−皆生−R431−山芳亭・ENEOS日吉津−R431−二本木
−R9−車尾−県道300−カースタレンタカー=米子駅〜岸本
=(デマンドバス)=アイノピア…あすか=ガンバリウス=あすか

11/4(水)
あすか=大山パーキング=(53便・米子自動車道・中国自動車道)=上月PA
=千里桃山台…桃山台〜新大阪(蓬莱551)〜(のぞみ20号)〜新横浜〜鴨居…庵庵


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コロナ禍。人類誰もが予想できなかっただろう。先ず、大山への野望を襲う第一波は渡米のための航空便の運航キャンセルであった。確かに枡水高原の駐車場の例年6月のある土日は3蜜どころか500蜜状態必至である。昨年土曜日は降雨時間も長かったため、会場テント内は麦酒飲みが蜜らざるを得ず、3桁規模のクラスター現場に成り兼ねない。そう、その頃、大阪は箕面ビールの周年祭も執り行われていたが、案の定、延期の知らせが届く。作り手の方とはメール疎通くらいはできていたが、無念無念。そのまま梅雨も夏も過ぎ去って行く。栃木も甲府も、福島も秋田も、一関も、、、ゆかりのあるイベントは悉く中止となった。大阪周辺のそれも然り。一旦秋へ延期された箕面の周年祭も第二波の影響で中止の憂き目を見ることになった。ただ、ムギノカタチに隙間が見える。これを埋めるべく、箕面ビールの社長には、直営店で一人周年祭をやらしていただきたいと直談判をした。緩やかにその談判は伝わったかと思う。
大阪方面行脚予定の前週、そのブルワリーも含むビールイベントが高尾山で執り行われた。昨年はその社長さん自ら来山されていたのだが、今年は残念ながらいらしてはなかった。ただ、未だチャンスはあった。行脚出発2日前に恵比寿の某パブにて、そのブルワリーのtap takeoverイベントである。社長さんも来都されていた。天は向いていた、我に。いやぁ、明後日行くよとのしつこさは鞘に納めていた。氏が明後日その直営店にいらしてくださるか不明だったから。そう、そう言えば、更にその日から遡っての2日前、赤坂の某パブにて1人からOKのオクフェスが開催されており、そこの店長にも行脚予定は伝えていた。西日本も含めたビアパブのガイドブックを見せていただく。京都にも色々とビアパブが立ち上がって来たな。家守堂か。そう言えば前回のJapan Beer Timesに記載されていたぞ!なるほど、京都でムギノカタチひとピースとするか。
当日、Expressカード特典で、ひかりのG車に普通車料金で乗車した。Wifiの通じ加減から、車内では暫くスマホ遊びに興じてしまったのは、今となっては悔やまれる。まぁ、スマホ三昧も偶には良かろう。今年初の宿泊込み行脚なのだ。何をしようが憚られまい。
事前の調査の結果、京都で他社線に乗り換えるより、奈良線で桃山まで行くのが一番安上がりと知っていた。ぎりぎり京都市内なのだ。京都駅までと運賃が変わらないのだ。そして、桃山駅から心当たりのある街並み、、、そう、そう。だって今日の目的地家守堂は某大手酒造兼ブルワリーから数十メートルしか離れていないのだ。雑誌には何と午前7時から営業と記載されていたので店内スタッフに問えば、少なからずコロナの影響もあり、11時にからに改めたと言う。おばんざいを含んだお摘みも良い。ビールも然り。否、現お茶屋の一角のクラフト麦酒庵だ。素晴らしい。PayPay払いも可だ。ムギノカタチの隙間が少々埋まったようだ。


さて、我がエンジンも回転数が上がり、次の店を目指す。伏見桃山から京阪電車に乗り、丹波橋で特急に乗り換え、七条へ。特急電車にも座れてラッキー。次はKyoto Beer Laboである。三条商店街イベントで直に美味しさを理解していたブルワリーである。醸造所初見参だ。和風で爽やかな造り。お摘みはないが、そのつもりで来たからダメージはゼロ。セブンデイズとかぶせ茶ホワイトエールを嗜む。ただ、ムギノカタチピースを埋めるにはもう少し時間が必要だ。次回はも少しスケージュールに余裕を持って訪れたいブルワリーであった。


京都駅までプチ競歩で戻り、新快速電車に乗る。新大阪駅まで23分、有難う。先ずは梅田駅に向かい、明日のバスチケット確保と、バス乗り場の確認だ。思ったよりアップダウンに振り回され、宿へのチェックインまでも時間を余計に費やし、本日のメインイベント、箕面祭りへの電車の便は予定より1本遅れてしまった。まぁ、それでもほぼ10分置きの運転だ。気に病むべからず。前回とは駅名変更となった石橋阪大前にて箕面線に乗り換え、2駅目牧落で下車。Google Mapsでは「この時間帯はそれないの混雑」の覚悟を宣せられた。まぁ良い。いざとなればスタンディングオベーションだ。前回箕面ビールに来たのは8年前か。まだwarehouseは存在しなかった。そのGoogle宣言通り、土曜夕方はかなりの賑わいであった。そして香織里社長はいらした。有難い。もしや、アントニオが来訪を宣言してたから今日シフトに入ってくださったのか。忝い。そう、実は2日前の恵比寿はTBEでもお会いしていたのだ。GoTo麦街道。続け。1人箕面祭りと思ったが、既に周囲の箕面ファンで祭りの最中の気分である。珍しかったのはRaddish Brutか。ビール以外の水分補給を繰り返しながら、生地にビールを含んだバゲットも嗜みながら、箕面ビールファイヤーである。皆夫々の箕面祭りを祀って堪能しているではないか。よき西行脚だ。ムギノカタチ見える気がしたんだ。






意識を失う前にwarehouseを辞去し、阪急電車を乗り継いで梅田に戻る。駅から歩くとルクアなるビルが。知らないとは言わせまい。今月半ばに開店したCBM田町店のシェフはルクア店出身であることを聞いていたのだ。土曜夜のCBMルクア大阪店もかなりの賑わいで、スタンディングカウンターに案内された。アウェイ感は募る。まぁ、今日は既に3勝したから当1敗は甘んじよう。ムギノカタチピースは埋まらなかった。都内店舗であれば通常ランク付けとなるべくスワンレイクのパンプキンエールはハイアルコールグループにラインナップされていた。これが大阪流なのだろうか。3勝までに既に飲み過ぎていたため、此処は2杯で辞去し、宿へ戻る。
失敗した。後の祭りである。昨日貰ったGoTo Travel券は受領日とその翌日しか有効でないことを知らず、損をした。3日後何処か、蓬莱551のイートインとかで使えたらと皮算用していたのだが、自分に合掌。
宿を出て梅田駅へ向かう。何か食指の湧く店があれば朝食を、とも思ってはいたものの、価格と何時も感からそれは湧かず、コンビニおにぎりとサンドイッチに落ち着く。
バスターミナルの待合室でポイ活に勤しみ、8:30、米子行きの日本交通バスに乗る。Wifiが繋がり続けてた、しかもSSIDは京阪バスのそれである。嗚呼、同時刻発の京阪バスをアンテナにしていたのだった。そのバスが離れてしまうと、Wifiは切れてしまった。スマホは仕舞え。休暇なのだ。体を休めるなり、風景を楽しみ給へ。上月SAで休憩タイムがあった。大阪市街地を除けば取り立てて渋滞もなく、バスは淡々と北西へと向かって進む。沿道の山並みは紅葉半ばだ。今年は特に紅葉に食指が湧かない。あのショートが引き摺るからか。。自分の身から出た錆か。ただ、偶にはそんなことも忘れよう。あ、忘れ過ぎたから今があるのかも知れぬ。でも、気分はリフレッシュさせようではないか。毎年恒例の行事なのだ。蒜山の山並みを見ると、home groundに戻って来た気分だ。そう、既に土地勘ばっちりの地域なのだ。食も酒も美味なのだ。homeなのだ。
バスは程なく米子駅前に到着。すぐに4日復路のバス券を購入し、イオンへ向かう。今回は朝食付き宿なので、米子駅付近で意図的に買い出しをする必要はなかったが、最終日の返却時刻を考慮して、初日昼食後にレンタカーショップへ、の算段であった。ただ、案の定、レンタカーショップから着信があった。イオン米子駅前店の総菜売り場で購入したラーメンを啜っているとまたケータイは鳴った。歩けない距離ではないものの、矢張り駅前まで迎えを所望してしまった。前回は移転仕立てだからと思っていたのだが、一年後の今回もカード取扱制度無く、現金出費となった。キャッシュレスの時代だよ、頑張って。
米子初日の目的地は月山リベンジに決めていた。広瀬富田城をカーナビで検索したが、どうも山陰道有料区間、安来道路に持って行かれそうに覚えた。むむ。北へ向かう交差点指示を無視、に決めた。気の利かないカーナビよ。一年前からお主は学習したのか。カーナビより土地勘が増しているため、保険としての紙ベースのロードマップは持参したもののほぼ参照せず、暫くして見覚えのある県道102号線へと至った。想定内だ。何時もの道の駅駐車場は日曜午後ともなると混雑を極めていたため、路上看板の示す、少々離れた河川敷のスペースへと向かった。少し歩かされるか、まぁ、歩くために来たのだから我慢するか。ふぅ。
そう、月山は4年前、山頂域が散策道整備のため工事中で登れなかったため、リベンジである。まぁ高くはない。散策路は縦横無尽に設計されたこの山域故、山頂へのルートは枚挙に暇がなかった。前回のリベンジにと、山中御殿跡あたりからの登頂を目論んだ。見晴らしは良い。京羅木山や中海が眼下に広がっているのだ。まぁ、標高256mの低山なのだ。力むものでもない。周囲には登山者でなくwalkerが犇めいていたからだ。このアントニオも午後からの登山開始なので文句は言えまい。有難みは少ない。無いに等しい。偶にはこのような登りもあるのだろう。それ以上を望んではいけない。











帰路は一応手元のガイドブックが示す、勝日高守神社から富田山荘方面への選択は失敗だった。踏み跡は明瞭ながらも所々苔むしてぬるぬるした岩の上に落ち葉が堆積して滑り易く、下りには不向きであった。往年のアントニオからしたら序の口ルートではあるのだが、少々滑り易かった。この地に寂れたルートも致し方あるまい。少しは喜べよ、アントニオ。否、もうこの地に用は無いと判断していたのだ。
麦茶が俺を待っている。進めアントニオ。今回の計画上、仕方ない。この程度の少々の運動で、麦欲を掻き立てられるのか。そう、それも問題だ。ぐゎっと登ってはぐゎっと飲む。それを期待していたのだが、計画通りではないか。諦めて、何を?、麦意に向かえ、アントニオ。気持ちの切り替えが必要だ。何時の間にかその感覚も衰えてしまったのか。まぁ、頑張れ。未だ生きているのだ。生き続けるのだ、アントニオ。
帰路のカーナビも案の定、有料区間の安来道路へと誘っており、仕方なく、気づいた地点でそのまま下道を突き進むことにした。
距離的にはほぼ差異なしなのだが、界隈行脚ン年目にして初めて伯耆町総合スポーツ公園の前を通ってからガンバリウス近くを走ってからペンションあすかへと至った。此処は何度かお世話になっていた。巨大ジャグジーから外庭へも出られるようにはなっていたが、如何せん、屋外は寒過ぎた。焼き石に水をかけて蒸せる本格派サウナも心憎い。未だ紅葉は早いが、秋の観光シーズンでもあるのにコロナ禍の影響で10近く部屋があるのに1、2組程度しか予約を受け付けていないとのことであった。アントニオの日程時はなんと貸切であった。GoTo Travel割引も効いており、申し訳ない程のお得感を噛み締めた次第である。
しかも夜はガンバリウスまで送っていただけるのだ。ペンションの夕飯自体も豪華なのだが、申し訳ない、麦に腹は代えられぬ。ガンバリウスには18時過ぎには到着した。例年であれば紅葉シーズンも走り始めで、日曜ともなれば予約は不可であったのだが、このご時世である。社長さんには予め連絡の上、18時に席を確保していただいた。飲み放題カウンターについても、カウンター自体は存在するが、カウンターに客が自分のグラスを持参して集まる形式は禁止され、スタッフに次の液種を注文するスタイルとなった。何時もの通り、海の幸山の幸に美味しいビールが食卓を囲む。ピザが大きいサイズのみでなく、小さいサイズも選べるようになったものもあり、自分の注文したのは元々小さ目だったのかと思って食べ始めたら別の大きい皿が来た。およよ。誤配膳か。ラッキーと言うより申し訳ない気分であった。間違いに気づけなかった。ううむぅ。ほぼほぼ定番化している八郷をはじめ、ワンアンドオンリーセゾンにヴァイエンホップなど、季節ものも十分堪能できた次第である。客の密度もやはり例年と違う。美味しさは変わらないと言うのに。醸造関係会社を救えるほどではない個人消費力に少々反省もしてしまう次第であった。



夕食後は宿のスタッフに車で迎えに来ていただく。宿の利用状況的にも申し訳ない感じが否めなかった。
翌日は微妙な天気予報の通り、雨模様となった。雨プランは特に考えていなかったものの、なんとなしに倉吉へと向かう。雨模様から雨降りに至り、果たして現場での行動はどれ程制限、制限ではないか、影響が出そうかは不安ではあった。晴れ登りは期待しないで気軽な散歩でもできたらと思っていた。
倉吉市街地では小雨ではあったが、残念ながら傘は手放せなかった。雨に公園を訪れてもと思う。市街地マップを探ると、元鉄魂を揺さぶる倉吉線鉄道記念館なるものがあるではないか。確かに倉吉駅から少々離れているなと感じていたこの界隈、倉吉線健在時は打吹と言う名の駅に変わってから記憶があるのだが、市役所も近いこの駅が初代倉吉駅であって、打吹駅西側の西倉吉駅の駅名は、元々の起点上井駅を倉吉駅、倉吉駅を打吹駅に名前を変えた後も改変されなかったのである。まぁ、いずれにせよ1985年には全廃されてしまったのだ。合掌。

記念館を一巡して良い塩梅となった頃、ブリューラボの暖簾を潜る。クラフトビール飲み仲間から推奨されていた店である。開店して1年も経たず、蔵街の物件に相応しい木肌の暖かい内装である。年配の夫婦と見られる方が店のフロントにおり、タンク施設側には若者が勤しんでいた。醸造についてはWest Coast Brewingの丹羽氏に師事して教えを請うたとのことである。をぉ。流石。丹羽氏に面識のあるアントニオはスタッフとの会話を十二分に楽しめた次第である。特にWest Coast IPAについては、著名ブルワリーでいただいている界隈のWest Coast風味に全く遜色はなく、丹羽氏が造ったと言われても疑う余地はない程の出来栄えであった。新たな、そして大きな発見である。今日は月曜でガンバリウスの休業日である。大山Gビールは飲めなくとも、麦意を得たり。



小雨である。まだまだ昼間、今日の日は長い。山にでも登るか。飲んでから登るか。散歩程度と高を括り、登り始めてしまう。降り方が弱いため、視界は左程悪くはなかった。ほぼ散歩道と捉えて問題ないほど整備された小径を、スダ椎茂る合間を縫って進む。まぁ、傘を差してでも歩くのは面倒ではなかった。グレーの色彩の空模様の中は少々勿体ないか、躑躅や桜の季節となれば、逆に3蜜必至な低山かも知れない。展望台、展望所も数か所あり、此処も元城跡、打吹城があったくらいで、倉吉市街地への眺望はまずまずである。この天気にしては上出来な景色を嗜むことができた。この季節、この天候では山中に人影は全くなかったが、このような散策もまた乙だろう。




宿に戻って程なく大浴場を堪能した。そして、月曜日はガンバリウス休業故に、今晩の食卓は、ペンションで、である。ペンション泊なのに外食とは元々常軌を逸していたかも知れないな、確かに。
野菜サラダ、野菜スープ、ッキャベツとキノコのクリーム煮パイ包み。野菜のラテトゥイユ、鶏肉のロースト ローズマリー風味。そして、手作りチーズケーキ。ペンションの夜に相応しい食卓だ。大山の草原下に映える食卓だ。美しく、勿論、舌鼓は85連打でも足りなかったくらいだ。グラスは辛うじて大山Gビールのそれだが、中身は某大手「極度乾燥」ではある。在庫に久米桜酒造の日本酒八郷もあったため、それも所望した。矢張りだめだ。休業日とは言え、つい手を出してしまった。旨い。







確かに通常の大山地方行脚の前に脚色があったとは言え、あれよあれよで観光ハイクは最終日となってしまった。レンタカー返却時刻の都合、あまり時間のかかる地域へは遠征できないため、近場の鎌倉山を選択することにした。
もうほぼほぼカーナビなしでも運転はばっちり行けそうな地域であるが、界隈行脚10年目にして初めて通過した金山のループ橋であった。ううむぅ。建設費べらぼうだったろうに。まぁ、いいや。
こもれび広場に車を停めてトイレに寄り、出発。一昨日昨日とたいした山行でなかったために筋肉痛は免れていたのは幸いである。クマザサが脇に茂る道を淡々と進んだ。
標高600m地点を過ぎ、やや平坦な道の先に鎌倉山城跡を示す碑が建っていた。相模の国鎌倉山の戸田備中守森正が鎌倉時代後半に築いたことで、この山・城名と言うことだったのか。神奈川県の鎌倉由来とは、恐れ入った。
ただ、城跡碑を過ぎてからは足場が狭く、昨日の雨で滑り易く何度となく危険を感じた次第である。特に復路下りは慎重に進まねばジ・エンドだろう。カラマツの合間を縫って、登山口から1時間もかからず、山頂に到着した。北側が拓けており、父・大山や日本海側の展望が広がり、まずまずの成果が得られたと感じた。





先程の危険路を慎重に下り、程なく駐車場に戻る。レンタカー返却時刻まで少し余裕はあるぞ。と言うか、目論見はばっちりである。山芳亭で魚介丼を食べなければなるまい。山芳亭を計算に入れていなければもう少し歯応えのある山も目指せたかも知れぬ。そんなことはどうでも良い。山より魚介だ。山陰の幸だ。
山芳亭は休日ともあり、開店前から行列であった。しかも、注文時にメニューに迷う家族連れも多く、少々フラストレーションも溜まってしまった。ダメだ、目を瞑れ。と言って、自分も当然悩む。悩むが、数種盛りに目が行きがちなところ、自分の注文の番がやって来ては3秒ほどで心を鬼にしてのどぐろ丼を申請した。まぁ、休日なんだよ、み〜ぃんな、ここで美味しい魚丼が食べたいんだよ。旨いんだよ。やっぱり山芳亭だなぁ。感無量だ。

食後に目の前のガソリンスタンドで満タン給油し、レンタカーショップを目指す。なんでもレンタカーショップ自体が休日とか、おぃおぃ、と思ったが、借りた時のスタッフが程なく到着し、事無きを得た。返却手続きもすぐ終わり、米子駅まで送っていただく。岸本まで切符を購入し、ホームへ行くと、、、おぃおぃ、まさか。山陰本線もこの界隈は電化されているし、伯備線も全線電化なのに、、、5番線ホームに佇んでいるたった1両のキハ120系。。。ノーマルな気動車・電車は20m級の長さなところ、こちらは若干16m。。。この時間帯はこれで十分なのか。。。合掌。この選択肢を逃すと3時間は列車がないので、已む無く乗ることにした。仕方ない。以前に乗った、塗装代節約のために黄色一色に塗りたくられてしまった電車の115系よりはマシだったのか。ううむぅ。


気動車は定刻通りに岸本駅に到着した。オンデマンドバスと言うか、大き目のワンボックスカーが既に待ち構えていた。私以外に先客が1名居た。ペンション付近のバス停まで、このワンボックスカーも、部分的にではあるが、10年目にして初めてのルートを縫って、全速力で進んで行った。対向車がほぼないから全速力が可能なのだ。バス停アイノピアは、目的地のペンションあすかからは徒歩数分程度とは言え、駅から8kmの道のりをたったの200円で運んでくださるのは確かに有難かった。伯耆町、万歳。
一風呂浴びた後に、今晩もガンバリウスに送っていただく。地元の厩関係者多数によるほぼ貸切状態ではあったが、事前に予約をしていたため、空きテーブル数卓にはアントニオの他にも団体外の予約者が席を確保できていた。有難い。まぁ、あすかの夜の食卓も満更ではないのだが、やはりこの場所柄、Gビールの引力には抗えないのだ。此処に来たら矢張り一度は食べなければいけない、巨大な朧豆腐サラダ、ワカサギのフリット、牛タンなどで囲まれるGビールの食卓の彩りに、ただ平伏すのみ。昨晩に続き、こちらでもポン酒も嗜んでしまう。



飲食後の夜はこれくらい晴れていれば、小林大橋をゆるりと歩きながらの星下散策に絶好なのだが、如何せん、宿まで3,3kmもあるとなれば、飲んだ後には宿の車に頼るのが無難であった。
焼きたてパンを含んだ美味しい地元色豊かな朝食を嗜んだ後、また宿主の運転の世話になってしまった。4日は平日ともあれば、スクールバスに乗れる筈だが、乗り場は昨日夕方のアイノピアであっても、目的地、大山PAの近くにバスが運行してくれるかが不安であったため、送りを頼んでしまった次第である。有難い。また来たい。そう、一晩くらいは宿の食卓を囲むスケジューリングがベストだろう。
減便されたものの、大阪神戸方面行は一日数本運転されている高速バスに、再び乗った。Wifiはない。そんなものだ。淡々と米子道や中国道をバスは進んで行った。高速道下車後に少々交通量の多い一般道を進んだが、まぁ、渋滞には程遠いのだろう、ほぼほぼ期待通りの時刻に桃山台に到着した。ここから地下鉄で新大阪まで一本である。新大阪で蓬莱551のイートインでGoToトラベルチケットをの目論見は崩され、それでも新幹線内で嗜まんと、豚まん、海老焼売に餃子まで注文してしまう。蓬莱551は永遠だ。予定より早い時間帯に用事を終えたため、スマホでそそくさと新幹線の指定券を変更し、のぞみの人となった。航空機を利用しない久々の大山行脚であった。さて、コロナ禍は何時落ち着くのか。来年は普通に行脚できるようになっていると良いのだが。まぁ、コロナもインフルエンザ並みの扱いに早く落ち着くことを切に祈るしかない。ただ、それでもムギノカタチは見える気がした。
(完)

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付録:

山旅アドバイス
・月山 勝田高守神社から月山登山口 踏み跡は明瞭だが歩かれておらず、
苔がぬるぬるする箇所多く、下りに不向き。
それ以外コース難所なし。
・月山 至る所にトイレあり。
・打吹山 数か所トイレあり。急斜面と思しき個所見当たらず。
・鎌倉山 鎌倉城跡から山頂まで足場狭く、雨天時や雨後は避けた方が良い。
・鎌倉山 こもれび広場にトイレあり。