鳥取三昧

不定期連載 麦道をゆく 第89話
不定期連載 山道をゆく 第279話

花見山(庵選千名山634)、扇ノ山(日本三百名山、庵選千名山635)、
本陣山、久松山(庵選千名山636)


大山Gビール/ガンバリウス
(ピルスナー、ペールエール、ヴァイツェン、スタウト、八郷、
八郷1056、大山ブロンド、ヴァイウエンホップ、
ウェストコーストスタイルIPA、ライムセゾン)
【鳥取三昧】

11/1(金)
庵庵…鴨居〜東神奈川…仲木戸〜(エアポート急行)
〜羽田空港国内線ターミナル…507G=タラップ/ANA381/米子鬼太郎空港1G
=カースタレンタカー米子空港・境港店−県道300号線(米子環状線)
−県道102号線(米子広瀬線)−イオン米子駅前店−R181−大殿−とっとり花回廊
−三部−県道46−黒坂橋−県道210号線(上石見黒坂停車場線)
−神戸上−県道111号線(神戸上新見線)−花見山スキー場−管理道路最終地点
…花見山探勝歩道(登山口)…花見山…登山口…道路終点−県道111−県道210
−県道46−鬼守橋−R181−溝口IC入口−県道45−県道52−県道36
−ビアホフガンバリウス−ロイヤルヴァンベール大山…ガンバリウス…RVB大山

11/2(土)
RVB大山−県道36−県道158−県道305号線(大山佐摩線線)−県道30
−琴浦船上山IC−山陰道−大栄東伯IC−羽合IC−鳥取西IC
−県道49号線(鳥取河原用瀬線)−嶋入口
−県道21号線(鳥取鹿野倉吉線・国体道路)−国体道路−R29
−県道251号線(国府正連寺線)−万葉歴史館入口−県道31号線(鳥取国府岩美線)
−林道河合谷線−水とふれあいの広場…登山口…上地分岐…扇ノ山…分岐
…登山口…広場−林道−県道31−県道251−R29−国体道路−県道49−鳥取西IC
−山陰道−羽合IC−赤碕−県道30−県道305−県道158−県道36−RVB大山
…ガンバリウス…RVB大山

11/3(日・祝)
RVB大山−県道36−県道158−県道305−県道30
−琴浦船上山IC−山陰道−大栄東伯IC−羽合IC−鳥取西IC
−県道49−嶋入口−県道21−東品治町−弥生橋通り−元大工町−大工町通り
−樗谿公園第2駐車場…林道…見晴峠…六角展望台…太閤ヶ平(本陣山)
…久松山…稲荷神社…久松公園…駐車場−大工町通り−弥生橋通り
−県道21−R53−イオン鳥取店−県道26号線(秋里吉方線)−天神町−R53
−今町2丁目−県道21−国体道路−R29−ENEOS五反田店−国体道路
−県道49−鳥取西IC−山陰道−羽合IC−大栄東伯IC−琴浦船上山IC
−県道30−県道305−県道158−県道36−RVB大山…ガンバリウス…RVB大山

11/4(月・振休)
RVB大山−県道159−県道326−R181−ENEOS米子店−県道102
−県道300−カースタレンタカー=米子空港1G/ANA384/羽田空港
〜(エアポート急行)〜仲木戸…東神奈川〜鴨居
…庵庵

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またこの季節がやって来た。この季節までとんと山と言える山とはご無沙汰が続いてしまっていた。山から距離を置いてしまうと登攀力のみならず、文筆力も落ちてしまう。書け、惜しみなく書け。登らなくても書けるだろう。書かないことでフレイルチェックができるのか。スマホの功罪。否、決してその存在が悪なのではない。使い方の問題だ。一億総利用法勘違いなのだ。ただ、俄か中毒者に処方するアプリも金にはなるのだろう。そのような提供者も、、、これ以上は筆を動かすまい。筆が鈍っている。鍛え方が足りない。ペンを持て。ペンを持つ時間を作れ。走りながら思ったことを記録できるアプリを探せば良いのか。嗚呼、縛られてしまう。連休日程故に航空券は若干高めと感じたものの、現地レンタカーと宿も割と希望通りの選択ができた。今回の暦としては勤労感謝ではなく文化の日に1日追加することにより4連休とでき、路面凍結の心配もより少なくて済むうえ、レンタカーは若干値下がりしたようでラッキーである。大山Gビールは美味しい。季節感のあるラインナップで何時も迎えてくれる。ただ、何かルーチン化してしまっている。ルーチンを否定することはないのだが。
リハビリは、心配な患者が医師の許す範囲で自身の体の移動範囲を通常のそれに近づけるべく広めるべく作業なのだろうが、医師に禁止事項を聴き、それ以外は普段の生活をすることがコスパの遥かに高いリハビリである。自分の体を自分の意志で御することのできない人が増えている気がする。そういう人々のために保険を優遇するのはいかがなものかと思う。また筆が走り過ぎた。1月に大事故に遭った。幾分自業自得である。反省もある。ただ、今、生きている。頑強な日々の肩凝りを癒すべく温泉やマッサージ行脚も、そろそろ適齢期かもしれない。しかし、体を休めることを中心として旅を考える意識がない。良いのか悪いのか。何時かまた強烈などんでん返しを喰らうのか。否、イッテンロクの事故でそれは十分味わった筈だ。確かに周囲には迷惑をかけたとは思う。ただ、私が2週間病床に伏しても会社も地球も回っていたのだ。病床を離脱後、初となる3泊遠征だ。運転時に無意識状態に陥る危険性を医者には問われていたが、町乗り程度では発症もなく、今回が解禁への試金石となるのだろうか。本当に外傷性くも膜下出血だったのか。試す意図とか、何かしら再発などの予感もない。普通だ。普通通り。普通通りだ。
さて、当日、何時ものように始発電車で鴨居駅を発つ。エアポート急行に乗り換え、羽田空港に至る。平日でもあり、やや空席の目立つANA361便は、出発時の遅延を引き摺り、米子空港到着は20分近く遅れた。これが6月の地ビール大山の行程であったならば、空港駅8:37発の鬼太郎境港線列車に間に合わない事態となっていた。セーフと言えたものなのか。空港では昨年も会ったレンタカーショップのスタッフが待ち構えていた。店舗は移転仕立てとのことである。昨年の皆生通りの店舗跡も、かつてのイツモレンタカー旗ヶ崎店も過ぎ、あれよあれよで米子駅付近だよ、それでも止まらず、駅のやや南側の新店舗に漸く辿り着いた。カーコンビニ倶楽部が移転直後の準備不足でカード払いができず、ヤラレタ。仕方ない。車をさっさと用意してもらい、支払いを済ませ、出発。
ここまで来てしまったからには買出し先は日吉津でなく米子駅前のイオンである。空路遅延とレンタカー店舗の南下でやや目算が狂ったが、今日はまずは県内の山にするか。花見山?何とかスキー場をカーナビで探せ、買出し後、更に南下する。あれ、カーナビが自分の予想と違う道に誘う。何処までカーナビを信じるべきか。ううむぅ。花回廊の近くにも寄った。本当にこれが近道なのか。地図アプリ特有の、アップダウン度外視による選択肢なのか、心配は募る。やがて地図上でも風景にも見覚えのある県道46号日野溝口線に合流し、一安心となった。ふぅ。さて、スキー場である。スキー場管理道路と思しき道を上りに上る。山のガイドブックの示す駐車スペースは未だか。そもそも道は合っているのか。もうカーナビの限界は過ぎており、画面になき道を進む。ん、管理道路の舗装路も尽きたな。ガイドブック掲載写真の風景に近いような感じだぞ。着いたかな。ヨシ。
秋晴れ。やった。登ってやるから覚悟しな。序盤はゲレンデのコースの一部を歩く。少々先に花見山探勝歩道の碑があり、そこからは山道が続いた。静かな山道はそれこそ一年振りだが、この天候で光合成も進み、ツアー初日でアドレナリンも大量に分泌され、苦は感じなかった。ブナ、カエデ、コナラが集う径を進む。横木渡しの急な階段とガイドブックには記載があったがどのあたりが急なのだろう。と思っているうちに、山頂にあるべきあずまやが見えてしまった。否、あれは偽山頂だろう、と思ったら、急な階段を把握せぬまま、山頂に辿り着いてしまう。

コースタイムは1時間15分だから、手加減して貰えた感じだ。レインメーカーポーズでも極めるか。大倉山に鬼林山が凛々しい。天候次第では父大山も見える筈とのガイドの言もあるが、この眺望でヨシとすべきだ。




そう、逸る。いつも通り。ルーチン化とは言え、平日昼のみしか味わえないランチを目指し、下山を開始した。飲めるビールの種類には相違はないのだが、限定ビールが売切れてしまわないか、もう、逸ってしまう。昼ビールを考えると初日の山はコースタイムも登山口までの距離もお手軽モノに食指が動くため、そろそろ初登山な山の選択肢も尽きてしまうかも、あはは。

ランチと共に、迷うことなく注文する飲み放題。ライムセゾンは、ビールとライムのバランスが素晴らしい。大山Gビールはフルーツビールをあまり扱っていないと思いつつ、フルーツビールを心掛ける各社の苦悩も耳にはしていた。煮沸するとフルーツ感は飛んでしまいがちであり、それなりの味覚や香りを残すためには大量に投入消費しなければならない。皮むき等専用の機材は恐らく用意されていないとすれば、人力での皮むきが必要なのである。その苦労が未曾有に偲ばれる一杯であった。

ランチ後、業務メールをチェックしたり、一風呂浴びたりしながら夜を迎えた。シーズン中につき平日である今晩のみ席予約が可能であり、自席で美味しい料理とビールを堪能していたところだが、業務電話がかかってきてしまった。金曜日の夜に作業は、、、これ以上の発言は割愛する。美味しいビールで旅気分に戻ろう。
前回の失敗を踏まえ、昨日は宿に着いた時点で目覚ましをセットしておいたのが幸いである。昨晩も夜はかなり気分よく酔い過ぎたため、バタンキューであった。今日の天候では選択肢は多かったのだが、登山口までの移動距離が長くても良い、標高もそこそこあっても良い、ならばネームバリューのある扇ノ山に矛先を向けることにした。
県道30号線まで事前調査不足でやや予期せぬルートだったが基本カーナビに従って走行しており、琴浦船上山ICからは山陰道のお世話になった。ただ、東に進むに連れ、青谷ICあたりからカーナビが異常指示続きであった。5月12日に開通した山陰道の鳥取西道路部分を把握していないのだ。ただ、所謂下道よりは高速に移動できるので、指示に従うつもりはなかった。帰宅後Google Map等で確認すれば、理解してさえすれば鳥取ICで降りるべきではあったものの、感覚的に鳥取西ICで降りて、早カーナビの狂いを戻すことで落ち着いた。
県道31号線は殿ダム湖を過ぎ、雨滝付近までは何とかカーナビに導かれて辿り着く。水とふれあいの広場まであとどれくらいだろうか。扇ノ山方面への道標も存在したので、歩けなくはないのだが、距離が不明だ。下手に歩き始めて扇ノ山までどれくらいかかるのか、後日改めて確認するも、地図上直線距離換算でも3kmはあったのでジ・エンドであったことは想像に難くない。
元々広場に近いと思われる雨滝くらいしかカーナビがスポットとして理解していなかったのである。その後、県道へ引き返してからは本当に道標のみを頼りに辿り着けるのか一抹どころか十姉妹、否、十四抹以上を越える不安な中、ふれあい公園を目指した。本当に不安だ。カーナビ、もう少し勉強しておいて欲しい。確かに周辺の山と山岳地図も携行していなかったことでこれ程の精神的ダメージを被るとは想像もつかなかったのだが。
雨滝付近から15分以上は運転したことだろうが、やがて先客と思しき駐車車両を数台発見し、事なきに至る。何とか車での目的地、水とふれあい公園の駐車スペースだ。



ブナ林の続く、比較的緩やかな木段道を1時間強ほど進むと、やがて扇ノ山山頂に到達。登山道中に気にしなかった訳ではないが爽快な青空の下、山頂からの眺めは頗る格別である。避難小屋からは氷ノ山も一望できた。



他のルートはあまり選択を考慮しなかったものの、北側から来たことになるのだが、小屋に居た別のハイカー談に因れば山の西側で台風による林道の通行止めもあったようである。カーナビの誘導も微妙な上に通行止めの災難が重ならず、運命と言う他ない。



下山後、往路の林道運転は面倒感はあったものの、その通行止めでガンバリウス戻り時刻遅れは矢張り避けたいため、結局元来た林道を戻ることにした。一山一回主義のため、またこの道を運転することはないだろうが、次回までにはカーナビ君も道を覚えていてくれることを期待する。

連休は残念ながら席予約ができず、ゴールデンタイムは2時間待ちもザラであるから、中途半端な夕方に宿を降りてガンバリウスへと向かった。今宵も美味しいビールに美味しい食事。海山の幸。大山の伏流水に魔法を感じながらの甘美なひと時を過ごせた。
ハイク最終日、天気予報では太陽マークが少なく、結局それでも午前中少々長めの晴天が見込めそうな、鳥取県北東部の低山に矛先を向けることにした。またカーナビの存じない鳥取市街地まで山陰道の自動車専用区間を駆使するか。
読み方に歯応えのある樗谿を何とかカーナビに理解させ、鳥取市街地通過2回目かつ市街地目的地でゴールくらいはきちんと把握されていることで安心して山陰道を突っ走った。
樗谿駐車場に車を置きスタート。連休なら皆さん遠征でもすればいいものを、地元ウォーカーランナーが恐らく通常の日曜日と変わらない総勢にして目白押し。ハイカーらしい装束な方はほぼゼロである。確かに延々と舗装路ではあるが、その程度の低山なのだろう。ただ、ウォーカーランナー年配の方は何故か体格的には恰幅な方ばかりだ。毎週末に歩いたり走ったりすればその体型は考えられないのだが。私より脚の速い方も少なくはなかったのだが。


一応北西側は開けていると言ってよいのか、見晴し抜群と言うのは、申し訳ないがこの低山くらいでは、難しい。ウォーカーハイカーが次から次へとほぼ頂上で一休みもせず折り返して行く。まぁ、そんな程度の山頂域なのであろう。旅情、山頂情は一切浮かばなかった。無線中継基地も大きく幅を利かせてもいたし。確かに久松山は見えたのだが。

あまりにも短時間であった。体力も有り余るし、久松山にも寄ろうか。一旦下山してから登ればそれなりに消化できるであろうと思ったところ、久松山方面を指示する道標があるではないか。手元のガイドブックではそのコースは記載されておらず、よってコースタイムは不明だが、低山だし、どうにかなるっしょ、の甘い気持ちで分岐道を目指す。
太閤ヶ平から中国自然歩道のようだ。少々分岐から下ると地元お爺さんが何処行くのと聞く。後々調べると、久松の読みはきゅうしょうが正解だったが「きゅうまつに」と言ったら、納得して去って行った。道に迷ったかと心配してくださったのか。この程度の低山で迷っていたら百名山は制覇できなかったところだ。
事前に調べていなかったので、時間潰しにも適度な距離かとは思っていた。地図上での山の間は直線距離ではすぐ其処と思っていたが、意外や道はくねっているようで思いの外、麦茶前の適度な運動となった。










分岐から30分超程度のプチ旅を経て、久松山頂に到着した。日本海や鳥取市街地が一望だ。嘗て鳥取城の天守閣がこの山頂域にあったのだろうか。これは確かに見晴し抜群だ。
山頂域から下山するも、所々に城壁址を確認できた。山としては低山ではあるが、この山域丸々がそのまま城の規模とすれば巨大である。城マニア諸氏の気持ちが少しは理解できたと思う。結局3日とも鳥取県下の山であった。
市街地のイオンで明日の朝食を買出し後、宿に戻り、入浴しながらうだうだと時の経過を待ち、夕方再びガンバリウスへ赴いた。恒例の朧豆腐も美味しくいただいた。デザートには抹茶ケーキを所望した。



最終日は起床して荷物を片付け、そのままレンタカーショップへと向かった。復路の便は窓側席と言うこともあり、富士の高嶺などを満喫できた。大山よ、また会おう。
(完)

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付録:

山旅アドバイス
・花見山スキー場周辺で利用可能なトイレ発見できず。
・水とふれあいの広場を県道31号線方面に少々戻ると簡易トイレあり。
・樗谿公園付近から太閤ヶ平(本陣山)まで林道は完全舗装。
所々、未舗装の自然探勝路等もあり。
利用するとしても登りのみがお勧め。