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山伏

不定期連載 山道をゆく 第184話
06/03/26
日向山(庵選千名山366)
【山伏】

3/26(日)
庵庵…西谷〜二俣川〜海老名〜伊勢原=日向薬師バス停…日向薬師
…日向山…七曲峠…七沢温泉街…七沢森林公園…七沢荘…広沢寺温泉入口
=本厚木駅〜海老名〜二俣川〜西谷…庵庵

…:歩き、〜:電車、=:バス

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昨年9月に阿蘇山に登頂してから2月の消化試合大山探訪を除き、今までネパールダンスとマラソンにどっぷり浸かっていた。この度、ダンスグループで新人歓迎会を兼ねたハイキングを開催する運びとなり、ダンスと登山が早くも融合されることになった。この年齢ながらダンサーとしては新人なのだが、今回のツアー行程は粗方アントニオプロデュースものであった。ハイキングの中でも粗誰でも完歩可能なルートを模索しているうちに日向山を発見した。コースタイムは1時間半である。アントニオが五体満足であれば余裕で1時間を切ることは想像に難くない。こんなイベントがなければ一生登る事はないのではと思しき低山である。一週間前のフルマラソンの後遺症として右太腿肉離れと左アキレス腱の違和感は払拭されていないものの、恐らく歩く速度は常人を超えていると思われるため、ハンディキャップとして沿道のゴミ拾いをしながら歩くことも決意表明しておいた。リハビリのための半お任せノンビリハイクは、天気予報の激変に一喜一憂させられながらも挽回の運びとなった。
丹沢方面とは言え、基本的には始発クラスの電車に乗車するアントニオとしては、重役出勤並みの遅出であった。アントニオ「出勤」時間帯ならば西谷から海老名まで直通電車が走っているが、今回は二俣川乗換えを強いられた。伊勢原駅から日向薬師行きのバスには、予定より15分前に便に白装束の団体さんが乗車していたようだが、我々には関わりはないものと思っていた。恐らく南口側のスーパーで「仕込み」を終えたメンバーと9時半のバスに乗車した。すると、終点には先程の軍団が屯していた。此処日向薬師は日本三大薬師の一つらしい。何かのイベントで薬師にお参りするということなのだろうか。
新歓のゲスト待遇の筈が、アントニオが道案内役であることは必至な状況にあった。コースタイム幹事役が、アントニオは既にこのコースを歩いた経験があるか問うたが、当然 No である。この冒険心に相槌を打ったのがネパールダンスの監督であった。人の踊りを一目見ただけで自分のものとしてしまう北斗神拳のような一子相伝の暗殺ダンサーは、ダンス習得のためネパール各地を飛び回っており、富士山すら二日酔いで登ってしまうことも想像に難くはないのだが、矢張りこの程度の山では冒険の部類としても、その表現に薬師の祟りのないことを祈るが、鼻糞1mg程度にしか感じられないのではあるまいかと思う。その監督とアントニオを持ってしても遭難してしまうような山は、多分人類を受け付けてはくれない程の難易度と言えるだろう。取り敢えず幹事の心配は他所に、地図と土地勘で皆を案内することにした。
10分程階段を昇り、本尊前に到達した。桜や梅の存在はそれはそれで日本人の心を和ませてくれるものだが、此処では三椏の花も麗しい。常人として真っ先に思い浮かぶのが紙幣の原料という事実なのだが、和紙の原料として寺に相応しいものとして植樹されているのだろう。
本尊の裏手を回って日向山を目指す。駐車場の側を少し昇ると小さな桜の園地となっている。静かに花見をしたい人にはお勧めだ。沿道の自然を楽しみながら昇って行くと、どうも後方からお経の合唱が近付いて来るようだ。振り返れば、先程の白装束の面々が夫々神器でない、薬師だから仏器と呼ぶべきか、を携えながら粗等速で此方へ向かって来ていた。彼等は山頂をも目指すのか、、、目を凝らせば、ガイドブックに見慣れたサトイモ科のミミガタテンナンショウが山道に保護色を纏い咲いている。確かに耳型だ。そしてのこの感じ、花弁の色は全く違えども雌蘂に類似性を髣髴とさせる同じサトイモ科のミズバショウを思い出す。あちらの英名はスカンクキャベッジであったが、このミミガタテンナンショウの匂いは果たしてどうだったのだろうか。山伏軍団は割りと若い人が多かった。そんな軍団と追いつ追われつで結局皆、相模湾がやや霞んで見える日向山に到着した。
昨年9月半ば以来の初登頂の山である。今日は生ミミガタテンナンショウに出合えただけでも収穫に感じた。偶の低山、悪くない。
軍団より一足先に七沢温泉へと下る。舗装された林道下りが大変だった。ゴミだらけなのである。忽ち持参したゴミ袋が飽和した。拾えども拾えども、ゴミなくならず。七沢温泉に罪はないのだが後味の悪さは否めない。またこの坂を下る日は、永遠に訪れないだろう。。。
県道に出る手前、近々食卓に上ってしまうのか、家畜の猪を見た。猪鍋か、食いたいなぁ。。。県道で運良く公園直行組メンバーと合流し、東屋で思い思いの弁当を広げた。アントニオは此処でも秘儀を披露することになった。この週の火曜日、知人の誕生日祝いに角煮を製作した。誕生日祝いとしての角煮進呈の是非は兎も角、行き付けの居酒屋に持参してその知人も含めた客に振舞ってみたところ、余りの美味さに飲食業者が作ったそれと騙された人さえ居たのである。角煮道、免許皆伝であった。今回は土曜日のうちに仕込んで冷凍して持参し、コッヘルで茹で直して振舞った。マイ圧力鍋の抜群の効能に負っているとは言え、我が角煮道に感嘆符を打たざるを得なかった。そう、県道沿いのコンビニで仕入れた盛升の一升瓶だが、ポン酒のみが若干3名ながら、みるみるうちに8割方がそれぞれの胃袋に収納されてしまった。そして、梅沢登美男に師事していたと言う、ネパールダンサーとしては新人ながらもキレ者のシュルパナカー氏の見得切り講座を、1,2度見ただけで体得してしまう監督であった。ネパールダンスと日本舞踊の融合がお茶の間を賑わすのも時間の問題だろう。今年はネパール現地公演も控えている。山登りは半減くらいしないといけない。早く踊りで銭が取れるようになりたいものだ。
食後、先程通過した七沢温泉街の一角、七沢荘に赴く。夫々の浴槽がロビーを隔てて離れていたため、内湯で汗を流した後、一旦服を着込んで露天に向かう。露天は都合5,6槽くらいだろうか、温め適温の浴槽は塩素臭だか長居に耐え難い臭いが感じられ、残りの浴槽は若干熱いのが難点であった。風情は悪くない。このまま宿泊できればまた気分も変わったかと思う。
監督が、自分のネパール料理店に団体予約が入っているため早めに戻りたいとのことで、ツアーはお開きに近付きつつあった。温泉を出、アントニオ土地勘で近道と思って選択した道の先は、一月半前に大山から降り立った広沢寺温泉入口バス停だった。涙を呑んでセルバジーナ前を通過し、本厚木駅から小田急の急行電車に揺られた。
海老名では長老格梅さんと共に相鉄線に乗り換える。聞くところに拠れば、病院通いの中、リハビリのような意味合いの今日のツアーだったらしい。フルマラソン一週間後のアントニオの方が未だ五体満足に近かったのかも知れない。昨年の町田公演では裏方として色々と活躍いただいた。裏方あってのダンスである。ネパールダンスの文化継承は、アントニオが監督を真似て飛び跳ねるだけでは成立しないのである。どうか皆さんの健康が続きますように。
(完)

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付録:
山旅アドバイス
・日向薬師バス停、日向薬師、七沢森林公園入口の観光案内所にトイレあり。