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重荷

不定期連載 山道をゆく 第161話
04/08/07 飛竜山(山梨百名山、関東百名山、庵選千名山295)
(includes 不定期連載 グルメ街道をゆく 小菅の湯 けやき(山の幸))
【重荷】

8/7(土)
庵庵−R16−八王子バイパス−R411−奥多摩湖畔−林道後山線
−林道塩沢線入口手前…林道後山線終点…三条の湯…中ノ尾根
…孫左エ門尾根…北天のタル…飛竜権現…飛竜山…飛竜権現…禿岩
…飛竜権現…北天のタル…三条の湯…林道塩沢線入口手前
−林道後山線−R411−R139−小菅の湯−県道522号−R20−上野原IC
−八王子IC−R16−八王子バイパス−庵庵

−:車、…:歩き・走り

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
最近、午前2時出発が続いている。矢張り死期が近付いているのだろうか。早着して現場で仮眠するよりは我が家の寝床だろう。今回は縦走前のトレーニングのために60リットル級のザックに荷物を多めに詰め込み、また、傷みの激しいブーツを新調したので履き馴らしのために色々とコースを模索していたが、小菅の湯の食卓気に係り、飛竜山か唐松尾山と言う、ただの日本百名山キラーが見向きもしない山を標的に絞っていた。唐松尾山は5月の笠取に近く、林道に感ずる諦念発起時期も早そうなため、久し振りに車で後山林道を走らせようと心に決めた。あれも6年前、そう、アントニオが初めての日本百名山、雲取山を攻めた時に遡る。随分と起伏の激しい林道の記憶に一瞬怯むも、林道経験を多少は積んで目に物を見せてくれようと意気込み直した。
今宵は何時もと異なり、八王子バイパスの後は高速には乗らなかった。R411は狭く、深夜とは言えのんびりと走る車に逸る気持ちを何とか落ち着かせる。奥多摩湖畔でトイレに寄り、平坦なワインディングを繰り返しながらお祭バス停を模索する。あった、後山林道入口だ。何時も奥多摩は電車バスなので、車で来るのは其の雲取以来で新鮮な気分に浸りながら、やや雲行きの怪しい林道を走る。思ったよりなだらかだ。
数十分走った頃か、路面工事作業車両が並んでいる。其の先に、土砂崩れ防壁を破って崩れている箇所に遭遇した。恐る恐る土砂の堆積を超える。不安が過ぎる。是以上の堆積は超えられないだろう。。。そう思った矢先、あった。積もっていた。四駆でないと厳しいだろう。それに、もし是を乗り越えたとして、下山する前にもう一発崩れてしまったらゲームオーバーだ。一つ目の山を恐る恐る後退し、無難と思われる路肩にまで戻り、是以上の車による進行を断念した。林道終点までならばコースタイムは6時間少々の筈なのだが、果たして一体どれくらい伸びてしまったのであろうか。。。
意を決して歩き出す。数分後、林道塩沢線の入口に到達した。嗚呼、此処から林道終点まで1時間15分か。。。コースタイムにして2時間半の加算なり。しかも、モノの30分程の歩行で右足に靴擦れを感じつつあった。大分先が思い遣られる。。。途中で飲むための水を約2リットルに加え、トレーニングと思って山頂での祝杯にと、クーラーバッグに保冷剤と缶麦茶2本、並びにただ重量のためだけの小白沢ヒュッテで購入したワインのボトルを1本丸まる背負っていた。確かに普段の業務鞄よりは重いだろう。肩が重さを余り意識していないのか、意識しないものの自ずと体中を伝達していたのか、靴擦れの進みが激しい。靴擦れなんて久し振りだと感慨に耽る間もなく、林道終点にて少々眺めの休憩を採りながら応急処置を施す。左足側も既に傷害を抱えてしまっている。知人の勧めるジョンソンエンドジョンソンの、中々気の利く靴擦れ防止用絆創膏だが、時既に遅し、と言った塩梅だ。むむむ、縦走まで大丈夫か。来週も履き慣らしが必要だろう。救急セットには絆創膏も補充しておかなければ。
タマアジサイが遅れた梅雨を彷彿とさせていた。アントニオを追い越したMTB乗り達は如何様にして通過したか疑問と思える程の細い道を30分弱進むと、未だ眠りの中の三条の湯に到達した。眠りの中なのか、眠る人も少ないのか。林道には工事関係車両の他には1台程度の駐車車両しか見掛けなかったため、果たして客は入っているのだろうか疑問であった。横着者の多い昨今、態々後山林道を延々3時間掛けて歩く兵も皆無に等しくはなかろうか。外湯の受付は12時からとのことである。ヨシ、この外湯受付の時刻よりは早く戻って来てやろう、そう意気込みながら、6年前とは別の方角に歩を進め始めた。然し、意気込みとは裏腹に、靴擦れは庵速を限りなく人速化させていた。左程急でない登りは幸いではあったが。笹原を越え、何とか稜線に立つ。見晴らしの利く北天ノタルにて先ずは一杯噛ます。おぉ、迸る、黄金清水。精気が蘇る。此処からは奥秩父縦走路上ゆえか、直前までの道よりやや整備の行き届いている感が否めない。最近架け替えられたばかりと思しき木橋もある。踵はぼろぼろだが、稜線だ。
コメツガ林を掻き分けると、飛竜権現に到着。さて、どうせ戻ってくるのだ。ザックを肩から下ろし、右へ曲がる。次第にシャクナゲの獣道に埋没する。嗚呼、是ならば1,2ヶ月は早く来るべきだったか。8月のシャクナゲには当然花もなく、代わりに無数の蜘蛛の巣によるバリケードが張り巡らされていた。当然今日この道を通過する霊長類第1号と言うことだろう。十数分ほど蜘蛛の巣と格闘し、山頂に到着。展望もなければ人も来ず、山道は獣道と化しているのも合点がいく。ただ惜しむらくは、蜘蛛の巣を掻き分け今日最初の飛竜山頂到達霊長類第1号と思しきが、先客が居たのである。笠取山方面からのショートカットが存在したのか。むむむ、悔しい。氏のために蜘蛛の巣を掻き分けたのではないが、アントニオのお陰で氏は飛竜権現まで蜘蛛の巣の波は無縁で通過できるのだ。山頂で束の間の休息を貪るうちに氏は権現へ向けて歩き出していた。展望も花もなく、寸分の静寂を惜しみながら先客の氏に続いて権現に戻ろうとした。然し、氏は少々先で何やら立ち往生を決め込んでいる。迷ったのか。正規ルートを示す赤テープに導かれながらも、どうやら踏み跡が行方不明となってしまっている。一寸先は藪でだ。むむむ、どうも先程通過したルートとは趣が違うな。「あれ〜、道なさそうですか」と声を掛けながら少し戻って経路を再探索する。この獣道だろうな、、、シャクナゲは何も言わないが、偽赤テープにはやられた。復路は思わず道を見失いそうになったが、何とか飛龍権現に戻りザックを回収。さて、あと1本、展望の利く筈の禿岩にまで赴こうか、と縦走路を少々西走した。
唐松尾山、笠取山、甲武信ヶ岳、乾徳山、小楢山、大菩薩嶺、雁ヶ腹摺山、権現山、三頭山など、奥秩父から奥多摩に掛けての山並みが手に取るようであった。ただ、山並みは雲海の上、そろそろ今夏特有のアレが鳴らないか、恐る恐るもう一杯を嗜んだ。飛竜権現に戻ると漸く先程の氏が到着した模様である。アントニオを疑って追随しなかったのだろうか。まあ良い。迷うも自己責任だ。氏のケツも未だ青いのか。
北天ノタルに戻ると、元気そうなオジサンが昨日も来たのだけど天気が悪くてね、と言う。そろそろ雷雲が近付いてくる頃だと言うのに、是から山頂なんですか、、、と思うが口にしない。雷に遭遇するも自己責任だ。先程より遥かにガスってしまっている。さっさと下山するか。靴擦れなんて気にしている場合ではない。下りでは普段の庵速をやや取り戻して快走する。途中幾人かと擦れ違うが、挨拶も出来ず、また、雷雲の到来に時間を合わせて山に登るとは、ハイカーの風上にも置けない。三条の湯へも約束通り午前中に戻っては通過する。オオカメノキやカニコウモリもこの天候では物憂げだ。
後山林道ではアオスジアゲハが美しく舞い、雨模様を一瞬だけ忘却の彼方に葬り去ってくれた。其の美しさを霧消させるような雷雲が上空を覆いつつあった。土砂堆積箇所が、均されていた。四駆車が踏み均したのだろうか。そう、林道終点まで数台の車が到達していたのだった。空がゴロゴロと啼き出した。擦れ違ったハイカーは大丈夫だろうか。林道塩沢線起点辺りから遂に空が泣き出した。木陰に停めた休部ではあるが、擦れ遣られたブーツを脱いでいる間に大降りになってしまう。急いで車内に入り込んだ。
林道を下る。思ったより長かった。よく登ったものだ。。。R411に戻っては奥多摩駅方面に東進し、深山橋を渡ってR139に赴く。対向車も減ったが温泉の駐車場は可也の賑わいであった。近所の小学生軍団が風呂場を駆け巡り騒ぎ捲くる。確かに五月蝿いは五月蝿いのだが、そんな神経すら麻痺してしまう程の疲弊を感じていた。前回は全浴槽制覇を目論んでいたが、今回は餓鬼どもが暴れて思うように回れない。否、制覇などとは今回ばかりは露にも思わず、ただただ汗を流して温い露天に少々長めに浸かれれば其れで良かった。靴擦れの皮剥きか、、、また今度にしようか、、、
風呂上りはメインイベント、食事処、ひのきでの腹拵えだ。多摩源流メニューは全種目制覇を狙いたいのだが、今日も前回と同じ山葵の花の酢漬けを所望してしまった。心なしか、季節メニューが半減してしまったようで悲しい。山菜の天麩羅の跡形もない。今日の季節メニューとしては、蕎麦の葉のお浸し、蕗の油炒め、エリンギーバター炒め、合鴨ロース山葵ジュレと5品目である。また、川場村と特産品交流によって地ビールがメニューに追加されたのは見逃せないであろう。
隣接の地場土産物屋には前回2袋所望した山葵の花の酢漬けは既に季節外れで存在せず、冥加と饅頭を所望した。きっと何か欲しい物が必ず存在する、小菅の湯併設の土産物屋であった。
前回も通ったのだが、県道522号は起伏や湾曲や広狭のオンパレードで走り屋も喜びそうなルートである。何時の間にか自分も走っていた。R20に合流すれば中央道の渋滞が告知されるものの、下道は更に億劫であろうと思い込み、意を決して上野原ICのゲートを潜る。いきなり渋滞ではあったが予想の範疇で、遅いながらも流れていた。何時ものように小仏トンネル内から嘘の様に流れ出したが、八王子出口もまた混雑が激しかった。R16も土曜日の夕方はダメだろうかと諦めかけたが、交通量の割には流れていたと思う。車では余っていた水を全て飲み干し、文字通りガス欠寸前であった。今日は靴擦れで一般人並みの行動ペースだったかと思う。やれ、喉が乾いた。

(完)

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

付録:

山旅アドバイス
・林道後山線は時折土砂災害の影響がある。
・三条の湯は12時頃から外湯の受付をしているらしい。