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草鞋参り

不定期連載 山道をゆく 第150話
04/01/11 伊豆ヶ岳
04/01/11 高畑山(庵選千名山261)、古御岳(庵選千名山262)、
伊豆ヶ岳(関東百名山、庵選千名山263)
【草鞋参り】

1/11(日) 庵庵…鴨居〜八王子〜東飯能〜吾野(駅前散策)…子の権現…高畑山
…古御岳…伊豆ヶ岳…正丸駅〜横瀬…武甲温泉−横瀬〜飯能〜池袋
〜渋谷〜菊名〜妙蓮寺・鳥ひろ〜菊名〜鴨居…庵庵

−:車、…:歩き、−:タクシー

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
足腰の神と祀られている子の権現の黄金巨大草鞋に今年は山旅の安全を祈念すべきとの提案により、我々は吾野駅現地集合の計画を練っていた。R299には其の通行回数が少ないにも拘らず大渋滞の印象が否めないため、今回は電車行にした。飯能以北は30分置きにしか電車が走っておらず、1本乗り過ごすことは餓死をも辞さないため、口酸っぱく時刻表調査をさせ、一番不便な者のダイヤに合わせて渋々鴨居6時半台と言う庵的にはあまり早い部類でない下り電車に乗れば、それ見たことか、携帯は鳴る鳴る、バスが遅れて1本ずらすしかない、などと不届きな連絡であった。やれやれ。吾野に先着して何か暖かい物を食おうと願う。今日も腸子は今一つ、東飯能駅の待ち時間を使えども抜け切らない。おまけに、ボックスタイプの車両を想像していた所、黄色のロングシート車にはDバッグを背負った老々男女しか見当たらず、粗満席状態である。末恐ろしい光景であった。東飯能以北では各駅からハイキングコースが連なっているものの、このうちの数十人は我々と同じルートを辿るのかと思うとぞっとした。3連休の中日だと言うのに遠出はしないのだろうか。ううむぅ。致し方あるまい。各駅毎に多くのハイカーを下ろし、吾野駅でもそれはそれは大量の下車客を放出して通勤電車は秩父へと去って行った。
多分ないであろうとは思ったものの、何か暖かい饅頭の類を提供する店、便利商店はきっとないだろうが、30分程時間もあるため吾野駅前を散歩することにした。奥武蔵の冬の朝に風は冷たく、肉まんやあんまんが恋しいものの、方々を歩いても民家と暖かい物は置いてなさそうな商店が幾つか偏在し、後は自販機の飲み物程度が頼みの綱であった。15分もうろつけばさすがに足取りの重い老々男女も準備体操を終えて殆どが出発していた。中にはアントニオが如く、次の列車から来る仲間を待つ者も1人ではないようだ。やがて秩父鉄道直通の快速急行が到着し、また吾野駅ホームは老々男女の渦で埋め尽くされていた。何故若い人を見掛けないのか。改めて悲しい気分にさせられた。
さてメンツも揃い、線路沿いの道を北へ目指す。暫く歩くと、御岳神社が頓挫していた。後々調べると、其の更に北方に御岳山は存在するようだ。丁寧語接尾辞「御」に、大きい山の意の「岳」、更に「山」であるが、標高は500mに満たない。因みに木曽御岳は3,067m、奥多摩の御岳も900mは越えていた筈だ。御岳神社の脇を西進する林道を登る。茶屋が幾つかあるが冬眠中の様である。暖かい物が食いたい。暫くして山道に浸かるが、1時間強も歩けばまた舗装路が覗き、程無くして子の権現駐車場に到達。土産物屋も軒を連ねている。田楽か、、、蒸かした饅頭の類は残念ながら見当たらない。ゴーヤチップなんて、此処で買わなくても、、、漬物類も近辺の特産なのか疑わしい。
子の権現を象徴する黄金草鞋は、、、丸で札幌時計台までとは言い過ぎだが、逆衝撃を受けた。思ったより小さいのである。コンバトラーV相当の足サイズを想像していたアントニオの夢想は遭難していた。確かにアントニオが履いて歩き回ることは不可能ではあったが、長さは二メートル数十センチ程度でしかないのだ。寧ろ、左隣に並んでいる、夫婦物を彷彿とさせているのか、赤白1足ずつの巨大鉄下駄には存分惹かれた。観光ガイドには挙って登場する黄金草鞋の隣でしっかりと脇役をこなしている健気な下駄であった。因みに子の権現の「子」の読みは「こ」ではない。御神籤も炊きの時間も含め20分で渡されるものらしい。漱石さん1名程の出費でお釣りは貰えない。むむ、さぞかしご利益のあることだろう。
駐車場のある子の権現を過ぎると、瞬く間に静寂の山道を取り戻すことが出来た。日溜りの奥武蔵路には樅やアセビの林間を貫く北風の冷たさが勝り、高畑山山頂からの春気く展望も鑑賞時間を短縮させるしかなかった。古御岳山頂で遂に空腹に力尽き、伊豆ヶ岳山頂では風とギャラリー数多でお湯を沸かすのも侭ならぬと思って屋根の有る休憩舎で暖を取ることにした。ベンチを囲う壁が屋根までは到達していない構造上、しゃがまなければ此処でも否応なしに北風の洗礼を受けていたものの、8分潰し程度のブルーベリースープでエネルギー補給を行って寒さを耐え凌いだ次第である。
余りの寒さに紀行文も短縮がちだ。山頂からの展望は頗る果てしなく、特に浅間山の白さが目立つ。ぶるっ。遥か新宿都心上には霞みも掛かる。ぶるっ。今日の山頂に長居は難しい。
雪を心配した面々は、紛う事無く女坂を選択して下る。男坂には垂直に見紛う程の急斜面鎖場も存在していた。嗚呼大変だ。伊豆ヶ岳北側斜面には所々積雪も見られ、中には氷塊の上に風で土が若干堆積している箇所も少なからず存在し、予断は禁物であった。
温い温泉しか眼中になくなったアントニオは、電車の時刻を心配し出した。雪を退けて庵速再び、i-mode圏内へと急ぐ。吾野から2駅、電車は30分置き、果たして適当な便は、、、あった。アントニオのペースならば余裕だろう。残りのメンツはどうだろうか。きっと、間違いなく電車の便の不便さを認識した行動ではない筈だ。アントニオは15分程の余力を持って正丸駅に到着した。トイレに寄ってから切符を購入し、駅のホームを端まで進んで先程潜ったトンネルを見下ろす。未だ彼等は見えない。10分前。未だ。5分前。未だ。3分前くらいだったろうか。女坂と男坂の合流地点に居た兵お婆ちゃんと共に現れた3人に向かって叫んだ。「電車、3時9分!!!」瞬く間に3人はトンネルに消えた。確か、後2分はある筈なのに、電車は非情にもホームに入って来てしまった。彼等は間に合うのか。今回も乗りたい電車に乗れず、また貧乏籤を引かざるを得ないアントニオか、、、改札員の居ない駅だから下車時に払えば良いだろう。「切符は(買わなくて)良いから!!!」と叫ぶ。嗚呼、間に合わないのか。仕方有るまい、、、と思っているうちに、電車がホームに滞在しているうちに3人とも3年分のエネルギーを浪費してしまったかの面持ちで滑り込んで来た。是を逃すとまた30分だ。逃した電車は大きいのだ。
総延長4811mを誇り其の長さ故に途中に交換施設の在る正丸トンネルを抜け、芦ヶ久保を過ぎて何時か来た横瀬の駅に到達した。前回の武甲山行脚時は此方から浦山口駅方面へ越えたため、この温泉には気付かず仕舞いであった。温泉に近付くに連れ、遥か昔に寄ったような記憶が蘇って来た。ううむ、良くは思い出せない。然し、この温泉界隈には脳裏に残像が朧気ながら焼き付いていた。温泉は激しかった。入場と途端にカラオケの修羅場と化していた。ジャイアンのような歌声が館内に鳴り響く。果たしてこの温泉で体を癒すことは可能なのだろうか。可也不安だ。然し、一度風呂に入れば修羅場は免れた。今日は暫く寒かったため、汗を掻き捲くった心地は露にもないが、温泉の温さは日本の宝であった。そして侮れないのがスーパードライと黒生の、生ビールサーバが休憩所に頓挫していることだ。頼めばハーフアンドハーフも問題ない。シマッタ。黒生:ドライ=7:3くらいのを注文すべきだった。。。ごっくん、、、
さて、折角だからと妙蓮寺で鍋でもやろうと画策を試みるが、17時過ぎに横瀬を出ても妙蓮寺到着は20時を超えてしまう模様だ。創作鍋は億劫だ。気楽に飲み屋に寄ろう。飯能で準急に乗り換え、池袋では湘南新宿ラインに、渋谷で特急に乗り換えながら妙蓮寺駅の傍で鶏を思う存分つついたものである。未だ其の頃はBSEだけが俎上の話題であった。そろそろCSEとか出てくるのではないか、と口に出さないではいたのだが、、、
(完)

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付録:

山旅アドバイス
・伊豆ヶ岳の北側(正丸駅側)は積雪がコチンコチンに踏み固め
られている。滑る可能性大。要注意。
・西武秩父線飯能以北の各駅停車は大体30分置きだが、
特急交換など、単線のためジャスト30分置きではない。要注意。