仕事間の晴れ間

不定期連載 山道をゆく 第247話
不定期連載 麦道をゆく 第42話
12/6/2
西金勝山(庵選千名山544)、裏金勝山(庵選千名山545)、
金勝山(庵選千名山546)、仙元山(庵選千名山547)

デリカテッセン アーチャン
(オカラコロッケ、メンチカツ)
麦雑穀マイクロブルワリー
(夏の小川(ペールエール)、杜松の実ポーター、雑穀ヴァイツェン)
世嬉の一酒造 フォーク&カントリーフェスティバル
(ゴールデンエール、オイスタースタウト)
ムーンライト
(トリペール、多摩の泉、江戸前)
【仕事間の晴れ間】

6/2(土) 庵庵…鴨居〜八王子〜高麗川〜竹沢…R254…大楽地踏切…南登山口
…西金勝山…小川町げんきプラザ…裏金勝山…金勝山…東登山口
…東部竹沢…竹沢踏切…竹沢駅〜小川町…県道189号線…駅入口交差点
…県道30号線…円城寺…大見田踏切…天満宮登山口…分岐…展望台
…仙元山…分岐…見晴らしの丘公園展望台…遊歩道入口…踏切…円城寺
…デリカテッセン アーチャン…交差点…麦雑穀マイクロブルワリー
…小川町〜折原〜高麗川〜川越〜池袋…池袋西口公園…池袋
〜武蔵小杉〜登戸…ムーンライト…登戸〜川崎〜蒲田〜東神奈川
〜鴨居…山剛家…庵庵

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土曜日とは言え、顧客対応のためにノートPCを持ち歩かなければならなかった。ただ、ここ数日その対応でのストレスも嵩んでいるから、気分転換は必要と感じていた。14時までに質問メールを出すので、16時までに回答せよとのことである。14時までは好きにさせて貰おうか。とは言いながらも、金曜日も、帰宅後もメール電話対応などで、睡眠時間はどんどん削られてしまった。まぁ、そっちがそう来るなら登ってしまうぞ。覚悟しろ。
久々の4時起きだ。ネットサーフィンや支度やら、で4時過ぎに庵々を発ち、駅では値上がりした休日パスを購入した。値上がりした分、フリー区間が拡大し、埼玉の小川町にも行けるようになった。ただ、宇都宮はまだ圏外である。宇都宮をカバーするようになったらきっと値段は2800円か3000円まで跳ね上がってしまうのだろう。そこまで上がってしまったら、青春18きっぷの季節まで待ってしまうことだろう。スミマセン、横須賀さん。
鴨居駅からは下り2番列車で八王子へ、そして八高線の電車と気動車へと乗り継ぐ。気動車は確か前回は3両編成だったと思うのだが、2両に減車されてしまった。確かに2両でも空席は多いので仕方はないのだが。
竹沢で下車し、そう、この駅も無人駅化してしまったのだが、駅北側の踏切の有無が不明なため、南下して、一旦列車で通過した大楽地踏切を渡り、線路の東側に出た。南登山口の看板も程無く見つかり、山道へと進む。雨上がり直後で少々湿っていたり、蜘蛛の巣も多いのだが、フィットンチッドがアントニオを加速させていた。コースタイムにして1時間半超の区間を1時間10分程で回れば、竹沢から小川町へ列車で戻れるのだ。ルートマップは持たずに挑んだのだが、小径が縦横無尽に張り巡らされているようで、と言うか、現実には刳り抜き巡らされているのだが、最短ルートを進んでいるか不安ではあった。ガイドブックに登場しなかった西金勝山山頂に着いてしまった。やれやれ。遠回りだったか。まぁ、良いだろう。結局、金勝山へ直登するルートから大分逸れてしまったため、通過を予定していなかったげんきプラザ前に出てしまった。小山にちょっと異彩を放つ建造物である。静かな研修所なのだろう。

ものの数分で裏金勝山を経てガイドブック通りと思われる経路に漸く合流し、程無くして金勝山に到達する。山頂からは、小川町の山並みに仙元山、埼玉副都心のビル群が一望できた。
天候も大晴れではないし、蒸し風呂を歩いているようにも感じられる。展望は確かに展望だったが、消化試合の一つに過ぎなかった。山より麦茶、か。
通常の陸路歩行と大差ない速度で東登山口へ下り、竹沢駅を目指す。東武竹沢駅には丁度電車が到着したようで、老々男女ハイカー軍団が此方に攻めて来そうだったので急いで駅前を通過した。
竹沢駅で上り列車に乗り、再び小川町に至る。何時もの、ヤオコー側南西方面の道はパスし、南下して交差点を渡る。程無く、何時も雑穀ブルワリーでお摘みにしているソーセージの製造元、デリカテッセン アーチャンの小店を確認した。雰囲気的にはテイクアウトが可能そうに見える。下山後ブルワリー開店まで時間があれば、何かしら摘まんでみたいと思う。
県道30号線を少々南下し、青山陸橋(西)交差点の先で円城寺方面へ曲がり、八高線の踏切を渡って再び南下し、登山道と思しき道の指導標を確認しながら進む。嗚呼、蒸す。6月にアントニオが目指すべき山ではなかったか。そんなこと言うと、仙元山の神のお怒りに触れてしまうか。いや、山頂は、既に老々男女で騒々しかった。やはり、動機不純なアントニオは呼ばれざる客か。そう、山より麦茶。物騒な山頂はご免と、先に歩を進めた。少々歩いた後、公園にて展望台からの一望を嗜んだ。和紙の里も意外と近くなんだな。鉄路はええっと、東武東上線が北側、西側に八高線か、意外と小川町駅も遠くだな、、、などと思いを巡らせながら、勝手にやるべきことはやったと思い込み、下山に取り掛かった。

意外と遠くだった。しかし、麦有引力は湿度の影響を受けず、等しくアントニオを導いて行った。ブルワリー開店には余裕がありそうなので、計画通り、アーチャンに寄ることにした。
けやきひろば出店食材みたいなものを想定していたが、残念ながら見当たらず、しかし、揚げ物は多彩であった。コロッケ類を2品目所望した。アントニオの身形を見て、「山行ったの?」と問われたので、仙元から降りてきたばかり、と答えた。店のおじさんが、晴れてればムサシが見える筈だ、とのことだった。ムサシか、それは計算に入れていなかった。確かにこの天候では無理だろうが、、、ムサシより麦汁である。
お摘みコロッケを摘みながら麦雑穀工房マイクロブルワリーへ向かう。ブルワーさんとは5月のけやきひろば以来である。そう、その日に空しく会社の携帯電話は着信し、止む無く岩手からのとあるブルワリーブースのお手伝いを返上して帰宅、障害解析を余儀なくされ、今日のPC持参もその余波が消えないことに起因しており、との次第であった。まぁ、けやきひろばのどのブースも均等に繁盛していたように思う。美味しいビールを提供するブルワーが繁盛する、正しいイベントであった。秋けやきは仙台のオクトーバーフェストとバッティングしてしまう、などとブルワーやビールイベント談義は尽きなかった。
此処で飲み過ぎると次、またその次に影響するので、昼少々過ぎに辞去し、時間潰しに一旦下り列車に乗ってから上り列車で高麗川へ向かった。川越にて埼京線の快速電車にて池袋に赴く。
池袋西口公園では、もう御馴染みと言うべき吉田さんと宇野さんの競演が見られた。ボランティアと思しき2名ほど初見の方もお手伝いをしていたようである。1杯目を吉田さん贔屓でチャラにしていただいた。アルコールにはめっきり弱くなってしまった。雑穀ブルワリーのが残っているので杯は思った程進まない。しかも、アントニオが頭を下げれば何も言わずにパイント杯が眼前に登場するのだ。他の露店でお摘みを物色しながら、丸で薬を無理やり喉に流し込むが如く体たらくであった。それでも盃を開けた後にまた来店し、次の1杯は今度は宇野さん好でチャラとなってしまった。地ビール業界に貢献どころか、搾取ではないか。でもタダ酒にはケチケチ魂が温度を上げるのも避けられなかった。貢献とは何か。それはビールを愛飲することなのだ。
さて、池袋から今度は登戸だ。武蔵小杉まで今や乗り換えなしである。隔世の感がある。再来年には乗り換えなしの手段が1つ増えるのだ。まぁ、池袋と登戸を梯子する機会はあまりないのだが。
ムーンライトはここ最近訪問頻度が急上昇している。元々飲み物も廉価ながら、新料理スタッフによるバラエティー豊かなお摘みに店の魅力も急上昇していたからである。通常は真昼間なので店のスタッフとマンツーマン状態が多いのだが、土曜の夕刻ともなると、満席ではないが、満卓となっていた。良い食材、良いビールを出す店が繁盛するのは当然である。当店のここ最近の販売努力も奏功していると言えよう。正義は勝つのである。
いい加減に飲んだくれて川崎では電車を乗り間違えてしまったものの、何とか1駅で失態に気付いて帰路へと駒を進めた。
山剛家は何となしに寄った次第である。徒歩数分先にもチェーン店のラーメン屋があり、こちらは少々販売努力が不足していたのか、この日がファイナル麺となってしまった次第である。その1軒よりは好みの味だったのだが、残念至極である。
(完)

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付録:
山旅アドバイス
・蜘蛛の巣多し。