バテ二

不定期連載 山道をゆく 第202話
不定期連載 麦道をゆく 第2話 08/07/20
玄岳(庵選千名山423)
酪農王国(メルツェン、ヴァイツェン)、
Baird Beer本店(山梨アップルエール、日本海物語エール2007、山梨すももエール)
【バテ二】

7/20(日)
庵庵…鴨居〜東神奈川〜横浜〜熱海−玄岳ハイクコース入口
…玄岳…氷ヶ池…酪農王国…県道135号線(田原野函南停車場線)
…県道11号線(熱函道路)…田原野函南線…函南〜沼津…Baird Beer
…沼津〜熱海〜横浜〜鴨居…業務スーパー…庵庵
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酪農王国オラッチェのHPを見ると、6/6以降レストランが休止となっていた。レストラン以外で存続するのか。店が畳まれないうちにもう一度行きたい。つくづく前回、レストラン開店時刻まで待つべきだったのかと悔やまれる。ベアッドビアも8周年記念イベントだ。7/19から連休にも拘らず、青春18きっぷは20日からしか利用できないのか。ならば7/20に使ってやろうか。相ノ原団地、鷹ノ巣山トンネル経由以外の手段はないのか。市の図書館のガイドブックに玄岳コースあり、 熱海から丹那断層に抜けられるのでは?少し健康的なルートだ。よかった。そのまま函南に下りて沼津へ、そして8周年を祝そう。
当初ジョギングシューズでの出発を試みていたが、それでは玄岳に失礼だろうからとハイキングシューズを履いた。靴底はスリック状態だが勘弁して貰おう。横浜の東海道線は短い10両編成であったが、何とか空席に滑り込んだ。夏休み時の熱海行きは夫々の馬鹿ぬすぉ楽しもうとする客で空席はなく、立ち客も目立つ。湘南か。うーん。夏とは言え、水際から離れて久しい。速さは要らない。意の赴くままに泳げたらどんなに愉快であろうか。ただ、アントニオには泳ぐ前に使命がある。陵山を巡る使命が。
やがて電車は終点熱海に到着した。梅雨は明けたのか、湘南の海の照り返しは今ひとつのようだが。乗換え会談が狭過ぎるぞ、熱海駅。改札を出て、2番乗り場のひばりヶ丘行きバスに乗った。この夏も暑いところ、態々玄岳に登ろうと思しき乗客は皆無だった。バスは途中、地元の住民を降ろしながら山肌斜面を喘いでいた。嗚呼、この落差なら320円の運賃の価値はある。バスは玄岳ハイクコース入口でアントニオを降ろすと、運ちゃんだけになった。さようなら、安全運転有難う。
暫くはアスファルトの急斜面が続く。町内放送が響く。9時から消毒作業のため、屋外に洗濯物やペットを出さないように、とのことだった。消毒?鳥インフルエンザ予防ワクチン?ペット以外の動物はどうするのか?悩みは尽きない。玄岳で万が一があっても迂闊には引き返せないのだ。昨日降雨があったのか、アスファルトの先の山道が軟らかかった。ジョギングの延長と高を括っていたが、朝露滴る草花に、脛はびしょ濡れであった。ただ、朝露の冷たさは心地良ささえ感じさせてくれた。低山だが良いではないか。オオバキボウシも咲いている。沿道に雲の巣も少ない。

バス停から約1時間で山頂に到達した。少々雲が多く、富士は見渡せなかったが、熱海の海、箱根、丹沢の山々の大パノラマである。伊豆スカイライン玄岳ICが近いのが玉に傷だが。山頂は独占状態。涼しい。車の騒音に混じり、砲弾と思しき音も何度か聞こえた。演習地も近いのか?

大パノラマではあるが、此処玄岳は今日の一通過点に過ぎない。爽快感を味わいながら先を急ぐ。10年近く前に発行されたガイドブックでは伊豆スカイラインを文字通り横切るコースを示していたが、危険だからとのことで、何度かガードを潜って氷ヶ池へ向かわされる羽目となった。すぐ下に見えている氷ヶ池に向かうのに、7,8分程度は遠回りさせられた気分だ。けしからん。氷ヶ池付近では何と若者グループがキャンプを張っていた。その水場の水は飲めるのか。用は何処で足したのか。キャンプ場ではないため、お誂えの施設は皆無なのである。若者よ、どのようにしたか不明だが、良く泊まったな。

湿った岩場にスリックシューズとくれば何度か足を滑らせてしまったが、大怪我なく牧場地域に到達した。牧場はオラッチェだけではなかったのである。丹那断層への分岐交差点に到達した頃は大量の汗で余力はなく、左、断層へ300m、右、オラッチェへ800mの看板の前に、麦意とともに足は右を向くしかなかった。オラッチェへの経路「途中」に断層があれば見学させて貰ったものだが、全身が既に麦意全開で止めることはできなかった。オラッチェ前にCorn Mazeとして、背丈の高いとうもろこし畑を子供向け迷路に仕立てていたのだが、我が麦意の関心を呼ぶには微力であった。迷路で迷ってしまったら、目の前のとうもろこしを片っ端から刈り取って食ってしまえば良いだろう。頑張ってくれ給え。
10:51、酪農王国に到着。家族連れで賑わっている。お土産ビールが200円引きだ。やられた。園内のが此処より高ければ、土産用ビンを買って飲んでやろう。そう思いながら園内に入ると、花の温室では夏休みキャンペーンでさらにちょっぴり安かった!一杯通常470円が250円!半額寸前!お摘みにと、、、屋外にて炭火焼きのスペアリブにフランクフルトを所望した。山越えして正しかった。しかし、もう一度やりたいとは思わないな。せめて、もう少し涼しい季節なら別だが。スペアリブはアントニオが作ったのより美味だった。炭火には敵わねえや。心なしかビールはメルツェンとヴァイツェンの2杯でバテて飲めず、已む無く別腹にソフトクリームを所望した。ソフトクリームは270円のままである。ビールは250円。。。車を運転せねばならぬファミリー連れのお父さんは苦虫を噛み潰さねばならなかった。さて、先程のガイドブックに掲載されていたバス停角屋前を通るバスが廃止されて久しい。函南まではタクシーか歩くしかない。高速道路のような熱函道路沿いを偶に走りながら進む。概ね下りだったが、かったるい。車道は辛い。函南からの電車本数も少ないため一本逃すと少々痛いため、後半は走りに走り8km程度の行程を1時間10分でクリアした。汗だくだった。これでベアッドビールも美味くいただけるだろう。
沼津駅からの足取りも軽かった。が、8周年記念イベントで店内は満席である。1000円でおばあちゃんの手作り惣菜も含めてお摘み食べ放題だ。フルーツ各種エールも普段より少々安い。惣菜が和食系もあって胃に優しいのが有難かったが、暑い中走ってバテてしまい、ビールは一杯飲み干した後がなかなか続かなかった。おばあちゃんの惣菜はvery goodだが、店内は落ち着かなかった。都合3杯でベアッドビールを辞去し、力尽きて駅までバス便を頼ろうとした次第である。しかし適当な便がなく、大人しく歩くことにした。ベアッドでメロン2切れを口にしたがまだ甘味を欲し、沼津駅売店で棒アイスを購入してしまった。熱海からの電車内では良く寝た。電車で寝るのはさぞ心地良いものか。旅は楽し。
(完)

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付録:
山麦旅アドバイス
・熱海からの東海バスの時刻を調べるにはテクニックが必要。
・オラッチェは遠いよ。