アントニオにできること6

不定期連載 麦道をゆく 第35話

アントニオにできること6

11/07/23~
ビアフェスタ福島
【アントニオにできること6】

7/23(土)
庵庵…鴨居〜東神奈川〜横浜…天理ビル前=新宿スバルビル前

7/24(日)
=佐野SA=那須高原SA=須賀川SA=郡山駅=福島駅西口…ファミマ
…福島〜峠…峠の茶屋…峠〜福島〜白石〜福島…S-PAL福島…福島
〜黒磯〜宇都宮…栃木マイクロブルワリー…宇都宮〜古河〜横浜
〜東神奈川〜鴨居…庵庵

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昨年に続き、今年も福島ビアフェスタに出場することを決めた。吉田店長主催である。某社のビアガーデン大会が土曜日にあるのだが、此方の参加は必須ではなく、今は福島に行くことの方が重要と、土曜日の方は体調を鑑みて涙を呑んで欠場した。
青春18きっぷで鴨居を始発電車で乗り換えて行っても福島には昼前には到着できるのだが、今回は気合を入れてフェスタ開始ゴングに合わせての雪崩れ込むべしと、夜行バスでの福島入りを検討した。今回はネットでピピンと来て格安バスでの入福と決めた。福島まで短距離だから狭い車内でも我慢できるだろうと思った。天理ビル前は若人ばかり、アントニオ世代以上は両手で数える程しかいないように見えた。格安バス乗車には体力が必要だ。新宿までは別方面行きのバスに乗せられた。専用シャトルバスではなく、新宿経由で福島以外に行く便のようだ。新宿で乗り換え、窓際の席に座った。4列シートで隣席も空席ではなかった。まぁ、この環境でも日中の肉体労働業務もあり、良く眠れるだろうと思っていた。佐野、那須高原、須賀川SAとトイレ休憩停車、郡山駅前にも停まり、6時過ぎに福島駅東口に到着した。
約5時間の遠大な暇潰しが始まった。コンビニに寄ってから18きっぷで入場、先ずは奥羽線を利用させて貰うことにした。米沢まで乗るだけ折り返しの線もあったが、この様な機会でないと力餅にはありつけまいと、峠下車に決めた。福島から2つ目の駅庭坂を過ぎると、徐々に登りとなった。赤岩、板谷の各駅のスイッチバック跡を確認しながら719系電車は山形県の山間部を軽快に登って行く。やがて目的地の峠に着いた。スノーシェード内にホームがあり、駅舎らしきものはない。
予習として峠の茶屋のHPを事前に確認していたのだが、嘗てホームの駅売り時にお釣りを渡し損ねたり、その逆、即ち持ち逃げならぬ餅逃げも伝説となっていた。今や1箱ジャスト千円となっているために伝説は蘇らないのではなかろうか。始発の下り列車は観光客が少ないから駅に売り子は立たないと記されていたが、今日は7月の日曜日だからか、売り子を確認した。2人ほど、車内から購入する者がいた。1人はお約束のように、風でお札を飛ばされ支払いに手古摺っていた。そのスリルを味わうつもりは今日はなかったので、駅から徒歩圏内にある茶屋で落ち着いて購入することを元々考えていた次第である。
スノーシェードのほぼ中央と思しき地点から表に出ると、食堂のような建物と峠の力水飲み場があった。水は冷たくて、バテを催しそうな力水であった。看板を頼りに進むと、スノーシェードの端に出た。何だ、スノーシェードを抜けずに進んでくれば一瞬だったではないか、、、

茶屋店内に峠の力餅以外にも色々な餅があったのだが、果たしてそれに意味があるのだろうか。 リピータ狙いなのか。リピータになるには財力と時間が必要だ。茶屋では結局ベーシックな力餅を買い、のんびりと駅に戻る。山形新幹線が丁度通過して行った。偶にはこれくらいゆっくりとした過ごし方も必要だが。暫くして恐らく先程乗車した車両の折り返しと思しき列車に乗った。餅売り子も何時の間にかプラットフォームまで来ていた。
列車は下り、福島には9時前に到着した。あと2時間である。公園などで読書か奇行下書きでも、と思ったが、冷房の効いた電車で過ごしたくなり、急いで列車時刻を調べ、白石往復を決めた。9時丁度の快速ラビット1号仙台行きは4両オールロングシートの安物車両である。JRも慈善事業でないのだから当然か。ロングシートの着席定員が少なく、快速列車ともあって満席以上の混雑だった。窓越しの夏の太陽の日差しは力強く、列車内での時間潰しは正解であった。白石で10分程度で折り返し、各駅停車でまた福島に戻った。
まだ30分以上余裕があったため、東北拠点駅デパートでのViewカードポイント10倍キャンペーンもあり、笹かまぼこ試食もしていたが、残り15分くらいになって居ても立っても居られず、5Fのネクストホール前に並んだ。昨年は福島周辺5社のビールがCOD制、お摘み店ブースも充実しており、楽しかった覚えがあって今年もまたやって来たのだが、今年はテイスティンググラスで飲み放題、東北以外に大手4大ビールメーカーも含めた20社44酒類の体制となった。惜しむらくは美味しかった食べ物店ブース数が減ったことである。この時勢、仕方ないのだろうか。吉田店長にも当然会った。先週の訪福からたった1週間振りである。どうやら昨年の、「何杯も飲むと相当な額になってしまう」との贔屓客の意見を汲み取ったのが今回の体裁の理由だと言う。その他、アントニオは土曜日出勤のためそのサービスを利用できなかったのだが、市内のホテルの宿泊費とこのビアフェス込みのお買い得パックも用意されていたりなど、企画としては発展中とも言える。お摘みのバリエーションが昨年並みとはいかなくとももう少し充実していると更にベターかも知れない。しかし、テーブル対面にいらした方から「福島路ビールは美味しいですよね!」の言を聞いた。福島路ビールは大丈夫だ。僕でなく、そのような地元のお客様がいるのだから!!!土曜日には既報の通り、自社でのイベントがあり、「新横浜からビールがなくなる日」と謳っていた。ならばアントニオはその翌日を、「福島からビールがなくなる日」とすべく奮闘した。福島のビールに乾杯。44全酒目制覇した。福島のビールよ、永遠なれ。
午前中にめぼしをつけておいた笹かまぼこを購入し、14時過ぎには東北線上り電車の人となった。はしごを計画していたのだが、残念ながら1人で店を切り盛りしているブルワリー故に、アントニオが寄った時点では閉店状態だったのが残念である。2週間後には3周年キャンペーンで間違いなく開店している筈だ。それまで栃想いを秘めて、帰途に就く。奮発してモバイルG料金を払い、Kioskでまた缶入りアルコールを所望、グリーン車内で笹かまぼこをお摘みに、はしごした。栃木は原発のアレ以来、通過する客も減ったと言う。福島の次は栃木だ。
(完)