西日本イベント初参戦

不定期連載 麦道をゆく 第52話

西日本イベント初参戦

13/05/11~
いわて蔵(オイスタースタウト、R-IPA、山椒エール、福香)、
湘南ビール(アルト、チョコレートポーター、マイボック)、
志賀高原ビール(ミヤマブロンド)、周山街道ビール(アンバーエール)
【西日本イベント初参戦】

5/11(土)
庵庵…鴨居〜新横浜…ファミマ…新横浜〜こだま633号〜京都
…蓬莱551…33番線〜二条…三条商店街…三条商店街事務所
…二条城前〜烏丸御池〜京都…観光バス乗り場=

5/12(日)
=守山PA=鮎沢PA=横浜駅西口天理ビル前…横浜〜西谷…庵々

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某カードのG車特典利用期限も迫っていた。何かしら、西へ行く口実を欲していたことは否定できない。そんな中、2/17には懇意にしている国分寺のパブの全タップがハーベストムーン製液種で占拠されるイベントがあり、FB友達としていただいた。抽選でロゴ入りテイスティンググラスをいただいた。少量品目を飲むには最高に気分の乗るグラスである。また、3/29にはその醸造主自ら京都行を宣言された。渡りに新幹線であったと思う。関東から京都への遠征者は1人ではないと言うことだ。先方にこちらに対する面識はあまりないだろうが、面識は生まれるものではなく作るものである。
また好機が訪れた、と言うべきか。六本木の東京「町の中心」で開催されたグランビエールにて、お手伝いの決まっていた福島路ビールの隣のブースに、その収穫月さんブースが並んだのである。先方ブースは1人で切り盛り、こちらは2人だったため、1,2杯程度はサービングの補助や氷の補給をさせていただいた。2日目は自分は非番だったのだが、渋谷にて執り行われる予定であった福島路ボランティアーズ打上の前に、片付け手伝いにでも、と思って町の中心に赴き、福島路の大将が余っているように見えていたおにぎりを指し、「食べていいよ」とのことで勿体ない星人アントニオは余り間を置かず平らげてしまったのである。その後、様子がおかしい。園田さんが「この辺りにおにぎりありませんでした?」「ぎょッ!」吉田さんが許可したとは言え、食ってしまったのはアントニオである。。。
その翌週、渋谷駅旧東横線ホーム上でその場所の通り「Terminal」なるビールイベントでも見かけたり、これで京都ともなると3週連続である。結局、実行委員会召集の全般ボラでなく、何時もお世話になっているいわて蔵さん専属として挑むこととなった。京都にしか出店しなさそうなブルワリーも多数ある。期待は募る。実行委員長の田方さんともFB友達になり、臨場感を高めていた。しかし、天気予報は非情にも雨を謳っていた。屋根付きのアーケードのようだが、雨が吉と出る、そんなビールイベントは聞かないから、のんびりムードにでもなり、各ブルワリー探訪の旅に出る余裕も生まるのではなかろうか、と皮算用はしていたのだが。
前日、関東近郊では雨となった。明日、西日本で降らせるであろう雨雲を、全部関東側に寄越してくれ、そうお天道様に祈った。個人的には降らないことに異存はない。
当日は、平日と同じくらいの時刻に起床し、朝食を摂らずに庵々を発った。新横浜駅にて実行委員会向け手土産と自分用の弁当を所望した。験担ぎにシウマイ弁当とすべきか悩んだ。アントニオの東海道新幹線利用の旅の始まりに必須なシウマイ弁当。節約か。朝の数百円の節約でプラス1杯分にもならないだろうが、ファミマの和風幕の内も積もれば何十杯にもなろう。幕の内にも五分の魂、あ、この言い方も幕の内製造者に失礼か、すまぬ。
こだまは超特急の中でも一番遅い。その歩みの中、日頃長時間は割けていない読書に勤しんでいた。前回、11月大阪マラソンの時も気に留めなかった富士は今や世界遺産への道を辿っているのか。遠くから眺めるのがベストだが、今日は雲隠れである。仕方ない。果たして雨雲と上手く擦れ違うことができたのであろうか。
曇ってはいるが降っていなさそうな京都に到着した。おにぎりの埋め合わせにと、蓬莱551豚まんを自分の分と合わせて2箱所望した。売り場の位置を予めネットで調べていたため、迷わずに店を探せた。雨の心配がなさそうであれば、運賃の安いJRで二条を目指そうか、とモバイルSuicaで在来線ホームに入場した。入場退場は3月21日から可能にはなったが、スマホで後日チェックしたところ、入退場駅欄が空欄となっていた。その辺り、まだまだコンパチビリティの不備の念を禁じ得ない。
さて、二条駅を降りたところ、少々パラついていた。傘を差す程ではなかったのが幸いである。程無く三条会のゲートに入り、様子を伺っていた。各ブース位置に折り畳みの机は並んでいるのだが、クラフトビール販売業者としては、富士櫻さんと丹波篠山ジグザグさんくらいしか準備を開始しておらず、激しく拍子抜けしてしまった。航社長が居たら、みーんな気合が足りねぇ!と一喝することであろう。軒並み開店している商店街の店々の品揃えも豊富で安い。ビールのお摘みに、期待が膨らんでいた。ただ、天候も回復するのだろうか。オレンジ色のイベントロゴ入りTシャツを着た商店街ボランティアの方の活動が目立つ。空模様とは裏腹にボランティアーズ一同の表示は案外明るい。人数が思いの外多く、手元の手土産では数が全然不足だったものの、事務所内で準備に火の車だった田方さんを何とか見つけて差し入れをし、片道800mのアーケードを一通り眺めた後、いわて蔵陣営地点に戻った。所謂イベント売りキットの数箱は既に届いていたが、それだけである。それにしても、アーケード下は歩行者天国ではないのが気にかかる。呑兵衛達も車には勝てまい。園田女史も未だ見えていないので、蓬莱の豚まんを頬張り始めたところ、いわて蔵の醸造責任者、佐藤孝紀氏が登場した。急いで豚まんを片付ける。園田氏も漸く登場、詫びながら豚まん一箱を差し上げた。
ブースセットアップは手元のキットの中身だけでは完了しない。樽は?公園の保冷車の中か。雨の勢いも衰えないなぁ。いわて蔵としては前回は樽のみの出店であり、今回は初めて人的貢献とのことで、孝紀氏も他の陣営の様子を探りたいらしく、各ブルワリーブースへ挨拶に赴いた。地元京都を始め、広島、鳥取、兵庫、大阪、愛知、富山、山梨、静岡などからの各ブースを巡った。軒並み各醸造所から自ら運転して来られている様子である。運転お疲れ様様である。そんなうちに、我が神奈川チーム、湘南ビールの筒井氏と横浜ビールの五條氏とも落ち合った。雨は小降りの中、ブースへ戻る途上で公園の保冷車からケグを台車で運んだ。ケグホース接続、ガスホース接続など、孝紀氏の作業を見様見真似でセットアップに携わり、準備を終えた。地元ビアパブの常連さんも専属ヘルプに加わった。
ゴングは鳴り、ぼちぼち界隈の方々が物見遊山に訪れて下さった。天気予報とは裏腹に雨は時折滝が如き大音声を上げて地面を打つのだが、客足は遠退くどころか増強されている一方のように見えるではないか。商店街に何時も以上と勝手に想像している程の活気が沸き、なんだなんだと客が客を呼んでしまったのであろう。雨だから遠出せず、屋根のあるアーケードで週末エンターテイメントとの地元愛な方々で賑わっていると解釈できるのであろう。また、13時頃からだろうか、歩行者天国となっていたらしい。地元のお爺さん方もゴミの分別収集のために立ち上がって会場を盛り立てて下さっている。
遥々岩手からの参戦とのことで遠方者贔屓にして下さるお客さんの列が途切れなかった。何処のビールイベントでも見かける常連さんは2名程度だろうか、客層的にはほぼ地元の方々なのではなかろうか。商店街ボランティアさんも何か困ってませんかと声をかけてくれるので一部の作業をお願いしていたが、それでも休む暇もない。今まで飲んだことのないブルワーの作品を楽しむ余裕は全くない。なーらーば!いっそのこと、いわて蔵全樽を早めに完売させれば文句はなかろう!スピードアップ!!と思ったのはどうやらブースではアントニオのみのようであった。そうは言ってもオイスタースタウトを皮切りに、R-IPA、ジャパニーズ山椒エールに続き、18時前には福香最後の一滴までお客さんに引き取られて行った。
片付けを済ませ、さーて、腹拵えをしてから周ろうか!いわて蔵売上のチケットを数枚褒賞としていただき、他のブースを周らせていただこうとは思ったのだが、クーポン券はヘッダー部がないと無効になってしまうのでは?とチケット利用事情も理解不十分なため、少々考えることにした。18時過ぎてまだ行列のフードブースもちらほら、肉のお惣菜が旨そうなヒロの丼を、と赴いたが空しく終売してしまっていた。仕方なく、少々腹持ちしそうだろうと思い、カレーライスを1杯食し、未だ客の途絶えない公園方面へと赴いた。
湘南ビールは精鋭販売中であった。勝手に売り場に立ち、こちらも完売目指して声を張り上げた。ちびりちびりお裾分けをいただきながら。辛くも20時閉会時に樽は残ってしまった。そのまま、こちらの片付けも手伝い、今日の飲みはいわて蔵と湘南ビールのみで終わりそうだった。少々残念ではあるが、何故か痛恨感はない。社会人なりたての頃、フレックス制を使って全日本プロレスの武道館観戦をし、四天王の激しいバトルの応援に燃え尽きた後に感じる、田安門に吹く爽やかな風を、今日も感じたように思う。雰囲気が心地良いのだ。アーケードのアスファルト800m間を4往復くらいしながら、いわて蔵、湘南ビールをビールを売り捲った。やり切ったと思う。協会募集のボランティアさんの中に、やる気のない方をよく見る他の大きなイベントと比べるのは失礼かも知れないが、こちらのボランティアさんは快く作業をシェアしてくれた。みな表情が明るい。今日は純粋に販売に徹した。誰に称えられるでもないかも知れないが、良いではないかと感じられる場だった。薄々とは期待していたのだが、片付け後の打ち上げの席に参加させていただいた。
志賀高原と周山街道のビールを1杯ずつと、お摘みは商店街からのご馳走である。出し巻き卵に唐揚げ、ピザ、餃子、などなど。20時までにありつけなかった逸品が所狭しを卓を埋め尽くしていた。近くの席にいらした方に、ここの方々は皆さん明るい雰囲気だったため、私も気持ち良くボランティアができたよ、と吐露した次第である。宴も酣の中、夜行バス出発時刻も迫り、打ち上げ開場の事務所を後にしようとすると、ちょうど園田氏も2次会へ向かわれようとしており、「何も食べてなかったので(豚まんは)有り難かった」と感謝されてしまった。是非、来年はきちんと宿を確保してもう少し長く、この雰囲気を味わえたら、と痛感した。温かいイベントだった。雨にもマケズ!
(完)

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付録:

毬花の子ルンルン 作詞:アントニオ

ルルルンルンルン
ルルルンルンルン
ルルルンルンルンルンルン
幸せを齎すと 言われてる
何処かでひっそり 熟している
ビールを探して ビールを探しています
ヴァイツェンは レモンに似合う
スタウトは お昼寝誘い
デュケルの タンクを抜けて
ハシゴして行きましょう
私は毬花の子です 名前はルンルンです
何時かは貴方の 飲む街へ
行くかもしれません
ルルルンルンルン
ルルルンルンルン
ルルルンルンルンルンルン

看板を目印に 今日もまた
知らないパブから パブを行く
ビールを探して ビールを探しています
シュヴァルツは おしゃれな婦人
ラオホは いたずら盛り
ピルスナーに 祈りを込めて
ハシゴして行きましょう
私は毬花の子です 名前はルンルンです
何処かで貴方と 飲み交わす
そういう気がします
ルルルンルンルン
ルルルンルンルン
ルルルンルンルンルンルン

バレーワインは 優しい悪魔
W-IPAは お喋りが好き
トリペルに おやすみ告げて
ハシゴして行きましょう
私は毬花の子です 名前はルンルンです
もうすぐ貴方と 飲み達に
なれると思います
ルルルンルンルン
ルルルンルンルン
ルルルンルンルンルンルン