return of the アントニオにできること4

不定期連載 麦道をゆく 第55話

return of the アントニオにできること4

13/08/23~
あさ開(ステラモンテ・ホワイトステラ、ボック、シュバルツ)
夢花まき麦酒(ダークラガー、ライトエール、濃厚ぶどう、ホワイトエール、
濃厚りんご、ラガー)
ベアレン(クラシック、ピルスナー)
いわて蔵(ヴァイツェン、オイスタースタウト、ゴールデンエール、
自然発酵ビール、ジャパニーズ山椒エール、パッションエール、金色堂、
吟ぎんが)
全国地ビールフェスティバルin一関2013
いわて蔵(レッドエール)
福島路(ピーチエール、イチゴのラガー、アンジュベリー、林檎のラガー)
ハーベストムーン(ピルスナー、シュバルツ、エクストラ・スタウト、
ラズベリー、サマーバケーション)
牛久シャトーブルワリー(ピルスナー、秋上がり、ゴールデンエール、
バーレーワイン2011、スイート・スタウト)
湘南ビール(酒粕ヴァイス、シュバルツ)
松島ビール(プレミアボック)
ロコビア(香りの生)
【return of the アントニオにできること4】

8/23(金)
庵庵…鴨居(セブンイレブン)〜東神奈川〜横浜〜東京〜(やまびこ51号)
〜一ノ関〜盛岡〜仙北町…ステラモンテ…仙北町〜花巻…マルカンデパート
…夢花まき麦酒・ロジ…花巻〜盛岡…ベアレン材木町…盛岡〜一ノ関
…ビジネスホテル一関

8/24(土)
ホテル…今泉街道…セブン・イレブン…地主町角…一関文化センター
…クラストン…ホテル

8/25(日)
ホテル…いわて蔵酒造(ビール工場、博物館、カフェ見学)
…一関文化センター…一ノ関〜(やまびこ64号)〜東京〜東神奈川〜鴨居
…ダイエー…庵庵

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

今年は麦も計画的だった。周辺最安値の宿を確保したのは3ヶ月前である。と言っても昨年と同じ宿なのだが。ツアー内容に今回は山行を含めず、公共交通機関のみで移動、できれば日曜日中に帰宅したい。初日は、、、やはり岩手県醸造直営所を訪問し、ボランティアは土日に完遂しよう。盛岡と花巻に寄りたいとなると、18きっぷがあったら良い。
当日は横浜線の始発電車から乗り継ぎ、東京からも始発のやまびこ号に乗車した。今日も座席前のテーブルにアルコール飲料はない。最も昼前から三連戦である。また、昨日接待続きで睡眠時間が3時間しか摂れなかったため、下手に下車駅を寝過ごす訳にも行かなかった。運賃、料金と目的店開店時刻の都合で、一ノ関から各駅停車に乗り換える。平泉で大量下車するも、北上以北で再び車内は混雑して盛岡に着く。明日、ビアフェスを客として来場するのであれば乗れたであろうジパング号が停車していた。嗚呼。ボランティアは辛いよ(笑)
今日の一軒目の開店時刻の都合で折り返し、隣の仙北町駅で下車する。10分程、以前も見たような集落を歩き、あさ開きのステラモンテへ赴く。前回、メニューにその存在を認めなかったのか、ランチビールがたったの210円であることに驚愕する。ホワイト・ステラ、ボック、シュヴァルツ。特に後者2種は季節限定もので、グラスもキンキンに冷えており、エクストラコールド状態を味わえて極めて満足度が高かった。その食後のデザートには前回同様、大吟醸ソッフー。本当に大吟醸ならば勿体ない感じだが、その味がするソッフーは健在だった。
さて、次は花巻である。次のビールの前に、マルカンデパートだ。レトロ昭和の最上階展望デパート食堂には、高さ30cmを超える巨大ソフトクリームが聳え立っていた。中は少々空洞になっている。これはどのように作っているのだろうか。多分、冷凍に程近い状態で予めタワーリングし、冷蔵庫で保管、注文に応じて冷蔵庫から完成形の状態で卓に出されるのではなかろうか。ソフトクリーム続きである。大きさはこちらが倍以上だろうか、ただ価格は何と大吟醸の半額なのである。箸入れも往年の逸品だ。花巻東高校、良くやった。食券売場での横入りババアも昭和時代、終戦直後を彷彿とさせるではないか。ソフトクリーム以外にもメガカレーライスなどのスターも存在したが、健康上、割愛した。
地上に戻り、ブルワリーを目指す。ガーン。店看板には5/19から営業時間が変わり、16時開店と記載されていた。古いHPを見て14時過ぎなら何とかなろうと読んでいたのだが。隣のベーカリー、ロジにて、PETボトル入りの4酒類は購入できるようで、仕方ないのでパンとライトラガーを所望し、店外のテーブルにて、パンを摘みにちびちびを飲んでいた。うーん、此処まで来て、生なしはないな、、、失敗か、、、16時まで待つかな、、、と悩んでいるところ、醸造所の方には人の出入りが盛んとなっていた。意を決し、その中の一人に声を掛けて見た。「あの〜、生を飲ませて貰えませんかねぇ〜」少々待ちの末、OKが出た!!!神奈川県から遥々来たとか、嫌味な発言は一切していないのだ。多分、アントニオから発せられる、昨今のゲリラ激雷雨を齎す巨大積乱雲のような生ビール至上主義魂のオーラを、彼等は感じ取ってくれたに相違ない。
勿論、客が未だ誰も居ない店内に案内された。ワイングラス量のビールが、ステラモンテより更に30円安いとは!!!!!通常グラスも1杯350円!!!!!!!グラスはすべてキンキンに凍らせてあった。津波で流されてしまった宮城マイクロブルワリーの十八番は苺ビールであったことから、苺はなかったものの、ぶどうとりんどのフルーツ二重奏が売りのブルワリーである。業を煮やしたのだか、東北のお持て成し魂の発現か、厨房からはお摘みにと茹で枝豆が提供されるではないか!!!!!!!!!をぉ!ビールメニューの3/5くらいは飲ませていただき、満足度は500%に達していた。お代は1000円を少々超えていたが、元々各酒の単価が安い上に枝豆が代金に加算されていない。タダでいい、と。え゛〜。それは申し訳ない。手数料を取って貰ってもいいくらいなのに!ええカッコしぃではないが、2000円を出して、お釣りは寄付、とさせていただいた。ブルワリー再建の足しにもならない金額ではあったが、気持ちだけは伝えたかった。店のスタッフも何時かは宮城に戻りたくもあり、折角のこの花巻にも何かを残すことも考えたい、思案中であった。二輪咲いてもいいじゃないか。二輪を咲かせよう、ビールを愛する人々の手で!!

丁重に夢花まき麦酒を持し、駅に向かう。当初の予定の1本前の快速列車に乗って少々早く、再び盛岡駅の人となった。ゆっくり歩きながらベアレンの暖簾を潜る。そう、迷っていた。あれは昨日だったか。沼宮内でベアレンの飲み放題イベントが今日、開催されるのを知ったのが。新幹線で1駅、いわて銀河鉄道で30分くらいである。 往復で1時間、今日中に一ノ関に戻るとなると厳しい。それに、材木町店で飲まなければマスジョックスタンプ押してもらえないし。最も、夢花まき攻撃が徐々に浸透し、酔っ払い指数はあと2杯が限界となっていた。逸品料理を撮影してFB投稿した後の記憶は定かではない。その状況、しかも異国の地にて、迷いなく予定通り各駅停車で一ノ関に戻れた。昨年も来た宿だが昨年は車で、だ。駅からの道も一度地図を確認しただけだったが、距離もないので困ることはなかった。無事チェックインし、床に就く。
シャワーを浴び、ネット懸賞サーフィンし、軽い朝食を摂ってから、宿を発つ。ブースが多忙になって買い出しする余裕もなくなると大変なので、おにぎりとソフトドリンクをコンビニに求めてから文化センターに向かった。ブースから客側に向かって右隣が牛久ブルワリー、左隣がハーヴェストムーンさんである。ミッドタウンのおにぎりの借りは既に精算済みとの認識だったが、左隣は明らかに園田さん1人での切り盛りだったため、ケグ運びなどはお手伝いし、我が福島路で今回用意していなかったピルスナーやシュバルツなどを少々お裾分けいただいた。そう、フルーツ街道なのである。牛久のクランベリーはアルコール度数3.5%なのでジュース代わりに売れ行き、その右隣の松島さんも果実系の甘いものを出展していた。ハーベストにもラズベリーあり、そんな中、ピーチ、林檎、いちご、なつはぜの4果のラインナップを準備した福島路である。フルーツを複数杯続けて飲むのはきついなぁ、と売る側が思ってしまうので、お客さんも同情だったことだろう。しかし、どれかに醤油でも混ぜてレッドエールに、、、などとはできないのだ。いちごの香りを楽しんでください。香り豊かだった。同じくエキスやジュースの買い取りでなく、果実から搾汁した林檎も香り豊かであった。嗚呼、せめてヴァイツェンとか、一番オーソドックスなピルスナーが飲みたいぞ。果物ビールの本物は間違いなくここにある。しかし、ピルスナー、いいなぁ。地ビール初心者の頃は、ブルワーさん各位には申し訳ないが、ピルスナーやシュバルツなんて普通過ぎる、と思って敬遠ばかりしていたのだが、漸く気付いたよ。スペシャルなビールがあるからピルスナーが引き立つのだね。ピルスナーを笑う者はピルスナーに泣くのさ。
昼を過ぎ、食事休憩を頂く。何時も池袋や巣鴨にいわて蔵ビールと一緒にいらっしゃる一関ミートが快調だ。スペアリブが肉厚で香ばスぃ〜!従来、ビールイベントでのコスパの良いお摘み探しには苦戦を続けていた。漸くヒット!と言うべきか。一関ミート、ジャストミート!!!今、手元にレッドエールがあれば、、、(笑)福島は果物の名産地だ。フルーツビール、沢山ありますよ。隣に秋上がりがありますが、こちらにはフルーツビールがありますよ。隣にシュバルツがありますが、こちらにはフルーツビールがありますよ。
悶々としながら打上げの時を迎えた。はっと膳が卓に並ぶ。をぉ〜、も〜ち!もち〜ぃ!もちサミットを開催しようと意気込んでいる一関市である。もちばかりでは少々堪えた感もある。2日目の売上麦酒量では今回初参加の青木さんが孤軍奮闘したM's Kitchenのベルギービールが1位となっていた。順位争いに食い込めるのはいつの日か。明日はフルーツの挽回があるのか。宴も半ばで会場を辞し、宿にすんなり戻った。
日曜。朝シャワーに食パン食後、朝一の蔵見学会に参加する。文化財的な蔵は震災で大打撃を受け、現在ほぼ修復は終わっているが、その費用は甚大だった模様である。蔵を知り、酒を知り、少しでも我々の活動がその足しにでもなればと思う。特に酒の民族博物館巡りはウィットに富んだ日本酒醸造担当の土岐氏トークが名残惜しいくらい時の経つのは早く、急いでまた文化センターに赴く。



ハーベストムーンさんの樽は1つだけ残してあるだけ運んだが、さすがに1樽丸々のお裾分けはなかった。フルーツに未来はあるのか。ここでフルーツが足踏みしていて良いのか。フルーツに7年後はあるのか。CSに出場できるのか。ビアラバーのふわっとした麦意に応えられるのか。関税は廃止になるのか。売れなくても消費税は上がるのか。秋田豪雨によるこまちの遅延の影響は来週もまだ残るのか。乱数はどれだけ乱れているのか。やはり、最後は氷を掴まざるを得ないのか。隣のブースの樽がどんどん売り切れて行く。挽回はあるのか。選択肢が狭まっている筈だが、客足の鈍さは否めない。一関ミートもスペアリブの販売時刻に制限をかけてしまった。余程売れていたのだろう。だが、午後、忘れた頃に寄ってみると、最後の1塊が、アントニオに喝を入れんが為に残されていた。有り難い。それでも我々フルーツビールの樽の減りは覚束なかった。フルーツに花が咲くのは何時の日か。隣のブースの樽が完売する。それでも風は吹き込まない。18時閉会場前の完売と速やかな撤収の青写真を夢描いていたが、それは打ち砕かれた。また隣の1樽が空く。風は、、、一関ミートは見直した。しかし、フルーツ祭りは苦戦であった。上手くは行かない。来週だ。過ぎたことは仕方がない。来週は福島路専属のヘルプには回れないだろうが、頑張りたい。
そして、18時のゴングを聞きながら、撤収作業を存分やった。来週だ。今日はそれでも頑張ったのだ。やまびこはE5系、こちらは既に奮発してG車席を確保していた。来週だ。今日は頑張ったのだ。来週だ。宇都宮の停車時間中に、来週乗るべきこまちの通過待ちなのだが、例によって少々遅れると言う。「少々」なら我慢しよう。嗚呼、来週は、気持ち良くそのこまちに乗って帰りたい。来週だ。
(完)

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付録:

毬花の子ルンルン 作詞:アントニオ

ルルルンルンルン
ルルルンルンルン
ルルルンルンルンルンルン
幸せを齎すと 言われてる
何処かでひっそり 熟している
ビールを探して ビールを探しています
ヴァイツェンは レモンに似合う
スタウトは お昼寝誘い
デュケルの タンクを抜けて
ハシゴして行きましょう
私は毬花の子です 名前はルンルンです
何時かは貴方の 飲む街へ
行くかもしれません
ルルルンルンルン
ルルルンルンルン
ルルルンルンルンルンルン

看板を目印に 今日もまた
知らないパブから パブを行く
ビールを探して ビールを探しています
シュヴァルツは おしゃれな婦人
ラオホは いたずら盛り
ピルスナーに 祈りを込めて
ハシゴして行きましょう
私は毬花の子です 名前はルンルンです
何処かで貴方と 飲み交わす
そういう気がします
ルルルンルンルン
ルルルンルンルン
ルルルンルンルンルンルン

バレーワインは 優しい悪魔
W-IPAは お喋りが好き
トリペルに おやすみ告げて
ハシゴして行きましょう
私は毬花の子です 名前はルンルンです
もうすぐ貴方と 飲み達に
なれると思います
ルルルンルンルン
ルルルンルンルン
ルルルンルンルンルンルン