不定期連載 山道をゆく 第189話 06/08/05 ニセ巻機(庵線千名山373) 巻機山(日本百名山、庵線千名山374) 牛ヶ岳(庵線千名山375) 割引岳(庵線千名山376) |
【3点セット】 8/5(土) 庵庵−R16−八王子バイパス−入間IC−寄居PA−赤城高原SA−土樽PA −塩沢石打IC−県道28号−早川−R291−清水−桜坂駐車場…焼松 …六合目展望台…ニセ巻機…巻機山避難小屋…巻機山…牛ヶ岳…巻機山 …割引岳…巻機山…桜坂駐車場−R291−県道28号−石−R17−猿ヶ京 −まんてん星の湯−R17−月夜野IC−上里SA−入間IC−R16 −八王子バイパス−庵庵 …:歩き、−:車 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ |
梅雨明け夏の日曜に天気予報が晴天を約束するならば、山に登らずには居られまい。金曜夜からエンジンブルブル絶好調、俺の山を遣せアントニオは第3のエネルギーを呼び覚まし、新潟県の百名山に矛先を向けて床に就いた。 |
今回も日付変更線通過間際に起床、通過直後に庵庵を発った。この季節なら4時台でも余裕で明るかろう。今日は10時間コースである。4時出発でも下山できるのは昼過ぎだ。長丁場だ。早い到着に勝る武器はない。 |
先週の反省も踏まえ、今宵は少々控えめの速度で運転をした。石打ICを降りたのは丑三つ時で交通量は皆無なれども、スピードは控え目であった。R291上で安全運転していたら1台に追い抜かれた。あ〜、俺の車を追い抜いてしまった。やってしまった。あ〜あ。知〜ぃらない!車を降り立った時の覚悟は出来ているのかな〜〜〜。セルシオだったと思う。セルシオに乗っていたからって、キューブに乗っている俺に勝てるのかな〜〜〜。知〜ぃらなぃっ! |
ホームページを漁ると、登山口手前に無料で停められるスペースが少しはあるとのことであった。アントニオとしてはそこまでケチる積もりはなかったのだ。無料駐車場から登山口までの舗装路歩きの億劫さに比べれば、駐車料金は安いものだ。一番奥の駐車場に到着したのは4時過ぎ、既に十数台の車が停まっていた。だが、4時過ぎにして誰一人として登り始める気配がなかった。未だ日が射さないとは言え、何故皆車で待っているのか。大丈夫なのか。ヘッドランプの1つも持っていないのか。それで俺に勝てると思っているのか。行っちゃうぞ〜、馬鹿ヤロ〜 |
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さて、稜線まで、コースタイム残り50分である。6時10分を経過したところだ。稜線には7時前に着けそうだぞ、ふふふ。行っちゃうぞ〜、バカヤロー!!! |
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数分下って避難小屋を通過。未だ6時過ぎだから、のんびりモードの人は小屋に残っているのかも知れぬ。此処まで晴れ上がっているのにそれでは勿体無いと思うのだが!!山頂間際の小屋なら、5時前に発つすべきだろう。小屋を出立てのお爺さんを稜線への最後の登りで追い抜いた。ふふふ、山頂一番乗りは俺様だ!!お爺さん、僕に勝ちたいなら30分前に小屋を出るべきだったな、ふっふっふ。小屋で熟睡した者には負けまい。仮眠アンド高速運転野郎の底意地を見ろ。 |
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アントニオ独擅場の山道を巻機山へ戻る。おや、さっきの爺さんが同じく巻機山へ戻っているではないか???
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巻機山山頂に戻ると、どうもアントニオおじさんと思しき2人が談笑していた。明日は越後駒だの燧に平ヶ岳だのと騒がしい。おじさんたちの夢を打ち砕いては拙いから、敢えて「その全てにもう登ってしまいましたが」とは言わなかった。うち1人は庵速おじさんだった。然し、ただのピークハンターで、牛ヶ岳に寄った形跡はなかった。そんなおじさんは足が速かろうが見下すしかない。そう言えば稜線で会ったお爺さん、無事かなぁ。 |
おじさん等の話に付き合うのも阿呆らしくなり、下山を開始した。すぐ庵速おじさんも追従して来た。丁度、法螺貝山伏集団が、漸く巻機山山頂に至らんとするところだった。そう、思えば清水の、駐車場より遥か下方で山伏装束に着替えている人を見掛け、また、登山口から登って以来、後ろからの法螺貝の大音声に煽られ続けたのがコースタイム半分未満という偉業の要因の一つと言えよう。3月の日向山とは山岳度には雲泥の差で、今日は構成人数も1桁であった。山伏さんに挨拶をした後、庵速おじさんに一旦道を譲った。先は長い。慌てて怪我をするのも間抜けである。一旦は先を進んだものの、おじさんは数分でアントニオの破壊力の恐怖を体感したらしく、改めてアントニオに道を譲ってくれた。以後、登山口まで追い付かれることはなかった。 |
小屋には人集り、トイレでも借りようと思ったが数珠繋ぎの列に恐れをなして敬遠した。以後、彼等は一体全体何処の駐車場に車を停めたのか訝しがらざるを得ない程数え切れない程の人々と擦れ違った。みな挙って、「早いわねぇ」と言う。私は心の底から「貴方方こそ出発時刻が遅いだけですよ」と何度言いかけたことか。暑い。アントニオ程の体力保持者が、体力消耗を最小限に抑えられる激早朝を態々選んで歩き始めたのだ。「早いわねぇ」を言わずに済ますには、アントニオより早く歩き始めることだ。 |
登山口帰還は10:18。登山開始から5時間59分であった。6時間を切った。日曜は6時間50分コースをほぼタイム通り、今日は10時間半のを6時間に抑えたのである。感無量であった。さすがに10時過ぎからコースタイム8時間を越える山をやろうとする愚か者は不在だった。駐車場はアントニオ以外誰一人として居ない。1日500円、半日300円の駐車料金表示もあるが、料金所にも誰も居ない。アントニオが早過ぎたのか。余りの早い下山に、当初予定していた石打は二十日石温泉立ち寄りを見送って、以前一度はそこの食堂で食べてみたいと願っていた猿ヶ京はまんてん星の湯に針路を変更した。三国峠を越え、みなかみ町までやって来た。三国街道も高温が祟り、若干の飽きを感じさせられ、また、星の湯の4槽の露天風呂も炎天下で敷石が十分吸熱してしまったようで、温い湯の快適感を味わうことは残念ながら不可能であった。 |
風呂はそそくさと繰り上げ、以前から渇望していた1日5食限定メニュー八穀宝膳を注文した。白米・粟・キビ・そば・ごま・小豆・麦・米の八穀が含まれたご飯、鰻に各種煮物の見た目は豪華な定食だ。だが、巻機6時間疲労で少々食欲を失し、予てからの期待には十分には応えて貰うことが出来ず、残念至極である。これならば、山彦のトンカツにすべきだったかなぁ。 |
巻機山登頂で既に半ばお腹一杯状態になってしまっていたのだろう。みなかみ町に未練を感じず、アントニオは月夜野ICから高速に走り去って行った。
(完) ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ 付録: 山旅アドバイス ・巻機山から牛ヶ岳はあまり歩かれておらず、 木道が笹の傘を被っていて足元が覚束なく要注意。 ・コース中に水場はなし。 |