モデルナ2回戦選手権金メダル

不定期連載 麦道をゆく 第91話
不定期連載 山道をゆく 第281話

丸山(庵選千名山640)

まほろバル
(夏熊のラガー、紅熊X、南の島の波乗り熊、黒熊の旨塩ゴーゼ、 くまりん2021、アップルヴァイツェン、しろくまLv.10桃みるくver.、 熊中毒、強熊クロモジ&シナモンver.)
【モデルナ2回戦選手権金メダル】

7/31(土)
庵庵…鴨居〜菊名〜渋谷〜池袋〜飯能〜芦ヶ久保…姥神…大野峠
…丸山…高篠鉱泉郷分岐…道の駅 果樹公園あしがくぼ…芦ヶ久保
〜西武秩父…酒匠屋台…まほろバル…秩父わらじかつ亭…西武秩父
〜(S-TRAIN)〜自由が丘〜菊名〜鴨居…まいばすけっと…庵庵


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東京には緊急事態宣言、地元神奈川にはまん延防止等重点措置が発令されていた。樽生至上主義者はコロナ禍前であれば、週末にぶらっと飲み歩きができたが、今や厳しい状況となっている。否、客側は未だ良い。クラフトビール供給者側が大変だ。クラフトビアマーケットのTokyo Torch店は元々オリンピック開催を祈念して開店の予定であったが、生まれる前から息の根を止められてしまっているのだ。オリンピック開催国なのだから、もう少し早くワクチンの手配をすべきだったと思う。入手体制も供給体制もどっちも二軍的だ。本当に、コロナが落ち着くもしくは落ち着く前でも構わないが、コロナのようなものの「次」が発生する前に、入手体制と供給体制について万全を期して欲しい、日本政府には。
アントニオは年齢の都合で、職域接種ではやや順番が早めに設定されていた。初回は6月30日。色々とワクチン副反応が騒がれている中、職場から約1時間15分間の徒歩帰宅後、数日間左肩接種跡近傍の痛み以外にダメージを受けなかったのが幸いではあった。
青春18きっぷシーズンに入り、栃木県内5ブルワリーを巡り、次は何処を目指そうか思案していると、18きっぷ向けではないものの、秩父があるではないか。思い立った週末とその翌週は秩父鉄道SL車内販売イベントがあると言う。SL乗車の運賃等が何となく勿体なく、否、社長の丹氏はそのイベントに間違いなく出店者として搭乗するであろう、もし直営店舗で運良く会えるとしたらそのイベントの翌週以降を考えるべきだ、それは7月31日であった。
ワクチンはモデルナ社製である。2回目接種日が7月30日金曜日に設定されていた。1回目より2回目の方が更に副反応のダメージが威力を増すらしい。アントニオの上長の上長、少々年齢は上の筈だが、2回目接種のダメージで2、3日有休を取らざるを得なかった。不安は募る。まぁ、往路は各駅停車乗り継ぎで、復路は当日予約で問題ないから運が良ければS-TRAINに乗車、なので、最悪は翌土日は泣き寝入りも覚悟はしていた。
2回戦当日。午前中に、年齢の割と近い社員間での軽い雑談会議上でも色々と脅されたが、明日秩父ハイキングの野望は宣言していた。折しも、まん延防止等重点措置が秩父存する埼玉県にも適用される寸前なのである。樽生至上主義者の野望もワクチンの藻屑と消え去るのか。決戦時刻は迫っていたとかは業務に集中していたため全く気にしてはいなかった。16時に接種会場へ赴く。直前問診では、1回目に配布された解熱剤は使用しなかったと回答すれば、今回問題あればそれを使ってくれとのことだった。ケチ。まぁ、仕方ないか。結局接種も寸分で終わり、会場で15分程度待機後、明日への野望を控えていたため、早々とオフィスを後にした。また徒歩で帰宅し、スーパーで購入した総菜パンを夕食替わりに、また、初戦時は接種当日は禁酒と思ってたら、過度の飲酒は控えるよう、程度の注意であることが判明したため、大山Gビールのミュンヘナー・へレスを1瓶所望した。入浴し、早めに寝床に就く。
頭頂部が熱い感じがするような。しかも、寝付かれない。もしや、副反応戦法炸裂か。ううむぅ。
就寝開始から約6時間後に目覚ましをセットしていたが、寝付かれない続きもあり、土曜はポイ活業が繁忙となるため、午前2時台に起床した次第である。ただ、副反応らしきは全く感じなかった。頭頂部の熱さは、単に育毛剤の影響か。寝付かれなかったのは、普段21,22時就寝3,4時起床の習慣だったところに、前日は業務でトラブル対応のため、久々に日付変更線が変わるまで起きていた影響に過ぎなかったのか。何事もなかったかのようにポイ活をしていた。6時前には支度をして自宅を出た。
横浜線、東横線、埼京線と乗り換え、池袋駅に至る。そして、案の定、東武東上線の窓口にて、一日乗車券の売り場を聞いてしまう。何故窓口氏が一日乗車券について心当たりがなかったのか、判明した。東武でなく、東口に行くべきであった。西武鉄道では、一日乗車券の他に、秩父漫遊券と言う、往復乗車券+現地利用可能金券が少々廉価になったものがあったが、帰路S-TRAINに乗るとすると厳密な往復乗車にはならないため、一日乗車券を選択した。往年の秩父鉄道直通列車は残念ながら今や飯能駅始発となっており、それに乗るためには急行のネット指示があったが、乗り換え時間が2分と短過ぎるため、満を持してその前の準急を選択した次第である。準急電車は滞りなく飯能駅に到着し、程なく秩父線直通列車に乗る。アントニオの予感は的中、その後の急行は10分も遅れて飯能に到着した。まぁ、それでも接続待ちはしたのだが、急行に乗っていたら、だいぶ精神的にダメージを蓄積させられていたことであろう。思い返せば、遭わなかった副反応にも襲われていたかも知れぬ。飯能からは単線、各駅停車でも4両置きに1つトイレのついた車両で、気が付けば周囲の風景は緑が濃くなっていた。繁忙ポイ活は西武秩父線内まで縺れ込んだりしてあれよあれよのうちに芦ヶ久保駅に到達してしまった。
未だ、なのか。ハイキング開始地に約9カ月振りの登板となったアントニオは、ポイ活スマホ馬鹿から気持ちを切り替え、トイレを済ませてから、道の駅とは反対方向へと進んだ。西武鉄道HP記載のハイキングマップでは、農村公園のある西側から登って大野峠のある東側に降りるルートを示しており、東側の方が急斜面が多そうに見えた。急斜面は下ってはいけない、登るに限る!からの西回り選択である。駅で降りたハイカーらしき人は少なくはなかったが、本当にダッシュすらしてないが、スタートダッシュの速いアントニオの前にも後ろにもハイカーは居ない状態が続く。R299を逸れ、姥神からは未舗装路となった。9カ月振りの緊張感は特にない。副反応も現状ない。自宅と最寄り駅間の標高差は90m程度あり、アントニオにとって普段の外出は、常識的にはプチハイキングと言えるかも知れない。コロナ禍で出社は激減したがその代わりの自宅近辺ウォーキングは矢張りアップダウンが半端なく、それの積み重ねで今日に至るのであれば、先ず、準備運動なんかは要らない。沢を渡り、幾分傾斜はきつくなったかも知れない。ただ、アントニオ標準としてはきついの定義には該当しない傾斜であった。杉、檜の整然とした林間を、特に問題なく進めた。そう、2カ月前の人間ドックにて、オプションとして花粉症の検査を含めたところ、案の定、杉一本槍の判決が下された。また、ドックでは、もっと重そうなオプション検査は精算可能なのに、花粉症については自腹となることが、申し込んだ後に発覚し、その方がダメージが大きかったのは否めない。
林道と交差して休憩舎のある大野峠からは、マップ上最急斜面と記載されている階段を登り、丸山山頂へ到着した。マップの下りコースタイムとほぼ同じタイムで登れたのでまずまずのペースだったと言えよう。未だ副反応は現れていない。「外秩父丸山の眺望」として埼玉県指定名勝に数えられているものの、少々ガスがかかっているのが残念だ。うぬ?太陽が昨日2回目接種したから副反応でガスってるのか?まぁ、昨日16時に2回戦スタートとして、丸山山頂到達11:23は間違いなく金メダルだ。




少々風が吹けば近場の山なら見渡せるが、明らかに識別可能な武甲山以外にも数々の雄姿が眺望できた。まぁ、八ヶ岳に北アルプスは見えず、指定名勝の価値は十分に堪能出来てはいないものの、既に麦有引力が全開である。丸山、踏み台にしてしまい、済まぬ。




展望塔を降り、西側へ向かう。未だ副反応を自覚していない。そう、山頂からはSNS発信はした。下山時に副反応が辛くも発覚すればその投稿が遺言になる、発言を登山最中に目論んでいたものの、その後に閃いた、ガス=太陽の副反応、とは我ながら天晴れかと。道は広いが傾斜があり、手摺り的掴むものが付近に見当たらない下りが続き、少々神経を消耗したが、何とか舗装路まで辿り着く。むむ。両膝上に筋肉痛を覚えた。まさかこれが副反応の一つなのか。加齢的に登山後の筋肉痛体感はもう少し遅い筈だが今日は早かった。ただ、純粋に登山による筋肉痛なのかも知れぬ。
そう、芦ヶ久保駅からの各駅停車は上りも下りも1時間に2本しかなく、この分だと予定より1時間=2本早い列車に乗れるかも、のペースで下り続けられていた。筋肉痛には久々に歯応えを覚えた。足が攣らない程度に急ぐのは困難だが、頑張った。また、道の駅果樹公園あしがくぼに何か掘り出し物がないかとの後ろ髪も感じた。舗装された急斜面を脂汗競歩的に下り、駅へ直行でなく道の駅側に向かった。駐車車両が多い。西武秩父で飲めないクラフトビールとかがあれば、、、ないか、そんなの、道の駅だし。それにしても蜜だぞ。辟易し、軒下を掠めてすぐに駅へと向かい直す。あ、52分の電車に間に合うか。上り飯能方面行電車は既にホームに到着していた。単線だから此処で行き違いだろうから、、、駅員に52分電車の所存を問えば、もう行っちゃいました、と。アントニオが走って駅に向かって来たのが見えなかったのか。30分に一本しか列車が来ない駅なのに、そこに客が走って来ているのに、電車の発車を少々遅らせるような手段が取れなかったのか。残念至極だ。アントニオが30分早く西武秩父駅に到着できていれば、秩父市界隈でより長く消費活動を嗜められた筈だ。とは言え、今更道の駅に戻る気もさらさら無く、ホームのベンチで読書をしながら次の電車を待つことにした。カラフルペイントを施した車両の臨時電車がやって来たが興味はない。40年前、鉄ちゃん全盛期な頃であれば写真を撮りまくっていたかも知れぬ。今は鉄有引力は麦有引力に勝てないのだ。その電車が停車している間、結局駅に到着して待つこと約30分、定期運用の普通列車に乗って西武秩父へと向かう。
駅に到着し、先ずは今朝ネットで予約していたS-TRAINの指定券を購入した。そして、まほろバル開店までは未だ20分もあるぞ、シナリオ通り、祭りの湯併設の酒匠屋台に赴く。立飲みなら蜜避けて寸分でもOKだろう!!!日本酒の外飲みもハイクとほぼ同じ9カ月振りか。何と、と言うか、まぁそうだよな、であるが、秩父麦酒の樽生も飲めるようだが、それは20分後のお楽しみ、此処でしか飲めなさそうな地酒3種飲み比べ!丸山で大量に汗を掻いた後の純米酒セットはそれぞれスーパードライが如くゴクゴクと喉元を迸らざるを得なかった。
あれよあれよでまほろバル開店時刻である。現場に急行した。オリジナル9種に加えてゲストビール5種。9種制覇前にゲストを飲む意味はなかろう。秩父に来たのだから秩父に従え。でも9種自体悩むなぁ、と思ったらティスティングセットが3種もの5種ものもあり、迷わず5種を選択した。しかし、当然5種の内訳に悩む。店員が液種柄を説明し掛けたところだが問答無用。一子相伝の暗殺呑氏、アントニオなのだ。既に3杯お猪口したにもかかわらず、一杯目はラガー!と思ったら、ラガーは丁度売り切れてしまったようなので、他の5種を程なく選択して待った。だが、その切れかけのラガーの半杯分をサービスでいただけた次第で、とても幸運であった。まん延防止寸前ともあり、滞在時間は90分に制限されていたとは言え、クラフトビーラー魂を全開にし、5種の次は3種をティスティング、更には秀逸液種をパイントで所望した。店内には他に十数名の客がいたが、そんなこんなでオーラ張り捲ってたのか、目立った客なのだろうか、店長と思しき方から、どれが好みかなどと問われる。社長の丹さんにビールイベントで何度もお世話になっていることを話し始めたら店長氏は別に対応が必要なほど、顧客は増えていった。良き事かな。



帰路列車まで約180分の滞在を予定していたため、まほろバル時間制限一杯を過ぎてからは再度祭りの湯に戻り、フードコートでわらじカツ丼やらを嗜んでしまう。そして、またもや、帰路列車のお供に、と、純米酒の小瓶すら所望してしまった。
辛くも改札目の前の1番線特急列車用ホームは有効長の都合で使えず、S-TRAINは2番線に入線して来た。17:05、定刻に発車。飯能でスイッチバックのため、西武秩父出発時点では座席は後ろ向きに設定されていた。面倒くさいため、そのまま揺られ、小瓶をちびちびとやりながら帰路を嗜む。ホームの有効長の都合で、西武秩父線内は飯能まで停車なしであった。と言うか、小瓶含め大量摂取のため、次に気が付いた頃にはS-TRAINは東横線を走っていた次第である。充実した1日だった。次回、似たような山麦旅を楽しめるのは何時になるのだろうか。ワクチン接種者が増えて、感染者数の縮小を切に望む。
(完)

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付録:

(完) 麦・山旅アドバイス
・西武鉄道HPにあるハイキングマップでは、大野峠側からの方が
傾斜がきついとの記載があった。しかし、本文記載の筋肉痛の感じ方からして、
農村公園等西回りの方が、舗装路の傾斜具合が半端ないと感じた次第である。