下見

不定期連載 山道をゆく 第228話
不定期連載 麦道をゆく 第23話
神ノ主山(庵選千名山499)、鳴虫山(庵選千名山500)
日光ビール
(デュンケル、シュワルツ、ピルスナー)
Wood House Cafe
(博石館 琥珀ラガー6、エビス Creamy Top Stout、
スワンレイク アンバースワンエール、伊勢角屋 ペールエール、
富士桜 ヴァイツェン)
【下見】

8/29(日)
庵庵…鴨居〜東神奈川〜上野〜快速ラビット〜宇都宮〜日光…県道14号線
…鳴虫山登山口…神ノ主山…鳴虫山…合峰…独標…憾満ヶ淵…R119…神橋
…県道247号線…日光ビール…県道169号線…霧降大橋…日光〜宇都宮
〜上野〜秋葉原〜錦糸町〜千葉…Wood House Cafe…千葉〜横浜〜東神奈川
〜鴨居=鴨居七丁目…庵庵

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

今シーズンの青春18きっぷも残りあと1日分となった。Wood House Cafeの300円セールもフィナーレを迎える頃ではないかと訝り、日光ビール、プレストン宇都宮と、千葉に寄る計画を立てていた。しかし、社員旅行で鳴虫山ハイキングを豪語した手前、10人を越えるパーティーとなってしまい、下見くらいすべきではないかと少々不安になり、夢見ていたプレストンでのピッチャー飲みを、涙を飲んで割愛することにした。
と予定していたものの、前日恵比寿ガーデンルームにて、IBC2010審査終了ビール感謝有料試飲会に参加してしまったのである。全約100酒類のうち50酒52杯を空け、目覚ましをつけぬまま気絶し、目が覚めたのは2時であった。予定通りに起床できなかったらまた来週でよかろうと、5時前に目覚ましをセットして床に就き直した。やがて、二日酔いながらも何とか起床できたので、支度をして庵々を発った。日光で体調が戻らなければハイク中止も辞さないと思っていたが、幸か不幸か快復に向かっていた。
上野6:49発快速ラビットに接続する日光線電車は6両編成と長い方だが、今日もガラガラだった。日光駅でトイレを済ませ、駅前からそのまま国道側へ進んだ。案内地図にある、登山口手前のトイレの場所を把握すべくいろいろと彷徨った。大き目のスーパーも発見した。地図にあるトイレはもしや廃止されてしまったのだろうか、、、と心配になった頃、公園敷地内にそれを発見した。登山口の目前であった。
この時節柄、登山者は皆無で、蜘蛛の巣の絨毯爆撃を恣に受けることを予測していたアントニオは逆に面を食らう。良く歩かれている。昨晩の雨で少々蒸しているが、日陰が奏功して昨今としてはやや涼しい行脚となり、若干の二日酔いなれどもまずまずのスピードで登り進められた。二日酔いに堪える急登もある。神ノ主山とその少々手前くらいしか展望視界が利かない。逆に日射病になり難いため、この季節でも歩かれているということなのだろうか。
何処の山にもある、山頂と思しきニセ山頂も少なくはなく、手前の急登に辟易とさせられたが、何とか1時間半ほどで山頂に到達した。展望台なるものがもう少し視界抜群な方角を向いていると予想していたのだが、夏草の繁茂に力不足であり、ひょっとすると来週末、隊員達からブーイングの雨あられとなってしまうかと少々不安となった。確かに快晴ではなかったのだが、それを差し引いても眺望は今二つと言わざるを得ない。達成感とフィットンチッドを味わって貰えれば、、、否、隊員を宥めるには一杯の酒だろう。夢は麦野を時速500kmくらいで下山して行った。
階段あり、ロープ場あり、補助の何もない急坂あり、大変そうだ(笑)。 皆が一様に日光ビールへの想い冷め遣らず、くらいならこの難局を乗り越えることができると思うが。。。下りに飽きに飽きた頃に日光・宇都宮道路が現れ、ガードを潜ると憾満ヶ淵に辿り着いた。 大谷川の水飛沫に清涼感を満喫している観光客を尻目に、目的地へ急いだ。ただの水では今のアントニオは満たされない。麦とホップが配合されていなければ。来週に寄るであろう千姫物語の裏側を通り、そう、千姫物語でも日光ビールが飲めるらしいが、どうせピルスナーだけであろうが、国道に辿り着いた。来週は下山するまでに暴動が発生しないことを切に祈りたい。日曜で午後に入ったと言うのに、いろは坂方面は大渋滞である。憾満ヶ淵にタクシーが止まっていたら乗ってやらんこともないと思っていたが、この様子だと回送して貰う時間を考慮すると庵速の方が速そうだ。
神橋を過ぎ、小杉放菴日光美術館先の駐車場までは車の数珠繋ぎが目障りだったが、その先は閑散としていた。アントニオのような、ハイカー兼ジョガーな強者は見当たらなかった。やがて、隣の乗馬クラブのイベント屋台に一瞬騙されて吸い込まれそうであったが、無関係と数秒後に判断し、日光ビールの暖簾を潜った。
館内に大樽が確認された。そして、店内では、ソフトクリーム各種か、ピルスナー、デュンケルとシュワルツの3酒類が生で飲めるのである。 お摘みの類は見当たらなかったのだが、まずはデュンケルのジョッキを所望したところ、柿ピー皿をつけてくれたのが幸いであった。鳴虫山下り時に水分を少々セーブしていたので、デュンケルは水のようにアントニオの喉越しを迸り、胃袋へと消えて行った。嗚呼、旨い。ビール日和であった。周囲の客は、どう見ても車で立ち寄ったとしか思えないのだが大丈夫なのだろうか。デュンケル完飲後、シュワルツもジョッキでいただくこととした。デュンケルは香り高かったが、香りを堪能する時間を惜しんで琥珀色の液体は水泡と化し、続く漆黒の液体も甚だ香ばしかったものの、ものの数分で行方不明となってしまった。長居をした訳ではないが、何時の間にか客はアントニオ以外に見当たらなくなってしまった。さすがに3杯目のピルスナーはグラスでいただくこととしたが、女性の店員が柿ピー皿に2つほど1口サイズのチーズを載せてくれ、またラッキーであった。神橋の交差点を直進した甲斐があった。また来たい。
駅までは、テニスコートやうるし博物館の近くを横切って進んだ。霧降大橋を渡り、すぐに駅前となった。13:35日光発の上り列車でノンビリと宇都宮に戻り、湘南新宿ラインの快速に乗り換える予定だった。
やられた。宇都宮駅の案内板に快速が掲載されていなかった。数分前に発車する上野行きの各駅停車に乗っておくべきと、車内に座っていたところ、車内放送では、今度の快速列車は運転される予定だとのことであった。どうせ乗るなら始発で座って行きたいと思い、一旦その電車を降りてしまったのが運命の分かれ道であった。
果たして7番線には、時刻になっても逗子行き快速列車は登場しなかった。挙句の果てに、車両故障で運転されないとのことである。急いで次の列車、各駅停車上野行きに乗るために別のホームまで行かねばならなかった。本当に車両故障だったのか。それほど壊れ易い車両なのか。確か、渋谷だかで貨物列車が車両トラブルとかでダイヤがおかしくなっていたことは否めないのだが、それから数時間が経過しているのだ。元々運転される予定はなかったのではなかろうか。前列車の車内放送を信じてしまったアントニオは阿呆だったのか。7番線ホームに同様に待っていた客から大ブーイングが発生したのは想像に難くはないだろう。教訓として、先に行けるなら行っておくべし、と悟った。
腑に落ちない心境のまま、上野、秋葉原、錦糸町と乗り継いで、千葉に到着したのは快速からの乗り継ぎ予定から30分遅い、17:45であった。Wood House Cafeの今日の魚のプレートは、高騰著しいサンマであった。スープが従来通りの冷製のものでなく、ありふれている様にみられる温製若布スープだったのも残念だったが、琥珀ラガー6、エビスクリーミートップスタウト、伊勢角屋ペールエール、富士桜ヴァイツェンとハーフパイント300円セールの王道を突き進んだ。19時までのセールは、車両故障の因果で少々時間を気にしながらではあったが、満足であった。
荷物も軽く、普段なら乗ろうと思わない119系統のバスが、鴨居駅改札を出て階段を下りると目の前に待ち構えていたため、しかも循環逆系統だから少々時間はかかるが、今日は疲れたこんばんは、とのことで、バスの人となった。運ちゃんのアナウンスは懇切丁寧なのだが、裏腹に運転は荒かった。
何とか下見は無事に終えた。怪我人が心配されるようなルートではない。山頂にて、夢は麦野をまっしぐらに下る隊員が続出するのを祈って止まない。
(完)

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

付録:
山旅・麦旅アドバイス
・日陰多い、虫も少ない。
・日光駅側、憾満ヶ淵側どちらからのルートでも急坂あり。
・日光ビールは神橋から、駅からともに徒歩30分くらい。
・湘南新宿ラインはあてにならない。車掌は信じるな。