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不定期連載 山道をゆく 第239話
不定期連載 麦道をゆく 既出
南月山(庵選千名山535)、黒尾谷岳(庵選千名山536)
栃木マイクロブルワリー(ブラウンシュガー、マジジャンズ・レッド、
フェミニン、ダーク山椒エール未熟成版、山椒エール)
【消化】

8/27(土)
庵々…サークルK…鴨居〜東神奈川〜川崎〜東京〜上野〜宇都宮
〜黒磯=山麓駅〃山頂駅…牛ヶ首…日の出平…南月山…黒尾谷岳
…モミノ木台…あけぼの平…県道266号…南ヶ丘牧場
…サファリパーク前…下守子=黒磯駅…ヨークベニマル
…黒磯駅〜宇都宮…栃木マイクロブルワリー…あぜみち
…宇都宮〜横浜〜東神奈川〜鴨居…庵々

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この旅程の計画は9年前、主峰の茶臼岳などを縫った後に練っていたものである。青春18きっぷの残り1日分の消化と、人間ドック前の体絞りの意味で、山プラス食事量軽減なビール行脚を模索していた。天気予報は芳しくない。まぁ、天気は気にしないが、山中で降られるのは御免だ。何とか那須町は終始曇りで推移しそうなことを確認、帰路に寄るのは栃木マイクロブルワリーとすれば、お摘みも少なく増量の心配も少ないだろう。
近所のサークルKでおにぎり等を買い込み、横浜線上り2番電車などを駆使して上野まで来た。乗車予定1つ前の列車が7分遅れで上野を出て行ったが、後続の我が快速ラビット号はほぼ定刻に発車し、そしてあまりストレスなく退避駅で追い抜き、宇都宮には遅滞なくに到着したように思う。黒磯行きも座れた。
さて、黒磯からのバス便である。恐らく車内の両替機では武士道の著者紙幣を扱えないと想定して事務所の窓口に寄る。窓口氏は丁寧に、山麓駅まで往復なら2日間有効の割引券があるとの説明だったが、下山は別ルートを予定しているために元が取れないため素直に往路券のみを購入させていただいた。同じ東野交通ならばロープウェーのチケットも買えるかと問うたが叶わなかった。このような天気ではあったが、山中泊を予定していると思しき装備のハイカーが7,8人は居たと思う。ご苦労なことである。明日は天気が回復するだろうが、彼等は今日は何処まで行かれるのだろうか。バスは淡々と進んだ。那須高原ビールや森のビール園脇を通過した。ぐっと我慢である。曇り空、ビール日和には程遠かった。湯本の先、ボルケーノハイウェイに至っては、バスのワイパーが動き始めてしまった次第である。嗚呼、降られたか。うぬ。どうするか。
バスは山麓駅に到着した。一面のガス。この天気なのに駐車場はかなり埋まっているように見えた。一時は実行を考えた、ロープウェーなしの登りだが、ひんやりとしたガスの中、果敢に攻めようとの意気は消沈してしまった。東野交通も3.11の影響で集客に苦しんでいるのだろう。アントニオが微力ながら貢献することにした。節電ダイヤのため、30分置きにしか運転されていないためか、好天には程遠い空の下、111人のりのゴンドラは6割以上の込み具合だった。そう、30分置きなので、2線を利用せず、単線運用であった。気温は18℃。ロープウェーのガイド曰く、今月晴れたのはたったの2日、皇太子が来られる予定が延びに延びて中止になってしまったとか。まぁ、今日はアントニオが来てもこの霧中である。どうしようもない。
山頂駅では特に準備体操もせず、10:35、すぐに発った。しかし、空は灰色だ。8月にしては涼しくて良いと思うべきか。砂礫状の登山道を進む。まず、茶臼岳の山頂には寄らないため、アントニオと同じルートを行く人は激減した。約20分後に到着した牛ヶ首くらいまではまだ人とは擦れ違っていた。
トリカブトにオオバキボウシは映えるほど、少々の明るみを感じつつあった。南月山方向は晴れてるではないか!ミネザクラの群落も可憐である。上空は微妙だが、花の生命力は天候に依らず有り難いものであった。頑張ってもう少し、晴れ渡ってくれないものか、、、


11:21、南月山に到達した。ほの明るい、程度だが霧消には程遠かった。偶にはこのような山行も受け入れるべきだろう。1時間も歩いていないのだなぁ。ひっそりとした南月山は味わい深く、好天時にもう一度訪れてみたい場所であった。
さて、そこからの下りだが、悪い予感は的中した。西吾妻状態である。余り歩かれていないために植生が道を覆っている。ただ、西吾妻ほどは酷くはなかったが、この天候の下、沿道の植生はみな露に塗れているのだ。ここから下界まで、露塗れが続くのか、、、牛ヶ首まで戻れば確か湯本へ下れた筈だが、ロープウェーの側道以外としての歩かれ度を考慮すると、そちらも似たようなものだろう。。。意を決して下ることにした。心頭滅却すれば、西吾妻もまた珠洲市。まぁ何とかずぶ濡れだけは免れそうに感じながら進んで行く。12:14、元々展望のなさそうな黒尾谷岳山頂に辿り着く。まだまだ西吾妻警報は続くのだろう。
何とかガスの中、モミノ木台に辿り着いたのは13:02頃であった。ここからも、地図には「判り難い」との注意書きがアントニオを不安がらせていたため、出発前に念のため付近の拡大地図を印刷して持参していたのが大きな保険となった。別荘地帯である。地図には読み取り難い大きな起伏、どちらかと言えばまだまだ下り続けるのが殆どであるが、があり、単純に平面的に近ければ楽なルートとはならなかった。そして、天は不幸にも泣き出してしまった。一応と思って携行していた傘を差しながら、別荘地街の舗装された急斜面を下りに下った。
県道266号線に面したあけぼの平にはそこから何とか30分以内に降りて来ることが出来た。しかし、天は許さず、本降りと化した。本降りとは言え、次のバスまで1時間以上もあれば、動いても止まっても濡れるのは変わらないと思えば、交通費節約魂は全開である。県道は交通量もあり、車からの跳ね飛沫も厄介ではあったが、あけぼの平まで下りに下って悟りを啓いてしまったかのようなアントニオは、ただただ節約魂にのみに支配されて東を目指して進んで行った。南ヶ丘の駐車場でトイレ休止をしても勢いの減りそうもない雨であった。那須街道こと県道17号線は黒磯駅方面の地図を見遣ると、南ヶ丘牧場付近からショートカットが存在するように見え、実際に信号のない裏道として多数の車が往来していた。雨は止まぬ。しかし、目印が現実にも地図にもなく、確かに裏道との想像は先走っており、実は見当違いであった、との結果を恐れていた。裏道を進むこと1時間程度で那須サファリパークが見えたのだが、果たして道の選択が合っていたのか自信なく、地図を開き直して漸く安堵した。あけぼの平から1時間以上経過してから漸く那須街道に到達した。少々南下して下守子のバス停には14:44に着いた。嗚呼、渋滞だ。。。だが一応流れてはいるか、、、隣のバス停までのの距離が読めず、渋滞なので遅れる可能性はあるが、あと十数分で予定していたバスも来るようなので、10分ほどバス停前にて大人しくしていた。牛歩ほどの酷さではない。各車からはアントニオを物珍しい動物かのように皆がじろじろ眺めていた。丸で那須サファリパークから脱走した猛獣を見ているかのようであった。周囲にアントニオが如く数奇に歩く輩は皆無であった。何しろ雨は止まないのだ。否、アントニオは車の連中残らず、「お前等は俺ほどは歩けないだろうに」と悔し紛れであった。ただ、雨の鬱陶しさの影響は少なく、寧ろ、勝ち誇っていた。
バスは10分ほどしてアントニオを乗せて黒磯駅へと向かった。当初、乗車予定の列車まで時間もあることから、途中下車して駅まで再度歩こうとは思ったのだが、東野交通バスの策略か、両替機が故障してお釣りを寄越さず、仕方なく終点の駅にて何とか精算せざるを得ない状況となってしまった。まぁ雨の中だ。歩くのは確かに億劫だった。
バスは15時半頃に黒磯駅に到着した。昼飯も口にしていないので、何かないかとヨークベニマルの暖簾を潜る。先ずは桃ソフトクリームをいただき、その後、黒磯からグリーン車にて予行宴習をすべく、お摘みを探していた。マグロカマが美味しそうであった。缶チューハイも併せて購入し、駅へ向かった。
快速ラビット号上野行きは16:13に折り返し列車扱いとして1番線に入線して来た。清掃員が作業をしているがアナウンスがないので車内に入ってマグロカマをつつき始める。食い応えあり。旨い。カマも大きく、のんびりと50分くらいつつけたように思う。
満を持して宇都宮で下車し、何時ものルートを歩く。既に街は晩酌モード、飲み屋の周囲が騒がしくなる頃であった。しかし、駅から徒歩約15分のこの地は交通量はあれども人通りは少なかった。栃木マイクロブルワリーには先客もなく、横須賀さんとは何時ものようにビールイベントやらの話題が続く。一通り、店内の3種類の生ビールを堪能後、おまかせモードへと入る。定番の瓶ビールが品薄状態らしく、1本目に出てきたのはダーク系山椒エールの熟成未遂版であった。ビールと言うにはどうだろう、と言う状況ではあったが、このようなこともあろう。無料でいただいた。鰻などであれば、稚魚の状態で摘んでしまうようなイメージなので、ある意味勿体無いとは言えるのだが、、、瓶詰めして適度な温度に保てば、瓶内で発酵が進むのである。この半月以上後に某ビール工場見学時には、樽内発酵自体による温度変化に対する調整が失敗して一部の銘柄が供給不足状態に陥ったなどとも聞いた。醸造は一日にしてならずじゃ。
(完)

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付録:

山・麦旅アドバイス
・南ヶ丘牧場駐車場にトイレあり。