海山

不定期連載 山道をゆく 第245話
チョー不定期連載 陸道をゆく 話数知らず
不定期連載 麦道をゆく 第41話
12/4/21~
船通山(庵選千名山541)、馬着山(庵選千名山542)
大山Gビール ガンブリウス
(八郷、ペールエール、ヴァイツェン、スタウト、ピルスナー)
Popeye
(ベアードビール 駿河ベイIIPA、アウトサイダー オーストラリアンIPA、
ローグエール キャプテンシグ)
【海山】

4/21(土)
庵庵…鴨居〜東神奈川…仲木戸〜エアポート急行〜羽田空港国内ターミナル
〜リムジンバス待合室501番ゲート=タラップ/ANA811/米子鬼太郎空港
−県道285号線(米子空港境港停車場線)−県道246号線(余子停車場線)
−竹内団地入口−境港さかなセンター・市場食堂−夢みなと公園入口
−R431(産業道路)−AEON日吉津店−米子IC−R9(米子道路、米子バイパス)
−米子西IC−R180−阿賀−県道1号線(溝口伯太線)−県道9号線(安来伯太日南線)
−山上別れ−県道108号線(印賀奥出雲線)−ヴィラ船通山−わくわくプール
…鳥上滝コース…鳥上滝…亀石別れ…船通山…亀石別れ…亀石コース途上
…亀石別れ…鳥上滝…わくわくプール−県道108号線−県道9号線
−県道1号線−県道316号線(米子岸本線)−大殿−R181−伯耆町役場
−県道316号線−スポーツ公園下入口−県道36号線(名和岸本線)
−丸山下−ロイヤルヴァンベール大山…ビアホフガンバリウス…RVB

4/22(日)
RVB−県道159号線(米子丸山線)−日野川東IC−R9−陰田東
−松江バイパス東−東出雲IC−R9(松江道路)−松江玉造IC−出雲バイパス
−渡橋北−県道28号線(出雲大社線)−島根ワイナリー−R431
−出雲大社第1駐車場…出雲大社…駐車場−R431−大輪町通り
−県道21号線(松江島根線)−島根大−川津−R431−境水道大橋
−AEON日吉津店・山芳亭−R431−米子IC−R9−日野川東IC
−県道159号線−RVB…ガンバリ…RVB

4/23(月)
RVB−大山広域農道−尾高−県道53号線(淀江岸本線)−米子東IC−R9−米子IC
−R431−境水道大橋−県道2号線(境美保関線)−灯台駐車場…美保関灯台
…駐車場…馬着山…五本松公園…公園入口…美保神社…青石畳通り
…県道2号線…駐車場−県道2号線−境水道大橋−R431−竹内団地入口
−境さかなセンター・市場食堂−夢みなと公園入口−R431−空港入口
−県道271号線(米子空港線)−県道47号線(米子境港線)
−イツモレンタカー旗ヶ崎店−県道47号線−米子空港/ANA816/羽田空港
〜(エアポート快特)〜品川〜(山手線外回り)〜秋葉原〜両国…Popeye…両国
〜代々木〜渋谷〜菊名〜鴨居=鴨居七丁目…庵庵

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また春の季節がやって来た。恒例の大山G春祭りである。飲み放題開催期間日程を確認していないながらも黄金週間直前週あたりで大丈夫と見切り発車をし、UAの特典旅行を申し込んだ。前回の受付氏はかなり横柄な態度だったが今回の受付嬢はとても親切であった。便についても希望便の他の2,3空き候補を提示してくれたくらいである。希望通りの便を確保し、宿も予約、レンタカーについてもネットから申込み、香港出張による一日分の振替休日を行使することとした。
準備は万全だったが、天候は覚束なさそうである。雨天時のプランは全くアイデアがない。レンタカー乗車で地ビール行脚も相応しくない。うぬ。アイデアが。境港?水木しげるロード?海の幸食い捲り?島根鳥取近隣で雨を免れそうな山は?雨が降ったら降ったで死んだ振りも偶には必要かも知れない。降らば、降れ。
前日は社のキックオフでしこたま飲んでしまった。目覚ましセットはなおざり、装備品チェックはおざなりのまま寝てしまったモノの、何故か3時過ぎに目覚めることができたのが、必殺アントニオなのかも知れぬ。メールチェックなどをし、最終荷造りを行い、4時半頃には庵々を発つ。始発の上り電車で東神奈川へ行き、仲木戸からエアポート急行に乗り換える。非常に便利である。空港ではまたもや荷物を預ける必要がなかった。今日はムース缶はさすがに持参を控えていた。往路のANA811便と帰路の816便は時刻表に「食事」のマークが付与されており、てっきり無料でそれが提供されるもののと錯覚していた。嗚呼、そうか。これは国内線だからか。。。結局無料のりんごジュースを口にした程度で米子までを過ごす羽目となった。まぁ良い。お楽しみはこれからなのだ!米子空港は雨も上がっていた。前回のレンタカー屋のオジサンが、どうやら兄弟で来られているのか、前回対応してくださった方の方は別ユーザさん応対のようで、今回はその弟さん?が対応して下さった。
さて、どちらへ進むか。迷った。今日の天気は持ちそうなのか。境港市場界隈で一番早く開店すると見られる食堂を目指し、その後の日程は食堂で考えるか。前回と異なり、先ずは北を目指した。程無く竹内団地入口から少々南東に戻り、境みなとセンターに寄る。市場は既に開いている。建物に入ると、、、あ、先月和倉で逃したのどぐろの干物が、、、え、高級魚って言われてたんだっけか?そんな値段ではないぞ。2皿分くらい買ってみるか?宅配が可能か問い、OKとの話だったが、購入寸前に明後日の帰横日にも寄れる時間が取れそうなことを思い出し、そうすれば宅配料と便到着を待つ煩わしさ2つから解放されると思って、今日の購入は断念した。すまぬ、おばさん。明後日必ず来るから。
少々待って隣の市場食堂の暖簾を潜った。うう、コストパフォーマンサーアントニオは思わず朝定食を所望した。662円で煮魚刺身海苔生卵漬物に海鮮出汁の味噌汁の揃った定食である。煮魚は小骨が多いが、地元のものだろう。多分、他のメジャーフィッシュと異なり、観光客前の食卓には中々上がらないものだろう。いいさ、アントニオが頂いてしまうから。しか〜し!しかし、の語感には相応しくないのだが、天気は予想を裏切り上場であった。
食後、急いで南下して行動食を購入し、この天気なら思案していたうちで、一番歯応えのある山を選択しても行けるだろうと確信した。船通山である。下山まで5時間15分プラスαのコースである。やってやろうではないか。買い出し後、米子バイパスから溝口伯太線を通り山間部へ入る。少々出遅れたなぁとは感じながらも、印賀奥出雲線を左折しヴィラ船通山を目指した。ガイドブックには「あまり距離がないのでここから歩きたい」とヴィラ船通山の駐車場に車を停めることを勧めているのだが、その駐車場には「関係者以外駐車お断り」の看板があった。ダメじゃないか、ガイドブックよ。結局、その先のわくわくプール付近に車を停めることにした。プールとは言うが、この大きさをプールと言えるのは鰯くらい、と言った大きさの可愛いものであった。
11時半前には出発できた。暫くは舗装路を進む。ガイドブックに記載のあるように帰りは亀石コースを使っての周回登山を考えていたため、しばしの舗装路歩きを余儀なくされた。確かにその舗装路の先にも駐車場に駐車車両とがあり、先手を打たれているのは痛感していた。嗚呼、どこででも追い抜いてやるから!、の考えは今回ばかりは甘かった。斐伊川源流地域のプチ渡渉が続く。川に埋もれた岩の表面はうっすらと苔でコーティングされており、気を抜くと滑って大ダメージを受けかねなかった。山頂に近づくに連れ、残雪に泥濘も多くなって減速を余儀なくされた。下り時には注意しないと転んでしまう。亀石別れから左方向、そう、亀石コースだが、その時点では多難を予想だにしなかった。

プールから70分程度で山頂に到達した。三瓶、道後、大山を独占できて満足していた。嗚呼、矢張り山は裏切らなかった。残念ながら4月下旬ころから見頃と言われているカタクリさんの気配はなかった。

擦れ違った方々は鳥上滝コース途上に駐車しているのだろうからこそ、擦れ違ったのであろう。アントニオは周回すんだよ、お主等とはレベルが違うんだよ、とのほくそ笑みは、亀石別れから数分で脂汗へと化学変化した。この時期は鳥上滝コースピストンが常識なのかも知れぬ。だいたい、こちらの亀石コースには雪上に踏み跡がないに等しいのだ。ただでさえ細いトレイルを覆う雪面を、アイゼンなしで滑落せずに進むにはスリル以外の何ものでもなかった。何度斜面に肝を冷やしたことか。数十m置きくらいに土肌が露わになっているので、ルートを見誤ることは何とか免れてはいた。しかし、雪斜面は続く。斜面が抉れている。滑ったら、わくわくプールとは明後日の方向にしか落ちることはないだろう。本当に冷や汗の連続であった。未だ先は遠いとは思いながらも、冷や汗と脂汗を額に滲ませながらなんとか進んだ。初心者クラスの方には命が60くらいは必要だろう。こんなアントニオでさえももうこれはアカンと思う地点に至ってしまった。踏み抜いてうまく着地できれば土の上、そうでなければ奈落の底、があからさまな地に至ってしまった。今まで196回くらいは肝を冷やしたが、それを凌ぐ危険個所である。奈落の底へ急接近は必至なので肝を冷やすのは197回目が最後になるであろう、、、命は惜しい。今、無理してこの危険を克服する必要は皆無である。亀石別れから耐えて耐えて30分程度だろうか。遂に観念したアントニオはコースを戻る決意をした。
雪に行く手を阻まれて後退するのはアントニオ山岳史上初めてかもしれぬ。この歳にして未だ「初めて」があったとは。下りにも肝冷やしの連続であったが、そのコースを登りながら戻るのも骨が折れたことは言うまでもない。何故、皆、鳥上滝コースをピストンしているかが理解できた。アントニオクラスでダメなら、そりゃ駄目だ。少々悔しくもあった。亀石別れに戻れたのは約1時間後であった。さすがにそのアントニオが高速に下山したとて、追い抜けたチームは皆無であった。亀石別れから鳥上滝コースを下る。嗚呼、疲れた。元々5時間超のコースを1時間ロスしたのだから6時間、否、庵速での換算だから6時間半以上のコースと言うべきか。渡渉時の岩苔には何度か肝を冷やされたが、亀石コースのそれには遥か及ばない。冬明けの最初の山からこのような体験を得られるとは、幸運なのかも知れぬ。歯応え十分、今宵のビールが美味いことは間違いなしだ。出発時刻の遅さも然ることながら、1時間のロスも響き、どのチームをも追い越すことなくわくわくプールへと戻った。
やるべきことをやって満足感に浸りながら、昼間でも交通量の少ない島根と鳥取を跨ぐ県道を戻った。予定ではドライブ&イートで終わっていたのだ。よおく登った。手元のロードマップはツーリングマップルの中国・四国地域を掲載しているもので、縮尺は小さく、細かい道は確認できなかった。それでもR181に近づくに連れ、ホームグラウンド感覚が蘇り、ここを曲がれば、との思い出しができるようになってしまった。大山PAから庵速ウォークで大山方面を目指したこともあるくらいだ。庭は暖かかった。
宿にチェックインし、晩飯時と何時たるべきかなどのプライドはかなぐり捨てて、ガンバリウスまで下った。やはり一仕事後の一杯は格別であった。山田錦を醸造した「八郷」は他社の米製ビールと比べて度数も高く、7%であった。大抵の米ビールは「胃休め」的な優しさがあるのだが、あ、八郷が優しくないと言っている訳ではないのだが、少々注意が必要だ。純度は高い。17時台ともあればまだまだ空席も少なくはない。しかし、飲み放題が1050円で成り立つのだろうか。プレミア系も含めて1500円くらいにしてはどうだろうか。それもそれで儲からないか(笑)。せめて食事も鱈腹食べて、少しでもガンブリ経済に貢献しようと努力したのだが、食事も基本的に関東のパブの1.5倍から2倍の量が出され、 当然食の神の教え通りに米一粒胡麻一粒残してはならない掟を守るには、思った額の消費をすることは困難であった。大山G、天晴れ。18時ガンバリからは遂に大山方面がガスって見えなくなってしまった。暗くなったから、ではない。明日はやはりそれなりの天候なのだろうか。
さて、翌日、日曜日。昨日の天気予報では昨今流行りの爆弾低気圧の襲来とのことで、宿の周囲の林のざわめきは庵史上最大dbに達していた。急ぐでもないか。大社にお参りにでも行くか。びあへるんが気にかかるのがアル中みたいで恥ずかしいが、まぁ、止めておこう。普段自宅在住時にもこんなに長くは見ないテレビを10時近くまで見ていたのだろうか。呉の女医による減塩活動の特集が印象的であった。風は確かに強いのだが、雨は弱そうである。心配する程の天候では元々なかったのか。先日横浜にて、今日は傘が壊れるかも知れないと思ったらその通りに爆弾によって壊されたくらいの風雨を予想していたアントニオは、肩透かしを食らったようだ。ただただ、これくらいならテレビ見てないでさっさとドライブに行けば良かったかと、既に後悔をし始めていた。
山陰道は当然無料区間のみを縫って車を西へ走らせた。出雲バイパスから北西に逸れ、昼前には大社の駐車場に到着した。悪天の割には参拝客数は少なくなかった。ここで祈念すべきを祈念し、さて、昼は何処で?と考えながら、大社前の土産物屋を物色する。土産菓子の試食品ケースが、全部で20種類はあっただろうか。全種目制覇をしてしまったのだが、いやはやこれで通常の1食分程度の、否、それを超越してしまっている可能性が高いほどのカロリーを摂取してしまったのでは、との後ろめたさを残しながら、出雲の名物そばには一瞥も与えなかった。学生時代に某寺の警備員のアルバイトをしており、寺社付近の店の100%がそうではなかろうが、寺社に縋ることで経営努力をしなくとも客が来る可能性も高く、そのような店々の経済に積極的に貢献したいとは思わず、大社を辞去した。出雲そば1050円食べ放題などであればまた話も別だろうが。
帰路は宍道湖北岸側、一畑電鉄沿いを進む。大社参詣中も少しパラついた程度で、雨に悩まされることはなかった。風は多少強いが交通に支障を与える程ではなかった。松江付近で一度道を間違えさせられたが、目的の県道に復帰し、境水道大橋を渡り、鳥取県へと戻って来た。境港付近はパスしたものの、海鮮丼気にかかり、確かあれはイオンの館内だった筈だと昨日同様に、日吉津の駐車場に車を停めた。イオンの入っているビルにて目的の食堂を探す。あれ、館内にはないのか?と駐車場内を見回せば、おぉ、駐車場の一番南側に平屋の店舗があり、目的の店の売り場と思しき看板が目に入った。 生鮮物の売り場の向こうに、食堂はあった。20種類くらいのメニューがあるだろうか。どれもこれも美味そうで悩みに悩んだ末、白白丼を特盛りで所望した。白ハタと白イカ、いくらと海胆の共演である。否、競って互いを美味くしているのだから競演だ。丼は、おもちゃで一杯だ。特盛り用丼は普通のそれと比較すると容積比にして2倍はあると思われるが、そのご飯面は隙間無く海鮮モノで埋め尽くされていた。スバラシい、海鮮攻撃。山芳亭杯争奪日吉津海戦の幕開けである。白ハタ、白イカ、海胆、いくら。白ハタ、白イカ、海胆、いくら。白ハタ、白イカ、海胆、いくら。何と美しい響きなのだろう。そして、語感に炊き立て白米からの突き上げるようなリズムが耳ならぬ喉を劈く。白ハタ白イカ海胆いくらのコンチェルト。明日はショパンの事情で出社出来ません、って感じだ。白ハタ、白イカ、海胆、いくら。白ハタ、白イカ、海胆、いくら。大盛り特盛りは基本は無料だが、残したら罰金刑ありとのことである。その姿勢は正しい。食の神に対し、その程度の罰では生温いくらいだ。
満足な丼を食した後、宿に戻った。満腹丼後だが、結局今日も一般の夕飯時の町は必至なため、丼から数時間程度五、ガンバリウスの暖簾をまた潜った。今日4/22は飲み放題最終日である。この片田舎のレストランに1時間以上の待ちが軽く発生する。飲み放題に時間制限も設けられていないのだ。今日も頑張ってレストラン経済に貢献すべく、サラダなど3皿くらい所望したが、今日は特に運動不足でアルコール許容量も少なく、ギブアップも早かった。仕方ない。宿に戻り、風呂に入り、寝た。
5時台に起床し、片付け荷物整理をしつつ、宿を発つ。R431までの最短ルートと思しき大山広域農道を使うが、後ほどの確認によると、予定より早目の交差点で左折してしまい、自衛隊車両が沢山あって初っ端びっくりしてしまった陸上自衛隊の教習所の脇を通過したりなど、ただ、方角的には間違いなく、一旦県道53号線を陸橋で跨いでから尾高交差点で地図中の居場所が確認できる地点に辿り着いた。道に迷うことは当然あるが、土地勘を養うには必要な行動である。カーナビには負けてはならない。R431を直進し、大橋を越えて今日は東へ進む。好天である。後で思い直すと、美保神社近くに駐車し、県道を歩いて灯台に寄ってからの方がガス代が節約できたのだが、時既に遅し。今日は余り余裕がないので灯台前の駐車場でそそくさと支度をしてすぐに発った。
美保関灯台に居るアントニオの眼前で交錯する青い空と青い海。存分交錯してくれ。今日は山に登るつもりはない。昨日も思った程荒天とは言えなかったものの、今日の穏やかさは千金に値した。
駐車場に折り返して中国自然歩道を歩き出す。登りと言うには程遠い緩やかな道であった。神社経由の周回コースの後、再びさかなセンターなどにも寄りたく、割と早足で歩道を進んだ。20分程で馬着山に到着。山頂から五本末公園寄り少々先にベンチもあり、そこからは日本海を航行するフェリーも一望できた。早朝の済んだ空気。青い空に青い海。許されるのならば何時まででも此処でぼーっとしていたいように感じた。
多少のアップダウンはあったが、基本的にはジョギングシューズ程度で容易に通行可能なトレイルである。5時台は決して早起きではなかったが、そう、もっと早く来てもよかったと思うくらい、爽快なハイクであった。民謡、関の五本松節の由来である松で有名らしい五本松公園には平和祈念塔も存在した。何故此処にその祈念塔が?と後々調査すれば、地蔵崎の北東沖で演習中に衝突、沈没した日本海軍の駆逐艦蕨・葦の犠牲者119人の霊を慰めるために昭和4年11月に建立されたものとのことである。演習中の犠牲とは、、、八甲田山のそれを思い出してしまう。合掌。犠牲者には大変失礼だが、そのような事態を想像できない程の穏やかな天候であった。躑躅がほんのりと沿道を潤していた。




公園から下山し、美保神社に赴き、参詣する。ここでも祈念すべきを祈念した。周辺のガイドブックでは、大社とこことをセットで参詣することが推奨されていたためである。大社だけでは片詣り、とは島根県の言い習わしであった。アントニオとしては特に祈念すべきであった。
美保神社を辞し、県道2号線の舗装路を歩いて灯台方面へと戻った。陽光燦々羽ばたく希望、とは某高校の校歌にあるのだが、美保湾ドライブにそんな希望の片鱗を見出した次第である。さて、約束のさかなセンターに再び赴く。のどぐろを1ケース、やや小振りだが8匹を購入する。8匹で500円であった。発泡スチロールに保冷剤も含めて詰めて貰った。そして、なんとなしに市場食堂にも赴いた。鯛の煮物定食がリーズナブルそうなので注文しようとしたが、11時以降でないと出せないとのことで残念だが、レギュラーの煮魚定食に切り替えた。こちらの魚は何だろう。少々噛み砕くには不都合な小骨が多かったが、渡米最後の食事としては上々だった。
レンタカー返却予定時刻を10時半にしておいたのだが、こうすれば返却当日も存分楽しめることに満足した。給油精算後、渡辺さんに借りた車でそのまま空港に送って頂き、ANA816便を待つ。空港内コンビニでまたプレミアムモルツを購入してしまい、余っていた行動食を摘みながら出発までの時を過ごした。昨日爆弾低気圧の襲来を鳥取・島根で迎えたが、今日、彼等は東日本に移動したことだろう。日程上止むを得ないのだが、彼等を追って東京に戻るしかなかった。東京の天候は如何ほどか。多少の雨なら許す。但し、手持ちの折り畳み傘を破壊するのは止めて欲しい、そう思いながらANA816便に搭乗した。平日日中の便とは言え、予想以上の着席率に見える。確かに米子・東京間に夜行バス便はあるが10時間程の行程だし、サンライズ出雲もあまり安くはなければ、航空機の選択肢は重みを増すのだろう。米子市街地からも不便ではないこともある。
さて、折角の休暇なのだから夜まで目一杯リフレッシュとするか。爆弾低気圧が夜行性であったらそれも避けたく、少々悩んだものの、小雨に意を決し、某パブの営業時間まで業務メールチェックなので時間を過ごした。ベアードブルーイング、アウトサイダーブルーイングとローグエールのパイントを1杯ずつ所望した。風雨には多少苛まれたものの、満更でもないツアーであった。大山G参詣6度目くらいにして初めて海の幸に目と胃を向けた。未だ未だ奥が深い山陰路である。次の渡米時は何処に寄ろうか。
(完)

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付録:
山/陸旅アドバイス
・船通山亀石コースをこの季節に踏破するにはアイゼンが必須。
・山芳亭はご飯大盛り無料。但し、残した場合は罰金刑有。