不定期連載 山道をゆく 第220話
不定期連載 麦道をゆく 第16話
09/10/9~
八間山(庵選千名山471)、白砂山(日本二百名山、信州百名山、関東百名山)、
志賀山(信州百名山、庵選千名山472)、裏志賀山(庵選千名山473)、
横手山(日本三百名山、信州百名山、庵選千名山474)、
斑尾山(日本三百名山、信州百名山、庵選千名山475)、大明神岳(庵選千名山476)
志賀高原ビール(IPA、ポーター、ミヤマブロンド)
信濃ブルワリー(信濃IPA、黒姫スタウト、ドラゴンエール)
【雹】

10/9(金)
庵庵−港北IC−第三京浜−玉川IC−環状8号−笹目通り−谷原
−目白通り−練馬IC−関越道−寄居PA−駒寄PA
−県道25号(三国街道、高崎渋川線)−四ッ角−県道35号(渋川吾妻線)
−御殿−R145(長野街道)−須川橋−R292−湯の平−R405
−野反湖展望台案内所−野反峠第1駐車場…イカ岩の頭…八間山
…堂平分岐…白砂山…分岐…八間山…駐車場−R405−湯の平−R292
−草津−県道59号(草津嬬恋線)−R144(長野街道)
−県道235号(大笹北軽井沢線)−浅間広域農道−県道94号(東部嬬恋線)
−R144−県道182号(菅平高原線)−R406(大笹街道)−春木町−R403(谷街道)
−松川団地入口−県道66号−上松川橋−県道358号(中野小布施線)
−高社老人ホーム前−県道54号−一本木・栗和田−R403−夜間瀬−出光
−大野屋−玉村本店−大野屋

10/10(土)
大野屋−渋・安代−R292(志賀草津道路)−木戸池駐車場…ひょうたん池
…渋池…志賀山…奥志賀山…四十八池…鉢山…横手山…のぞき…R292
…横手山渋峠スキー場…硯川…R292…遊歩道…駐車場−R292−七瀬
−伍位野−R117−豊田飯山IC−県道96号(飯山妙高高原線)
−県道360号(古間停車場野尻線)−柏原小学校入口−R18(北国街道)
−信濃町IC入口−県道119号(杉野沢黒姫停車場線)−信濃ブルワリー
−県道119号−黒姫高原入口−R18−柏原小学校入口−駅道360号−県道96号
−R117−伍位野−R292−七瀬−一本木西−Jusco−R292−戸狩・湯田中IC
−大野屋…湯田中駅前…大野屋…ローソン…大野屋

10/11(日)
大野屋−戸狩・湯田中IC−R292−伍位野−県道96号−北畑−南町
−飯山駅前−西敬寺−県道97号(飯山斑尾新井線)
−斑尾高原スキー場第7駐車場…かえでの木トレイル…万坂分岐
…斑尾山…大明神岳…斑尾山…分岐…万坂・山頂トレイル
…ルピナストレイル…斑尾高原ホテル園地…駐車場−県道97号
−県道504号(信濃斑尾高原線)−県道360号−柏原小学校入口
−県道119号−野尻…信濃ブルワリー…野尻−県道119号
−黒姫高原入口−R18−柏原小学校入口−県道360号−県道96号
−豊田飯山IC−R117−伍位野−R292−七瀬−R292−戸狩・湯田中IC
−大野屋−戸狩・湯田中IC−R292−一本木−中町−県道358号
−高社老人ホーム前−西条南−須高広域農道(北信濃くだもの街道)
−上松川橋−新田町北−県道343号(村山小布施停車場線)
−村山町−県道347号(村山綿内停車場線)−県道58号(長野須坂インター線)
−南部小北−東通り−母袋−R18−上高田北−県道58号−栗田北中
−栗田232-1

10/12(月)
栗田−長野赤十字病院前−県道372号(三才大豆島中御所線)−荒木
−R117−丹波島橋−下氷鉋−県道35号(長野真田線)−長野IC−上信越道
−須坂長野東IC−R18−井上町−須坂長野IC−更埴JCT−東部湯の丸SA
−鶴ヶ島JCT−圏央道−八王子JCT−八王子IC−R16−八王子バイパス
−R16−川井浄水場入口−筑池−R16−白根−旭図書館−白根不動−R16
−東川島町西−環状2号−岸根−県道12号−昭和シェル−県道12号
−岸根−環状2号−八反橋−笹山団地入口−庵庵

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できれば、大山に行きたかった。某地ビールの飲み放題キャンペーンが開催されているからである。動機は何時ものように不純だった。その大山近くの宿が連休ともあろうに土曜休業となっており、何処の山を攻めようかと悩んでいるうちに、志賀の宿が3連泊できることとなったため、計画を練り直した。長野に住む知人に声を掛ければ、どうやら連休に新居へ引越しとのことであり、お祝い訪問も可能となった。新居襲撃第1号である。
さて、出発前日である。巨大な客が訪日していた。マンションの地下駐車場の排水能力を凌ぐ雨量で車が水没するかもしれないとのお触れが発せられており、地上に上げてみれば浸水で悪臭では旅も思いやられるため、急遽知り合いの飲み屋に駐車場を借りるべく連絡を取ったり、既に風雨の強い夜中に車を移動したりと従来経験のない焦りを伴った。出社は某路線の遅延を見越して7時過ぎ頃に乗車した。ただでさえ本数が少ないのに、間引き運転および徐行による遅延が発生しており、下り列車は既に30分も来ていないとのことであった。合掌。アントニオは数分待って上り列車に乗れ、ダメージもほぼないまま出社することが出来た。
出社後も顧客等が恐らく出社できていないためか、業務メールの数も極端に少ない中、上空が何時の間にか晴れ渡っていた。台風の目?否、もう過ぎ去ったのだろう。そう、高を括って安心して帰社した。
2時前に起床し、支度をして自宅を出る。シルバーウィークの時は夕方移動が敗因だったろうが、玉川ICから大泉まで、3時間かかった区間が今日は40分も要しなかったのである。
練馬から渋川伊香保まで行ってしまうと100kmを越えてしまい割引率が悪くなってしまうため、1つ手前、今流行りのスマートICである駒寄PAで下車することとした。下道が少し長くなるだけで全行程の所要時間は10分も違わないだろう。
さて、金曜日となれば物流は平日並みか、吾妻川南岸側の県道はしばらくの間タンクローリー車に先導されてしまった。前方は見難い、道は狭い。一旦止まってくれなければ追い越しは不可能である。また、全く先を譲ってくれる素振りもなかった。車長も長ければ直線コースも少なく、休部号に尾行されていることに気付かれなかったのかも知れない。
あれは丁度1年前の体育の日連休であった。当時も白砂山を目指してこの道を通ったが、夜中のロマンチック街道はカーブも多くて運転し辛い記憶が鮮明だったため、引き続き国道にて西へ進むことにした。長野原草津口でR292へ入り、その後、勝手知ったるR405へと進む。台風一過で落ち葉の量は尋常ではなかったが、通行に支障、という程ではなかった。
6:20、野反湖駐車場着。風雨強し。北極の風の如し。数十分待つ。しかも台風で展望台案内所のトイレは施錠されたままである。ピンチである。ここのトイレの存在を見越して途中のコンビニ等に寄らずに来たのである、、、十数分経過したが風の止む気配もない。その前に、危急存亡の秋を迎えている。野反峠に戻ってみるか。
強風で車が揺れている。北極風の勢いは衰えなかった。今日も敗北だろうか。車内で少々待ち、トイレに寄る。何時の間にか雨の方が上がった。雲が切れたではないか!豪風は止まないが。。。
登山者向け駐車場に車を移動してから、7:18、峠を発つ。アントニオの車以外にも数台駐車車両が存在したが、みな、釣り人なのだろうか。結局、後も追われず、山を降りたのだが。マツムシソウ、ツリガネニンジンが数輪。マツムシソウに至っては被爆したかのような様相である。この時分まで咲いていること自体が奇跡かもしれない。風は止まぬ。野反湖面の白波。強風は止まないが、直に落ち着くはず、落ち着くはずと願いながらイカ岩の頭を通過した。
8:01、八間山山頂に到着。この明るさ。佐武流、苗場、白砂、上州の山々が美しい。上って来て正解だった。正解だったのはこの時点までであったのだが。。。これから天候は回復するのだと信じ、先へ進むこととした。
期待とは裏腹に、雲は降り、どんよりとしてきた。そんな中、白砂山山頂を目指した。このガスは一時的なものだ、きっと、山頂に到達する頃には見違える展望に平伏すことだろう、そう願いながら、徐々に気温も下がっていくことを感じながらも上り続けていた。
堂平分岐に至っては、愈々進退窮まれり、と感じた。台風は消え去ったのではなかったのか。この強風、そして、白いものが降って来た。。。粒に大きさを認めざるを得なかった。。。氷砂糖の粒くらいはある、、、あ、あの枝を覆う白いもの、、、樹氷、、、その後、十数分置きくらいに空に明るみが寸分増してはすぐに濁ってしまう。台風は未だ居座るのか、、、
果たして、山頂に期待していた大展望はなかった。八間山のパノラマは夢幻の如くなり。久々だな、荒天時に無理して登ったのは。これで、対白砂山は0勝2敗である。前回は相撲で言う不戦敗だ。今回は、雹の連続単打で逆転負けである。野反湖は簡単には笑顔を見せないということか。アントニオ初代ゴアテックスのレインウェアも少々廃れ、腕に当たる風が冷た過ぎた。もう10年近い大活躍に、引導を渡す日も遠くはないのだろう。昨年、無謀にも防寒着なしで来たのだが、白砂山は今年も鬼のように厳しかった。

山頂から下れば少しはお天道様も落ち着くかと思っていたが、八間山に戻っても8時の晴れ間は記憶の彼方に葬られていた。ガス、強風、雹に追われ、長い長い下山を久々に体感した。やがて、峠のレストハウスや駐車場が見えてきた。野反湖面は未だ白波が高い。

被爆マツムシソウに合掌しながら12:51、駐車場に戻る。結局、誰1人とも擦れ違うことはなかった。誰1人とて、白砂山山上の台風余波を体感した者はいなかった。あの車の群れ、皆結局、釣り人だったのか。この天候の中で釣果があったのだろうか。白波は面白かったのだろうか。
車窓に小雨粒残るなか、志賀へ向かう。R292は明日も通るだろうし、4年前も通過したのだから、今日は敬遠としよう。嬬恋高原から菅平に抜けるとするか。嬬恋高原と言えば高原野菜、高原キャベツだろう。本当はキャベツ以外を求めていたのだが、その店の地図を持参し忘れてキャベツ畑の路頭に迷ってしまった。腹は減ったが、キャベツ、否、、、大人しく宿に向かうか。雹に苛まれた白砂山で相当のダメージを喰らっていたのか、R406のアップダウンに辟易とさせられた。やがて長野電鉄の線路を何度も踏み切る。悲しいかな本数が少なく、電車を見ることはなかった。見たとしても、今や小田急や東急のお古車両ばかりなのだけれど。
りんご畑を縫い、何とか宿に到着した。小休止の後、玉村本店へ赴いた。連休の前日、アントニオ以外の客は居ない。試飲コーナーと思しきコーナーがあるのだが、他客も居ず、店員も何も言わず、少々躊躇ったものの、「試飲させて貰えますか?」「どうぞどうぞ」だった。都合10酒目くらい制覇した。山田錦と美山錦の純米大吟醸は甲乙付け難かった。奥にはタップも見えた。「ビールは飲めますか?」店員はけだるそうなしぐさながらも、アントニオにDPAをプラスティックの試飲カップで提供してくれた。ここまで来てビールを飲まないとは考えられなかった。東京界隈の地ビールパブでは限定醸造酒を沢山見かけるのだが、本店にはDPAの試飲と、IPA、ペールエール、ポーター、美山ブロンドしかない。これでも本店なのか。悔しいぞ。本店店員め、悔しくないのか?店員は、アントニオの気持ちとは裏腹に、微動だにしなかった。アントニオが美山錦の純米大吟醸1升と地ビール数本を購入すると、今までの無関心さとは裏腹に、おまけにとワンカップを提供してくれた。そうか、まぁ、ヨシとするか。
宿に戻り、温泉に浸かり、時既に遅しと思われながらもマッサージをし、夜の湯田中温泉街を歩いた。各種そばの看板に騙されて中華の店に入ってしまった。この店には黄色い麺しかなかった。長野まで来て黄色い蕎麦はないだろう。仕方なく、ご飯ものを所望した。ビールを飲んだらお通しも出てしまい、思わぬ出費となった。もう一生この店には来ることはないかろう。仕切り直しに温泉に再度浸かって寝た。
さて、もう行くまいと思った昨晩の中華屋で見たテレビの天気予報によれば、午後には雨が降る箇所もあるとのことであった。特に当初予定していた鳥甲山方面はアウトに見えた。すかさず予定を変更し、志賀山や横手山に進路を変えた。4時台に起床し、5時には宿を出る。宿を発って、すぐ志賀高原である。今思えば、出発時刻は無謀だった。軒並み1℃を示す気温計が散見された。路面凍結聴牌ではないか。危なかった。昨日、登山地図と睨めっこして悩んだ挙句、木戸池付近の駐車場に車を停めて歩き出した。
5:30、界隈の気温は1℃である。スカッと爽やかな志賀高原の朝である。やがて朝日は昇り、志賀山界隈をハッスルしかえた矢先だった。木道の表面に、厚みを増す氷、、、アントニオが山をやり始めた当初、尾瀬界隈の木道は一種の憧れのルートであった。だが今や、木道は至る山で歩覇してきた。そして、目の前の氷である。木道がかくもデインジャラスな道であると痛感した。ディンジャラス。木道を外れれば池ポチャとかそれ以上の悲劇が目白押しである。庵速、進退窮まれり。途端に歩速は緩んだ。転ばされてたまるか、木道め、、、ひょうたん池を過ぎ、志賀山への登り道に入って少し安心した。木道でないのだ。庵速が息を吹き返す。笠ヶ岳や横手山を眺めながら、朝日映える志賀山に顔を綻ばせずにはいられなかった。Aux Champs Elysees、Aux Champs Elysees、Oh Kentucky home、far a way、、、


6:52、志賀山山頂。槍、黒姫を始めとする雲海が棚引いていた。


7:15、裏志賀山の山頂に立つ。奥志賀山から下り、四十八池付近で再び怯んだ。氷の上を滑ることはできない。真央でも美姫でもない。氷上で最もバランスの悪い男と言われても反論の術はない。しかし、横手山への登りで気合を入換えた。入換えたが、ゲレンデを横切るうちに、氷、樹氷の世界に再び舞い戻らされてしまった。このルートを再び下って木戸池に戻りたくはない、、、


ザクザクと霜を踏む感覚で進み、やがて、9:22、横手山頂界隈に到達した。草津白根、奥白根、中ア、根子岳は遥か、、、北アは雲の中か、、、噂に聞こし召す日本最高地点に存するパン屋だが、この寒さの中、硬いフランスパンしか焼き上がっていないようである。しかも、東京近郊で買えば高くとも300円程度のサイズで500円であった。生ビールは700円もする。樹氷こそ見えはすれども、国道から30分くらいで来れるこの地の価格ではないと判断した。

展望塔に臨む笠ヶ岳は美しいが、徐々に雲が増えてきている。天気予報は正しそうだ。さっさと下山して、、、さっさと!!!
のぞきまでのルートは殆ど歩かれていないようで少々苦戦したが、笠ヶ岳や白根山見ながら下山は爽快であった。のぞきからは国道沿いに下る。2005年に発行された登山地図には硯川への歩行者用短絡ルートの存在が何箇所か見られたのだが、どうも現実には跡形もなくなってしまったようである。歩かれず、藪化してしまったのだろう。合掌。それでも途中、ショートカットとなるべきゲレンデを発見、車道を逸れて邁進した。ハッハッハ!悔しかったらこのゲレンデを下ってみろ。周囲に歩行者は皆無だった。
11:19、駐車場に戻る。国道から紅葉を嗜む者も多く、未だ着地し切れてない者もあり、山方向への車が多かった。擦れ違う交通量の多さを突き放し、アントニオは信濃の里を目指していた。看板に導かれ、迷うことなくスポットを探し出せた。森のきのこピザ、信濃IPA、黒姫スタウトはそれぞれ甲乙付けがたく、黒姫山の伏流水の美味しさにただただ平伏すのみであった。大量の発汗後の渋さ、苦味。嗚呼、蘇る。蘇ールという酒目か。
昨晩の中華屋に懲り、今宵は部屋で夜食をと考えているところにジャスコが出現した。遊佐店、そして、1ヶ月後に行った日吉津店と言い、ジャスコには隙がなかった。ジャスコはきっと奪うでも、与えるでもなく、気がつけばそこに在るもの、とミスチルは良く歌ったものである。地場野菜コーナーで思わずりんごを買い込んでしまった次第だ。志賀高原ビールはさすがに本店より1瓶8円ほど高かったが。
宿に戻って温泉に浸かり、ジャスコの惣菜で食卓を埋めた。
3日目、知人と夕飯を一緒にとの話であった。長野県地方は至る所好天の模様だ。しかし、鳥甲は今日のメニューとしては重過ぎると考え、ガイドブックや登山地図で忘れられがちの山、斑尾をと、軽いスケジュールを考えた。スキー場としては瘤だらけで上級者向けとの思いが脳裏を過ぎって離れないのだが、雪の降る前は果たしてアントニオに試練を齎すのだろうか。今朝は抜群の天候までは行っていなかったため、放射冷却も緩く、しかも昨日より1時間遅い出発だ。紅葉は今一つだが、山頂を目指す者は多いのか。アントニオが選択した斑尾高原ホテルの第7駐車場にはシーズン待機中の除雪車以外の車両は見当たらなかった。
7:08、駐車場を発つ。目の前はゲレンデである。指導標の類は、、、見つかった。気温は昨日より少々高めであり、横手山の2300m級の標高に比べ、此方は1400mに満たず、雪類の心配はなかった。西遠く青いのは日本海?な訳はないか。

ゲレンデ部が寧ろ傾斜があったが、それを凌ぐと然程の難儀な坂はなく、8:03、斑尾山頂に到着してしまった。駐車場から1時間を切ってしまっている。早過ぎる。二枚板滑走戦国時代は恐れていたこの山だが、今は制圧だ。展望がよろしくないため、その制圧感に浸る間も無く先へ進み、8:10、大明神岳に到達した。

妙高、火打、西岳、黒姫、飯縄、戸隠、高妻、雨飾、白馬、朝日、槍、穂高、御岳、鹿島槍、常念、御天井、木曽駒、空木、、、八ヶ岳方面分厚い雲だが、、、そして、野尻湖。芙蓉の形容通りの美しさ。教科書通りの素晴らしい眺望である。何時の間にか他のルートからバラバラに来た数組のハイカーが集結した。景色にただただ見惚れていた。嗚呼、芙蓉、芙蓉。地図なしでの登頂であったが、まだらおの湯方面から来られた方からコース談義を持ちかけられ、地図を拝見させて頂いた。同じ道を降りてしまったら1時間である。早過ぎる。早過ぎてはいけない。下山コースに数種の選択肢があるようだが、ルピナストレイルならば少々の時間稼ぎをしながら下山地点で迷わずに済みそうと判断した。
絶景を30分近く堪能後、下山を開始した。結局また別のゲレンデコースに沿っての下りであった。やがてゲレンデ下のレストハウスに到着した。小皿取り放題の巨大看板が目を引く。その中に、野沢菜もあった。思えば、某大学某部でのスキーツアーで初めて野沢菜の味を口にしたのである。野沢菜食べ放題か。ご飯だけ注文すれば安上がりになりそうだぞ。しかし、このレストハウスが営業する頃に立ち寄ることはないであろう。
さて、第7駐車場は何処だろう。レストハウスのすぐ先は公道のようである。駐車場と思しき方向に進んで暫くしてから再び園地に入る。パターゴルフ場、ターザンロープ、グラススキー場などを目にした。下山してから迷ってしまった。。。駐車場の手前に一際五月蝿いコーナーがあった。ラジコンサーキットである。オフロードコースになっており、ヲタクが数名運転していた。この大自然の中ですることなのか。楽しいのだろうか。この人たちと目を合わせてはいけない、危険だ、と思いながら注意深く駐車場に戻った。9:55であった。
さて、昨日の信濃の里の味が忘れられず、また麓に再び戻ってしまった。岩魚の燻製とともに伏流水は喉元を迸った。良い発汗の後の良い給水作業となった。給水作業の尊さを存分味わった。
宿に戻り、一風呂を浴び、夕刻、長野駅東口から至近の住宅街に向かう。交通量も多い。市街地と呼ぶに相応しい。北陸新幹線開通から大きく変貌を遂げたのだろうか、しかし、知人宅界隈の住宅造成状況からしてまだその途上であると感じた。
駅前の地から飯縄山がデッカくみえた。長野の山も、大分やってしまったなぁ。
(完)

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付録:
山旅・麦旅アドバイス
・圏央道上のICで降りてしまうと大都市近郊区間下車扱いで1,000円に収まらない。