梅雨の晴れ間

不定期連載 山道をゆく 第248話
12/6/23
釈迦ヶ岳(高原山、日本三百名山、関東百名山、庵選千名山548)、
剣ヶ峰(庵選千名山549)、大入道(庵選千名山550)
【梅雨の晴れ間】

6/23(土)
庵庵−笹山団地−県道109号線(青砥上星川線)−東泉寺−三枚町
−新横浜通り(市道鶴見三ツ沢線)−三ツ沢IC−K2−金港JCT−K1
−平和島−1−浜崎橋JCT−C1−江戸橋JCT−6−堀切JCT−C2
−小菅JCT−江北JCT−S1−川口JCT−東北道−大谷PA−矢板IC
−県道30号線(矢板那須線)−泉−県道56号線(塩原矢板線)−学校平
−大間々台駐車場…登山口…見晴コース…八海山神社…大入道分岐
…釈迦ヶ岳…分岐…剣ヶ峰…縄文ヤシオ…大入道…桜沢
…大間々自然探勝路…駐車場−学校平−県道56号線−県道30号線
−バイパス−矢板IC−羽生PA−S1−C2−6−C1−1−K1−K2−三ツ沢IC
−庵庵

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天気予報を睨みつつ、土曜日の先約を1週間延期し、2時前に庵々を発つ。計画的だ。嵐去っての夏日和である。登らない訳にはいかない。6月躑躅シーズンには駐車場も埋まれば路駐も発生すると見られ、大渋滞も免れないとは言われつつも、八方湿原方面を目指すことにした。首都高速は定額制が廃止になったので、敢えて三ツ沢から使った。どうせ川口JCTまで最長区間分の料金を取られるのだから。東北道方面への定番ルートは従来、第三京浜、環八、用賀から3号とC2を利用してS1に入るルートであったが、今回は銀座を通ることになった。渋滞事情には疎い。深夜なればその心配もなかろうが。6号線なぞ休部号で通過するのも初めてではなかろうか。昼間ならスカイツリーが沿道に映えるのだろう。東北道の途上では雨にも降られ、若干面を喰らったのだが、引き返す気はなかった。最近の天気予報の精度は高い。信じろ。山を目指せ。山頂で青空に感謝せよ。その気持ちで行けば、必ず太陽に逢えることだろう。
矢板ICで高速を降り、県道を進む。塩原矢板線に曲がるべく交差点を通過してしまい、少々戻る羽目となった。湿原方面を狙っている車は見掛けなかった。ガイドブック通りに小間々駐車場からスタートしようとは思ったものの、トイレが見当たらなかったのでその先の大間々まで進んでみた。

雨上がりの翌日、アントニオだけが1人、雲海の上に居た。皆、雲海の下に沈んでしまったのか。憐れなり。休部号以外の車もない、即ち先客も居ない。独占。グレイト。雲海。大晴れ。大海原。一番乗りアントニオは5:06、大間々台駐車場を後にした。

6月上旬にも一応山には行ったが、標高数百メートルの丘のようなものだった。GWの山伏以来の山である。フィットンチッドの森へ。斜度も緩い。快適だ。勿体ない。この爽やかな空間を過ごさないなんて。でもきっと、ここがイモ洗い状態になったらそんな快適だとかの気持ちは霧消してしまうのだろうが。確かに傾斜はきつくもなく、太陽による万有引力により、アントニオは加速して行った。この爽快さ。勿体ない。この爽快さを出来ることなら箱詰めにして持ち帰りたい、などとは思わない。この爽快さはここにあることが重要なのだ。身近にあるべきではない。しかし、勿体ない。
八海山と言えば新潟、朝日酒造のそれだろうと思う人が100人中100人の昨今、栃木県内の八海山神社に到着した。晴れ渡り、雲海。雲の上にも都はござる。否、雲の上にこそ、か。


一旦、道は森林内に入るが、あの雲海パワーによってフル充電されたアントニオの足取りは軽かった。進め、正しい道を。これ程の爽快体験を、アントニオの周りで誰もしていない。嗚呼、勿体ない。しかし、シロヤシオは散りぬるを、、、

7時前には山頂に到達した。大雲海を引き続き独占だ。否、釈迦さんと共有だ。天上人とは斯くの如きか。展望は雄大である。釈迦像と雲海。男体、南会津、那須、鶏頂山、、、の山々。。。関東平野方面は雲海の下だ。悔しかったら浮き上がって来給え。しかし、鶏頂山はケイチョウザンと読むのだが、をトリアタマヤマなどと読み間違えをし、何故か九重にあったミソコブシ山を思い出す。どんな漢字を宛てるのか。未其処武士なのか、三底節なのか、味噌拳なのか。ミソコブシ伝説の想像は尽きなかった。

八海山方面に下り、分岐にて往路と別れた。2002年の地図には掲載なし、2006年発行のガイドブックにはその道があるのだ。廃道ではなく、新道とは。しかもショートカットでもない新道とは珍しい。新道だからなのか、膝にも優しいように感じた。あ、こちらには幾枝かのシロヤシオの残党が健在であった。大入道先にはヤマツツジに戯れるアオスジクロアゲハも絵になっていた。みな旧道ピストンのようで、人とも擦れ違わず、涼しく快適な新道であった。見晴らしは今一つだが涼しく快適な新道であった。小間々分岐から大間々方面への自然歩道は岩がごつごつしており、寧ろ歩き難かった。


10時前には駐車場に帰還した。満車だった。この雲海上の美を今更見に来たのか。新道ではトレイルランナー1人と擦れ違ったが、皆ピストンなのだろう。しかし、新道は良かった。駐車場界隈には軽トラックの荷台改造のたこやき焼きそば売りの車があった。焼きそばよりビールだろう。さらば。
今日もタッチアンドゴーである。そもそも、10時台で既に開店している温泉も少ない。高原山の好印象を携え、真っ直ぐ帰途に就いた。
当然かの如く、土曜日午前中の東北道上り線は交通量も少なく、快適であった。途中のSAで先の交通情報を確認。首都高速は、どのように神奈川方面へ進んでも渋滞の赤印を避けることはできないように見えた。しかし、実際は、JCTでの合流のため1車線になる箇所でノロノロになっている程度が2度あったくらいで、ストレスは特に感じなかった。あの渋滞情報の赤色点灯の面積に騙されていてはいけないのだろう。梅雨の晴れ間の鬼の居ぬ間の洗濯であった。
(完)

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付録:
山旅アドバイス
・6月下旬ともなると、各ツツジも見頃終わりのためか、
大間々台駐車場は辛うじて満車だが、小間々台は駐車車両見当たらず。