てまえのほそみち

不定期連載 麦道をゆく 第92話

CBM大手町店
(ベアード アングリーボーイ ブラウンエール、京都醸造 毬子、富士櫻 ホップの宝石、
城端 はかまエール)
撰 利久 仙台パルコ2店
(KNUCLE 167A、The Spencer)
CBM仙台駅前店
ISHINOMAKI HOP WORKS First Party IPA、鳴子 南国パーラー、田沢湖 ピルスナー、 あくら 古代米アンバー
Black Tide Brewing
HOYA BOYA、Days Over、Smord Fun、Two、Fading Star
25分の1回 全国地ビールフェスティバルin一関
ハーベストムーン ピルスナー、箕面ヴァイツン、ノース ピルスナー、 いわて蔵 牡蠣スタウト、山椒エール Argon Brewing
Argon 18(Ippa) Strong Pale Ale、Radio Antenna Sour Ale、暗黒スタウト
CROSS B PLUS
ストラタヘイジーIPA、イングリッシュペールエール、ゆずセッション#2、
ダブルドライホップヘイジーIPA#7
クラフトビアサーバーランド赤坂店
ZUMONA 月世界ビールvol.4、秩父 なみまちサーバーランド<<大波篇>>、
ハーベスト ピルスナー、Bacca BACCA Lager、反射炉 踊り子Weizen Africa Ver.、
松本x奈良 NOTHING SPECIAL -SAISON-、鬼伝説 金鬼 アザッカver.、テイラスver.、
伊勢角xInkhorn イソヒヨドリ、伊勢角x鬼xTYx丑寅 パーリーナイトsour IPA、
富士櫻 ラオホボック2017
【てまえのほそみち】

8/18(木)
庵庵…鴨居〜菊名〜自由が丘〜大井町〜東京…グランキューブバス乗場
…CBM大手町…グランキューブ=WB557便=

8/19(金)
=那須高原SA=国見SA=仙台駅西口(宮交高速バスターミナル)…イオン仙台店
…地下道ベンチ…撰 利久パルコ2店…CBM仙台駅前店…勾当台公園…仙台市役所
=宮交高速バス=矢本PA=南町…Black Tide Brewing…アコモイン気仙沼

8/20(土)
アコモイン気仙沼…気仙沼駅〜ドラゴンレール大船渡線〜一ノ関
…25分の1回 全国地ビールフェスティバルin一関いわて蔵会場
…一ノ関〜小牛田〜塩釜…鹽竈神社…Argon Brewing…本塩釜
〜あおば通り…カプセルホテルリーブス…CROSS B PLUS…リーブス

8/21(日)
リーブス…仙台〜やまびこ134号〜大宮〜東京〜四ツ谷…まいばすけっと赤坂3丁目店
…CBSL赤坂店…赤坂見附〜新宿三丁目〜菊名〜鴨居…庵庵

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3年振りの全国地ビールフェスティバル開催がアナウンスされたのは6月20日。出店社の顔触れにやや変化は見られるものの、久々の出番と感じ、交通手段や宿確保に力を入れた。従来の金曜日は夕方開場だから、全休すれば昼間は適度に岩手県内で飲み歩けるぞと思いきや、今回は11時開場である。満を持して全休申請済だ。11時からとなると、他地域で昼飲みしてからでは遅れてしまう。ならば、やるか。金土は丸々ボランティアに明け暮れ、日曜日に自由時間を謳歌すべきか。気仙沼?石巻?悩んでいたら、赤坂のビールパブから直々に周年記念イベントへのご招待連絡である。まぁ、繋がっているのと言うことだ。ジャストタイミングだ。ならば、金土の2日間、新規参加社にも赴いて輪を広げるか。
そして、第7波である。
中止?延期?が主催側から告げられてしまう。暫し、放心状態が続く。何もしていないのに既に燃え尽き症候群である。オレの夏もオワッタか。否、金土は終わっていない!南東北までの交通手段は堅持し、仙台とか、、をぉ、気仙沼まで適当な高速バスがあるではないか!土曜日は規模縮小して一関でプチビアフェス?18きっぷ使って塩釜とかにも行けるんでねぇか?仙台は興味を惹くスポット目白押しだから、金昼と土夜の2回戦が必要だな。正解だ!各スポットの関係者に来訪を伝えた。現地で飲む。樽生至上主義者の面目躍如たろう。迷わず行けよ。
木曜の業務はほぼ定時で上がらせていただいた。準備時間も微妙、風呂浴びてもすぐに汗を掻くだろうから、体は洗ってシャワー程度にして出発した。準備運動と言うべきか、夜行バス乗り場の至近なので、クラフトビアマーケット大手町店の暖簾を潜る。イベント以外では閑散とした店内しか知らずに恐縮だが、木曜夜には、店外テラス席までかなり埋まるほどの盛況である。盛況ウェルカムだ。数杯を嗜んだ後、スタッフには、これから此処へも行くんですよと着用していた某ブルワリーTシャツを見せびらかしてしまった。バス出発は23:55。店のラストオーダーは22:30。あれよあれよで長居しながら、トイレにも寄り、バスを待つ。元々、夢の国始発の便のようだが、空気のみを運んでバスは定位置に到着した。大手町で追加2名、バスタで十数名を追加し、夜行バスは北へと向かう。途中3か所のサービスエリア立寄りには気付いたが、福島駅前到着は熟睡のうちに過ぎたようだ。思ったより寝つけたWillerバスであった。
正直、計画は不十分だった。朝食場なぞ、考えていなかった。宮交高速バスターミナルでは気仙沼便の切符を買い、wifi利用で暫しスマホポイ活タイム。さて、11時開店の利久、どの店が良さげか。物見遊山とするか。数年前お盆期のビールイベント時に泊まったカプセルホテルなど、やや懐かし風景が。9時開店のイオンでバターロールを購入、歩きが面倒臭くなったので、何処か公園のベンチで、、、と思ったら、地下道内にベンチを発見し、パンを摘まみながら業務でのマニュアル調査に時間を潰す。ただ、マニュアルの睡眠誘発剤が効き、ページが進まなくなってしまった。否、今日は休暇取得なんだぞ。脳時計は正常だ。迷わずウツラウツラせよ。
未だ数十分早かったが、何と無しにクラフトビアマーケット方面へ向かう。あのケグの積まれ様。さすがCBM。ではまた後程。通過してParco2へ。デジタル看板に目的のクラフトビールを確認、多分、この選択に間違い無かろう、「撰」付きの利久だろ。
案のJoe、だった。利久の他店に馴染みがある訳ではない。この利久はどう見てもバーであった。店前のデジタル看板を見て更に驚愕する。地酒飲み放題60分1500円。牛タン以外のつまみも豊富だ。今日の60分一本勝負は死を招くので純粋にクラフトビールの1本目、KNUCLE 167Aを所望する。牛タンに合うかと言うと、アメリカンでマイルドなペールエールは何にでも合いそうだ。そもそもビール単品で勝負出来る味ではないか!やりおる、お主、利久!2本目、The Spencer。癒された。West Coast IPAも侮り難し。
先程通過してしまったCBMに戻る。何と、ランチメニューがTokyo Torch店と一緒だ。ただ、同日に両店のランチをハシゴすることは至極困難なので、大目に見るべきではないか。あっ、仙台から某石巻をパスして気仙沼プランであるのだ。石巻をパスして申し訳ないと思い、先ずはCBMとISHINOMAKI HOP WORKSとのコラボ、First Party IPAをいただくことにした。申し訳ない、利久で都合2杯だが飛ばした都合、CBMではパイントは遠慮し、グラスサイズでの調達となった。餃子系のお摘みと共に、美味しくいただく。他には鳴子の南国パーラー、田沢湖ピルスナー、あくら古代米アンバーを所望した。ふと、店外を見遣ると、をぉ!まぢかっ!岡さん!!何処で、俺の行動と見透かされていたのか。そう、ISHINOMAKI HOP WORKSの醸造長、岡氏が、自らワゴン車を運転してケグ配達回収にいらしてたのだ!何たるタイミング!次回は石巻経由をプラン出来るように考えさせていただきたく、固い握手をして別れた。

何たる縁か。決して一人では飲んで行けない、と言うことだろうか。さて、気仙沼までバス乗車だ。寄れそうなトイレには片っ端から寄りながら、宮交高速バスセンターではなく、便始発の県庁市役所前を目指す。日中運用向けでトイレもなく、まぁ、普通の高速バスにお世話になった。思えば震災後、初の三陸方面行だな。途中の休憩場所、矢本PAでもトイレに寄り、三陸路へと進む。バス停大谷海岸では、BRTと思しきバスを初めて肉眼で確認した。どのあたりが専用軌道?と目を凝らしながらバスに揺られた。をぉ、青い三陸の海!綺麗だ。美しい。三陸感にたっぷり魅了されてしまった。次回はもう少し時間に余裕を作って海も楽しむか?否、次回も海より麦に陥るだけだろう。
閑話休題。目的のバス停、南町にて降りると、振り返れば、目的地、厳密には建物の裏側であったが、Black Tide Brewingの文字を確認した。迷わず行けよ。迷うことはないよ。拓の建屋内に、TAP roomが存在した。そして、その右側は、10月にも何度も世話になったヤマヒロが。お世話って、そりゃ、あーた、商用巨大冷蔵庫には海の幸満載なんだぜ。ビールのお摘み海原だぜ。数点を所望し、否、天こ盛りのお摘みをレジに並べ、もう晩飯は安泰だ。心置きなく飲めるぞ。


都合、4杯いただいた頃に、店のスタッフに、都内ビアパブでお会いした関係者氏の存否を問うた。丹治氏は果たしていらした。有難い。樽生主義者、面目躍如だ。すかさず、裏メニュー液種もいただけてしまった。どれもんまい。やや、Black Tide。片言に訳してしまうと、黒い態度になってしまうのだが、味わいは間違いなく黒潮級である。摘まみは明け遣らず、未だあれるのか、ヲィ、とのことで、宿用缶1本も所望してしまう。やや、宮城の観光誌があるぞ。覗けば何と、巻頭はクラフトビール特集である。特集ページの8割方は知人が載ってるではないか!東北人3級くらいかな。素晴らしい。毎回このような企画記事なら腕が鳴る!喉も鳴る!特にイベントでなくてもこれくらい楽しめるのであれば、気が向いたらまた来たいぞ。BTBのビールを堪能して宿に戻り、風呂に入って寝た。


翌日。朝食はビュッフェスタイルなのだが、何となく気仙沼感が湧かなかった。魚介が殆ど、無い。確かに宿代もそれなりの廉価ではあるが、うーん。是非また泊まりたい感を生じさせることは難しかった。そんなものかも知れぬ。悶々とした朝食を経て、チェックアウトして気仙沼駅へ向かう。
今日はプチ地ビールフェスティバルから塩釜と仙台行脚である。新しい発見を見越して期待に胸は膨らむ。気仙沼線はキハ100系に揺られて一時間強、一ノ関に到着。ここ十年近く、一ノ関へは新幹線か東北線でビアフェス手伝いに来るのが通例であった。今日は気仙沼線入りで、しかも手伝いは無いのだ。手持無沙汰を振り翳し捲りに陥らないと良いのだが。通例での会場である、一関文化センターの駐車場には、何十台もの車が止められていた。通例では、駐車場スペースも、屋台とテーブルが犇めき、ビアフェス会場に変わっていたのだが、何処にでもある駐車場に戻ってしまい、それはそれであるべき姿とは言え、少々寂しさは否めなかった。
迷うこと無く世嬉の一酒造、いわて蔵の一角に到達する。プチビアフェスと言うこともあり、屋外に屋台の一つもない。そして、普段のビアフェスであれば2日目土曜日の夜に、出店者やボランティアの打ち上げ会場となるクラストンが、今日のプチビアフェス会場となっていた。全国とは言え、飲み慣れた4社から各1種+此処いわて蔵のビール4種の計8液種のみである。後日談だが、プチビアフェスは夕方から市内に別の2箇所でも開催され、そちらではまた別の液種が展開されたと言う。それを事前に知っていたら予定を変えていただろうか、悩む。クラストン会場ではしめやかにイベントはスタートした。ビアフェス会場で大概会えるクラフト醸造業者や馴染みのボランティアや飲み客の顔は見当たらず、スタッフとしては地元いわて蔵の顔馴染みの数名のみであった。まぁ、プチなのだ。イベントが開催されただけでも良いではないか。無ければツアー全体を御破算にしていたかも知れないのだ。その顔馴染みスタッフからは、遠征を労っていただき、一皿お摘みをプレゼントいただいた。かたじけない。
都合、浦安ピルスナー、箕面ヴァイツン、江別ピルスナーにいわて蔵は牡蠣スタウトと山椒エールを所望し、予定通り会場を後にした。続いて東北本線に揺られ、小牛田で乗り換え、塩釜へ。1時間に1本のダイヤである。もう一本後だと少し遅くなってしまうので、早めの列車で塩釜下車後、界隈を少々散策した。鹽竈神社に寄る。下調べも何もなく、嗚呼、一つの神社だな、ほへぇ〜、松島湾は青いなぁ。有難く、青かった。


少々ゆるりと歩いたつもりだが、案の定、開店時刻より少々早めに次の店に到着してしまう。店内を覗くと、店長が既にいらした。奥さんと何やら話し込んでいるとは露知らずに合図を送ってしましい、好で開店時刻を繰り上げていただく。実質ワンオペ体制なので、お摘み系も店長の武藤氏自ら担当となり、余談だが、ホテ〜Go記載のハンバーガー製作は骨が折れたとのこと。ならば手間がかかりそうもない一品をチョイスし、あとはビールに専念することにした。鎌倉のオクフェスでお会いしてから8年くらいは経過しているだろうか。面白い縁である。また訪れたい。


Argonからは東北本線には戻らず近場の仙石線で、終点あおば通りまで向かい、宿にチェックインしてから再び宮城路のブルワリーを目指す。Batsujiと表記すると意味不明だろうが、芭辻と記せば明朗だろう。もっとも、出典は芭蕉の辻、ではないそうだ。仙台城から東に延びる大町通りと、奥州街道が交差するところが場所の辻として、江戸時代から仙台の中心街であったとのことだ。場所が何時しか芭蕉の表記に変貌を遂げたのだ。2022年に芭蕉が健在であれば、このブルーパブで一息入れていたことは間違いなかろう。そう、此処のブルワー畠山氏は、加美町は薬莱ビールを皮切りに修行場を変遷し、Batsujiに至ったものの、今月一杯で醸造から身を引き、ビールパブの店長になるとのことである。なので、タイミングとしては、彼醸造のビールを飲めるのは今日がラストであった。都内のビールパブより数段お洒落な店内で、暫し酩酊の寸前まで美酒の数々の盃を傾けることとなった。氏のビールパブでの活躍を祈りたい。

宿に戻ってサウナで一汗流し、寝た。
翌日は14時から赤坂見附であるので、だらだらとチェックアウトし、だらだらと仙台駅へ向かい、10時半過ぎのやまびこで帰京した。東京到着も12時台であり、再びだらだらと中央線四ツ谷駅下車、そこから歩く。本来なら未だボランティア中だろうが、暑さと旅疲れが、そのだらだら振る舞いを肯定せざるを得なかった。まいばすけっとで菓子パンを一つ所望して空腹を避けてから、ビールパブの周年祭に挑んだ。此方には見慣れたスタッフに馴染み客が満載であった。
さて、来年こそは、一関、復活して欲しい。コロナのshrinkを願って止まない。
(完)

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付録:

(完) 麦旅アドバイス
・仙台から石巻へのバス便は、今回利用の1系統の他、
今回発見したもう1系統もある。(ジツは更にもう1系統存在する)
・撰利久の地酒飲み放題は22/10/10現在廃止。合掌。