継続は力なり

不定期連載 山道をゆく 第270話
不定期連載 麦道をゆく 第76話
擬宝珠山(庵選千名山610)、象山(庵選千名山611)、烏帽子山(庵選千名山612)、
比婆山(庵選千名山613)、池の段(庵選千名山614)、立烏帽子山(庵選千名山615)

ビア・ホフ・ガンバリウス
(琥珀ヴァイス、ペールエール、スタウト、ヴァイツェン、ピルスナー、
アメリカナイズドペールエール)
【継続は力なり】

11/20(金)
庵庵…鴨居〜東神奈川…仲木戸〜(エアポート急行)
〜羽田空港国内線ターミナル…67A/ANA381/米子鬼太郎空港
−県道271号線(米子空港線)−R431−AEON日吉津店−R431
−県道24号線(米子大山線/大山道路)
−県道158号線(大山口停車場大山線/大山道)
−県道45号線(倉吉甲府溝口線/大山環状道路)−休暇村奥大山駐車場
…擬宝珠山…リフト管理小屋…象山…象山展望広場…新小屋峠分岐点
…駐車場−県45−県158−県道284号線(大山寺岸本線)
−県道52号線(岸本江府線)−県道36号線(名和岸本線)
−ビア・ホフ・ガンバリウス−ロイヤルヴァンベール大山
…ロイヤルホテル…RVB大山

11/21(土)
RVB大山−県36−吉定−R181(出雲街道)−鬼守橋−県道46号線(日野溝口線)
−黒坂橋−R180−R183(日野街道)−諏訪−生山バイパス−丸山下
−県道444号線(油木小奴可線)−R314(東条街道)−油木
−県道256号線(比婆山県民の森線)−県民の森公園センター駐車場
…出雲峠…烏帽子山…比婆山(御陵)…イチイの巨木…古事記への路
…越原越…池の段…立烏帽子山…立烏帽子山駐車場…ささの尾根
…展望園地…駐車場−県256−油木−R314−備後落合−R183
−生山バイパスー県46−R181−溝口−県45−県52−県36
ーガンバリウス…ロイヤルホテル…ガンバリウス−カルロスランチ
=ガンバリウス=カルロス

11/22(日)
カルロス−県52−県45−R181−江尾−R482(伯耆街道/大山道)
−道の駅風の家−R313−下湯原温泉ひまわり館駐車場
…雨乞山登山口…電波反射板…雨乞山展望台…雨乞山…展望台…反射板
…登山口…駐車場−R313−湯原IC−米子自動車道−溝口IC−県45−県52
−県36−ガンバリウス…大山ガーデンプレイス…久米桜酒造の少し先
…ガンバリウス−地蔵滝の泉−ペンションあすか=ガンバリウス…あすか

11/23(祝)
あすか−県52−県36−県道159号線(米子丸山線)−R9−西福原1丁目
−県道317号(両三柳西福原線)−米原−県道245号線(両三柳後藤停車場線)
−錦町3丁目−県道157号線(米子港線)−県道47号線(米子境港線)
−粟嶋神社入り口−粟嶋神社駐車場…粟嶋神社(明神山)…八百姫宮
…大岩宮…駐車場−県47−イツモレンタカー旗ヶ崎店−県47−米子鬼太郎空港
…炉端かば米子空港店…1/ANA386/68…羽田空港国内線ターミナル〜仲木戸
…東神奈川〜鴨居=鴨居七丁目…庵庵

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春の飲み放題を敬遠した以上、秋を外す訳には行かない。工場増床ともあれば限定酒の寿命も延びるのではないかと淡い期待は抱いていた。夏は少々休暇を採り過ぎた嫌いがあったため、何とか連休に誕生日休暇をプラス程度で事無きを得たかった。降雪期も迫り、心配だが止むを得ず、勤労感謝の日連休に一日プラスとした。丁度2ヶ月前に予約電話をしたものの、今回も予想通り期待は裏切られ、誕休で追加した金曜しか目的の宿は確保できなかった。であれば、訪問経験のあるペンション2軒について、戦略的に1晩ずつ泊めていただくことにした。その順番も肝心だ。運良く期待の順番で確保ができて何よりであった。ガンバリウスは繁忙期とのことで休日の席予約は受け付けて貰えなかった。昨年は受理されたのに。現地での苦戦は否めないな。それもまた人生。
登る山は既に作成していたリストに広島県分を加えたものから天候に応じて決めれば良い。初日は諸般の事情で昼ガンバリウス予約、夜は宿部屋飲みに決めた。
荷物はどうするか。トレッキングポールを携行するには間違いなく機内には持ち込めないサイズのバッグを持ち歩かねばならない。登山についてはポールを使うまでもない山を選択しようか。弱気になっている訳ではないが、日帰り程度の山ならサポーターだけで頑張ってみよう。土産として境港でのどぐろをケース買いの場合、前回は縦走サイズのザックに押し込めたので今回もそれで対応できないだろうか。
さて、始発電車からエアポート急行を乗り継ぎ、空港へ向かう。縦走サイズのザックは預け、検査場を通過。米子便ゲートは検査場から離れているな、、、待合でしばしモバイルした後、機上の人となった。天候は申し分ない。昼ガンバリまでただの観光人はあり得ない。従来と異なり、何故か登り気は漲っていた。大山近郊で確か1時間半程度の山が有った筈だ。登山口までが少々大変かもしれないが、滞りなくことが進められれば昼ガンバリに間に合いそうだ。やれるか、をい。
鬼太郎空港でターンテーブルからのザックをピックし、ほどなくイツモレンタカーのおじさんと落ち合う。細かい疵はあるが、まぁいいだろう。コンテ号にて出発だ。R431からAEONモール日吉津に寄り、急いで今晩夜食分等の食料を調達し、山へと向かう。かなり車を飛ばせ、何とか期待よりは早く大山寺までは辿り着けた。その先は九十九折である。事故ってはいけない。平日で対向車両がほとんどないのが幸いであるが、はみ出し走行は怪我の素だ、なるべく慎まねば。
6月のフェスタ会場付近も夢の跡、見覚えのある車窓に親しみも湧く。なるほどねぇ、6月はバスのみで移動したのだが、僕も随分と大山人となってしまったものだ。沿道には展望所もちらほらと見受けられるが用はなかった。もっと上のを見てやるぞ。
大山寺から30分超程度で休暇村に到着。合格だ。ただ、7月の飯豊以来の山行である。コースタイム1時間半は無理せず堅持しようか。ただ、駐車場付近から両山の山容はほぼ視界に手に取れる程度なので、大幅に遅れることもないだろう。登山口からほぼ稜線歩きなのが簡単過ぎて申し訳なくなってきた。1時間半だからこれくらい簡単でも仕方あるまい。
駐車場から舗装路を大回りしてから園内のトイレに寄ってしてでも、約20分程度で擬宝珠山頂に辿り着いてしまった。烏ヶ山、要リベンジな矢筈ヶ山、甲ヶ山、そして、日本海。雲は多いがまずまずの展望である。漲ってしまう。否、滾ってしまう、か。まだ全然汗かいてないのだけど。もう、今日、食前にやるべきことはやった気概である。もう、ビールをよこしてもらっても何ら不足はないぞ。



鞍部に下って登り返せば象山である。日本海見えないが擬宝珠など南側や烏ヶ山から三鈷峰、そして父、大山は良く見える。こんな近い両山で景色が異なるとは面白い。


山頂から少々降りた展望広場からの見晴らしも素晴らしいが、何故山頂の近くに態々展望広場を設けているのか不思議ではあるが、もう気分は麦の中であった。


写真撮影時間等を含めると、全体としてほぼコースタイム通りくらいだろうか。4ヶ月振りの山歩きであれば及第点だろう。さぁ、行こう。限定品は残っているだろうか。増床による期待に胸を膨らませながら、大山環状道路を戻った。
予約時刻の12時半少々前にガンバリウスに到着できた。こちらも例年通りか、タップの目の前のテーブル席に案内された。限定ビールは9月中に受領した案内状中の3種は間違いなく完売してしまっており、琥珀ヴァイスが繋がれていた。増床よ、、、ううむぅ。気を取り直し、平日昼間とのことで提供されているランチメニューを所望した。出してくれるビールは全種類飲むぞ。食べ物のメニューは年毎に変遷はあるものの、目の覚めるような刺激的な変貌には残念ながら至ってはいなかった。まぁ、それでもボリュームたっぷりでビールは美味しいのは有り難いか。
限定ビールは当然土産用瓶も完売しており、夜飲み用としては無難なピルスナーとペールエールを選択した。また、夕方おやつにとインペリアルスタウトも購入してしまう。増床スペース側に赴けば、醸造長ヒデさんがいらっしゃるではないか。忙しそうだ、さすがに。更には、、、隣の久米桜酒造の売店にて、強吟のワンカップも所望してしまった。これだけあれば、今宵は十分だろう。


昼食を堪能後、宿に向かう。スタッフに覚えられ、笑顔で鍵を渡してもらえるのは嬉しい限りである。また、金曜日は宿の大風呂営業は辛くも廃止されてしまったのだが、従来半額のチケットだったロイヤルホテルの入浴券が、今回何と無料でいただけることになった!半額でなく無料なら誰でも心揺れ動くだろう!土日の宿泊権を奪われた今となっては逆転満塁ホームランの気分であった。継続は力なり。部屋に粗方荷物を運び、冷蔵庫にしまうべきはしまい、着替えとタオルを持参しつつ宿から出てホテルへ向かった。
ロイヤル素人と思われないようにと、風呂の場所はスタッフに確認せずにロビー前を横切る。平静を装いながらエレベータ内に乗る。きっと表示があるだろう。をっ、地下か。洗い場も浴槽も広大だ。嗚呼、勝った、勝った。1500円の価値は確かに存在した。露天も落ち着く。嗚呼、温い。嗚呼、癒される。嗚呼、嗚呼、、、その宿何年目か記憶にないくらいだが、かくしてロイヤル大浴場デビューと相成った。紙面に記載できない事情で夜ガンバリをキャンセルしたのだが、何かお釣りも貰えたくらいの収穫を感じた。温泉、良いなぁ。
宿に戻り、風呂上がりのデザートにと、濃厚なインペリアルスタウトを一杯いただく。いや〜、んまい。とろ〜りと甘い。飲み過ぎだ、こりゃ。宿でボーっとのんびりするのも偶には必要だろう。夕刻には強吟のワンカップに、カップ麺やらピルスナーとペールエールの瓶で、晩餐となった。そう、予約なしの夜ガンブリ入場の怖さを知らぬまま、大山周辺行脚初日の夜を過ごした。
夜が明け、6時台に宿を発つ。広島県の山と言えどもそれなりの近場と考え、比婆山周辺を選択することにした。昨年とほぼ同じルートで車を走らせれば良いのだ。地図を確認する手間はかなり省けた。ただ、警戒すべきは400番代の県道である。県道との風上にも置けぬ程の狭路が目に浮かんでは現実なってしまった。交通量が元々ないから、との見方もあるが、舗装路を落ち葉が埋め尽くしている。道路に陥没等があったら、ジ・エンドだろう。連休初日とは言え、早朝だからか対向車ゼロだったのが幸いである。帰路は回避したいぞ、多少遠回りでも。油木からの県道256号線も悲惨であった。脱輪イコール即死だろう。道が崩壊していないだけ有り難いと思うべきか。ふぅっ。256号線は10分程の我慢に耐えれば、中央線付の県民の森への快適ルートに導かれた。
少々寒々とした公園センターに到着。屋外のトイレは閉鎖されているので、仕方なくセンター内のそれを利用させて貰う。当然だ。
8時丁度に出発。センター施設付近からは縦横無尽に登山道が張り巡らされていた。比婆山以外にも毛無山へのルートなどもあり、その気になれば再訪も辞さないだろう。出雲峠へのルートはなだらかで広く、四駆車なら問題なく通れそうだ。来て貰っては五月蝿いのだが。非常時の緊急車両用ルートなのか、それは甘い気がするし、そのお世話にはなりたくはないと痛感している。後で調査したところ、烏帽子山へは出雲峠に寄らない直登ルートが存在しており、微妙であった。ただ、4時50分と言う比較的長めのコースタイムに惹かれて選択したプランである。界隈の詳細登山地図を入手していれば事前の議論の余地はあったかもしれないが、全ては美味しいビールのための準備運動の一つだと思えば左程気合は入れなくとも良い。直登イコール短縮コースなので、準備運動としてはモノ足りなくなってしまうのだ。在住市内の図書館にあるガイドブック以上の投資はまだ時期尚早だろう。ガイドブック通りで良いではないか。


稜線闊歩も準備運動の一環である。避けるべきではない。烏帽子山は麗しき。展望は著しい、360°。大山、道後、三瓶、比婆、吾妻などの山々が目白押しだ。まぁまぁだな。余り気乗りしていない自分が居た。八郷は終売している。琥珀ヴァイスに罪はない。

さぁ、ヒバゴンの1つや2つ、見せて貰おうではないか!と勇んでみても、比婆山頂、御陵周囲の展望はどうでも良く、何だかなぁ、の感覚しかない。もう今日の議題は全てクリアだ。下るのみだ。
とは言え、ガイドブックはまだ登りを案内していた。越原越と言う、志布志のような地点を通過し、池の段に至れば、これまだ視界絶好調360°である。比婆、吾妻、猿政、三瓶、烏帽子に大山も鮮やかである。





さぁ、これでビールも美味しくなるかな?行くぞ!と思いながらも、少々催しかけてしまった。続く立烏帽子山は展望も今一つで通過点でしかなかった。直下の駐車場の併設トイレも閉鎖されてしまっている。もう惰性だ。センターに戻るぞ。展望地手前にトイレを拝借し、身軽になって駐車場へと向かう。

12時前である。4時間50分のコースを約1時間短縮、まずまずのスピードだったようだ。膝にも来ていない。さて、頑張って昼ガンバリしてしまうか?帰路は県道をそのまま直進して一旦R314を南下し、備後落合でR183に合流すれば、左程の遠回りではないことも判明した。備後落合駅にはおろち号が停車していた。なるほどねぇ。乗りに来るのは大変だな。タイミング、運は悪くはなかったってことだ。今日の帰路も焦るべからず。道が空いていたのが幸いだ。今日は利用可能な高速道路がないが、国道の流れは抜群であった。12時台に戻れればガンバリ!と思えども、実際に遅れたとして近場には救済手段がないのが悲しくもある。結局どう転んでも昼ガンバリは不可避である。気持ちは高揚する。空腹だからこそ慎重に運転し、ガンバリウスへと辿り着いた。
予てから気になっていたメニューにチャレンジだ。カレーの盛り合わせである。私が注文するや、スタッフは怪訝な表情を隠せなかった。多過ぎると言うことだろうか。2人前はあると言うのだが、、、まぁ、頑張れなくはないでしょう、とのことでオーダーは通過した。実際に、量は半端なかった。限定ビールも昨日で琥珀ヴァイス終わったのか、アメリカナイズドペールエールが並んでいた。普段のペールエールよりは少々苦みが強い。そう、大衆向けの銘柄の中で、少しずつ変化をつけていただきたい。変化を理解してくれる客も少なくはないだろう。
今日の宿のチェックインは16時である。それ以前に宿に行っても施錠されているのだ。さぁ、風呂だ、ロイヤル再びだ!大浴場で気持ち良く汗を流す。近年温泉訪問は積極的でなかったため、体への良き褒美となったかも知れない。何時も酷使している肉体だ。偶には悪くはない。
夕刻に宿にチェックインし、17時頃にガンバリへ送っていただいた。ウェイティングシートにはあまたのグループが記名し、待合場所にも人は溢れ返っていた。土曜の夜と言うのに、作業場所にはヒデさん等スタッフが活動中だ。儲かっているんだろうな。偶々目が合ったので、待合場所にいらして貰え、少々会話ができた。増床によって、定番酒ヴァイツェンの場所が増えたのは間違いないそうだが、限定酒の樽が相対的に増えたかと言うとそうでもなさそうである。八郷のタンクを確保して欲しいなぁ。しかし、土曜の夜までお疲れ様である。席取り合戦は長期に縺れ、1時間半は待たされたように思う。これが秋の連休のガンバリウスの定めなのだ。仕方ない。それでも多種ビールに、蟹にと白葱パスタ ビール屋の豚煮、漬物を美味しくいただく。しかし、その道でないお客さんから、ペールエールとヴァイツェンのハーフ&ハーフを注文する声が聴こえた。むむむ?それは知らなかったが、確認はしなかった。結局ガンバリ滞在が21時近くになってしまったのも初体験である。少々疲れたため、カルロスさんには迎えの車もお願いしてしまった。嗚呼、ビール。嗚呼、大山の食卓よ。帰宿後、風呂に再度浸かってから寝る。
この宿を2晩目にしたのは、朝食を6時台にお願いすることができるからである。山行だ!時間は有効に使いたい。焼き立てパンも美味しい。頑張って今日も登りますか!昨年泊まって感謝のDMが自宅に届いたので持参すれば、何と500円引きにして貰えたのである。ラッキー!些細だがこちらも継続は力なり。また利用させていただきたい!有難う、カルロスランチ!
さて、時間の有効活用に一役買ってくれたカルロスランチの配慮に応えるべく、今日も温めてきたプラン中、比較的コースタイムの長い雨乞山へと向かう。高速を使えば早いが、短距離なので下道を進む。R482に入ると、真庭地方特有の濃霧である。朝の風物詩だ。運転は危険だが、日中の晴れ間を約束されたようなもので心は弾んでいた。昨日の飲みは道の駅で処分し、真庭路を進む。湯原温泉をパスし、下湯原温泉界隈で国道を離れた。温泉施設のトイレを拝借し、レッツゴー。
暫くは車も通行可能な林道を進む。10分ほど登っては山道に入った。連休中日の交通手段も不十分な低山に、朝8時台から人の気配はない。即ち、蜘蛛の巣払いに手を焼いた。4月の春山に5月の宮之浦、7月の飯豊連峰では道幅や他の先行登山者があったため、蜘蛛の巣破りは1年以上振りかもしれない。すまぬ、先に進ませてくれ。昨日の長丁場にも拘らず、右腿に若干筋肉痛を覚える程度で、膝には支障はなかった。昨晩のビールも適量だった筈だ。体調は上々である。進めアントニオ。


やがて開かれた展望台に至った。360°全開だ。櫃ヶ山、富栄山、星山、大佐山、、、って誰も知らないぞ!朝霧雲が下界に!劇的な感動はないが、達成感としては申し分ない。あともう一息だ。






山頂は特に東側が思ったより開けており、富栄山などが見渡せたのが幸いである。低山と言えども侮れなかった。快調だぞ。さぁ、下山だ。

膝へのダメージを負わぬよう、と言っても明日は帰横のみなので無理をしても良かったのだが、適度な速度で山を下る。適量は百薬の長である。もしかすると、今日も昼食タイムは、と勇んでしまう。足取りも軽やかである。スバラスィ。行っちゃうぞ〜。もう林道だ!温泉駐車場はすぐそこだ!
駐車場には11時過ぎには戻れてしまった。否、エンジンブルブル絶好調でそうしたのだ。麦に呼ばれている。仕方ない。申し訳ないが温泉には用はない。発車だ。湯原ICへ直行、そこから米子自動車道へとまっしぐらである。飲めるビール種も昨日と変わらないだろうが、構わない。コースタイム4時間半をほぼ2時間短縮してしまった。トレッキングポール無し3日目の調子としては快調この上ないと言えよう。蒜山高原SAのジャージー牛乳関連製品も相手にはならない。只管溝口ICへ走るのみだ。空腹だ。空腹時は短気になりがちなので注意が必要だ。大山の恵みが待っているのだ。ゆっくり、焦れ。


11時台にガンバリウスに到着できてしまった。無事で何よりだ。さぁ、ビール飯である。炭水化物系としては、ペッパーハムとレッドオニオンスパイスピザか。メインディッシュは、大山鶏骨付き腿肉スパイシーローストに決めた。以前、帰宅日前夜のオイリーなディッシュに体腸を崩し、しかも自家用車での訪米時だったこともあり、シンドさは半端なかった。ただ、当時、あの第2東名の事故は体腸不良故に巻き込まれずに済んだ可能性も否めないのだが。オイリー過ぎそうなメニューに抵抗を覚えがちな年齢になってしまったか。健康のため、致し方あるまい。昼間の体力のある時間帯にオイリー攻略を済ませたかったのだ。ガンバリウスメニューからの卒業が近づいているのか。だが、ビールは今日も美味い。ただ、八郷はない。
ガーデンプレイスに地蔵滝の泉などに寄っては時間を潰し、何となしにあすかへと向かう。今日一番のジャグジーからガンバリウスへの黄金連係を企んでいたが先約ありとは!しかも、昼食からあまり時間が経過していないながらも「もうそろそろ送りますよ!」とは!確かに昨晩は1時間以上待たされたし、それもありか。ジャグジーは食後に使わせてもらうしかないな。不要な荷物を部屋に置き、宿主の車に乗せていただく。この分だと帰宿時間帯はちょうど宿飯タイムで迎えを呼べなさそうだが、それもまた人生。ガンバリウスで下してもらい、再度ウェイティングシートに記名した。
16時台ともあり、昨日よりは待たずに着席と相成った。今晩ここで弛緩して体腸を崩すまいと、無難なアラカルト系を模索した。炙りさんまのアンティーブサラダ、山陰沖産スルメイカの一夜干しに境港産カニ屋が作ったカニクリームコロッケ。確かにあまり腹は減っていないからか、箸の動きは鈍かった。当然だ。ビールもほどほど適量に収めた。
長居しても、もう飲めないと感じたのはすっかり日の落ちた19時台であった。あすかに電話しても無理だ。天気も微妙、即ち星空を拝めなさそうではあったが、仕方なく冬の大山路の夜道を歩くことにした。今日は友引だ、アクイール風彩の森迎賓館では挙式が催行されていた。周囲のライトアップとは対照的にもの寂しさを感ぜずにはいられなかった。あすかは少々遠かった。
帰宿後、ジャグジーを堪能し、就寝した。
長かったようで最終日である。前回のように食道楽の末のぎりぎり返却は申し訳ないとも思い、できれば避けたかった。そう言えば、ガイドブック中に市街地に数十分クラスの低山プランがあった気もする。財布の紐は締めよう。あすかの8時半からの朝食にて、焼き立てパンも美味しくいただいたがお替わりは涙を呑んで割愛し、粛々と米子市街地へ向かった。
あ、イツモレンタカーのすぐ先だね、粟嶋神社は!こんもりとした山と言うより森の佇まいである。道票の類も見当たらなかったが、県道47号線の然るべき交差点を曲がって駐車場に辿り着く。



山と言うより神社の境内の参道階段を昇って即ゴールのようであった。本殿の裏へ抜けると海の見える葦原が広がった。むむ。近過ぎる、早過ぎる。これなら境港で何か食えたかも、、、とも一瞬考えはしたが、我慢我慢。今日は帰横日につき汗をかいても着替えがないのだ。汗もかかずに下山できてしまったが。


早い返却で迷惑にもなるまいと、下山後はすぐにイツモレンタカーへ向かった。事情を話し、給油をした後、いつものおじさんがいらしたので空港まで送って貰った。今回もお世話になりました。
予定より遥かに早く空港に到達でき、恐る恐るチェックインすると、窓側にしますか、通路側にしますか?と。へッ!?選択権があるのか?通路側!と問えば、何と入口にかなり近い6G席!早起きは32文の得であった。昼の便だけに、午後便に振り替えプラスマイル加算の特典も少々目にチラついてはいたが、ANAマイルはあまり溜まっていないし、連休最終日の午後便の方が寧ろ空席確保の可能性は低くなる筈だ。うぉぉ。時間も席も確保できたぞ。折角だから、大山Gビールを置いてある炉端焼きかばに寄らせて貰おうか。ヴァイツェンに空港店限定?の烏賊尽くし定食を所望した。店内は混雑しているが出発までは余裕があったのでお気楽昼食タイムとなった。
土産が少々肩に堪えたので鴨居駅からは路線バスのお世話になった。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

自分で言うのもナンだが、今回の飲みは程ほど飲みに抑えられた。自慢するほどのことではないが、反省の必要もないのは後味が良い。初日は事情により短コースの採用となったが、2日目3日目は既存登頂予定リスト中でも所要時間の長いものを選択できた。ただ、工場増床なれども八郷や強吟は飲めなかった。また、粗方大山界隈の山も攻めてしまったし、八郷系統を狙うなら、関東地区もイベント酣の10月中の訪米を考えねばならない。1000円税別飲み放題は確かに魅力的だが、そろそろ卒業か。メボシイ宿は不明だが、呉や山口にも行ってみたい。飲み放題期はパスして地ビールフェスタだけ狙うか。地ビールフェスタも来年ボランティアしたいと言ってしまったものの、公募ボラではサービングができなさそうでもあるし、悩みどころだ。こんなことで悩むなよ、をぃ。
(完)


付録:

山旅・麦旅アドバイス
・休暇村奥大山前の園地内にトイレあり。
・県道444号線全般および県道256号線油木駅から2kmほどは狭路、
対向車があればジ・エンド。
・公園センター付近のトイレは、センター屋内にあり。屋外のは閉鎖されている。
・出雲峠手前、展望園地にトイレあり。
・立烏帽子山駐車場のトイレは閉鎖されている。
・ひまわり館内にトイレあり。
・粟嶋神社駐車場にトイレあり。
・炉端かば米子空港店は福利厚生倶楽部会員割引あり。