不定期連載 陸道をゆく 話数知らず 還ってきたフルマラソン 04/03/21 荒川市民マラソン大会 【土日に何が起こったか】 4/21(日) 庵庵…鴨居〜菊名〜中目黒〜日比谷〜蓮根 …板橋スポレクスタンド…総武線の陸橋付近 …板橋スポレクスタンド…浮間舟渡〜武蔵浦和〜南浦和 …みなとの湯…南浦和〜浦和…寿司文−浦和〜赤羽〜新宿〜 4/22(月) 〜渋谷〜菊名…小机・泉谷寺交差点−庵庵 −:車/タクシー、…:歩き/走り、〜:電車 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ 人は、嘘をつかなければならないことがある。信 念を貫くには止むを得ないこともある。 だが少し、出だしが遅過ぎたのだろうか。 あれから彼此5年が経過していた。前回のフルマ ラソンを走った年に左膝裏十字靭帯を断裂した。 あれから5年。何時かこの断裂を乗り越え、フル マラソン業界に復帰しなければならない。アント ニオの使命である。ただ、「れば」はないのだ。 思い出したくは、ない。でも、遅過ぎたのだろう か。素人には一般に半年程度の準備期間が必要と されている。其の半年に人はどれだけ其れに傾倒 出来ると言うのだろうか。だからと言って、4ヶ月 程度では、少々短かったのかも知れぬ。知人が初 マラソン出場を宣言した。バッティングはしまい と思い、様々な大会を模索する。ただ、5時間程 度は免れないと尻込みすると、数多ある制限時間 5時間半の大会は敬遠せざるを得ない。矢張り、 ホノルルは天国か。日本国内で丸一日交通規制を 続けられるような暢気な地域は皆無か。さて、ど うするか、、、結局、会場までは他大会に比較し て割と近く、2度の出場で勝手も知っている荒川 市民マラソンに白羽の矢を立てる。出場者数が多 くて辟易させられるだろうが、其れは東京開催の 大会の宿命だろう。俺の真価は数キロ先に発揮さ れれば良い。 走り出したのは11月頃か。年明けには恒例の一人 箱根駅伝も開催した。大手町の読売新聞社前を出 発したものの、結局アスファルトの硬さに苛まれ、 東神奈川迄で其の日は脱落した。膝が逝かれてし まう。どうにかならないものか。幾許か走り方を 変えてみた。距離も伸ばしてみよう。を、何とか なるか?試行錯誤ながらも、重心を落として大腿 二頭筋に負荷が懸かる様にすれば、膝が逝かれ ずに済みそうだ。腹筋運動、背筋運動を毎日繰り 返し、余計なカロリー摂取を控えた。長距離を走っ てはアロママッサージに通って筋肉を解す。3度 の飯より好きな山は暫く涙を飲んで断念しよう。 大会まで1月を切った2月22日以降は禁宴宣言をす る。断った宴会は5,6回に登る。問答無用の宴会 野郎アントニオの面目はかなぐり捨てた。普段か ら体を張って来た積りだが、今回ばかりは何時も 以上の気合が漲っていた。自分の記録は自ら塗り 替えるものである。最後に走るのは俺なのだ。宴 会魂を鎮め、食欲を鎮め、ストイックに走り続け た。スピードなぞない。長距離をどうにか走れれ ば。表向きは4時間半を切れれば良いと公言して きた。ただ、自分の努力は4時間半で収まる積も りは微塵も無い。サブフォー。4時間を切ること。 辛くもアテネを逸した高橋尚子の敵を獲るために は、4時間の壁を越えるしかない。完走なぞ生温 い。死に物狂いである。4時間切って賞金が貰え る訳ではない。ただ、自分のために走る。信念の ために走る。集中して執着して信念を燃やした後 に何か花が咲くだろうか。何か咲けば儲けもの。 其の花を探して、今日も走るしかなかった。 3月になった。また社内同部署で人が倒れる。昨 年10月末に引き続き、である。今回は、既存の業 務を他人に割り振る上司の大岡裁きもない。終電 まで頑張っても終わらない。週一のマッサージだ けでは到底拭い切れそうも無い疲労が襲う。その ような宿命なのだ。きっと。だが、懸けた命は簡 単には取り下げることは出来ない。ただ、鍛錬で 贅肉が削ぎ落とされて来ているのか、過労がそう しているのかは分からないが、疲れ易い昨今では ある。答えは3月21日に出るのだろう。そろそろ 走るトレーニングも終盤に差し掛かる。距離を落 としてはいたのだが、脚の疲労が中々回復しない。 癒えていないのだ。カロリーコントロールも酣で、 寸前の一週間にカーボローディングを試みる。ぐ ぐ、炭水化物はエネルギーとして不可欠だった。 3日程炭水化物を激減させると、エネルギーの枯 渇を痛感した。迎え撃つ後半の3日間の積りが、 セーブし過ぎた気持ちが勝ったためか、野菜は大 量に喉を通過するものの、いざ炭水化物を過剰摂 取しようにも中々体が受け付けてくれない模様で ある。本目標がダイエットであれば、間違いなく 栄冠は目前であった。水曜日の昼は外出序でに新 宿まで来て態々ホクオーパンを齧り続けて水分欠 乏症となった。暫く肉食を断っていたのだが、コ ラーゲンが膝に良いと言うので手羽先も試してみ た。付け焼刃的で奏功したかは甚だ疑わしいのだ が。バランスが崩れていたのであろう。本当に其 れでトレーニングの足しになったのだろうか。本 当に絞るだけ絞っただけではなかろうか。金曜日 は送別会と言う大事なイベントにも拘らず、否、 業務に苛まれ、結局終電であった。レースが土曜 日であったら間違いなく故障は否めないであろう。 練習も十分やった。然し、仕事も、其れは其れは 十分こなして来た。別に褒められる程のことはし ていない。ただ、疲れた。 土曜日は久々の雨である。是は如何なる理由か。 寸前に練習をするな、と言う神の思し召しか。そ れにしても寒い。練習疲れは防げても、風邪を引 いてしまうだろう。神の悪戯には涙モノである。 予てから狙い続けていた鰻を俎上に呼ぶ。相変わ らず野菜は大量である。ただ、ビタミンを呼び起 こすには、遅過ぎたのであろうか。鰻よ、今夜は 雨が降っていて、お前の木琴が、聴けない。 日曜日、晴れた。多少寒い方がマラソン日和なの は明らかだが、雨中の泥濘を走らされる方が余程 厳しかろう。第一、給水所のボランティアが逃げ てしまうのではなかろうか。和太鼓隊も然り。い や、良く晴れたものだ。天はやるべきことはやっ てくれた。 浮間舟渡は飽きたので、三田線の蓮根から会場に 向かうことにした。然し、東横線、日比谷線から 乗り換えた三田線車内では、早くもジャージ姿の 老若男女が視線で牽制し合っていた。嗚呼、何故 斯くも殺伐とした車内なのか。高架区間が多く10 両編成の埼京線に比べると、殆ど地下で6両編成 の三田線内は陰湿な密度が濃過ぎて気弱なものは 辟易してしまう。蓮根駅から会場まではマラソン ランナーの大名行列であった。嗚呼、この惨事! 是ならば大人しく浮間舟渡を目指すべきだった。 無駄な神経戦によって数abicoのダメージを既に 負っていた。 練習時は何時もロンパンだったからと、今日も履 いて来てしまった。後々其れが仇になるとは露に も思わなかった。3月とは言え、未だ未だ肌寒い。 昨日また風邪を呼んでしまったかも知れぬ。其れ でも袖なしのナイキウェアに山用厚靴下で、準備 には抜かりはない積りであった。 号砲は呆気なかった。ホノルルの二の舞である。 スタート地点までが長い。いいのさ、僕には大き な夢があるのだ。左膝裏十字靭帯断裂ヘヴィー級 の部で優勝することだ。然し、昨今の調整で、ジュ ニアヘビークラスに体重も落ちてしまったかと思 う。靭帯断裂ヘヴィー級の部で一昨年前の秋には 勝沼の20kmコースでワールドレコードを出してい た。機は熟し切っていたのだ。今走らずに、何時 走る?重心を下げて歩幅は短く、6/8拍子を刻むと 波に乗れる。前半は河村隆一のLove is...を脳裏 に巡らせた。前回は満を持してサングラスと眼鏡 バンドを用意したものだが、荒川の水面を洗う風 には今回はダメージを受けなかったと思う。瞬く 太陽。ロングパンツは邪魔だったか。後悔が数キ ロ地点で早くも立つ。大腿二頭筋がオーバーヒー トしている。だが、暫くは快調であった。初っ端 1kmは渋滞に苛まれたものの、徐々にペースを回 復してはいた。春の麗の荒川を、汗と埃に塗れな がら、河口へ向けて民族大移動である。徐々に山 岳民族の頭角が現れんとしていた矢先だった。 名古屋を走ったらアテネも走るのは厳しいとプロ が言っていたのは嘘ではなかった。素人が1,2週 間前に長距離を走って疲労を完全回復させるなぞ、 無理な注文だったのだろう。我が膝は正直にも十 数キロ地点を過ぎた辺りから痛み出した。練習時 には其れ程の短期消耗はなかったと言うのに。以 前までのフルマラソンでは少なくとも2時間は痛 みを感じる事無く済んだと言うのに。我が努力と は一体何だったのか。膝への負担を軽減すべく、 上半身は可也絞れていた筈だ。靭帯を切ったのと は反対側の、右膝が疼く。左膝を知らずに庇い続 けて来た反動だろう。もう、一人で、歩けない、 か。コラーゲンは付け焼刃の片鱗さえ見せなかっ た。手羽先が安過ぎたのが祟ったか。誠に不運で ある。人は堕ち始めると、幾らでも不運たら占め た理由を思い浮かべてしまう。本当に命懸けだっ たのか。思い当たる幾つかのうち、1つでも潰せ はしなかったのか。弱った、或いは年を取ったと は口が裂けても言えぬ。何故脚は回復出来なかっ たのか。俺の脚も大変だったのだ。其れは其れは 毎日駆け抜けて来たのだ。疲れるのは当然だ。アン トニオの脚だ。然し、此処で故障とは、、、 早くも4時間の夢に暗雲が立ち込める。前回出走 時には潜る陸橋の上を走る電車の目くるめく色を 楽しんではいなかったのか。今日見えた電車は何 処にでも走っている其れでしかなかった。苦痛。 練習が果たして完璧ではなかったと言えよう。然 し、悔しい。不運は何故に俺に振り架かる。あま りにも悔しいので前進した。止まる訳には行かな い。時間を掛けない為の訓練を積んだのだが、失っ た時は戻らない。目頭が熱い。失った時を取り戻 すなぞ、非現実的だ。是から予定以上に失う可能 性がある時間を命の限り縮めるしか、ない。前へ 進め。風が過ぎ去ろうと、川が流れようと、鳥が 嘶こうと、快速電車が止まらなかろうと、ATMが ごっそり盗難に遭おうと、何も俺の膝の痛みを和 らげることはない。万物は無力だ。そして、自分 が其の中で一番無力であった。だが、無力のよう で実は俺には未だ微力が備わっていた。其の微力 が、大腿三頭筋を小爆発させ続けていた。 大脳辺縁系で奏でる6/8拍子はLove is...に代わ り、Forever Loveが登場する。某国の首脳が崇敬 する歌である。hideの高音域がヒートアップした 辺縁系に涼風の隙を与えてくれた。20キロを過ぎ て、人は越境する。ランナーズ・ハイ。違う。ク ライマーズ・ハイ。其れも今回は違う。バトラー ズ・ハイ。風に向かっていた。思い出したかのよ うにアスファルトを避け、土を踏み締めていた。 我がフィールドを、踏み締めていった。何時の間 に覚醒し、脚が言うことを利くようになった。一 線を越えていた。再び、4時間の壁を打ち破らん とする闘志が県境を逡巡する。是か。この数ヶ月 貯めてきたものは。確かに前日何もせず1mmも走 りもしない状態とは比較の仕様も無いが、何か吹っ 切れて軽やかな全身に武者震いが止まらなかった。 出来るのではないか。遣れるのではないか。行っ ちゃうぞ、馬鹿野郎! だが、30キロを過ぎて、普通の人に戻ってしまっ たのか、左膝内側副靭帯が言うことを利かなくなっ てしまった。寸分の加重で痙攣を起こしそうであ る。裏十字靭帯の代理出場は過酷であった。歩く ことも侭ならない。時速8キロをキープして5時間、 か。だが今更歩くことも出来ないのだ。棄権の2文 字は其れ迄鬼のように恥ずかしい行為と信じてき た。だが今、その様な選択肢しか目の前に見えな い。止めればきっと楽になれる。ただの男に帰る べきか。荒川岸のオープンなロッカールームにベン チを求めていたのか。敗者か。自分がこの数ヶ月 にして来たことは無駄に終わるのか。以前の4回 とは比較にならない程の積み重ねを経て来た自負 はあった。後どれくらいか。4時間の壁が無限に 膨らんで行く。俺は水泡に帰すのか。戦いが終わ るのか。楽になりたいのか。今、此処で止めて少 しは楽になるのか。この脚で歩みを止めようも、 大きな快楽は訪れはしまい。数ヶ月の努力を蝕む ダークサイドアントニオは打ち殺せ。生きるのだ。 苦悩を背負え。歩みを止めれば常人と心中を迎え ることしか出来まい。其れを越えるために走って 来たのではないのか。落伍者に記録の2文字は微 塵も残されない。例え30km走破していようが、貴 様は何故フルマラソンに参加したのかと詰られる だけだ。そう、そんな時、川田利明は何をしたか 思い出せ。屈伸だ。腱の緊張を解せ。今回はバナ ナの代わりにポケットに忍ばせていた筋肉鎮痛剤 も既に尽きてしまった。ロングパンツは熱い腿に は苦痛でしかなかった。給水序毎に1杯は喉を潤 し、1杯は頭から被り、1杯は右腿にぶっ掛け、も う1杯は左腿にぶっ掛けるなど、飲料水不足で困っ た世界中の人々には勿体無い水の激しい使い方で はあったが、是でも水冷効果は気休めにもならな かったと思う。以前までの4回と異なり、速度は 余り落ちてはいない。然し、休憩時間を多く採ら ねば前へ進めなくなってしまった。4時間、遠退 く。自分には出来ないのか。何をして来たのか。 明日からどう生きていけば良いのか。何故、何故、 腱は言うことを聞かないのか。弱かった。俺は。 どうして弱いのか。努力が足りなかったのか。笑 うしかない。ハハハ。嗚呼、空しい。 其れでも41kmを過ぎた。そして、4時間は、過ぎ 去った。是から先、何を目的に走ろうか。走る意 味があるのか。教えて、お爺さん。教えて、アル ムの樅の木よ。 時は非情だった。何も言わず、過ぎ去って行く。 世界に抗う男が泥塗れになりながら、暗い夜道を 一人、走るしかなかった。時の雪崩に窒息し、時 の洪水に沈没した。そうやって、また日々が過ぎ 去って行くのか。100回練習して100回成功させら れないものを本番に活かせる訳がないと慰めるべ きか。成功した者は必ず努力が実ったものではあ るが、努力さえすれば成功が掴めるものではない。 1997年の12月、2度目のホノルルマラソンで目標 だった5時間を切れず、泣いた。そしてまた、今 日も涙を流さねばならなかった。人は我が完走を 褒め称えてくれる。有難い。完走は確かに尊いも のである。だが、過去4度のフルマラソン経験者 が、年齢や膝裏十字靭帯断裂、或いは寸前の不可 抗力の理由によって完走だけで満足する訳には行 かない。走れ、走るのだ。例え41kmを越えようも、 其処で歩みを止めてしまえば、其れはフルマラソン ではないのだ。 4時間9分23秒。 10565人中4509位。 人が倒れてとばっちりを受け、仕事量が増えて過 労気味だった。が、今日に命を懸けていたのなら ば、何故其の時に断らなかったのか。或いは、本 当に命懸けならば仕事くらい辞めるべきだったの ではないか。信念の欠片が葛藤を乗り越えたとで も言うのか。動いたのか。すべてが、アントニオ の選択の結果であった。其れが、アントニオの生 き様であった。4時間、切れなかった。其れもま た、人生か。 引き摺る足もあれど、前回のホノルルよりはベター な足具合だろうか。預けた荷物を引き取り、足を 引き摺りながら露店のテントを目指す。あれさえ なければ。「れば」。悔恨は飲食欲を未だ容易に 回復させはしない。露店の魅力が薄れていく。存 分空腹の筈なのだ。何とか、生ビールの4文字に 躍らされたものの、黄金水は迸ると呼ぶには程遠 い。未だ未だ気楽な姿勢にはなれない。ステージ 近くの完走舟人鍋で胃を満たそうか、、、然しス テージ前は人だかり、本当に完走した者だけが並ん でいるのか非常に訝しい。ただ、もう、アントニ オには行列に並ぶ気力も無い。スーパードライに は真っ先に在りついたが、喉元を迸るには程遠い。 疲労し過ぎて食欲もない。マラソン後のお気楽空 間に自分の居場所も見当たらない。浮間舟渡行き の送迎バスの行列に並ぶ気も失せ、両足を引き摺 りながら駅へ向かう。9分23秒。頑張れなかった のか。たられば、はないのだ。自分は此処数ヶ月、 何をしてきたのか。確かに此処までの道程には大 勢の協力が不可欠であった。成功すれば皆のお蔭、 失敗すれば自分のミスだ。駅の新宿方面ホームは ランナーと関係者でごった返し、ぽっかり穴の開 いた余韻を掻き消す喧騒にウンザリした。みんな、 消え去れ。そんなに楽しいのか。そして、余韻を 慈しむように、ガラ空きの大宮行きの列車内に、 一人、凭れていた。人は完走を褒め称えてくれる であろう。然し、其れで良いのか。前回より30分 以上も記録を更新しようが、気休めにはならない。 健康者の傲慢と言われようが構わない。我が努力 は、完走程度の称賛如きのためのものではなかっ た。もっと崇高なターゲットが存在したのだ。負 けた。空は青く、顔中は日焼けで色濃い。どう生 きて行けば良いのか。たった4ヶ月の努力が実を 結ばないなんて、努力のプロに笑われることだろ う。完走した者にしか理解不能な思考に陥って粋 がってないのか。ショーシャンクの空が目頭を覆 う。そして青い海が。一瞬の夏は、是で終わった。 崇高な、嘘だった。 4時間の壁。未だ立ちはだかってくれて、有難う。 (完) ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ 付録: 山旅アドバイス ・日焼け止めはした方が良い。 ・ロングパンツは暑い。プロは長距離には履かない。