不定期連載 麦道をゆく 第11話 09/06/10~ wood house cafe (エチゴビール90Days Stout、ベアッド帝国IPA、伊勢角屋ペールエール、 富士桜ヴァイツェン) GRIFFON (銀河高原スタウト、國乃長マリハナブラウン、箕面WIPA、) 麦雑穀工房マイクロブルワリー (夏の小川、雑穀ヴァイツェン、小川ポーター、山椒ポーター) PIVOVAR YOKOHAM (グリーンフレッシュ、ピクシー、ダークラガー) 【炎のスタンプラリー】 6/10(水) 津田沼〜千葉…wood house cafe…千葉〜西船橋〜日本橋〜渋谷 〜菊名〜鴨居…庵庵 6/12(金) MNC…新横浜〜菊名〜日吉〜洗足…PANGAEA(未遂)…洗足〜大岡山 〜自由が丘〜渋谷…GRIPFFON…渋谷〜菊名〜鴨居…ダイエー…庵庵 6/13(土) 庵庵…ららぽーと横浜…鴨居〜菊名〜渋谷〜和光市〜武蔵嵐山 …マイクロブルワリー…小川町〜池袋〜田端〜秋葉原〜両国 …(界隈散策・)Popeye…両国〜代々木〜渋谷〜菊名〜鴨居 …業務スーパー…庵庵 6/14(日) 庵庵…ららぽーと横浜…鴨居〜菊名〜渋谷〜新橋…Bulldog …新橋〜横浜〜桜木町…PIVOVAR…桜木町〜鴨居…ダイエー…庵庵 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ 2009年クラフトビアキャンペーンのスタンプラリー が開催されており、夢は麦野を時速300kmで駆け抜 ける日々が続いていた。 wood house cafe 業界の展示会が、嘗てはここしか会場がない、と思 われていた幕張メッセにて催行されていた。しかし、 展示する側に立てど、エンドユーザは見えず、展示 される側に立てど、話の理解できるパートナーも見 つからない昨今、千葉県内に拠点のあるユーザ訪問 を夕方に誘導していた。当日、強風だかで京葉線の ダイヤが乱れているとのことで、往路は津田沼経由 となった。ユーザ訪問時間も思ったより長かったが、 結局帰路も津田沼に戻り、営業さんと別れて南へ向 かった。千葉駅の北口は、思ったより閑静であり面 を喰らう。店のHPに掲載されていた絵地図の縮尺と 実際とを鑑みながら、駅から5分程でwood house cafe に到着した。見るからに、カフェである。カウンター もあり、その先にタップも見えたので少々安心した。 17時台ともあり、店内の他の客は全てアルコールを 口にしてはいなかったが、そのようなものに惑わさ れていてはいけない。酔わないうちにスタンプ帳に スタンプをお願いした。タップは5つ。棚には焼酎 に珍しい古酒さえある。右手の冷蔵庫には赤ワイン も寝ている。そして、やはりカフェである。1時間 以上飲んで、そろそろビールタイムと思しき時間帯 にも、コーヒーのためだけに来店する客も居るのだ。 厨房内は頑固な洋食屋さんの親父が、ビールの摘み にと黒胡椒入りベーグルを提供してくれた。これは いけた。そしてカウンターは娘さんであろう、コー ヒーも当然その都度豆から挽いては少々テイスティン グしてから客向けカップに注いでいた。その一連の 作業はとても精巧で、つい見惚れてしまった。アン トニオが当日飲んだ以外には残り、志賀高原のバー レーワインがあったのだが、Sar's Barで飲んでい たし、程ほどに、と思って辞去した。少々遠方では あるが、再訪を考えたい、うぬ、海外帰りに一杯?、 或いは、また今日のユーザ訪問の帰りにとか、、、 GRIFFON スタンプラリーは命懸けならぬ胃袋懸けである。今 日は、金曜に飲み放題のあるPANGAEAを目指す。洗足 駅に降り立ち、静かな駅前を歩いて数分、地下への 扉を開けると、、、どうも様子がおかしい、、、団 体貸切か、、、店員と思しき方が「今日はほんとは 休みで貸切なんですけど、、、またいらしてくださ い」とのことである。HPには何の記載もない。しか し、後日HPを見ると、「行っても休みだった」「不 定休だからいつ休みか分からない」の声には下記メー リングリストへ登録をされたし、の主旨が記載され てあった。仕切り直しだ。洗足の仇を討つのは、、、 中目黒が一番近いのだが、ここは一念発起し、金曜 夜の渋谷に繰り出すことにした。東口の再開発地帯 のR246沿いにあった。恐る恐る地下に潜ると、、、 思ったほど込んでいなかった。カウンターに陣取り、 酔う前にスタンプを押して貰う。タップ数は10程度 だろうか、常時9酒類の樽生が飲めるようである。 迷ったので店員さんにお勧めを聞き、銀河高原のス タウトを頂く。銀河高原ビールと言えば、もう10年 程度前に新横浜に直営店が存在したのが夢の跡。ヴァ イツェンはスーパーのビール売り場に見かけること しばしばであるが、スタウトはあまり見なかった。 そして、國乃長である。この社名はネット検索で知っ たが、樽生を飲める店が蔵元界隈でも探せないので はと思っていた。マリハナブラウンの名前も擽る。 そして、その芳香に酔ってしまう。毬花の名前はキ リンの一番絞りの季節限定に冠せられたくらいしか 記憶にないのだが、この語感はもっと活躍しても良 いと思う。ただ、毬花とはホップであるから、確か に一億杯総毬花なのではあるが。店員3人とも女性 で、特にチーフと思しき方の注ぎ姿勢にはやはり惹 かれてしまう。箕面のWIPAの次に何を飲んだか覚え ていないが、洗足の仇は十分討って余りあった気分 である。松の実の載ったピザもビールに合う。 麦雑穀工房マイクロブルワリー ラリーも折り返し地点である。以前、関西行脚で1日 4軒制覇した時は無理したと痛感し、週末と言えども 2軒に留めようと考えていた。マイクロブルワリー愛 好家としては小川町を外すことはできない。しかし、 旅だ。移動時間を考えても小川町ともう1軒が限度で あろう。天候も今一つだから、嵐山から走るとする か。既に走った経験もあるため、地図の印刷もせず 現地へと向かった。蒸し暑い。この季節に走るべき ではなかったと後悔しながら7km程度は走っただろう か。残念ながら、武蔵嵐山駅からマイクロブルワリー までノンストップとまではいかなかったが。東上線 の距離で7kmある1駅区間だが、線路に沿った道はな いため、駅to駅で8km以上はあったことだろう。発汗 性の良いTシャツで汗だくになりながら、ブルワリー の暖簾を潜った。いつもながらの自家製のパン、地 場の野菜、そしてメインのビールも含めて全て、お 袋の味を感じる。旨い。季節によってはブルーベリー エールやねこじゃらしエールも乙である。マイクロ ブルワリーに来てからこそ飲む意味があるのだ。界 隈には酒造が3軒ある。小川町は清らかな水を湛え、 和紙の里のみならず、酒の里でもあるのだ。偶々別 機会に箕面の山椒ペールエールを飲んだのだが、山 椒とすればこちらの山椒ポーターの方が個人的には お勧めである。 PIVOVAR 有楽町の店が日曜昼間とあって樽生が殆ど売切れ状 態であった。ガッ栗。仕切り直しすべし、しかし金 曜の失敗もあるから、桜木町に向かう前に店には電 話をかけて営業状況を確認しておいた。確かにあの 店で貸切は余計な心配かも知れないが、備えあれば 憂い無し。以前、2階が貸切で飲めずに退散してしま い、これまた苦い思い出だが、灯台下暗し、1階の、 失礼ながらお客さんも従業員もあまり見かけないと ころに、福が残っていた。驚きの発見であった。グ リーンフレッシュ。濃いを通り越し、濃ゆいIPA。 しかも、一般的なパイントグラスより量もあるお洒 落なグラスである。さすが、蔵元。天晴れ。この濃 さ、文句があるなら飲むな。アントニオは愉快だっ た。この1杯で銀座での鬱憤を存分晴らすことができ たにも拘らず、次のピクシーもオリジナリティー溢 れており、蔵元、万歳としか言いようがなかった。 カリフォルニア産のオレンジをふんだんに利用して いることは間違いないのだが、一般的なフルーツエー ルよりビール度が濃い。こちらも通向けの味と言え よう。ダークラガーも美味しく、一巡してまたグリー ンフレッシュを頂いてしまった。横浜関内地所ビル 1階は発見であった。 (完)