不定期連載 山道をゆく 第260話
不定期連載 麦道をゆく 第54話
13/08/03
空木岳(日本百名山、信州百名山、庵選千名山576)
味わい工房(デュンケルヴァイツェン、アップルホップ、アンバーエール)、
駒ヶ根ファームス売店(気の里エール)
【空】

8/3(土)
庵庵−中原街道−R16−八王子バイパス−八王子IC−中央道−八ヶ岳PA
−辰野PA−駒ヶ根IC−県道75号線(駒ヶ根駒ヶ岳公園線)−光前寺交差点
−林道古城線−林道終点付近…遊歩道…池山小屋付近の水場…遊歩道
…マナセギ…大地獄…迷い尾根…子地獄…ヨナ沢の頭…分岐
…空木平避難小屋…お花畑…駒峰ヒュッテ肩…空木岳…ヒュッテ…駒岩
…分岐…迷い尾根…遊歩道…水場…遊歩道…林道終点付近−林道
−駒が池−こまくさの湯…味わい工房…駒ヶ根ファームス…こまくさの湯
−県道75号線−駒ヶ根IC−中央道−八王子IC−R16−八王子バイパス
−中原街道−ESSO白山店−庵庵

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今年は光祖空飯。百名山を計画的に、先ずは先月祖母攻略に成功を収めた。続くは空であろう。伊奈川ダムからの山中1泊周回コース案を温めてはいたが、方々のHP上の山行記を漁っていると、木曽殿山荘は予約なしでは泊まれず、またシーズンは当然ながら混雑が避けられないとのことである。別の期に南駒と越百を攻めるのは少々惜しいと思いながらも夜行日帰りプランに変更することにした。伊那側から入山するのであれば、運転する距離も短くて楽だろう。1時過ぎ出発で5時くらいにはスタートしたいものである。
前日の業務も早めに切り上げ、4時間程の睡眠後、庵々を発つ。R16は混雑しておらず、スムーズに中央道に乗ることができた。普段携行する900mlのPETボトル1本の水では昨今の酷暑に耐え切れないと心配し、下車前のPAにてスポーツドリンクを購入した。駒ヶ根インター付近は冬場には歩いているので勝手は多少知っていたが、池山方面は未踏である。看板もなく、ナビなし休部号では方角が正しいか不安は過る。林道に入って路面の起伏も激しくなり、やる気を幾度となく削がれそうになったが、少々前方にもこの路面起伏と格闘しているタクシーを発見し、方角の正しさは確認でき、僅かながらも気力は回復した。駐車場らしき箇所に先客1台分とトイレがあった。ウソだろ。こんなに空いている筈はなかろう。タクシーも停車せずに通過して行ったことだし。先がある筈だ。次第に路駐車両の数は増した。やばい、矢張り込んでいたか。空きスペースで素早くUターンし、小型車クラスならば何とか収まりそうなで、林道終点から左程遠くない地点の路肩に空きを確保した。夏山の賑わいだ。兵揃いだなぁ。
お握りを食べ、出発する。好天は間違いない。長丁場だ。焦るな。先月の九州行脚でリハビリし切れてはいない。特に2日目の傾では予想外の所要時間を掛けてしまい、不十分さは否めなかった。ただ、テンションも高く、心なしか傾斜も緩やかに感じられた。木々の緑。スマホ購入後初の2000m超山行である。山頂には何が待っているのか。池山小屋手前の水場は冷たくて美味しい。今日も体調万全だ。再度遊歩道コース、登山コース分岐に接したが、無難に遊歩道コースを選択した。
快調である。傾斜も優しい。トレイルラン向けなのだろう。マセナギから少々道も山らしさをますが、大地獄、迷い尾根、小地獄とは一体何処の難所を指し示すのか訝らざるを得ないほど、歯応えはなかった。ヤセ尾根とも感じなかった。頗る健康だ。


次第に森林限界に近付き、視界も開けて来た。分岐からの選択だが、指導標には、左側は避難小屋は存在するが、小屋経由で山頂に行けることへの記載はなかった。手元の地図が古く小屋経由の山頂ルートが廃道化してしまったことも考えられたが、手元の地図では避難小屋経由の方が右側の駒岩経由より登りについてはコースタイムが5分短くなっていた単純な理由で左ルートを選択した。木の根で歩き難さは否めない。また、小刻みのアップダウンも多い中、徐々に下らされて分岐よりも標高の低い小屋へと導かれてしまった。山頂までは余計に登らねばならないのか。。。だが、やがて小屋の周辺に広がるはお花畑!山頂方面への急斜面も展望でき、、、未だ先は長そう、、、お花畑!進んでいるのか、、、お花畑!急だなぁ、、、お花畑!総じて我が選択に誤りがなかったことが、後々示されるのであった。

















10時前に山頂に到着した。10時間15分コースで4時間半程の登りであるから、悪くはないペースだろう。南駒、御嶽、のち雲海。少々ガスが上がって来ているが、大展望に大満足である。中ア百名山、フィニッシュ!それに相応しい展望であろう。勿体ない気もするが、ガスは南駒方面を覆いつつあり、コースタイム4時間超をプラスしながらガスに捲かれる前の南駒ピストンをやれる自信はない。気分は既に、大麦・小麦ワールドへ。無念だが、下山することにした。本当に無念なのか。








駒峰ヒュッテにて缶ビールが販売されているようだが、宿には申し訳ないが興味はない。帰路は駒岩ルートを選択したが、こちらも多少のアップダウンはあるものの総じて歩き易い。次第に辺りはガスに覆われてしまう。あと30分登頂が遅れていれば、空木も要リベンジ対象となっていたことである。運が良かった!ガスがなければ駒岩ルートも展望著しかったろうに、、、もう気分は味わい工房に飛んでおり、消化試合モードである。先程の分岐にて、進路を決めかねているグループに双方のコースの特徴を説明する余裕すらあった。怪我が心配そうな急な下りはないが、油断は禁物だ。早く、ゆっくり。早く、ゆっくり。やれるだけのことはやった。南駒と越百には少々後ろめたさは残ったが、昨今の夕方ゲリラ雷雨を鑑みれば、止むを得ない。また来れば良い。迷い尾根にて迷うこともなく、遊歩道後に水場でまた喉を潤す。空木、やったぜ。
何とか無事に下山した。南駒ピストンを加えるのは無謀だったことだろう。と言うか、もう心、此処に在らず。途中数名に追い抜かれたりしたが、まぁ良い!!兵は居る!山岳業界に光ではないか!車に到着し、ブーツを脱ぎ、フジメタシンを脚に塗り、あの地へgo!引き揚げ時の林道は快適、、、ではなかった。標高は1400m程度だったろうか、幹間から覗く下界はまだまだ低い。天空を走っているような感じだ。休部号にとっては厳しいガタガタ振りで、できれば今後は敬遠したい。駒が池まで下り、少々駒ヶ岳方面に進んでこまくさの湯の駐車場に車を置く。季節限定ブルーベリーホップは生憎切れてしまっていたが、少々遅い昼食として地場野菜カレーを食べながら、アップルホップ、デュンケルヴァイツェンにアンバーエールを嗜んだ。特にデュンケルヴァイツェンの芳醇、濃厚さには自ずと顔も綻んでしまう。どうやらファームス一帯がキャンペーン中のようで、1000円購入につき1回くじ引きが出来るようだ。味わい工房の表では、これも長野県での購入は十数年振りだろうか、おやきを購入した。全部で6種、しめじ、なす、野沢菜、かぼちゃ、あずき、切り干し大根。工房飲食も合わせてタッチパネルくじ引き4回!1回瓶ビールお土産!1回工房スタンプカード5/6スタンプ済カード、2回スナックお土産!野菜直売所屋外でまた工房内とは別の生ビールが提供されていたことから1杯いただき、+地場野菜500円でもう1度くじ引きの権利を獲得し、3種類目のスナックお土産を入手した。スナック土産全種目制覇であった。価格的には瓶ビール1本分より上だと思うが、アントニオは食うより飲みたかった。まぁ、1本でも満足すべきだろう。
温泉に戻り、浴場にて汗を流す。マンションを購入してから日帰り山行脚で温泉に寄るのは初めてではなかろうか。汗を流してすっきり、休憩所で暫くごろごろする。暫く経過後、食堂に降り、ソースかつ丼を食す。丼ブームはもう20年近く前ではなかろうか、今ではすっかり目立たなくなったソースかつ丼である。味は申し分はないが、特に安い訳でもなく、まぁ、そんなものか、程度の感覚だった。
日も落ちようとする頃に温泉を発つ。高速は渋滞していないだろうか。駒ヶ根インター入口で渋滞案内表示があれば、数インター分下道を使って遣り過ごそうと思っていたのだが、表示盤に何も表示されてはいなかった。本当か?半信半疑だが、下道経由も面倒なので、結局駒ヶ根インターから中央道に乗ることにした。流れてはいたが、高速道路上の案内盤には小仏トンネル渋滞十数キロだと。。。駒ヶ根インターの盤は壊れていたのか。参ったな。ただ、東へ戻るに連れ、その渋滞は徐々に短くなって行った。渋滞よりも心配なことがあった。出発から無給油だったので、ガス欠の恐れがあった。意を決し、走行車線を通常より低速で運転することにした。慣れればストレスは少なかった。うむ、悪くない。大月付近で遂に燃料切れ警告ランプが点灯した。自宅まで持つ計算だが満を持して低速走行を続行した。スピード控えめのまま、小仏トンネルに至るころには目出度く渋滞は解消していた。
八王子インターを降りてからのR16も空いていた。鵜野森辺りで給油すべきか躊躇いはあったものの、期待した程リッター価格は安くはなかったので、もう少し休部号には頑張って貰うことにした。確かに21時過ぎだからか、R246との交差点もスムーズに通過できた。直接マンションに戻らず、ESSOに寄って本日も再度リッター2円引きのクーポンを入手した。有意義な山行だった。南駒と越百延期は少々惜しいが、来たぜ、空木。空は青かったぜ。
(完)

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付録:

山旅アドバイス
・林道古城線は低床車は不向き。シーズンの土曜日は朝5時でも駐車スペースの確保に難儀する。